東方生還録   作:エゾ末

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読み専だったのですが、ふと思いついたので
投稿してみました!
 初投稿なので読みやすさは保証できませんが
ゆっくり見ていってください!!


平凡の終わり

 

 

 おれの名前は熊口生斗、高校2年生のピチピチ17歳だ。

 たとえ男だとしてもピチピチということは適応されるはずだとおれは思う。

 まあ、そんなことよりもまず、おれがこの人生で望んでいることを聞いてもらおう。……それは“平凡”だ。平凡ということは実に素晴らしいことだとおもう。

 平凡に学校へいき、そして就職、平凡な家庭を築き、なにも事件にもまきこまれず寿命で生涯を終える。これに対してつまらないやつとか、夢がないとでも思われるかもしれない。けれども結局は平凡が一番だとおれは思う。アイドルとか芸人などの不安定な所に就職するより公務員や一般企業に就職するほうが絶対にいいと思うんだ。

 けれどもおれだって一部の理想や非日常を過ごしてみたいと思ったりもする。さっきといってることと矛盾しているかもしれないが仕方がないことだ。だって17歳だし。今堅物みたいな話し方しているけど実際そんな真面目ちゃんキャラじゃないし。べ、別にカッコつけているわけじゃない!自分の理想について語るためのキャラ作りだ!……ごほん、話がずれた。おれだってたまには非日常を味わってみたいといのもなくはない。一番酷かったのは中学3年の時、受験勉強の休憩中に読んだ漫画に感化され、そのキャラの真似事ばかりをしていた。今ではそれもほとぼりが冷め、そんなことはしなくなったが、いまだにその名残で髪型はオールバックだ。それだけでもおれが中3のとき、どれだけ頭おかしかったのか分かるだろう。

 

 ……まあ、そういうことで別に平凡がいいからといって非凡が嫌というわけではない。

 しかし、だからといってずっと非凡がいいというわけではない。優先順位はあくまで平凡だ。

 そもそも非凡を望むというのは平凡を…………

 

 

「もういい加減現実逃避をやめんかい」

 

「……はい」

 

 はい、もう現実逃避はやめます。口調も元に戻します。

 これ以上もう”叶えられない理想“を語っても意味ないし。

 今おれに現実逃避するなと言ったのは神様らしい。

 見た目は60代半ばの老人。なんかそれらしい杖を持っている。そしてなんでおれが現実逃避をしていたかというと…。死んだからです、はい。いやぁ、まさかちゃんとした橋だと思って安心して渡ってたら底が抜けて20メートル下の岩に頭をぶつけてお陀仏になるなんてな。アハハハ!…………笑い事ではないな。

 そこで終わったな、おれの人生。と思っていたらいつのまにか純和風な部屋にいて、そこに神様がいたっていうのが今までの流れ。いや、ほんと死んだとは思わなかったな。最初の方嘘だと思って抗議してたけどおれが死んだ世界での自分の死体を見た瞬間そんな気もうせたけどね。かわりに現実逃避してたけど。

 

 

 

「まあ、君は運が悪かったけど、ワシに出会えたことに関しては世界一幸運と思ってもいいぞ。地球上で一人という確率を引き当てたというのじゃからな!」

 

「そ、そうなんですか?もしかしてこれまで彼女できなかったり週に2回は弁当を忘れたり初めてやることはだいたい失敗したりするのはこのときのために幸運をためてたからなんですね!」

 

「いや、それは君の努力次第だとおもうんだが…」

 

「あ、そうですか……」

 

 

 全部努力次第か……はあ、彼女ほしかったなぁ。できればナイスバディなお姉さんとか……

 

 

「ま、それも今日限り!だって君は生まれ変わるのだから!!」

 

「それってまさか…………生き返らせてくれるんですか!?」

 

「んまあ、確かに生き返らせるが……それとはちょっと違う。君は転生するのじゃ!」

 

「転生!?」

 

 

 なんてこった……転生ってつまりラノベとかでよくあるやつだよな?異世界とかに行って、魔王を討伐してこい的な。

 確かにそれも楽しそうだけど……やっぱり元の世界で生き返りたいな。

まずやだよおれ、魔王なんかと戦うのなんて。

 

 

「元の世界に返してください」

 

「いきなり転生することを拒否してきたな、そんな奴はじめてじゃ……しかしそれじゃあつまらん。せっかくの暇つぶ……転生なんだからもっと波乱万丈な人生の送れる世界にいかせてやる」

 

「いや、あんたがつまらないとかはどうでも……ていうか今なんか暇潰しって聞こえたような……」

 

「気のせいじゃ。ま、とりあえず適当な場所に転生させるから。平凡な所になるかどうかは君の運次第じゃな。あ、それともし危険な所に転生した場合の予備としてなにか能力を授けよう。ご要望は?」

 

 

 ああ、おれの意見はガン無視ですか、そうですか。なんだこの神。

 ……いや、でも待てよ。今この神はおれになにか能力を授けると言ったよな。もしその能力がチートレベルの物だったら…………うん、その世界で快適ライフが待っているかもしれない。だってチートなら逆らうやつもいないだろうし、なにもしなくても強いわけだし。

 ……うんうん、それも悪くないかもしれない。よし、じゃあここはそこにいる老神にどでかいのを頼んでみようかな。この流れなら大抵のことは許容してくれそうだしな。

 

 

 

「まじですか!?それじゃあ、神さ……」

 

「っていっても君に決定権はないけどね。どうせ神になりたいとかチートじみたこというんだから」

 

 

 駄目だった!?

 

 

「まあ、それはワシがきめておくよ。…………さて、そろそろ時間じゃの。それでは君の幸運を祈るよ」

 

「え?!時間って…………うわあぁぁ!!?!」

 

 いきなりおれの足元に大穴が空いた。

 勿論、足元に空いたということはおれが踏みとどまる事は出来ないわけで。

 そのままおれは為す術もなく大穴に落ちていった。

 

 ……たぶんこれが転生というやつなのだろう。なんと物騒な。

 結局あの神はおれになにをしてほしかったんだ?理由がわから…………いや、さっきのあの神の失言からして暇潰しの可能性が高いな。

 ……たく、神の癖に人の命を弄ぶなよな。

 

 

 まあでも、また生きるチャンスを与えてもらったんだ。それに関しては感謝しなくちゃな。

 

 さて、これからおれの第2の人生。不安だが、行ってみるか!

 

 

 

 ……能力ぐらい教えてほしかったけど。




読んでくださりありがとうございました!
次話はついに東方世界にいきます。

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