神々の狂乱   作:初代小人

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まず、投稿が遅れてしまい、誠に申し訳ございませんでした。
祖母の家に泊まっていたのですが、初稿の原稿を忘れてしまうという失態を犯してしまったのと、携帯を夜充電することが出来ず、こうして夜に書き上げることが出来なかったことが原因です。
以後はまた出来るだけ早めの投稿を心がけますのでこれからもよろしくお願いします。
それでは本編です。どうぞ。


勇気

俺の提案を聞いて、サラは少しの間何やら考え事をしていたが、すぐに俺の方に向き直り、「やはり後手後手に回って対処が遅れるよりも今すぐ動く方が犠牲も少なくて済みます。私もその案に賛成です。ただ、お願いがあるのですが…」と言った。

 

 

 

俺は「お願い?なんだ?」と問う。

するとサラは、「やはり「ただの民間人」で「訓練中の学生」であるロキ君の提案とするよりも私の発案とする方がMSFの上層部に通りやすくなると思うのです。」と言う。

 

 

 

要はこの案をサラが発案したものである。という建前で行く方がMSF上層部に意見が通りやすい。

だからこの案をサラに譲って欲しいという事なのだろう。

そういう事なら俺に拒否する理由などない。もちろん快諾した。

 

 

 

それとほぼ同時にサラはMSF上層部の会議に殴り込みをかけ、「キメラ退治の竜騎士」と「MSF最強魔術師」の2人による隠密潜入部隊の出動許可をもぎ取った。

代わりに俺は現場でサラの部下となり、サラの命令は必ず聞かなくてはならなくなったがそんな事は元からそのつもりである。

 

 

 

そして俺とサラは第一分隊副隊長のクィンドの「風膜(ウィンドヴェール)」という魔術でお互い以外の者から姿が見えなくなり、更に感知型の魔術のセンサーにもある程度引っかからなくなった。

そして俺とサラはそれぞれ白銀の竜と純白のユニコーンを操り、MSF隊員養成学校へと向かった。

 

 

 

 

ロキが結界の外へ出た。

その背中は彼が本来背負うべきではない重い覚悟を背負っていた。

ラオはロキを止めようとした。

だというのに、だ。

 

 

 

足が動かない。

まるで鋼鉄の重りを付けられているかのように。

口が動かない。

まるで唇を縫いつけられてしまったかのように。

 

 

 

ようやく体が動いた時、ロキは既に結界の外に出ていて、地は真っ赤に燃え上がり、鳥肌が立つような恐ろしい吠え声と共にキメラに怒りを表し、威圧していた。

そして勇敢にも数え切れないほどの量のキメラの軍団の中に飛び込み、キメラを次々に切り刻んでいく。

それを見たMSF隊員達は勇気を感じ、自らを奮い立たせ、キメラに再び戦いを挑んでいく。

しかしラオはそれを見て「悔しさ」を感じた。

 

 

 

(ダンジョンの中でも僕はロキに沢山救われた。多分ロキがいなかったら僕は今ダンジョンをクリアしていない。挑戦すらしていないだろう。それなのに。僕はまたロキに護られている。助けられている。)

それは自らの弱さを自覚するが故の悔しさであった。

 

 

しかし、その悔しさは卑劣なもの、本当に矮小な者には感じられないものである。

ラオが勇敢で、強靭な精神をもつからこそ、彼は悔しさを感じているのである。

 

 

 

そしてその悔しさをバネにしてラオは結界を飛び出そうとする。担任教師に頼み、結界を一部解除して穴を開けてもらえるよう交渉した。

 

 

 

もしもあと5分、いや三分早くその行動に出れていたならば、ラオは結界の外に出ることが出来ただろう。

しかし運命は彼を阻む。

担任教師が結界を解除することを決定したその瞬間だった。

麻色の霧がラオの視界を覆う。

同時にその霧を吸い込んでしまったラオは容赦なくその意識を刈り取られそうになる。

既に結界には穴があいている。

 

 

 

(早く、早く外に出てロキを助けないと…)

ラオは重い体を動かしてロキの元へと向かう。

周りでは生徒や教師が倒れ込んでいる。

その中でラオは強い精神力によって辛うじて意識を保っていた。

そして結界の穴に到着したその時だった。

「この霧を吸って起きてられるなんて相当心が強いのね。褒めてあげるわ。でも、残念だけど寝てて貰わないといけないのよ。」

ラオは背中に強い衝撃を受けて倒れ、同時に集中力が切れて、倒れ込んで眠ってしまった。

 

To be continued…

 

 




今回、なんかラオ君が脇役ながらもカッコイイ気がします。
実際、こんなふうに逆境でも諦めずに抗おうとする人の方が強いと僕は思うのです。
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