神々の狂乱   作:初代小人

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ふぅ〜モチベが上がったので投稿。このまま建国祭編を抜けてしまいたい…


弐回目・弐

その時だった。

「おい、諦めていいのか」

そんな低い、獣の唸るような声が聞こえたのは。

 

 

 

「誰だ!?」

そう言って辺りを見回すロキに声は言った。

「俺はサラの中に棲む怪異、虎馬だ。」

「そうか。俺はロキだ。」

 

 

 

 

「ほう…俺のことを疑わないのか?」

「んなモン俺は竜人だ。化けモンなのはお互い様だろ?」

ロキがそう言うと虎馬はカラカラと笑った。

「ハッハッハ…それもそうか…こりゃ一本取られたか」

 

 

「ところでそんな怪異が何の用だ?自己紹介しに来ました〜なんてことはないだろ?」

「うーむ…どこから言ったらよいか…一応聞くが今起きている異変には気づいておるか?」

「お、おう。なんか繰り返してるこれだろ?」

「そうだ。呼びづらいのでこれ以後「輪廻」と呼ぶことにしよう。最初に言っておくとこの輪廻は魔術によるものだ。」

 

 

それから彼は説明した。

輪廻はかなり複雑な時間逆行魔術で、相当大きな魔力が必要であること。

虎馬は宿主の心の傷を癒すために、宿主の願いを叶えるということ。

人間の魔力で輪廻を起こすことは難しいので、虎馬が起こしているのであろうということ。

そして輪廻の性質として、輪廻を自覚できるのは術者となっている虎馬、軸になっている人のみであること。

 

 

 

最後に虎馬はこう締めくくった。

「サラが死んだら俺の存在も消えてしまう。それは困る。お前もサラが死んだら困るんだろう?なら犯人探しを手伝って欲しい。何か質問はあるか?」

 

 

ロキは聞いた。

「俺はストーカーのサラへの襲撃を阻止した。サラが死ぬのは普通に考えれば阻止できるはずだ。それなのにサラは事故なんかでもうすぐ死にそうになってる。どうなってやがるんだ?」

虎馬は答えた。

「恐らくサラは…今日死ぬ運命なのだろう。今回はお前の歴史改ざんが歴史の修正力に負けてしまったが修正が間に合わなくなる程までに歴史を歪めれば別の運命をたどるはずだ。運命とはそういうものだ。」

「よく分からんが…わかった。要するに俺はサラを助けて、この異変の元凶を探し出してとっちめりゃあいいんだろ?」

「とても大雑把だが…まぁそういうことだ。」

 

 

 

虎馬は少したじろいでいた気がした。

 

 

 

 

「そんなわけでとりあえず時間逆行させなきゃならない。準備はいいか?」

「任せろ!サラは俺が助ける!」

「その意気だ。三周目で会おう」

 

 

 

そして全ての時計が止まった。

既に白黒になった風景がねじ曲がり、ぐるぐると渦を巻きマーブル模様を描く。

 

 

意識が覚醒した時、そこは建国祭会場だった。

 

 

 

「ごめんなさい、待ちましたか?」

その声を聞きながら俺は覚悟を決めるのだった。

 

 

 


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