神々の狂乱   作:初代小人

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またもや連続投稿。
最近は短くまとめられて読みやすくなったかな?という感じがします。
短くなった分速度でカバーしていこうと思います。
それでは本編、どうぞ。


勝鬨

私の渾身の水流極大魔術、大津波(タイダル・ボウア)が完成する。

即座に退避命令を出して発動させる。

本物顔負けの津波がキメラ達を次々と飲み込んで行く。

しかしその激流だけではキメラは殺し切れないため、次なる凍結極大魔術、絶対零度(アブソリュート・ゼロ)を発動させ、大津波をまるごと凍りつかせる。

それによってキメラ達は厚さ2m以上の氷の中に全て封じられる。

その動きは完全に止まったかに見えた。

が、氷に細かく亀裂が入り、全体に広がり、氷は砕け、キメラが中から何事も無かったかのように出てきて怒りの吠え声を上げる。

MSF最強の魔術師による、最強の極大魔術二連続。

これが破られたことにより、今、MSF隊員の間には、キメラにはもう誰もかなわないといった雰囲気が漂っていた。

その時だった。

地面から紅蓮の炎が噴き上がる。

その面積はキメラが居るところすべてをカバーしている。

続いて、サラにとっては聞きなれた、威厳のある吼え声が聞こえた。

「おい、誰に断ってこの学校に攻めてんだ?このバケモノ共が!」

その姿はさながら地獄の焔で罪人を焼き払う竜騎士で。

焔で灼かれるキメラ達の動きは止まっている所かロキの声で怯んでるようですらあった。

そしてロキが素早く空中から降り立つ。

どちらかと言うと着弾といったその速さは、地面に楽々とクレーターを作り、周辺のキメラを瞬時に砕く。

そこからのロキは三面六臂の大活躍だった。

眼前のキメラを切り裂き、背後から迫るキメラを焔の渦で数秒としないうちに灰に還し、右から迫ったハサミをかわして左のキメラにぶつける。

地中から伸びてきて足に巻きついたタコの足は瞬時に燃え上がって消滅し、その本体は一瞬の後に切り刻まれている。

キメラ達はロキの焔に適応したようだったが、それでも動きは鈍る。

対してロキは、焔の中でこそ活躍する。

地面から噴き出している焔には知覚効果があり、範囲内にある物や、その動きを逐一把握することが出来る。

よって全ての不意打ちは無効となる。

ロキは依然舞うようにキメラを切り裂き、歌うように口から焔弾を打ちだして、キメラの数を一体ずつ減らしていく。

しかし、もともとの数があまりにも多すぎた。

その処理能力を持ってしても、キメラを全滅に追い込むのは流石に無茶というものである。

疲弊したところを殺されてしまうのが関の山だろう。

そこまで思い至ったサラは、グラウン、グロウドと共に帰還していた戦力を含めたすべての隊員に、「今あそこでは一人の学生が自らの学舎を守るために奮闘している。かれに天才的な戦闘能力があるとしても我々MSF正式隊員は一般の生徒に先を越される程度のものなのか!今こそ我らの力の全てを見せてやる時ではないか!」

と、惚けたように突っ立っていた隊員達に発破をかけて、紅蓮の焔が燃え上がる戦場に守護霊に乗って向かう。

幸い隊員達は立ち直ったようで、私の後ろについてきた。

そして戦場に入った私はロキに応えるように、

「これからは私達MSFとあなた達キメラとの戦争です!人間の底力、とくとご覧なさい!」

と宣言する。

少し恥ずかしくて久しぶりに口調が敬語になってしまったが、味方たちも勝鬨の声を上げてくれた。

士気は充分高まった。

舞台も整った。

さあ、これからは反撃の時間だ!

 

 

To be continued…




話が全然進まなーい。
次の話でロキとサラがやっと合流するかな?って感じです。予定なのでわかりませんけど。
感想お待ちしております。

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