やはり俺は間違っている(凍結)   作:毛利 綾斗

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第1話

『俺は友達がいない。

そんな事はどうでもいいのだが、それによりいつも1人で熟してきた。

そう複数人で行う作業でもだ。

彼らは複数人で作業しているにも関わらずこの俺よりも遅い。

 

という事はだ、俺は彼らの上位互換である、又は人間は群れる事で脆く妥協するのだと俺は仮説を立てた。

俺は彼らの上位互換なつもりはない。だから導き出される回答は人間は群れる事で脆くなるということだ。

 

次に群れるのが先か脆くなるのが先かという疑問にたどり着いたのだが答えはでなかった。

全然纏まってないが文字数的にこうまとめさせてもらおう。

 

群れない俺は最強なのだと』

 

今俺は職員室の現国担当である平塚先生の前にたっている。見せられているのはこの前書いた作文だった。

 

 

「それで一体これは何かね。というか君はこの課題の要点を聞いていなかったのか」

 

 

「いえ、ちゃんと聞いてましたよ。高校1年間を振り返ってという作文でしたよね?」

 

 

「ああ、じゃあ何でこんな内容になったんだ?」

 

 

面倒だ。

 

 

何も出鱈目を書いたわけではない。

作文に書いた事は昨年度学校でずっと考え続けた事であり俺の一年の思い出を正確に綴ったものだ。

それがいけないというのなら大人受けの良さそうなものに書き直そう。

 

 

「書き直せばいいんですか?」

 

 

「私が言いたいのはそういう事じゃないんだよ。なんだい、この脆くなるというのは。某吸血鬼か何かなのかな君は?」

 

 

「いえ。俺はただの人間ですよ、残念な事に」

 

 

「それに君は孤独ならば強いと思っているのかね?」

 

 

「だってそうじゃないですか。

俺は1人で出来るし、平塚先生だってカンペ....すみませんでした。先生が好きそうな内容に書き直します」

 

 

やっぱあの人おかしいだろ。

軽くはなった拳の風圧で向かいに置いてあったペットボトル倒したよ。

あんなの食らったらひとたまりもない。

 

 

「ダメだ。貴様には私を傷付けた基ふざけた物を提出した罰を受けてもらう。コッチに来たまえ」

 

 

そう言われ面倒だと思い逃げようとすると、耳元にブンッという風切音が。横を見ると固く握られた拳がある。

さっきよりも早く、殺気立っていやがる。

 

 

「もし逃げたら今の倍だからな」

 

 

と逃げ道を封鎖される。

つか待てよ。今のでもまだ半分以下って。一体本気出したらどうなるんだよ。

 

結局俺は逃げる事も叶わないらしい。

 

 

仕方ない、無心で行くか。

 

 

少し歩き、人通りが少ない所に来る。と急に先生は扉を開け教室に入っていく。

俺も付いていくと窓際に座り本を読んでいる女子生徒が。他人に興味がない俺には珍しく目を惹かれてしまう。

 

 

綺麗だ........。

 

 

そう思うのは個人の自由の筈だ。だから俺は悪くな...て何言い訳してんだよ俺は。

駄目だ。この事は忘れて夜飯の献立でも考えるか。今日は肉系にするかな、昨日は魚だったし。

 

帰り遅くなりそうだし生姜焼きとキャベツの千切り、卵の中華スープにするか。

肉だとあそこの精肉店、キャベツは駅前のスーパーが安かったかな。

 

などと考えをまとめ意識を戻すと先生はいなくなり、女子生徒は本を読んでいる。

 

 

つか俺の存在感薄過ぎだろ、いや寧ろ無いのか。

 

 

「貴方はいつまでそこに突っ立っているのかしら?」

 

そう言って後ろの椅子の山をチラリと見てから本に視線を戻す。

其れから下校時間まで特に何をするでもなくぼーっと過ごし、彼女の一声で部活を終える。

特に何をするでもなく終わったが一体何をする部活なんだろうか。

 

 

まあいい、明日は参考書でも読むか。

 

 

 




全くと言っていいほどの絡みのなさ。
でも比企谷君と雪ノ下さんだから仕方ないですよね?

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