復讐異世界旅行記   作:ダス・ライヒ

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これから毎日本を読もうZE。(本を買った)


久しぶりの戦場

「例の小娘を探せぇ!! 匿名のタレコミに寄れば、この近くに…」

 

 ルリの仲間である青年と、零児と小牟が属する特務機関「森羅」のライバル的な存在である組織に属する沙夜の導きにより、この世界へ降り立った連邦の対抗勢力、惑星同盟軍の追跡部隊の将校は、お目当てであるルリが近くに居ると思い、奇形なデザインのカービン銃を片手に部下たちに指示を出す。

 将校の外見は、ゴリラや熊が混ざり合ったような物であり、惑星同盟軍が異星人の連合勢力であることが分かる。

 そんな将校は、引き連れているであろう他の異星人たちに指示を出していたが、偶然近くに居た萩枝に首を切り落されて呆気なく息絶える。

 

「て、敵ダ!」

 

「ぶっ殺せ!!」

 

 指揮官がいきなり首を刎ねられて混乱するかと思いきや、子供のような体格の異星人とシールドを持つ異星人らは何の混乱の様子も見せず、首を刎ねた張本人である萩枝にプラズマを主力とする銃火器を撃つ。指揮官と同じ異星人の将兵らもそうだ。手にしている銃火器で攻撃する。

 雨のようなプラズマ弾が浴びせられるが、萩枝はそれを見えているかの如く躱し、自分に撃ってきた者達を瞬きする間に皆殺しにした。

 

「なんだこいつ等。外見は妖怪の類に似ているが、武器はSF漫画やアニメの銃だが…?」

 

 自分が斬り殺した異星人たちの遺体を見つつ、妖怪の類では無いと判断しつつ、次に向かって来る後続の排除に向かう。

 

「あの例の少女が呼び寄せた者達でしょう。これは、厄災ですかな?」

 

 萩枝に答えるように愛澤は、背後から突然現れた右腕に装着した暗殺用の短剣を突き刺そうとして来る赤い眼のようなゴーグルを光らせるマスクを被り、全身に今の時代より遥か先の装備を身に着けた暗殺者二人を、両手の裏拳を頭部にぶつけて返り討ちにした。

 マスクの隙間から血が噴き出し、顔面の骨を砕かれたか、その破片が脳にまで達したのか、返り討ちにされた暗殺者は二人とも息絶える。

 

「厄災じゃね? こんな奴らが来てるし」

 

 愛澤がこの世界に異世界の追跡者達と言う厄災を招き入れたのは、ルリであると言えば、それを断定するように、芳沢は周囲の敵を両手に握る二挺の拳銃で一掃しながら口にした。

 確かに、同盟軍の追跡部隊をこの世界に招き入れたのは、ルリの仲間である青年であるが、だからと言ってその青年が勝手にやったことであり、ルリ本人がやったことではない。

 だが、一団のリーダーとしては、やや責任がある。

 

「とにかく、この次元の亀裂より来た者達が街に出れば、相当な騒ぎとなるでしょう。そうすれば、被害が起こり、結果的に自衛隊が出動して日本経済に悪影響が及ぶかもしれません。皆様方、敵を亀裂の中へ押し戻すことにご協力いただきたい」

 

「ふん、言われずともやっている!」

 

「はいはい、いつもの通りね!」

 

 異世界から来た武装した異形の者達が街に繰り出せば、パニックになる事には変わりないので、騒ぎが起きる前に排除したいと考える愛澤は、左耳に付けている小型無線機で指示を周囲に広げつつ、近くに居る萩枝と芳沢に同盟軍の将兵を一人たりとものこの場から出すなと指示した。

 それを分かっている萩枝は愚問であると複数の敵を斬り捨てながら答え、芳沢は周りに居る敵に弾丸を浴びせながら答えた。

 同盟軍の追跡隊の将兵等が自分を含めた三人の鬼の強さを前にして恐れを抱く中、愛澤は二人の返答を聞いてこの上なく満足する。

 

「お二人とも、ご理解いただけて感謝の極まりない。では、行きましょうか!!」

 

 そう満足げに笑みを浮かべながら自分の気持ちを口にすれば、目前に居る異星人や遥か先の未来の将兵らに向けて単独で突撃した。

 

 

 

「クソッタレ、奴ら一個師団を丸ごと投入してやがるぜ!」

 

「たかが小娘一人にご苦労な事だ!」

 

 その頃、青年の導きによってこの世界に来た同盟軍の追跡隊の将兵の始末に追われているカナリスのチームは、次から次へと出て来る敵軍の将兵を手持ちの銃で撃ちつつ、愚痴をこぼしていた。

 彼らは既にルリを捕らえており、回収部隊の到着を待たず、その場の近くで倒れ込んでいた警備兵らを無理やり叩き起こして彼女を運ばせている。尚、以前に彼女の四方を魔力の帯びた鎖で防いだままである。

 

「はぁ、力仕事は僕の仕事では無いんだがね」

 

 ルリを運び出そうとするカナリスのチームの様子をこの惨状を引き起こした本人である青年は、立っている倉庫の屋上の上から降り、見境なく同じ同盟の将兵では無い者達に向けて手にしている銃火器を撃つ同盟軍の兵士の一団を、何らかの魔法らしき物を詠唱して一瞬の内に殲滅する。

 

「もうお前たちの事は分析済みだ。消えろ、宇宙のゴミめ」

 

 そう一瞬の内に消し去られた同盟軍の将兵らに向けて吐き捨てれば、ルリの元へ何の急ぎもせず、歩きながら向かう。それも本を片手に読みながらである。

 

「死ねぇ!!」

 

 余裕たっぷりに向かう青年を、異次元の亀裂から出て来る殺気立った追跡隊の異星人将兵らが見逃すはずが無く、手にしている銃火器を撃とうとした。

 

「僕はこの本を読んでいる最中だ、始末しろ」

 

 撃つ前に青年が部下か何かに命じれば、周囲に居る異星人の将兵らは引き金を引く前に、何かに攻撃されたかのように全滅する。

 バタバタと倒れ、生き残りが怯えて逃げる中、青年は気にせずに本を読みつつ、何の焦りもせずにルリの元へ向かう。

 そんな青年が余りも急がないのか、ゴリラのような異星人や羽の無い鳥のような外見を持つ異星人、風邪を切るような唸り声を上げる異星人らしき物や、60㎝の鋭利な刃を両手に付けた改造された人間らしき物を吹き飛ばしながら、馬のような妖怪と牛のような妖怪が彼の元へ寄って来る。

 

「おい、ルーサーの旦那! あんた本を読みながら歩いてんだ!?」

 

「ワルキューレの連中に嬢ちゃんが連れて行かれたら、俺たち姉御に殺されちまうよ!!」

 

 驚いたことに馬の妖怪と牛の妖怪は人語を喋ったが、それらに名前を言われたルーサーと言われる青年は特に気にすることなく、急かしの言葉も聞かず、急がない訳を言ってただ歩くだけだ。

 

「そんなに急がなくとも、僕がこの世界に招き入れた宇宙のゴミ共が、時間を稼いでくれるよ」

 

 同盟軍が時間稼ぎをしてくれると答える青年に対し、その同盟軍に連れ去られてしまっては元も子もないと思う二名の妖怪は直ぐに反論した。

 

「あ、あんた何言ってんだ!? そしたら同盟軍の連中に連れ去られちまうだろうが!」

 

毒馬頭(どくめず)の言う通りだぜ! なんたって姉御はこんな奴と手を組んじまうんだ!?」

 

「喧しいな。僕の計算に一切の狂いはない。そんなに心配なら自分たちで助ければいいじゃないか」

 

 毒馬頭と呼ばれる妖怪がルーサーに対し反論すれば、牛の妖怪は自分に対しての上司に対する悪態をつく。確かにこのような性格の男と何の相談も無しに手を組むなど、部下である自分たちからすれば溜まった物ではないだろう。

 そうルーサーと馬と牛の妖怪が揉めている間に、同盟軍の追跡隊の将兵らがルリを抱えて次元の亀裂へ向けて運ぼうとする姿が見えた。

 彼らの装備は黒尽くめでガスマスクと未来の装備と言う出で立ちであり、手にはその姿に似合う水筒のような筒型の弾倉を銃座辺りに付けたブルパップ式のライフルが握られていた。

 

「ほぅ、時間通りだ。ゴミにしては良くやるな」

 

「感心してる場合か!? クソッ、こいつは宛にならねぇ! やるぞ毒牛頭(どくごず)!」

 

「応よ! カメレオンやゴリラなんぞ俺たちの敵じゃねぇ!!」

 

 目前に現れたルリを厳重に拘束して自分等の次元を渡る船へと持ち帰ろうとする同盟軍の一団を目撃したルーサーは、自分の予想通りに感心する。

 このルーサーに対し毒馬頭はそれに突っ込んでから、自分等の奪還目的であるルリを取り戻そうと、毒牛頭と呼ばれる相方を引き連れ、彼女を連れ去ろうとする同盟軍に対し、大斧などの得物を手にして突撃した。

 突っ込んで来る馬と牛の妖怪に気付いたアーマーを全身に身に着けた一団は、直ぐに反応して手にしている銃火器を向かって来る妖怪に撃ち始めた。

 

「そんな豆鉄砲が効くか!」

 

「っ!?」

 

 放たれた無数のライフル弾は、毒馬頭や毒牛頭の硬い皮膚によって弾かれるばかりであった。

 銃弾が効かないのであれば、対物火器と言う訳か、指揮官は擲弾発射器を持ってくるように指示を出したが、既に毒馬頭と毒牛頭が近付いた後であり、大斧で次々と惨殺されていく。

 

「う、うわぁぁ!!」

 

「お、おい! その娘を置いて逃げるな! わっ!?」

 

 拘束したルリを運んでいた兵士四名は、毒馬頭と毒牛頭に殺されていく味方の将兵を見て恐怖を覚えたのか、彼女を拘束する担架を捨てて逃げ出し始めた。筒型弾倉の短機関銃を撃っている指揮官は直ぐに戻ってくるように振り向いたが、その瞬間に毒馬頭の斧を頭部に受けて即死する。

 

「ひっ、ひぃぃぃ!!」

 

「俺たちじゃ敵わねぇ!」

 

 二匹の妖怪の強さに恐怖する黒尽くめの兵士たちは自分等では敵わないと判断し、対応できる味方を呼びに逃げ始めた。

 

「よし、早く嬢ちゃんを縛ってる変な機械を!」

 

「応よ!」

 

 周囲の敵を無力化すれば、毒馬頭は毒牛頭にルリを拘束している未来の拘束器具を破壊するよう指示する。これに応じ、毒牛頭は腰に吊るしてある小さい手斧で拘束器具を破壊して彼女を解放した。

 

「あれ、確かお馬さんとお牛さん? こんな所で何やってんの?」

 

 未来の拘束器具から解放されたルリは、自分を助けた毒馬頭と毒牛頭に面識があったのか、なんでこんなところに居るかを問う。

 

「嬢ちゃんを助けるよう姉御に言われたんだ」

 

「それとあいつにもな」

 

 毒馬頭がその問いに答える中、毒牛頭は歩いて来たルーサーを見ながら、彼もこの救出に絡んでいることを告げる。

 

「全く、君って奴は。世話が掛かる娘だよ」

 

「あ、ごめんなさい」

 

 近くまで来れば、本を閉じ、それを懐に仕舞ったルーサーは少し呆れたように言えば、彼とその協力者によって助けられたルリは、頼りない自分を助けてくれた仲間に謝罪した。

 

「そんなことはどうでも良い。僕の全知完遂のために、君が攫われては困るからね。では、追手が来る前にここから脱出するとしよう」

 

「おい」

 

「テメェ、ここまでしておいて、俺たちや姉御を置いて自分たちだけで逃げるつもりか?」

 

 救出対象であるルリを助ければそれで良いのか、ルーサーはルリを連れて自分たちだけでこの場から逃げようとしたが、自分の上司を置いて逃げようとする協力者を、毒馬頭と毒牛頭が許すはずも無く、各々の得物を向けて問い詰める。

 

「おやおや、君たちは律儀に同盟軍を追い払うためにワルキューレに協力すると? 千載一遇のチャンスだと言うのに。君の上司である沙夜も逃げている筈だが?」

 

「いや、姉御は逃げてねぇ。森羅の連中と一緒に戦ってるはずだ」

 

「俺たちだけ逃げ出したんじゃ、面目が立たねぇってもんよ」

 

 問い詰めて来る二匹の妖怪に対し、ルーサーは逆に問い返せば、毒馬頭と毒牛頭は自分の上司もここに残り、宿敵である零児や小牟と共に同盟軍の排除に当たってるはずだと答えた。

 

「律儀な物だな。まぁ、彼女もこの世界より同盟軍を追い返さなければ従いはしないだろう。よし、僕は君たちが撃ち漏らした者の排除に当たろう。大本は君達に任せる」

 

 ルリも同じことを考えていると思い、ルーサーは協力するしかないと思い、仕方なく同盟軍の排除の協力に同意した。それを聞いてか、ルリは礼を述べる。

 

「ありがとう、ルーサーさん。同盟軍を追い返したら、直ぐに逃げるから」

 

「是非、そうしてくれ。また捕まって貰っては困る」

 

 礼を述べる彼女に対し、ルーサーはまた捕まらないように釘を刺す。

 

「安心しな、嬢ちゃんをまたトッ捕まえようなら…」

 

「俺たちがそいつをぶっ飛ばして嬢ちゃんを助けてやるぜ!」

 

「頼もしい物だな。では、頼んだよ」

 

「応よ!」

 

 次に、また捕まるようなら自分たちが助けると言う二匹の妖怪に対し、ルーサーは面倒くさそうに頼み込めば、毒牛頭が返事をする。返事を聞いた後に後方へ向かい、ワルキューレなどが撃ち漏らした敵の排除へと当たる。

 

「じゃあ、行くよ!」

 

『応っ!』

 

 ルーサーが周りの敵を排除しながら後方へ行ったのを確認すれば、ルリは毒馬頭と毒牛頭を引き連れて、敵が集中している方へと向かった。

 

 

 

「少女一人を捕まえるのに少し多過ぎやしないか?」

 

 一方で、同盟軍の排除へ身を投じた零児等は、余りの敵の多さに呆れ果てていた。

 

「確かにね。あの娘が幾ら可愛いからって、この数は異常過ぎるわね」

 

「もしかすると、ロリコン幹部が可愛い、可愛いルリルリを手籠めにするために、送り込んで来たんじゃあるまいな!」

 

 次元の亀裂から続々と出て来る同盟軍の数多の異星人の将兵らを見て、沙夜が零児の意見に納得すれば、小牟が同盟軍の幹部クラスの将官がルリを手籠めにするために送り込んだ軍勢であると言い出す。この小牟の妙な意見に対し、零児は空かさずツッコミを入れた。

 そんなやり取りをする三人の背後には、返り血塗れのスレイブを背負うシュンの姿と、彼と三人が行ったとされる無数の屍が転がっている。その全てが人間では無く、異星人の兵隊たちだ。

 

「それは無いな。そうなら特殊部隊員一個分隊程で事足りる。何か焦っていると見て良いな」

 

「あの娘は色々な勢力に狙われちゃってるしね…誰よりも早く手に入れたいって事かしら?」

 

「全く、ルリリンはケーキではないぞ」

 

「食べちゃいたいくらいに可愛いからね」

 

「食べ物に例えるんじゃない、この駄狐共が」

 

 少女一人捕まえるのに、同盟軍が凄まじい数の兵力を動員しているのを、焦っていると零児が捉えれば、沙夜が他の勢力が出て来る前に、早く捕まえたいからと言う仮説を立てる。これに小牟がルリをケーキに例えれば、沙夜がそれに同意する。無論、このやりとりに、零児は空かさずに突っ込みを入れる。

 

「で、どうすんだ? 見るだけで一万、一個師団相当は居るぞ?」

 

 小牟と沙夜によるおかしなやりとりが長引くと思ってか、シュンが割って入って目前の歩兵一個師団相当の数をどう対処するかを真面である零児に問う。

 

「一個師団か…無線機から流れる情報を聞く限り、カナリスの奴が予備戦力を増員して対処しようとしているが、任せるわけにも行かないな。俺たちも加勢すれば、撤退にまで追い込むことは出来るだろう」

 

「加勢ね、俺を罪人に仕立て上げた連中に協力しろだなんてな…まぁ、泰田のおっさんが煩いから協力するしかないだろうな」

 

 零児の返答を聞けば、シュンは自分を罪人として追い回すワルキューレに協力することに難色を示したが、泰田の機嫌を損ねれば日本にも追われる可能性もある為、協力して同盟軍を排除するしかないと思った。

 

「そう言う事じゃ。ここは仕方ないと思って、わしらに協力せい」

 

 それを聞いてか、小牟がややある胸を張って叩きながら協力するよう言う。これにシュンはややイラついたのか、悪態をつく。

 

「けっ、ちんけな妖怪に言われなくても、やってやるよ。そこのマブい姉ちゃんの礼もあるしな」

 

「誰がちんけな妖怪じゃ! 胸もあるぞ! Dカップほどな!」

 

「あら、ありがとう。筋肉のお兄さん」

 

 悪態を付かれた小牟が怒る中、シュンに礼を言われた沙夜は妖艶な笑みを浮かべながら礼を言う。

 この沙夜のしぐさに少し嬉しそうな表情を浮かべる中、シュンは三人とは別に戦うと告げる。

 

「それじゃあ、俺ぁ一人で行く。間違って誤射でもされちゃあ堪らねぇかんな」

 

「そいつは重畳、俺も間違って叩き斬られずに済む」

 

 単独で行動する訳をシュンが言えば、零児もその方がドサクサに紛れて殺されずに済むと思い、この提案に賛成する。

 

「なんじゃあの二人? まさか…!?」

 

「嬉しいこと考えるじゃないのぅ…」

 

「言っておくが、変な意味じゃないぞ」

 

 このシュンと零児のやりとりを見て、何かよからぬことを思い付いた小牟と沙夜であったが、直ぐに零児のツッコミが来た。

 そんな時に、同盟軍の追跡隊が彼らに襲い掛かって来る。

 

「餓鬼じゃねぇぞ! ぶっ殺せぇ!!」

 

「おい、気持ちの悪ぃ妄想膨らませてる場合じゃねぇぞ! 大勢で突っ込んできやがった! 俺は右の大群をやる! てめぇらは正面の連中を潰しな!!」

 

「お主に言われなくともわかっとるわぃ、このガッツ擬きめが! 行くぞ、ジェットストリームアタックじゃ!!」

 

 雄叫びを上げながら突っ込んで来る同盟軍の将兵達に対し、シュンは右手の軍勢に単独で仕掛ければ、小牟等は正面から来る大群に突っ込む。この際に零児のツッコミが入ったが、当のフザケタ本人には聞こえなかったようだ。

 

「やはり数が多い! 小牟、沙夜、銃の型「巴」だ!」

 

「ヤー! 乱れ撃ちじゃ!」

 

「あら、ちょっと久しぶり」

 

 正面から大挙して押し寄せて来る同盟軍の将兵の数は想像をはるかに上回る数であるため、零児は小牟と沙夜に、この大群の排除に有効な連携技をすると告げた。

 かつて何度か行ったことがあるのか、二人はそれに同意し、懐から銃を出して先行する零児と共に飛び上がり、敵陣の中央に飛び込む。

 

「馬鹿め、ハチの巣だぁ!!」

 

 敵軍の将兵の一人が自分等の中央に降り立った三名に銃口を向けたが、周囲の味方が引き金を引くよりも早く、三人が握る銃の引き金が引かれた。

 

「一つ、二つ、三つ、五つ、六つ、七つ、八つ!」

 

 最初に引き金を引いたのは零児だ。彼は両手に握った拳銃を的確に周囲に居る敵兵に当て、仕留めた人数を数えながら撃つ。

 

「無駄無駄無駄無駄、無駄ぁ!!」

 

 小牟も零児と同じく両手に拳銃を持ち、周囲に群がる敵に向けて乱れ撃ちを放つ。

 沙夜は一挺の拳銃だけであるが、手近な敵兵に対しては零児とは違う複合武器から取り出した太刀の類の日本刀で斬り倒している。

 銃声が鳴り止む頃には、三人の周りには無数の屍が転がっていた。

 

「銃の型、巴!」

 

「はい、ご苦労様」

 

 零児が多数の敵を排除することが出来る連携技名を口にすれば、沙夜は労いの言葉を述べる。

 

「に、二個小隊が…!?」

 

「たったの三人に…!?」

 

「ば、化け物だ…!」

 

 たった三人の軍人でもなさそうな者達に、約八十人相当の味方が倒されたため、周囲に居る同盟軍の将兵達は恐怖を覚え、戦意を損失し始めていた。

 

「貴様らぁ! それでも勇敢なる惑星同盟軍の軍人か!? これほどのちっぽけなムシケラ三匹に何を手こずっておるかぁ!!」

 

「せ、政治将校だ…!」

 

「や、やるしかねぇ…!」

 

「この数ならやれるはずだ…!」

 

「うわぁぁぁ!!」

 

 そんな将兵達の背後から、大ぶりのハンマーを持つ数体の政治将校らしき異星人が現れた。彼らを見た同盟軍の将兵らは、その者達に背後より殺される恐怖を覚え、生き残るためには戦うしかないと覚え、蛮勇にも雄叫びを上げて自分を奮い立たせ、数に任せて再び三人らに襲い掛かる。

 

「やれやれ、恐怖で縛り付けるか」

 

 死の恐怖で戦意を損失仕掛けていた将兵らを再び戦場へと叩き戻した政治将校らを見て、零児はまた面倒なことになったと言えば、小牟は同盟軍を自分の記憶にある大戦時のソ連赤軍に例える。

 

「全く、まるでソ連赤軍じゃのぅ」

 

「死に物狂いの敵を相手にするのは、少々面倒なのよね…」

 

 死に物狂いで襲い掛かる大多数の同盟軍の将兵らを見て沙夜は面倒と思いながらも、初めに襲い掛かって来た敵兵をそれが嘘かのように撃ち殺していた。

 

「なら、政治将校を倒せばいいだけの話だ!」

 

 二挺の拳銃を仕舞った零児は、政治将校を倒せば同盟軍の将兵らの戦意は完全に瓦解すると言って、複合武器から抜いた炎を纏った日本刀で敵兵を斬りながら突っ込む。

 

「ほぅ、戦の基本じゃのぅ。ならばわしもやるまでよ!!」

 

 単独で政治将校の元へ突っ込む零児を見て、小牟も周囲の敵を己の拳と足だけで倒しつつ、彼と共に周囲の敵を薙ぎ倒しながら政治将校の元へ向かう。

 

「まぁ、早く終わらせて帰りたいしね…私も乗っちゃおうっと」

 

 沙夜もまたこの戦いを早期に終わらせるべく、零児らと共に政治将校の元へ突撃した。

 

 

 

 零児、小牟、沙夜が大多数の同盟軍の将兵らを一掃している頃、シュンは再び会い見えることが出来た正規軍の将兵らと戦えることに、大剣を振るって纏めて殺し回りながら喜んでいた。

 

「良いね! 最近は鉄砲持ったクソ共と室内戦しかしてねぇカス共としかやり合って無かったんだ! てめぇらがノコノコとやってきてくれたおかげで鬱憤が晴らせるぜ!!」

 

 そう殺している同盟軍の将兵らに向けて感謝の言葉を述べながら大剣を振るい、大勢の異星人らの将兵らを殺し回る。

 その姿はまさに怪物か悪魔その物だ。たかが身の丈のある大剣を振るう大男一人に対し、同盟軍の将兵らは零児達に恐怖していた友軍部隊よりも、更に恐怖して完全に戦意を損失している。

 

「ば、化け物だ! 死にたくねぇ、俺は死にたく…」

 

 一人の将兵が自分の命が惜しくなって逃げ出し始めたが、自軍の恐怖の象徴であるグラヴィティ・ハンマーと呼ばれる重力を使う戦槌を持つ大柄なゴリラのような異星人に叩き潰された。

 

「貴様らぁ、こんな化石時代見てぇな武器を振り回す猿一匹になに逃げだしてんだぁ? 良いか! てめぇらは勇敢な惑星同盟軍の軍人だぁ! 逃げる奴は分かってるよなぁ!?」

 

「ヒィィィ! ぶ、ブルートのチーフテンだぁ!!」

 

「あのハンマーで叩き殺される…! 俺は死にたくねぇぞ!!」

 

 先ほど叩き潰した兵士の屍を晒しながら、敵前逃亡を行おうとする他の兵士達にどうなるか告げれば、彼らは更なる恐怖に塗り替えられ、零児らと同様にシュンに数任せで立ち向かう。

 

「ほぅ、政治将校ね…! テメェ等さえ殺せば勝ったも同然だな!!」

 

 ハンマーを持つ政治将校らを見たシュンは、その者達さえ倒せば勝機があると思い、狂気染みた笑みを浮かべながら単独で突っ込む。

 一人で突っ込んで来るシュンに対して、銃火器を主力とする同盟軍の将兵らは雨あられと弾丸やプラズマ弾、レーザーを浴びせるが、まるで何かに守られているかのように、大剣を振るう彼には掠れる程度であった。そのまま近付かれて大剣の錆とされる。

 

「な、何がどうなってやがる…!? 俺たちは最新式の装備を持つ軍隊だぞ!!」

 

 自分からしてみれば、大剣を振るう男など単なる的でしかないが、その男一人に最新鋭の装備を持つ歩兵部隊が蹴散らされているのを見て、政治将校も先ほどの同盟軍の将兵と同じく戦意を損失しつつあった。

 シュンは大剣でただ惨殺して行くだけでなく、投げナイフや紐で吊るしてあるAK-107突撃銃、腰のホルスターに収めてある拳銃などを使って大剣の刀身が届かない距離に居る異星人の将兵らを片付ける。その手際も見事に良く、大剣で惨殺して行くかの如く効率的に始末して行く。

 そんなシュンは、多数の敵を大剣で斬り倒しながら政治将校の元へ辿り着いた。

 いよいよ自分等が大剣の錆となる番が来たようだ。

 そう意を決した政治将校は、自分の得物の柄を強く握って自分を奮い立たせ、目前から来る返り血塗れの男に構える。

 

「何が大剣だ! 俺のグラヴィティ・ハンマーで叩き潰してやる!!」

 

 そう自分と他の政治将校らを奮い立たせながら、悪魔のような笑みを浮かべながら迫るシュンに向けてハンマーを振り下ろそうとした。

 だが、ハンマーは男に振り下ろされる前に、大剣によって槌の部分が破壊される。

 

「ひっ、ヒィィィ! ぐ、グラヴィティ・ハンマーがぁ!?」

 

「同じ経験は何度かあるんだけどなぁ!!」

 

 自分の自慢の得物であるハンマーを破壊されて驚愕する政治将校に対し、何度も似た経験をしているシュンは、その経緯をこれから斬殺する相手に言ってから振り下ろして両断する。

 

「お、おぉぉ…!?」

 

「うぅ、ひ、怯むな! 叩き殺せぇ!!」

 

 一人の政治将校の胴体が下半身から血飛沫を上げて切り離される中、他の政治将校たちは怯まずに各々が手にする武器で返り血を浴びたシュンに攻撃し始める。

 飛び道具を持つ者達が撃つよりもこれに気付いたシュンは、引き金を引く前に下を蹴って瞬時に政治将校らに近付き、大剣で次々と両断して行く。

 

「グッ!? ラァァァ!!」

 

 右脇腹に一発のプラズマ弾が当たったが、その痛みを物ともせずに自分を撃った異星人の兵を大剣で叩き殺して肉塊へ変える。

 このシュンの姿は、流石の政治将校たちでさえも恐怖を覚えるしか無く、彼らもまた命欲しさに逃げ始める。

 

「悪魔だァー! 殺されるぅ!!」

 

「だ、駄目だ! 敵わん! き、キメラだ! キメラかローカスト共を呼べ!!」

 

 次々と味方を惨く斬り殺していくシュンの姿に恐れをなした政治将校は、惑星同盟軍が誇る死を恐れない兵士たちを呼ぶように部下に慌てながら命じた。

 それに応じ、部下は大きな手で腰に付けてある携帯式無線機を手に取り、その死を恐れぬ兵士たちを呼ぶ。

 この間に多数の将兵らがシュンの大剣の錆となり、これに恐怖した将兵達は戦いもせず、我が身可愛さに逃げ出し始めていた。大剣を振るう返り血塗れのシュンの背後には、無残な屍と化した同盟軍の将兵らの屍が無数に転がっている。もはや、この狂戦士を止められるのは、死を恐れぬ兵士たちしか居ないのだろう。

 物の数分後に、その死を恐れぬ兵士たちを乗せた大型輸送機(ガンシップ)が上空から飛来してきた。

 

「や、やっと来たか! に、逃げるぞ! あんなのは命が幾つあっても足りねぇ!!」

 

 そのガンシップを見るや、政治将校らは他の将兵らと共に我先に逃げ出し始める。

 

「なんだぁ? 他の兵隊共が逃げたら変な連中が出てきやがったぞ?」

 

 大剣に付着した返り血を振り払いながら、シュンは死を恐れる兵士たちの代わりにやって来た死を恐れない兵士たちを見て疑問を抱く。

 その死を恐れぬ兵士たちは、背中に冷却装置とも見える物を背負い、禿げ頭で四つの眼を光らせている。口は獣のような鋭い歯がびっしりと並んでいる。半裸の状態であり、動きやすいタイツのような黒いズボンを履いている。手にはプラズマ弾を発射する銃が握られていた。

 死を恐れぬ兵士たちは二種類であり、もう一方は真っ白な肌と屈強な肉体を持ち、身長2mと大柄な異星人だ。一種類目と共通で禿げ頭で、銃はプラズマ弾を発射する物では無く、実弾を発射する数々の銃器を持っている。

 

「オッキナ大剣ヲ振リ回ス凶悪ナ人間ダ。殺サナイト…!」

 

「真っ白のマッチョ共は喋れるようだな」

 

 一種類目とは違って、二種類目は多少の言語は喋れるようだ。

 そう判断したシュンは、自分を見るなり銃を撃とうとする一種類目の兵士を叩き殺す。

 

「(硬いと思ったが、普通みてぇだな、こっちは?)」

 

 一種類目を斬り殺せば、今度は二種類目に向け、巨大な刃を振り下ろした。

 巨大な刃を受けた二種類目は、耐え切ることなく肉塊と化し、周囲に赤い血と肉片を撒き散らす。

 

「(血は赤いか。目ん玉四つは元人間か。そんで禿げ白マッチョは人間と同じ血を流す生物だな)」

 

 斬った瞬間に赤い血を撒き散らしたのを見逃さずに確認すれば、敵の戦意を挫くために数十体以上を斬り捨てる。

 だが、その兵士たちは味方が何人も無残に殺されようとも、怯みも怖気づいた様子を見せることなくシュンを殺そうと向かって来る。

 

「殺ス、殺ス。人間殺ス…」

 

「数匹片付けても殺意が消えねぇ。なるほど、俺にお誂え向きの相手ってことかよ…」

 

 何体も惨く斬り捨てても、向かって来る二種類の死を恐れぬ兵士たちを見て、シュンは自分向きの相手だと判断し、命知らずで向かって来る敵兵等に対し、自分も臆することなく全滅するまで斬り殺し続ける。大剣だけでなく、自分が持っているありとあらゆる武器を使って排除を続けたが、それを使っても大して変わらずに同盟軍が誇る殺戮機械たちは恐れずに突っ込んで来る。

 幾ら斬り殺しても、幾ら撃ち殺そうと、まるで一切の恐れも知らずに手にしている小火器で撃ってくる敵に、シュンはやや恐怖を抱いたが、被弾した個所から来る痛みと生への執着心で恐怖を無理やりにも出抑え付け、巨大な鉄塊のような剣を振り続ける。

 心の中で押し寄せて来る恐怖を抑え付け続け、現実に見える迫り来る殺戮機械を惨殺し続けること数十分間、辺り一面はシュンに寄って惨たらしく殺された殺戮機械の無数の屍が転がっていた。

 硬いコンクリートは血で真っ赤に染め上がり、戦闘の余波で付いた倉庫の壁の切り跡に、殺戮機械の肉片や臓器、眼球が脳味噌の破片がこびり付いて真っ赤に染め上がっている。

 そこにただ一人だけ立っているのは、返り血で赤く染まり上がったシュンの姿だけだ。

 自分の血か敵の返り血か分からない程に血塗れであり、着ている黒い戦闘服には敵兵等の肉片や臓器の破片が付着している。

 

「…死神からまた逃げ切ったぜ…!」

 

 彼はまた、死神から逃げ切ることに成功したようだ。

 そんな満身創痍なシュンは、もう限界であろう身体を動かし、一気に敵の頭を潰そうと、逃げ遅れた子供のような異星人を捕まえる。

 

「ぎやぁぁぁ! 止めてぇぇぇ!!」

 

 子供のような異星人は、背中にヤドカリのような殻を背負い、口にはマスクらしき物を身に着けている。差し詰め呼吸装置の物だろうか。

 この異星人の取る行動には少し愛着がわいてきそうだが、十代前半から人を殺し続けているシュンは悲鳴を上げる異星人に対して何の罪悪感も抱かず、返り血塗れな顔と恐ろしい形相で本部が何所にあるかどうかを問う。

 

「おい、テメェラの本部は何所だ?」

 

 恐ろしい声色で問い詰める、否、尋問してくるシュンに対し、その異星人、グラントは死よりも恐ろしい相手に屈してあっさりと自軍の本部の場所を話した。

 

「さ、三番目に現れた亀裂に待機している次元揚陸艇ですぅ!」

 

「そうか…ありがとな…」

 

「えぇ!? ぎゃぁぁぁ!!」

 

 敵の本部の場所が割れればもう用済みなのか、シュンは掴んでいるグラントの腰にある手榴弾を起動させ、自分に不意打ちを仕掛けようとする赤いゴーグルが特徴過ぎるヘルメットを被る一団に向けて礼を言ってから投げ込んだ。

 グラントと呼ばれる種族が属する勢力、コヴナント軍の手榴弾は粘着性があり、通常の破片手榴弾より起爆は少し長いが、それでも十分な殺傷能力を秘めている。故に対抗している国連宇宙司令部(UNSC)と呼ばれる人類側の陣営の将兵達は、その厄介な手榴弾を持つ異星人の軍隊に苦戦を強いられた。

 

「う、うわぁ…!?」

 

 投げ込まれて届いた瞬間、シュンに向けて手にする突撃銃の銃弾を浴びせようとしていた三名以上の兵士は青い爆風に飲まれ、一瞬の内で生命を断たれた。

 背後の安全を確保したシュンは、そのまま三番目に現れた亀裂へと向かう。

 

 

 

「クソッ、何がどうなっている!? 敵はたかだか一個戦闘団だぞ!!」

 

 一方でシュンが向かっている三番目の亀裂で作戦本部として機能している次元揚陸艇の戦闘室では、二万人規模の一個師団規模の歩兵が、四千人しか満たない戦闘団相手に敗走しているのを見て、異星人の作戦指揮官が怒鳴り散らしていた。

 普通なら、数も装備も火力も勝る自軍が勝っている筈なのだが、相手はカナリスが率いる精鋭の三千の部下たちに、森羅やこの世界の超常現象対策課の連合チーム、駆け付けて来たワルキューレの一個歩兵大隊に、ルリ、そのルリを助けに来た逢魔(おうま)と呼ばれる組織に属するエージェント達と彼女の仲間であるルーサーと言う連携も出来なさそうな物だが、ワルキューレの歩兵大隊を除けば、全員が歴戦練磨の戦士たちであり、一部は想像を絶する力を持つ者達だ。

 加えて惑星同盟軍の追跡隊は、壊滅した部隊の残存戦力を集めた臨時混成部隊であり、練度も統制も無い烏合の衆だ。それに機甲部隊と重装備部隊は全て異世界に行ったルリの仲間たちの足止めに動員しており、こちらには一切の機甲兵器も重装備部隊も残されていない。その機甲部隊と重装備部隊すら、たった数人の者達によって解決状態に陥っている。

 こんな臨時の混成部隊で精鋭の部隊を相手にすれば、負けるのは当然であった。

 

「クソッ…このままでは俺の首が…!」

 

 目の前に転がった出世に何の準備も無しに手を出したがために、手痛い目に遭った司令官は作戦失敗の責任を負わされての処分される恐怖を覚え、絶望的な表情を浮かべる。

 そんな指揮官に対し、隣に立つ副官はこれ以上の戦闘を続けては部隊その物が全滅する恐れがあると考えての事か、撤退を提案する。

 

「か、閣下、ここは一時撤退を…」

 

「馬鹿者! これ程の戦力を投入しておいて撤退など出来るか!! たかが小娘一人を捕らえるために、二万人編成の混成師団を投入しておいてだぞ!? それにたかが数人を足止めするために向かわせた一個機甲旅団と一個歩兵連隊も壊滅状態だ!! そんな損害を出しておめおめと戻ってどう言い訳するつもりなのだ貴様は!?」

 

 撤退を提案した副官に対し、恐ろしい形相で退くには退けない状況であると怒鳴り散らしながら告げる。

 

「最悪の場合、玉砕も覚悟せねばならん…分かっているな…?」

 

「は、はい…小官も十分承知の上であります…!」

 

 少し落ち着いた後に、改めてここで退けばどうなるか副官に問えば、それが分かっている副官は玉砕することもいとわない覚悟を額に汗を垂らしながら告げた。

 

「よし、分かっているならそれで良い…直ぐにあの小娘に更に一個連隊を…」

 

 副官が理解していることを確認すれば、指揮官は次なる指示を飛ばそうとした時に、自分の命運が尽きたことを知らせる使者が現れた。

 数名の警備兵がその使者に対して抵抗を見せたが、瞬きする間に皆殺しにされ、無残な死体を船内に晒す。

 

「じゅ、銃声…? ま、まさか…!?」

 

 銃声を聞いてその使者が自分を殺しに来た者であると即時に理解した指揮官の顔は、まるで数十年の時がたったように凄まじい速さで老化が進み、老人のような皺くちゃな顔立ちと化した。

 

「ひっ、ひぃぃ…」

 

 そんな指揮官を見た副官は、殺されているのは目に見えていると思っての事か、恐怖から逃げ出したいがために自分の蟀谷にホルスターより引き抜いた拳銃の銃口を突き付け、引き金を引いて拳銃自殺した。

 一発の銃声が響いた後、指揮官や作戦本部に居る通信兵や参謀たちも、副官の後を追って拳銃自殺を行う。数発の銃声が響いた後、立っているのは血塗れとなって入って来たその使者であるシュン一人であった。

 

「ちっ、みんなオッチにやがって」

 

 余りの恐怖で自殺した作戦本部要員らと指揮官を見て、シュンは呆れ果てて机の上に置かれていた飲料水が入ったコップを手に取り、一気に中身を飲み干した。

 それから適当に念のために持って来た起爆爆弾を何所か適当な場所に投げ付け、撤収しようとした矢先に近くにある映像通信機に、敵の本拠地と思われる場所からの通信が入る。

 

『司令官、司令官。例の少女は捕まえられたかね?』

 

 映像通信が映る画面には、黒い質の良い制服を着た青白い肌を持つ白髪の初老の男が映っていた。

 その初老の男は軍人では無いが、元軍人と思わせるような体格を持っており、更に将官クラスの指揮官に対して上から目線な口調であったため、かなりの権威を持っているようだ。

 シュンにも分かる言語で問い掛けて来たため、彼は既に自殺した指揮官に変わり、この通信に出た。

 

「あんたが敵の大将か?」

 

『ン、なんだこの血だらけの薄汚い男は? そこに居る能無しはどうした?』

 

 能無しと表する指揮官が出てこなかったために、男はその指揮官が何所に居るのかを代わりに出たシュンに問う。シュンは死んでいる指揮官の死体を持ち上げ、カメラがある場所へと持って行って死体を見せびらかす。

 

「あぁ、あんたの子分がこの通り死んじまったよ。たく、こいつら本当に軍隊か?」

 

『ふん、先にあの世へと逃げ出しおったか。そこの小僧、我ら惑星同盟軍が大したことは無いと言ったな。小娘を捕らえるためだけに編成した敗残兵共をかき集めただけの混成部隊だ。まぁ、そう思われては仕方が無いな』

 

 死体を見せびらかして自軍を侮辱してくるシュンに対し、初老の男はルリを捕まえるだけために編成した敗残兵の混成部隊では仕方がないと、彼の挑発に乗らずに告げる。

 

『だが、編成されて訓練された我が惑星同盟軍の部隊は、貴様が想像する烏合の衆では無い。そのことを忘れないことだ』

 

「あぁ、分かるぜ。俺も一応は軍人なんでな。さっきはごめんな」

 

 挑発には乗らなかったものの、自軍を侮辱してくる男に対し少し怒りを覚えたのか、正規の部隊は混成部隊とは比べ物にならないと強調した。この強調にシュンは同意したのか、自分が元軍人であることを明かした後に謝罪する。

 

『ほぅ、軍人か。で、名は何という?』

 

「瀬戸シュン、あんた等で言えば、シュン・セトか?」

 

『ふむ、瀬戸シュン、シュン・セトか…その名前、覚えておくぞ。覚悟しておけ』

 

 名前を問うて来た男に対し、シュンは偽名を名乗らずに正直に答えれば、男は覚悟しておくようにと忠告してから自分は名乗らずに一方的に通信を切った。

 

「あのおっさん、名乗らずに切りやがった」

 

 名前を聞いて来た男は自分の名を明かさなかったことに腹を立てながら、シュンはこの場を後にしてから仕掛けた爆弾のスイッチを入れて作戦本部を爆破した。

 

 

 

 作戦本部は破壊され、指揮官を失った惑星同盟軍の混成部隊は前線司令部より退却命令でも出たのか、我先へと逃げ出すかのように次元の亀裂に殺到し、逃げ出し始める。

 そんな敗走する惑星同盟軍の姿を見たワルキューレと森羅に超常現象対策課の者達は追跡を行わず、ホッと一息つく。

 

「やれやれ、やっと退いたか…」

 

 無数の敵を相手に奮闘していた零児らも、ようやく戦いが終わったのか、その場に腰を下ろして座り込んだ。

 

「も、もぅ駄目じゃ…」

 

「もう一度来られたら確実にアウトね…」

 

 人外とも言える小牟と沙夜でも、大多数の敵相手では流石に骨が折れるのか、その場に野垂れ込む。

 三人とも無傷では済まず、着ている衣服はボロボロであった。

 

「おい、あそこに沙夜様が居たぞ!!」

 

「森羅の白髪野郎と駄狐も一緒だ! おーい姉御! 例の嬢ちゃんも一緒だぜ!!」

 

 そんな三人の元へ、毒馬頭と毒牛頭がルリを連れて来た。ルリは元の小柄な少女の状態へと戻っており、戦闘が終わった後に元に戻ったのか、着ている武偵校の制服は殆ど無傷に近い状態だ。

 

「あら、ありがとね。とっくに逃げ出しているかと思ったけど」

 

「沙夜様を置いて、我らが逃げ出すはずがありません!」

 

「それは酷いですぜ、姉御。俺たちだって必死に戦ってたんですから」

 

「はいはい、ごめんなさいね」

 

 毒馬頭と毒牛頭の上司である沙夜は、二人がルリを連れてこの場から逃げ出していると思っていたが、二人はそれほど性根が腐ってないことを、上司の彼女へ告げる。

 

「ふぅ、小物臭がする悪党かと思ったが、大した奴じゃぜ」

 

 そんな逃げ出さなかった毒馬頭と毒牛頭に対し、小牟は敵ながら見事であると称賛する。

 

「けっ、あんたに言われたって嬉しかねぇよ」

 

「ふん、お前よりは出来ると思うがな」

 

 称賛した敵である小牟に対し、二人はそれが不要だと返す。

 

「あら、みんな仲良しね。気分を壊しちゃうようだけど、あの娘を賭けた戦い、さ・い・か・いする?」

 

 少し息を整えた沙夜は、左手に自分の複合武器を持ちながら、同じように浸かれている零児と小牟に対し、ルリを賭けた戦いを再開するかどうか問い質す。

 それを聞いてか、二人は即座に臨戦態勢を取り、零児は黄金の回転式拳銃の銃口を沙夜に向けた。この激闘を終えたと言うのに、まだ戦おうとする零児と小牟、沙夜の姿を見てルリは声に出さずとも不安を覚える。

 

「あん、そんな身体で大丈夫かしら?」

 

「そいつは重畳、今ここであの時の答えを…」

 

「そんな状態で再開すると言うのかい?」

 

『っ!?』

 

 沙夜との戦いを再開しようとする零児は、疲弊した身体を無理に動かし、拳銃の引き金に指を掛けようとしたが、背後から聞こえて来た声に反応してその方向へ銃を向ける。

 

「お、お主は確か…!?」

 

「あぁ、八世紀近く生きている君の言う通り、その子の仲間だよ。もし、この少女を捕まえようなら、この僕が相手をしようじゃないか」

 

 小牟が自分等の背後より現れた男が、ルリの仲間であるルーサーであると分かれば、彼は小牟が妖狐であることを一目で見抜き、これ以上、ルリを狙うようなら自分が相手になると告げる。彼はこの時のために、後方に下がって体力を温存していたのだ。

 

「ぬぅ、鬼畜ゲーにも程があるぞ…」

 

「まさかここまで同盟軍が予想通りの行動に出てくれるとはね。君たちが拡散対策のために、予備兵力の全てを投入してくれたことに感謝しているよ」

 

 現れた更なる強敵に対し、後方で楽をしていたルーサーを睨みつつ、今の状態では勝てないと小牟は悔しがる。それに同盟軍を周囲宙域に出さないために、予備兵力の全てを投入してしまったので、ルーサーに対抗策が無い。作戦はルーサーの手によって打ち砕かれたのだ。

 そんな彼らの元へそれが事実であると告げるように、ボロボロで負傷したカナリスが、自分の部下たちと共にやって来る。

 

「その男の言う通りだ。今の我々ではその少女を捕らえる事も出来ない…予備戦力も全て使ってそれも疲弊している…この作戦は失敗だよ」

 

「君の出した回に間違いはない。このルーサーの勝利だよ」

 

 現れたカナリスは、彼の言う通りに作戦は失敗したことであると告げれば、彼らに勝利したルーサーは改めて勝利宣言し、ルリを連れて帰ろうとした。

 沙夜もそれに乗じ、元の世界へ帰ろうとする。

 

「そう言う事、じゃ、坊やたち、アディオス」

 

「待てぇ! まだ話を…!」

 

「お、お待ちください沙夜様!」

 

「待ってくれ姉御!!」

 

 零児の有無を言わさずに、沙夜は自分に似た同じ容姿の三名の白髪の若い女性を連れ、毒馬頭と毒牛頭を置いて行く勢いで、同盟軍が作った元の世界へ帰ろうと、次元の亀裂まで飛び込んで入る。その後を、二匹の妖怪が慌てながら追い掛けて行く。零児が叫んで呼び止めようとするが、彼女は投げキッスを送ってから次元の亀裂の中へ入った。

 

「あの、あの人達は…? 回復させないと…」

 

「気にすることは無い。回復させれば、また君を狙ってくる。さて、ここを出よう。そろそろ彼らも帰っている頃だろう」

 

「…」

 

 帰ろうとするルーサーに対し、先ほどの戦闘で疲れ切った零児等は回復させないのかとルリが問うてきた。

 これにルーサーは、先ほどの戦闘で共闘したとはいえ、敵を回復させるつもりは毛頭も無いと答えれば、目前に手を添えて何らかの結界を破壊して出入り口を作り、そこから元の場所とされる場所へ帰った。

 それを目前で見ていた小牟は、直ぐにカナリスに問い質す。

 

「なっ!? 結界!? いつの間にわしらは結界の中に居ったんじゃ!? ちゃんと説明せんか!?」

 

「何もかも聞いてないぞ。もしかして、俺たちは結界の中で戦っていたのか?」

 

「あぁ、我々の同盟勢力による技術だ。捕獲対象を神崎・H・アリアから遠ざけてから発動していた。これで周りの被害は避けられた」

 

 続けて零児が問い質して来れば、カナリスはアリアがルリから離れた瞬間に発動していたことを告げる。

 

「妙な感覚がしたと思ったら、それか…通りであれほどドンパチやっても野次馬や警察が来ないわけだ」

 

「全く、とんだご都合展開な物じゃのう」

 

「それが無ければ、今ごろ元の世界は大混乱だ」

 

「う、うぅ、確かに…」

 

 発動した時期うぃ、ルリがアリアから離れた時であると聞けば、零児は変な感覚を覚えたと言い、野次馬も警察も来なかったことに合点が行って納得した。

 小牟は知らぬ間に発動させていたこの隔離結界を、ご都合展開過ぎると言ったが、それが発動しなければ元の世界は大混乱であるとカナリスは捻じ伏せる。これには小牟も反論の余地が無いようで、何も言い返せなかった。

 

「さて、あの無数の異星人の屍の処分は誰がするんだ?」

 

「我々と後からか来る部隊の仕事だ」

 

「あ、あれを掃除するのか…? 現実世界では何も無いのに?」

 

 少し間が空いた所で、零児は固有結界内の同盟軍の無数の屍の処理はどうするのかをカナリスに問えば、彼は自分と後から来る後始末の部隊であると答えた。

 それを聞いて小牟は、シュンを含める自分等が殺した無残な屍を本当に自分等で処分するのかを再度問えば、彼は例え固有結界であろうと片付けねばならない理由を告げる。

 

「固有結界の中であろうと、死体は腐る。仮にこの世界の一部の者が、この無数の死体の事を知ったとすれば、君らはどう思う?」

 

「お、おぉ確かに…別世界に大量の死体があることを知っていると、気味が悪いのぅ」

 

「知らぬが仏と言う奴だな。だが、そこの駄狐の言う通り知れば気味が悪い。よし、数分以上休憩すれば片付けるか」

 

「あぁ、休憩が終わる頃には来ているだろう。私も衛生兵に応急処置を済ませた後に手伝おう」

 

 そう言われてか、二人はカナリスの答えに納得し、零児は少しの休憩の後に、死体処理をすると言えば、カナリスは応急処置を終えたのちに手伝うと告げた。

 

 

 

「この無数の死体、この隔離結界が無ければ大騒ぎですな」

 

「今回はご都合主義に助けられてんな」

 

 ルリがルーサーと共に隔離結界の中へ出て行った頃、この世界の超常現象対策課の面々は、シュンが作り上げた地獄絵図を見て、少し驚きを覚えつつも、何とか平静を保って死体の損壊具合を見て判断していた。

 彼らもまたあの激戦を一人も欠けることなく生き残っており、その激闘の様子を物語るように、身に着けている戦闘服はボロボロで頬の辺りには複数の擦り傷が見られる。

 大きな騒ぎにならぬようにと、隔離結界を張ってくれたカナリス等ワルキューレに感謝しつつ、損壊の原因がシュンの持つ大剣である「スレイブ」による物であると判断する。

 

「これはあの防衛省の大柄な若い工作員が持っていた大剣による物でしょう。それもあの鉄塊のような物を片手で振り回している。我々鬼に匹敵する腕力と体力の持ち主ですよ、あの人は」

 

 あの巨大な鉄塊を振り回すシュンを、自分ら鬼に匹敵する腕力と体力を持つ人間であると、死体を調べた愛澤はそう判断したが、彼はその大剣に潜む悪魔に気に入られてあの力を発揮できたことは知らないようだ。

 

「でもよ、銃で撃たれたり、ナイフをぶっ刺されて死んでる奴もいんぜ?」

 

「ほぅほぅ、剣の腕だけでなく、ナイフや銃の扱いも得意なご様子ですな。これはかなりの強敵ですぞ。萩枝殿」

 

 芳沢が他の武器で殺された同盟軍の将兵の死体を指差しながら告げれば、愛澤はシュンが相当厄介な敵であると、倉庫の屋根の上でこの軍勢をたった一人で片付けたシュンの所業を見て呆然としている萩枝に伝える。

 

「あれは本調子で無かったと言う事か…!」

 

 ようやく口を開いたのは、あの最初に剣を交合わせた時の事であった。

 あの時は自分が押していたが、その時は本調子で無かったと萩枝は勘違いしてしまう。

 実際にシュンは本気で萩枝と剣を交えたが、彼はあれが本気で無いと思ってしまったようだ。

 それにこの地獄絵図を作り上げたのがシュンであると分かれば、勘違いしてしまうか、別人であるかを疑うだろう。

 

「俺では敵わぬとでも言うのか…!?」

 

 自分が成せない所業を成し遂げたシュンに対し、萩枝は更なる対抗心を抱きながら、自分の愛刀を抜き、固有結界を斬って元の世界への出入り口を切り開いた。

 ここでシュンは何所へ行ったのだろうか?

 そんな考えが脳裏に走ったが、今は自分の対抗心を燃やすための素材が生きていることを祈りつつ、萩枝は元の世界へ帰る事が出来る出入り口を通った。




~今週の後書きコーナー~

「わけあってイオク様お一人」

イオク・クジャン「クジャン家の現当主、イオク・クジャン、ただいま見参! って、あれ…? 誰も居ないだと…? どういう事だ!?」

「…」

イオク「おのれ、この私に恥をかかすためにここへ呼びつけたと言うのか…! 許せまし! このイオク・クジャンが正義の鉄槌を下してくれようぞ!!」

ガッツ「おい、そこのアホンダラ。ここに物語から飛び出したような奴は来なかったか?」

イオク「やっと人が…ぬっ、その容姿!? 貴様はまさか…!?」

ガッツ「その反応、お前もどうやらあいつの仲間ってことらしいな。直接この下っ端に聞いた方が良さそうだな」

イオク「下っ端にあいつの仲間? おのれ、何所まで私を愚弄する気か! 少しあの時に私を葬った男と似ているが別人のようだな! だが、このイオク・クジャン、二度は殺されん! そして私は剣の腕は達人ぶべっ!?」

ガッツ「ベラベラとくっちゃべってんじゃねぇ…! 良いから俺の質問に答えろ! グリフィスの野郎は何所に居やがる!?」

イオク「ひっ、ヒィィィ!! お助r」

ガシャン!

今回現れた惑星同盟軍の異星人たち。

一般的な異星人将兵。
統合連邦の人間主義政策によって圧制されている異星人の人達。
人間の兵隊とほぼ同一の戦闘力を持つ。故に一般的なやられ雑魚である。
外見は様々で、主に創作物の人型宇宙人が多数登場する。

グラント
大人気FPSゲーム、HALOに登場する超有名な可愛い雑魚敵。
子供のように体格が小さい事と、大気圏内での活動のために身に着けている呼吸装置が特徴。
コヴナント軍においては、かなりの数であるのか、歩兵を務めている。
コヴナント語では「アンゴイ」と呼ばれている。

ジャッカル
グラントと同じHALOに登場する雑魚敵。
近接戦が不向きなのか、携帯式のエネルギーシールドを持っている歩兵。
他の種族とは視覚。聴覚・嗅覚が優れているのか、狙撃兵や偵察兵も務める。
コヴナント語では「キグ・ヤー」と呼ばれる。

ブルート
グラントやジャッカルと同じゲームに登場する雑魚敵。だが手強い。
獰猛なゴリラのような体格であり、近接戦と射撃戦を積極的に行ってくる暴力的で好戦的な連中。
だが、その暴力的と好戦的な正確な所為か、何度も文明退化を繰り返している。
しかし狡賢い奴は幾人か居り、そのおかげでコヴナント軍の中核を奪うことに成功している。
コヴナント語では「ジラルハネイ」と呼ばれる。

ハイブリッド
FPSゲーム、レジスタンスに登場する雑魚敵。
元は人間であるが、キメラに殺人鬼として改造された。人の姿は殆ど保ってない。
戦術に長けた奴でしかも感情も無くて死を恐れないので厄介な奴。
ブルズアイと呼ばれるトンデモ銃を主に使う。

カメレオン
ハイブリッドと同じくレジスタンスに登場する敵キャラ。だが、二作目のみ。
プレデターみたいな外見をしており、その姿の通り姿も消せて両手の鋭利な刃で獲物を即殺することもできる。
だが、今回は逆に即殺された。

ドローン
TPSゲームギアーズオブウォーに登場する雑魚敵。
外見は筋肉モリモリマッチョマンの変態共で、腕力も凄い真っ白肌の雑魚。
知力もあって言葉も喋る。人間を見付けると、殺意丸出しで執拗なまでに殺しに来る。

α部隊隊員
FPSゲーム、キルゾーンに登場する雑魚敵。三作目から。
ヘルガストの軍事企業、スタール・アームズ社の代表であるヨハン・スタールの私兵部隊であり、自社製の装備を身に着けている。
飛んだりジオン顔負けの兵器を使って来る。

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