とか言いつつも全くクリスマスとは関係のないお話となっております。
因みに今回は三人称視点ちゃんがメタ発言を結構言いますのでそう言うのを見たくないと言う方はブラウザバック推奨です。
さてさて、おはようこんにちはこんばんは!三人称視点です!
今話は主人公である生斗さんではなく、この私が語り部を務めさせていただきます。
ということでいきなりですが今回の本題について話そうと思います。
_____ずばり!生斗さんと翠さんの口喧嘩についてです!
これまで、幾度となく生斗さんと翠さんの他愛のない口喧嘩を生還録を見てくださっている皆様は見てきていますでしょうが、今回は三人称視点の私が実況者となり、二人の口喧嘩に合いの手を加えていこうと思います!
さてさて、あの二人の事だから今日も懲りずに口喧嘩をしている事でしょう。てことで早速見に行ってみようと思います!!
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~生斗家~
あー……え~と。
「…………」チーン
少し遅かったようですね。もう翠さんが物干し竿に吊るされて気絶していました。
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take2
~生斗家~
さてさて……気を取り直して後日、お次は満を持して早朝から生斗さんの家を覗きに来ました!ふふふ、まだ太陽が見え始めてそう時間は経っていないはず。今は冬なので太陽が見え始めるのは夏に比べて大分遅いのですがおそらく生斗さんは寝ているでしょう。だって仕事なんてこれといってしていないわけだし……たまにあの4馬鹿の剣術を教えているぐらいですかね?まったくこれだから_____
……ごほん。生斗さんの仕事のなさについて愚痴ろうとしましたが今はそんなことしている暇はありませんね。折角寒いなか厚着をしてまで覗きに来たんですから早速(こっそり)家のなかに入って見ましょう。
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生斗さんの家は半罠屋敷です。少し大きめの家を河童に建てさせたのも当時私が生斗さんに嫌がらせを…………と間違えました。当時完璧美少女の射命丸文という天狗の星が生斗さんに嫌がらせをしようと河童と協力し、罠屋敷を完成させました。
なので生斗さんの家はなにも玄関以外からも入ることが出来るのです。
例えば今私のいる生斗さんの家の木の壁の前にいます。足元に自然にできたであろう傷がある以外なんの変哲もありません。しかし、そんな木の壁も今言った傷がついている部分を2、3回ほど蹴ってみると_____
スゥ……カタッ
と、どこからか音をたて、変哲もなかった壁に長方形に切れ目ができ、少しずれました。
よし、これで入れますね!
そう思いつつ、生斗さんの家の中へ音を極力たてないように入っていきます。
そして漸く生斗さんの部屋までたどり着くことができました。
おそらく寝ているでしょうから今のうちに天井にでも隠れて見てみようと思ったのですが、それじゃあつまらないし、見えにくいので襖越しからみることにします。
よし、見る位置も決まったことですし覗きを開始しようと思います。
そして私が襖を少し開け、生斗さんの部屋を覗いてみます。
「ん~……」
あ、起きていたんですね。
覗いてみるとそこには布団から上半身だけ起こしていつものグラサンとやらを目の方へ掛けている生斗さんがいました。ふむ、予想が外れましたがこれは好都合。これなら用事が早く済みそうですね!
私もこんな冷え込む中、わざわざ早起きしてここまで来たおかげで眠たいから助かります。
「……朝か。……おーい翠、朝だぞ。今日はお前が当番なんだから起きてごはん作ってくれ」
と、誰もいない部屋のなか、生斗さんがそう呟く。そうすると一時して、生斗さんの背中から翠さんがのろのろと出てきました。
これはいつみても少し衝撃的ですね……
「はぁい……わかりました……熊口さん、朝ご飯は雑草と泥水でいいですかぁ?」
「食えるか!ていうかそんなの料理とは言えないぞ」
と、朝からボケをかます翠さんとそれを寝起きであろうとキレの落ちない生斗さんのツッコミがでる。
朝からこんな漫才を自然とやってのけてたんですね、この二人……
「うぅ……仕方ありませんね……作ってあげるとしますか」
そう翠さんがゆっくりと立ち上がり、私のいる場所とは違う襖を開け、台所の方へと歩いていく。……生斗さんの毛布にくるまりながら。
「おいおい!なに奪ってんだ!?寒いだろ!」
「熊口さんの温もりが残ってて少し不快ですが暖かいのでよしとします」
「感想を聞いてるんじゃない!返せ!」
この二人、朝から結構飛ばしてきますね。もしかして私や4馬鹿とかと一緒にいないときっていつもこんな感じなんですかね?
ま、取り敢えずもうそろそろ場所を変えた方が良いですかね。次は居間を見える位置に移動せねば!
そう思いつつ私は襖をそっと閉めるのでした。
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「熊口さん、今日の予定はなんですか?」
「毎日同じことを聞くな。今日も特にやることはないな」
「熊口さん、食べている最中に話すものではありませんよ?」
「お前が聞いたんだろうか!」
現在、生斗さんと翠さんは朝ご飯をとっています。何度か翠さんのご飯を食べさせてもらったのですがあれはかなり美味でした。なんであれだけの食材であそこまで美味くできるのか疑問に思えます。
ちなみに私は予め用意していたおにぎりを食べ、空腹をまぎらわせています。
はぁ、早く喧嘩してくれませんかねぇ……
「ごちそうさま」
「はい、お粗末様でした」
結局何事もなく朝ご飯を食べ終わった二人。意外にもちゃんと食べ物への感謝の印を示す生斗さん。
「それじゃあお皿洗ってきます」
「ああ、おれも手伝うぞ」
「別にいいです。」
「こらこら、人の厚意は甘えとけ、これは生斗さんからの教訓だ」
「厚意には甘え尽くすってことですか。なるほど、駄目人間ですね」
この二人は普通の会話を知らないのでしょうか?今のただお皿洗いについて話しているだけなのに一癖も二癖も違う会話になってるんですけど……
結局二人は揃って皿を洗うことになりました。
「……」ジャー
「……」フキフキ
どちらも沈黙のまま、お皿洗いを進めていく。ふむ、後ろから見るとなんだか夫婦に見えなくもないですね。
生斗さんがお皿を洗い、それを翠さんが拭いていく音だけが台所に響く。なんだかこの音、落ち着きますねぇ……
……ってなにほんのりしてんですか私は!?今回私はこの二人の口喧嘩を実況するために忍び込んだというのに!
~~昼頃~~
「はあ!」
「よいしょ!」
「いえや!」
「ほおっと!」
「皆で同じ行動をとるな、四人なんだからそれを活かせ。一人一人違う斬り方をして相手を惑わせろ」
結局昼頃になっても二人は喧嘩をすることなく、今は昼ご飯を食べたということで食後の運動とばかりに生斗さんは4馬鹿の稽古を手伝っている。翠さんは縁側の日陰で見学中。
「ぐわぁ~」
「うぐっ……」
「んが?!」
「げへっ?!」
そして生斗さんに4馬鹿全員が仲良くやられ、地面に倒れこむ。
「ふぅ、中々疲れたな」
「くっ……4人ともよく頑張りましたね!皆良い動きをしてましたよ!」
「翠の、姉さん……」
「こんな私達にもお優しいお言葉をかけてくださるなんて……」
「か、感動だ」
「嬉し泣きしてきた……」
翠さんの一言で4馬鹿は感動して頬を赤く染める。照れてんのね。
それをみた熊口さんはおれは?おれは?と言いたいように自分に指をさしている。
それに気づいた翠さんは一瞬嫌な顔をしつつこう言いはなった。
「すごいですねーやっぱり熊口さんの剣術は奇怪な動きをして動きが読み取りづらいでーす(棒読み)」
「おい翠、なぜ棒読みなんだ」
あからさまに誉める気のない声での誉め言葉。翠さん、どんだけ生斗さんのこと誉めたくないんですか……
~~夕方~~
やばいやばい、仕事をサボって一日中観察しているのに全然喧嘩しないですこの二人。するとしても軽い言い合いぐらいで全然本気の口喧嘩に発展するということがありませんでした。
こ、このままではタイトル回収が……
「はあ、やっぱり風呂は良いなぁ。ふやけなければずっと入っていたい」
と、お風呂上がりの生斗さんが言う。
「ほんと、お湯を体全体に浸すなんて考え、思い付きましたね。生前では考えられませんでしたよ。まあ、気持ちいいから良いんですけど」
確かに生斗さんがやっているお湯を溜めてその中に、体を入れる洗い方を最初に教えてもらったときは驚きました。最初は水が勿体無いと思ってたのですがいざ入ってみると体の芯から暖まる感じがしてとても気持ちよかったです。あれから私も生斗さんと同じやり方で体を洗うようになりましたからね。
はあ、私もお風呂に入りたくなりました。しかもお昼なにも食べてないのでもうそろそろ私の胃袋が限界に達しそうですし……
今日は帰りますか。また後日改めて出直すとします。
「そういえば昨日から射命丸のやつ見ないな」
「あ、ほんとですね。いつもなら昼頃に来るのに……」
確かに最近ある用事があって射命丸さんは生斗さん達と会うのを控えていますね。さて、いったいどんな用事なんでしょうねー……
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take3
~5日後~
「おい、翠お前……いっちゃいけない事をいってしまったな……」
「お、来るんですか?こんなか弱い美少女に暴力を働こうってんですか?」
きたきたきたきたぁ!!ついに来ました!あれから5日間バレずに覗き見をしてついに喧嘩が始まろうとしています!ついに、ついにタイトル回収ができます!!
冒頭で行った通りこれからは私こと三人称視点が実況を務めさせていただきます!
「大丈夫、躾に関しては男女平等だから」ガシッ
「あう!?」
出ました!生斗さんお得意の空中脳天締め!相手の顔面をを鷲掴みにし、指先の力だけで相手を持ち上げ、握力によって締め付けるじわじわと痛みを増幅させていく格闘技です!
「ふふ、その程度ですか?」
「くっ」
しかし翠さん効きません!私も何度か生斗さんの脳天締めを受けたことがありますがかなりの激痛でした。それなのに翠さんは全く動じることなく不適に笑っております!痩せ我慢なのか?!いや、違う!あれは痛がっているのを我慢している顔ではない!本当に余裕を持っている顔です!私にはわかります!
「私がこれまで何度熊口さんからこれを受けてきたと思っているんですか?」
と、誇らしげに言う翠さん!
生斗さんは怒ったときにしか脳天締めをしません。つまり翠さんはこれまで幾度となく生斗さんを怒らせているということです!
なので今の発言は全然誇らしくはありません!!
「ならこれはどうだ?」ギリリ
「!?……うぐっ……」
そしてついに生斗さんも奥の手、霊力による身体強化を使ってきました!流石の翠さんもこれには苦痛の顔を隠せません!
「……!」ブンブン
「うお、急に暴れ始めやがった!」
あまりの痛さに暴れて腕を顔から引き離そうとする翠さん!空中で身体が動き回り翠さんの浴衣がはだけていく!下着見えちゃうんじゃないんですかあれ?!
「抵抗しても無駄だ!がっちりと入ってるからな!」
そんなサービスシーンを見事に逃している生斗さん!どんまいです!
しかしさすがに辛そうだ!翠さんの顔も限界寸前です!動きもどんどん激しくなって一刻も早く手を振りほどこうと奮闘しています!
「い、いまです!」ドゴッ
「……あぎっ!?!?」ドサッ
な、何てこったー!!
翠さん絶対絶命と思いきや!暴れて動いていた身体の勢いを利用してそのまま生斗さんの急所におもいっきり蹴りをかましました!
痛い!私は女なので男特有のあの痛みはわかりませんが見ているだけでも痛いです!あの生斗さんも白目向いて倒れこんでいます!
「ふぅ、苦しい戦いでした」
倒れ伏している生斗さんを見ながら勝ち誇った顔をする翠さん!全く罪悪感がないようにみえます!
さてさて、今回の口喧嘩?の決着もついたことなので早速インタビューに行きたいと思います!
「翠さん!」
「え?!……あれ、文さん。なんで家の中から出てきたんですか?」
「文さんではなく三人称視点です。あと家の中から出てきたのは色々な事情です……と、そんなことよりも今の感想をお聞かせください!」
「今のって私が生斗さんの○○をおもいっきり蹴ったことですか?あのときはスカーっとしましたね」
「それもありますが違います!生斗さんとの喧嘩についてです」
「それですか……んまあ、今回の喧嘩はいつもより長く、辛い戦いでしたが無事、勝利を掴むことが出来ました。この事を種に熊口さんをいびっていこうと思います」
「流石翠さん!常人の感想より斜め上を行く感想ですね!どうもありがとうございました!!」
ついに終わりました!1週間の苦労がついに実を結びました!
さ、早く帰ってこれまで溜め込んでいた食材を使って豪勢な夕食にしましょうかね……
「おい……まて」ガシッ
「え?」
と、帰ろうとしたその瞬間、誰かから頭を鷲掴みにされました。……ま、まさか_____
「生斗さん!?」
急所を蹴られ、気絶していた筈の生斗さんが内股になりながらも立っていました。
「射命丸お前……1週間無断欠勤したよな?なんでこんなところにいる……昨日おれがどれだけ秋天(天魔)に叱られたか……覚悟はできてるよな?」
「あー、え~と……」
これはちょっと危険な感じが……取り敢えず弁明しておきましょう。
「私は射命丸ではなく三人称視点です!」
このあとお叱りを受けました。
今回なんと最長の5000文字越えでした笑
本当はちゃんとクリスマスにちなんで生斗が皆にプレゼントを配ろうと奮闘するお話にしようと思ったのですが書いている間にクリスマスが過ぎていったのでやめました。