biohazard 惨劇の街の脱出   作:如月ユウ

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21話

低温実験室に入ると中は寒かった。

 

「なんだよここ。寒すぎるだろ。」

 

部屋の中は寒いという次元ではなかった。

部屋の中は凍っていたのだ。

床や天井だけではなく機材も凍っていた。

 

「はやく調べないと凍ってしまう。」

 

修司は寒さに震えながら周りを調べるが役に立つものがなかった。

 

「何もないしはやく出よう。」

 

寒さで倒れる前に低温実験室を出る。

 

「次はこの部屋か。」

 

真ん中の部屋に入ろうとしたがアナウンスが鳴る。

 

「安全性に問題が生じました。

速やかに原因を調査して下さい。

問題が解決されない場合

爆破プロセスに移行します繰り返します。」

 

アナウンスが再び繰り返す。

 

「急いだほうがよさそうだな。」

 

修司は急いで真ん中の部屋へ入る。

 

「ここは寒くないが…」

 

活性処理実験室に入るとゾンビが複数徘徊しており修司を見ると近づいて来た。

 

「急いでいるんだ。」

 

アサルトライフルをセミオートに切り替えて撃つ。

フルオートだと反動で機材にあたってしまう。

もしジルのワクチンをつくる機械なら壊してはならない。

焦っているがここでミスをすれば全てが無駄になる、

ゾンビを全て倒したあと一体一体頭を撃ち

撃ち残しがないようにした。

活性処理実験室が安全だと確認したあと急いで机を調べる。

 

「これはなんだ?」

 

資料をまとめたファイルを見つける。

開いて見るとワクチンの生成方法が書かれていた。

 

「培養液ベースとワクチン培養液が必要なのか。」

 

机に転がっていた二つを手に取る。

一つは細長いプラスチック容器ともう1つはアンプルを見つける。

書かれている文字を読む。

 

「ベース…ワクチンこれか!」

 

修司は大きな機材にアンプルと細長いプラスチック容器をセットして動かす。

アナウンスが鳴る。

 

「ワクチンが出来るまでしばらくお待ちください。」

 

機械が動きだす。

完成まで時間がかかるだろう。

 

「ワクチンが出来るまで証拠を探そう。」

 

ワクチン完成するまで何か証拠になるものを探す。

PCの隣にあるMOディスクに目がとまる。

 

「なんだろうこれ?」

 

PCにMOディスクをいれて調べると

Tウィルスに関するデータ

B.O.Wの戦闘データ

ワクチンの生成方法

アンブレラの情報が多く保存されていた。

さらに詳しく調べると

 

「こいつは…!」

 

B.O.Wの戦闘データで気になるデータがあった。

大男の裸体の画素であるが

腎臓が右胸にあり露出しており

左手は大きな爪になっていた。

修司達を襲った大男と似ている。

 

タイラント

成人男性をベースにウィルスを投入。

肉体強化を施した圧倒的な攻撃力と耐久力を持つB.O.W

しかし俊敏性に欠けており

改良の必要あり

生命危機に瀕した場合リミッターを解除し

「スーパータイラント」へ変化する。

しかし当初はこれを想定していなかった。

 

修司は次のデータを見る。

先程みた画像と同じだが

左手の爪が大きくなっていた。

 

スーパータイラント

タイラントが生命危機に陥った場合リミッターを解除

左手の爪がさらに大きくなる。

戦闘能力、耐久力が上昇

高速で相手に急接近して攻撃可能

しかし暴走状態になる為

さらなる改良が必要。

 

「人体実験なんてしていたのか。」

 

ウィルスだけでは物足らず

人を使って実験をし怪物をつくっていた。

 

「これはもらっていったほうがよさそう。」

 

PCからMOディスクを取り出してファイルと一緒にリュックへ入れる。

機材の動きが止まる。

 

「ワクチンが完成しました。」

 

機材からワクチンを取り出し

 

「これでジルさんを助けられる。」

 

もうここに用はない。

活性処理実験室を出るとアナウンスが鳴る。

 

「まもなくイーストエリアを封鎖します。

繰り返します。

まもなくイーストエリアを封鎖します。」

 

「ヤバい!」

 

もう1つの部屋があるが確認する時間がない。

修司は急いでイーストエリア通路を出る。

 

「間に合え!」

 

修司はメインシャフトに向かって走り、イーストエリアを出ると同時に背後のイーストエリアへ続く扉のシャッターが閉まる。

とても強固なシャッターであり今の装備じゃ破壊は不可能だろう。

 

「はやく警備室に行かないと。」

 

修司は警備室へ移動しようとしたがウェストエリアからレオンとクレアが出てきた。

 

「修司!」

 

「レオンさん、クレアさんワクチンは?」

 

「大丈夫だ確保した。修司その格好は?」

 

「時間がありません。はやくシェリーとジルさんにワクチン打たないと」

 

「待て、どうしてジルにもワクチンを?」

 

「触手の方のコート男に感染して…」

 

「あいつ生きてたの!?」

 

「はい、けど俺がロケットランチャーで止めをさしました。」

 

「そうか。」

 

「はやく行きましょう。」

 

「えぇ。」

 

レオンとクレアの二人と合流し

警備室に向かうがメインシャフトの中央に細長い棒がぶつかり一時停止してしまう。

 

「何が起きた!」

 

レオン達が来たウェストエリアからGバーキンが現れた。

上半身全体を中心に身体がさらに肥大しウィリアムの頭部が左胸へ押し退かれ半分が埋まっている。

そして新たな頭部が形成されていた。

右腕が大きく発達し爪がさらに伸びた。

目玉は右腕全体を覆うように成長し

左腕は大きく成長してるが人の形はなんとか留めている。

左右の脇腹に新たに腕が整形されていた。

 

「ウィリアム!?」

 

「シェリーがみたら気絶するな。」

 

「急いでいるのに!」

 

修司達は銃を構える。

 

 




次回バーキンの成長がみれます。

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