どうにも書いてる時の気分に内容が引っ張られますね…
おかげで方向性がぶれっぶれ。
文体はまた書き直すかもしれません。
それではよろしくお願いします!
信号を渡って公園にたどり着いて、ベンチに座る。
幸い大通りから外れた小さな公園に祭りの日に来ようという物好きは居なかったらしく、公園には俺とシオンしかいない。
ところで…
「おーい、大丈夫か?」
そう言って俺は目の前で顔を真っ赤にしている女の目の前で手を振ってみる。
熱でもあるのだろうか。
あるいは調整したつもりでも先程投げ飛ばした時のあたりどころが悪かったのだろうか。
そのような逡巡は杞憂だったようで、シオンは今度は焦ったように────実際焦っているのだろうけれど────早口で弁明を始めた。
さらに数分して、ようやくシオンは落ち着いたようで、肩で息をしながらペットボトルの中のスポーツドリンクを呷る。
「ぷはっ、はあっ、はあっ、ゴホゴホッ!」
…どうやら噎せたらしい。
戦っていた時はもう少しばかり緊張感があったのになどと遠い目で現実逃避しながらロキはシオンの背中をさすろうとした。
しかしそれは為されなかった。
シオンが肩を跳ねさせ、ロキから飛び退くように離れようとした挙句ベンチの肘掛けの部分に背中を打ったからである。
ぶつけたところを擦りながら「痛た…」と言うシオンの中にいる虎馬に思わず聞いた。
「こいつちょっとそそっかし過ぎねぇか?」
だが、どうやら虎馬は別の事を思っていたらしく深く溜息をついてから、「天然でやってたのかい…」とだけ言った。
天然?魚の話だろうか。
そういえば虎はネコ科の動物だが虎馬も魚を食べるのだろうかなどという最早自分でも何を考えているかわからない位の酷い現実逃避を無理に終わらせながら、俺はシオンに「それでえぇっと…そういやお前はなんで俺なんかを尾けてたんだ?」と聞いた。
「きだから…」
「え?」
「好きだったんです!テレビで勝手に見て!一目惚れして!バカみたいですよね、私。笑ってください。それが当然なんですから!」
シオンの表情は少し風が吹いただけで綻んで涙が零れ落ちそうな、そんな笑顔であった。
ロキは端的に言ってとてもモテる。
整った顔に、透き通った銀髪は本人の意図せぬところでミステリアスな雰囲気を醸し出し、アルビノでもないのに紅色の瞳はそれを更に増長させていた。
さらにロキ自身頼りがいがあり、また腕っ節も強く、それも女子からの人気を集める一因となっていた。
という事で、かなり人聞きが悪いがロキはある程度このような状況に慣れており、自らがどのような立場を取ればいいかについても、人並み以上に理解しているはずであった。
しかし実際の所そう上手くはいかなかった。
何故ならシオンの告白には他にない、得体の知れない重みがあったからである。
(さて、どうするか…)
大前提として当然ながら、ロキにシオンと付き合おうという気は毛頭ない。
かと言ってここで突き放してしまえない程度には情もわいていた。
何よりここで突き放すと壊れてしまうのでないかと初対面のロキに心配させてしまうほどにシオンはどこか儚い女性であった。
黙っていても仕方が無いから、とロキはいよいよ決心して言葉を紡いだ。
「笑わねぇよ。あんたは本気で俺を想ってくれたんだろ。それは嬉しい。」
「でも、申し訳ないけど応えられない。俺さ、記憶喪失で名前もサラに付けてもらうまで無かったし、サラと出会うまで何してたか分かんねぇんだ。そんな俺にシオンと付き合う権利ねぇよ。」
「ただな、そんな俺だけど、辛かったらそれを聞くくらいはできる。そんなに強い虎馬産んじまう位辛かったんだよな、キツかったんだよな。」
そうして落とした言の葉と同じだけ、シオンの目から涙がこぼれる。
「分かってやれるとは言わねぇ。でも、せめてもの罪滅ぼしに、相談に乗らせてくれねえか?」
俺は最後にそう問うた。
シオンは嗚咽を堪えながら首を数度縦に振った。
そろそろお祭り終わらせなきゃなと思いながらグダグダ続いてる…年内に建国祭編終わるんですかね…不安になってきた…
誤字脱字感想ございましたらよろしくお願い致します。