biohazard 惨劇の街の脱出   作:如月ユウ

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今回は戦闘ナシです
会話のみです
ついに地下研究所へ


15話

アリゲーターを倒して修司達がいる部屋に戻ると

シェリーはぐったりしていてクレアの体に張りつくように抱きついていた。

 

「レオン大変なの。

シェリーが急に咳き込んで体調が良くないの。」

 

「噛まれた跡はあるか?」

 

「身体を調べたけど

どこにも見当たらない。」

 

「もしかするとウィリアムに胚を植え付けられた可能性があるかもしれないわ。」

 

「そんな…」

 

「アネットからカードキーを貰った。

急いで地下研究所に行こう。」

 

シェリーのワクチンを探しに

修司達は急いで地下研究所へ向かった。

 

 

下水道へ戻り滝になっている場所にカードキーの挿入盤を見つける。

カードキーを差し込むと

滝はなくなり、奥に扉を見つける。

扉を開けて道なりに進むと外に出てターンテーブルがある部屋へたどり着く。

 

「あの建物の中を調べてくる。」

 

レオンはターンテーブルの真ん中に設置してある建物の中にはいった。

数分後レオンは出て来た。

 

「中は安全だ。はいって大丈夫。」

 

修司達は建物の中へ入り

レオンはターンテーブルのパネルの電源を入れた。

少し揺れた後、警報が鳴り

ゆっくり降下していった。

レオンはパネルの自動操縦だと確認すると操縦席から離れイスに座る。

 

「少し休めそうだな。」

 

「そうね。」

 

全員イスに座り休んだ。

地下研究所にたどり着くまで誰一人、口を開かない。

最初に口を開いたらのは修司だった。

 

「あのジルさん。」

「何かしら?」

 

修司のリュックから弾箱を取り出して

マガジンに装填していた。

 

「なんでアンブレラはこんな事をいままで隠していたんですか?」

 

修司は不安だった。

突然周りがおかしくなったのだ。

朝までは何もなかったのに

人が人を食べる。

大型した生き物が現れる。

化け物に襲われる。

怪物に変身する。

銃も効かない大男に狙われる。

街はそんなものが溢れてしまった。

不安にならない筈がない。

 

「アンブレラは自分の私利私欲の為に警察署、新聞社、報道等に賄賂を渡して隠ぺいしていた。」

 

ジルは続ける。

 

「私達S.T.A.R.SもアンブレラのB.O.Wの戦闘データをとる為のモルモットに過ぎなかった。

アンブレラのモルモットとは知らずに。」

 

「モルモット…」

 

修司は怒りを隠せなかった。

人が死んでいるのにも関わらず

アンブレラは自分の利益の為に簡単に切り捨てる。

そして利益の為にまた人を殺す。

 

「あとあのコートの男はなんですか?あと触手がある大男。」

 

「触手のほうは分からないわ。

けどあの二人は同じB.O.Wだということは間違いないわ。」

 

「なぜ俺達を狙う?」

 

レオンも弾箱から弾薬を取り出しマガジンに装填していた。

 

「口封じの為ね。

もし脱出してこの街のことを話したらアンブレラにとって致命的よ。」

 

「触手の大男はどうしてジルを?」

 

クレアはシェリーを膝枕をして撫でていた。

 

「あの洋館の生存者だからという可能性が高いわ。

私の同僚ブラットもあの大男に殺されたの。」

 

修司は報告書の内容にブラットという隊員がいることを思い出す。

 

「じゃあもし、バリーも街にいたら…」

 

「私と同じように狙われていたわ。」

 

修司はバリーがいれば頼もしいと思ったが

バリーもネメシスに狙われる。

バリーにも危険がともなうことになる。

 

「バリーが先に脱出してよかった…というべきだろうか。」

 

「それは分からないわ。

けどバリーが安全な場所にいるということは事実よ。」

 

「そうですね、それだけはわかってよかったです。」

 

「ロバート、体は大丈夫?」

 

「痛いのは変わらないがさっきよりマシだ。」

 

「銃は使える?」

 

「支障はないが、骨に響くな。」

 

「休める場所でいたほうがいいわね。」

 

「すまない。」

 

「ボブは悪くない。

俺を庇ってくれたんだ。」

 

「そうか…」

 

ゆっくり降下していくターンテーブルは揺れて止まる。

地下研究所に着いたようだ。

 

「着いたようだな」

 

レオンとジルは立ち上がり

部屋を出て銃を構える。

目の前に扉が一つ。

左右に別れてエレベーターと自動扉があった。

目の前の扉を開けて中を確認する。

中は警備室になっており

人はいなかった。

 

「安全そうだな。」

 

「そうね皆を呼ぶわよ。」

 

警備室を出てターンテーブルの部屋に戻り修司達を呼ぶ。

 

「警備室を見つけたわ。

中は安全よ。」

 

「わかった。立てるボブ?」

 

「ちょっと痛いが大丈夫だ。」

 

「シェリー大丈夫?」

 

「うん…」

 

ロバートは修司の肩を借り

クレアはシェリーを抱いて部屋を出た。

レオンとジルが周りを警戒し警備室の扉を開けた。

シェリーは簡易ベッドへ寝かせ、寒くならないようにクレアは自分が着ていたベストをシェリーに着せた。

 

「これ…」

 

「お守りよ。あなたにあげる。」

 

「ありがとうクレア…」

 

「パパとママに会いたい?」

 

「ううん全然、パパとママ研究以外興味ないもん。

一人でいるほうが好きだし。」

 

クレアはシェリーの頭を撫でる。

シェリーは我慢しているのだろう。

本当は今すぐ両親に会いたいのに

シェリーは咳き込んだ。

 

「ごほっ、ごほっ…」

 

「悪化している急いだほうがいい。」

 

「そうね。シェリーすぐ良くなる薬を持ってくるわ。」

 

「行かないで。」

 

シェリーはクレアの手を握る。

 

「おねがいどこにも行かないで。」

 

クレアはシェリーの様態が悪化しているのはよくわかる

手を握る力がとても弱くなっている。

 

「大丈夫だ。お嬢ちゃんは一人じゃない」

 

ロバートは立ち上がり

シェリーの横に座りシェリーの手を握る。

 

「俺が一緒にここにいるから。」

 

「本当?」

 

「あぁ本当だ。」

 

ロバートはにっこり笑う。

 

「クレア達はシェリーが元気になるお薬を持ってきてくれる。

だからおじさんと一緒にここで待ってよう。」

 

「うん…」

 

「クレア頼むぞ。」

 

「えぇ」

 

ロバートとシェリーを警備室へ残して部屋を出る。

 

「はやく見つけましょう。」

 

「そうだな。」

 

ワクチンを求めて進もうとしたらレオンの無線機に連絡がはいった。

 

「まて無線が入った。」

 

レオンは無線機を取り出す。

 

「レオン聞こえる?」

 

「アネットか!?」

 

「シェリーは無事なの?」

 

「ロバートと一緒に警備室に休ませている。」

 

「そう…」

 

無線越しからアネットは安堵したのか、ため息をついた音が聞こえた。

 

「けど胚は植え付けられて危険な状態だ」

 

アネットは何も言わず無言になる。

 

「アネット聞こえているのか。」

 

「あの女には気をつけて。」

 

「女だと?」

 

「エイダ・ウォンよ。」

 

「エイダ?」

 

「彼女はGウィルスを奪う為に送られた工作員で研究者から情報を得ていたの。」

 

「やっぱり…」

 

ジルは納得したように頷く。

 

「あの洋館で見つけた情報にエイダという名前があったわ。

彼女はアンブレラの研究社員と付き合っていたらしいわ。」

 

「それ本当なの!?」

 

「えぇ。」

 

「目的の為なら手段を選ばない危険な女よ。」

 

「何言っているんだエイダはそんなこと。」

 

再びアネットは無言になる。

 

「アネット、アネット!」

 

ブツッと切れた音がした。

 

「くそっ切られた。」

 

「エイダのことは後回しよ。」

 

「そうだな。今はワクチンが最優先だ。」

 

「それで全員で移動するの?」

 

レオンは首を振り

 

「いや、時間がない二手に別れよう。」

 

「じゃあ誰が誰と一緒に?」

 

「俺はクレアと一緒に自動扉から行く。」

 

「なら私と修司はエレベーターに乗ってワクチンを探すわ。」

 

「わかったわ行きましょうレオン。」

 

「わかりました。」

 

レオンとクレアは自動扉へ

ジルと修司はエレベーターに行きワクチンを求めて進み始めた。




ついにこの物語も終盤
シェリーのワクチンを手に入れ
そしてラクーンシティから脱出できるか

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