【】←これ、ドイツ語って事でしくよろ
「急ぎなさい! 東京湾から潜水艦が現れて、そこから武装した夾竹桃の回収部隊と思われる部隊が出て来たらしいわ!」
あかりと夾竹桃が交戦している鉄橋近くで潜水艦らしき物がレーダーに映った情報は、既にアリアたちも手に入れていたようだが、既に浮上して回収部隊らしき者達が出て来た後であり、一人残された後輩を救うため、武偵校が保有する生徒用の乗用車で救援に駆け付けていた。
現場で戦って救援を要請したあかりから回収部隊らしき者達は武装していると聞き、ルリやエジプトの砂漠でワルキューレの追跡部隊より逃れることに成功した残りの勇者一行の者達を乗せて駆け付けている訳だ。
しかし、全員で駆け付けるわけには行かない。一行の中で最も戦闘力の高い者、スコーピオンやラグナ、マルク曹長がアリアとルリに同行している。だが、スコーピオンは車には乗らず、家々やビルの屋根を飛び移りながら移動している。
残りの者はワルキューレの襲撃に備えてか、潜伏先で待機中だ。
「あかり、生きてるなら返事しなさい! 敵は伊・Uの連中なの!? 応答して!」
乗用車の運転を車両科の生徒に任せ、アリアは救援を要請してきたあかりに、回収部隊が自分の追っている件の組織の者達であるかどうかを問う。
しかし、現場でその者達と交戦しているあかりは、先輩であるアリアが追う件の組織とは違う、欧州では忌み嫌われている組織だと銃声に負けないくらいの声量で答える。
『伊・うー? 違います! ナチスです! ハーケンクロイツとか付けててロボットまで出て来てます!!』
「ナチスですって!? それにロボット!? どういう事なの!?」
『私に聞かれても分かりません!!』
イギリスと日本のクォーターであるアリアは、敵が伊・Uの回収部隊ではなく、ナチスと聞いて驚きの声を上げる。更にロボットまで居ると聞いて、アリアは現場のあかりに問い掛けるが、そんなのを知らない彼女は分からないと大声で答えた。
「ナチスだと?」
「もしや、第四帝国の連中か! 奴らめ、ここまで手を伸ばして来たか!」
ナチスと聞いてか、最初にラグナが反応すれば、続いてこの世界にまで手を伸ばしたナチスのことを知るマルク曹長が、その流れを汲む組織であることを告げる。
第四帝国とは、ナチス政権下の第三帝国の次に来るファシズム国家と言う意味で使われ、批判的な表す際に用いる語であるが、マルク曹長が言う第四帝国は、ナチスの流れを汲む武装勢力であるようだ。
勇者一行や連邦に同盟、ネオ・ムガルと同様に次元転移装置を持つことから、かなり強大な勢力と思われる。
そんな危険な民族至上主義者達が、東京湾からUボートと思われる潜水艦から現れ、あかりを襲っていると言うのだ。早く現場へ急行しなければ、あかりは殺されてしまうだろう。
ナチスが来ていると知ったルリは、直ぐに急ぐべきだとアリアたちに告げる。
「早く行かないと! あかりちゃんが危ないよ!」
「だからこうして急いでいるのよ! 貴方は直ぐに…」
当たり前の事を言うルリに対し、アリアはそうだと返して銃の準備をしろと言おうとしたが、彼女を狙うもう一つの集団の襲撃を受ける。
「うわっ!?」
「ちっ、こんな時に…!」
運転手が目前に現れたスキンヘッドの男が送り込んだ戦士に驚いてブレーキを踏む中、敵襲に気付いたラグナは車から飛び降り、乗用車の目前に立ち、破壊しようとする戦士に向け、大剣の刃を振り下ろす。
振るい落された大剣の刃を見た戦士は、それを避けるために車の破壊を止め、道路を蹴って脇道へと逃げる。
「クソッ、急いでいるのに! この世界に来てからお客さんが多いな!」
敵の戦士が追撃を仕掛けるラグナと交戦する中、マルク曹長も車から降り、アリアとルリが乗る乗用車に向けて突っ込んで来る敵の戦士たちを拳銃で迎撃する。
並の人間なら怯んで遮蔽物へ隠れている所だが、相手には銃弾を物ともしない戦士であり、焼け石に水であった。
スコーピオンも戦士の襲撃を察知して救援に向かおうとするが、彼の居る方向にも襲撃者が現れる。
「この臭い…レプタイルか!」
爬虫類のような臭いと酸で、自分を襲撃してきたのがレプタイルであると分かったスコーピオンは、火の玉を放って飛んできた酸を迎撃する。
「スコーピオン…恩ヲ仇デ返シタオ前ヲ仕留メレバ、俺ハ人間ニナレル…!」
「ほぅ、それが目的でクァン・チーの下僕となるか。だが、お前ごときがこの俺には勝てん!」
レプタイルがお前を仕留めれば、人間になれると言えば、襲撃者を送り込んだのが自身を死の淵から呼び起こした妖術師、クァン・チーであると分かり、スコーピオンはその名を口にしてから構えを取る。
「調子ニノルナヨ…! オ前ノ動キはホボ分カッテイル!」
「そうか。ならば、叩き潰すまで!」
相手が構えたのを見たレプタイルは、挑発するスコーピオンに襲い掛かる。
スコーピオンとレプタイルとの戦いが始まろうとした時、ラグナの方にも強敵が現れる。
「っ!? テメェは…白ハゲ!」
数名の襲撃者を打ち倒した後、並々ならぬ気配を感じ、ラグナはその方向へ振り返る。
そこには、山羊の頭を持つ馬のような四足歩行の生物に跨ったクァン・チーとされる人物が居た。
「流石は蒼の魔導書を右腕に宿す男。この程度の戦士では歯が立たぬか」
手下を数名ほど打ち倒したラグナを見て自らが戦わねばならぬと思ったのであろうか、馬のような生物から降り、地に足を着けた。
大将自らが来たため、ラグナは伏兵を警戒しつつ、大剣の刃をクァン・チーに向けながら挑発を掛ける。
「こんな所まで追っかけて来るとぁ、よっぽど暇らしいな」
挑発を仕掛けた物の、クァン・チーはそれに乗らず、降伏を提案する。
「フン、その程度の挑発には乗らんよ。それより、魔導書を宿した右腕を切り落し、大人しく私に差し出せば、貴様だけは生かしておいてやるが、どうだ?」
「ケッ、お前も随分と洒落が効いた冗談がほざけるんだな。答えはお断りだ、白ハゲ!」
蒼の魔導書を宿した右腕を切り落して差し出せば、自分の命は助けてもらえると言う状況であったが、ラグナはそんな降伏の提案に乗るはずが無く、俄然やる気となって戦闘態勢を取ってないクァン・チーに先制攻撃を仕掛ける。
「ほぅ…その提案を蹴るか。なら、お前を殺してでも奪い取る物よ!」
ラグナからの先制攻撃で、降伏を拒否したと受け取ったクァン・チーは攻撃を避けつつ、亜空間を使った特殊な攻撃で反撃を行う。
予測不可能な場所からの攻撃だが、ラグナはこれをうまく防御してクァン・チーの顔面に蒼の魔導書が宿された右腕で殴ろうとする。
回避不能と判断してか、クァン・チーはそれを左腕で防御し、その反動を利用してラグナとの距離を置く。
「どうだ、お前の欲しがってた魔導書で殴られる気分は?」
「魔導書の暴走を気にして加減していたが、本気でやった方が良さそうだな」
自分が求めていた蒼の魔導書が宿った右腕で殴られた左腕を見ながら、暴走を気にせずに本気でやるしかないと判断し、追撃を仕掛けるラグナに向けて拳を構えた。
ラグナとクァン・チーとの激戦が始まる中、マルク曹長も次々と襲い掛かる戦士たちと戦っていた。
「畜生、これじゃあ、向かえねぇぞ!」
ルリやアリアが乗る乗用車を守りつつ、マルク曹長は自分の愛銃であるAKMを撃って戦士たちを近付けないようにする。
「一体こいつ等は何なのよ!」
襲ってくるクァン・チーの手下たちの事が分からないアリアは、後輩のために取っておいた45口径の短機関銃であるM3A1グリーズガンを取り出して撃とうとしたが、マルク曹長に止められる。ルリもスターリングMk7で迎撃しようとしていたが、彼女もマルク曹長によって止められた。
「ちょっと!?」
「弾は可愛い後輩ちゃんのために取っておけ。それと、勇者と嬢ちゃんたちは先へ! ここは俺たちが食い止める!」
「仲間を放っておいて…」
「あの嬢ちゃんが優先だ!」
「わ、分かったわよ…! 確かに貴方たちよりあかりの方が心配だわ。絶対に死なないでね!」
孤立無援のあかりを助けるため、マルク曹長はルリとアリアに先に逝くように言うが、気の強いアリアはそれに反論する。
だが、マルク曹長の剣幕に押され、あかりの救援に向かうために乗用車の中に入る。
「私は…勇者ちゃんもだ! 済まんが足手まといになるんでな!」
「そんな…」
ルリも外へ出て、クァン・チーが送り出した戦士たちと戦おうとしたが、マルク曹長から足手まといと言われ、泣く泣く車へと戻る。
「みんな絶対に死なないでね!」
「分かっているさ!」
マルク曹長が開いた突破口から、乗用車がそこを通って孤立無援のあかりの元へ急ぐ。
過ぎ去っていくその乗用車からは、ルリが全員に死なないように告げれば、一人で多数の敵を抑えるマルク曹長はそれに頷き、乗用車の追撃を行おうとする敵を排除する。
スコーピオン、ラグナ、マルク曹長が襲撃しに来た敵を抑えるために、あかり救援隊の戦力は多大に減少した。
だが、あのシュンが彼女の元へ向かっているので、心配無用だろう。
しかし、三人はシュンの存在を知らず、二人でナチスの部隊とやれるかどうか心配しながら、あかりを襲う者達より厄介な敵と戦い続けた。
「クッ…こんな所で…!」
「私を置いて逃げなさいあかり! 私を庇いながらの戦闘は!」
近くの湾で浮上した潜水艦から出て来た謎の部隊の襲撃により、孤立無援となったあかりは、襲撃前の戦闘で勝利した夾竹桃を庇いつつ、その謎の部隊と戦っていた。
襲撃部隊は全身黒尽くめで左腕にハーケンクロイツが描かれた腕章を付けており、装備と武器はこの世界には存在しない物であるが、一級品である事には変わりない。それに機械の動物や分厚い装甲服を身に着けた者達まで居り、ドイツ語を喋っているから、その手の知識のある者なら必ずナチスの者であると分かる。
「なんでここにナチスが…」
自分等が身を隠している車に向かって来るナチスの兵士たちを見ながら、あかりは何故にこの世界に来たのかを考えたが、こっちに向けて撃ってくるので敵であることは確かだ。
「あんな連中は私でも分からないわ。それにあんなに大規模なネオナチなんて存在してたら、モサドが直ぐに察知するはずよ」
「確かに食いつきそうな…」
手錠で掛けられている夾竹桃が、あの規模の部隊と装備なら直ぐにモサドが察知するはずであると言えば、あかりはそれに納得する。
確かにあれだけの部隊なら、それもナチス関連であれば、直ぐに察知されるだろう。
だが、これ程の部隊が来てもモサドは来てくれない。自分等に来るのはナチスの兵士たちと銃弾、それに鉄の化け物たちだけだ。
「あかり!」
「っ!?」
銃を撃ちながら向かって来るナチス兵等に気を取られている間に、背後から凶悪な牙を持つ機械の犬が飛び掛かって来た。
夾竹桃の知らせでそれに気付いたあかりであったが、手にしている小型の短機関銃であるマイクロUZIを撃つ間もなかった。
「アリア先輩…」
このままでは機械の犬に噛み殺されてしまうだろう。
先輩の名を口にしながらあかりは死を覚悟したが、機械の犬は彼女らに襲い掛かる前に、巨大な刃によって叩き斬られた。
巨大な刃を受けてバラバラになった機械の犬のパーツが散らばる中、その機械の犬を意図も容易く破壊した巨大な刃を持つ正体が残骸の隙間から見えた。
「あ、あの男…」
あかりはその正体に見覚えがあった。
バスジャックの際に、自分の先輩を守り切れず、尚且つ謝らなかった大柄のバラクラバの男だ。更に被ってないので、顔が良く分かる。
それに機械の犬を叩き斬った大剣は、あの男が背負っていた物だ。
「あいつだ…!」
アリアを予想外の敵から守り切れずに負傷させた男がシュンであることが分かれば、あかりは直ぐに小型短機関銃の銃口を向けようとした。だが、大きな豆だらけの手で取り上げられてしまう。
「おい、折角助けてやったのに殺すつもりかっての」
銃を取り上げ、あかりに説教した後、片手で安全装置を掛けてからそれを彼女に投げ返してこの場から帰るように告げる。
「嬢ちゃんらは帰んな。こっからは大人の時間だぜ」
「なんでお、バスジャックの人がここに…!?」
そう帰るように告げれば、あかりの呼びかけにも応じず、銃弾すら防ぐ装甲を持つ機械の犬を叩き斬った自分に驚くナチス兵たちの前に立つ。
「驚いてるようだな…まぁ、無理もねぇ、鉄のワン公を叩き斬っちまったからな。だが、次にぶった切られてるのはてめぇらの方だぜ?」
そう驚いている黒尽くめの集団に、先ほどの機械の犬のように叩き斬ると宣言すれば、自分の命の危機を感じたナチス兵たちは、手にしているStg44にも似た突撃銃や、MP40にも似ている短機関銃をシュンに向けて撃ち始めた。分厚い装甲服を着た巨漢たちも、MG42の銃口をガトリング砲のように変えたような機関銃をシュンに向けて撃ち始める。
「ちと無謀だったか」
無数に飛んでくる銃弾を回避するため、シュンは一度、遮蔽物へと身を隠し、大剣を背かなのラックに取り付けてからホルスターに収めてあるFNハイパワーを抜き、遮蔽物に隠れずに機関銃を撃ちまくるナチス兵に向けて数発ほど撃ち込む。
だが、彼が狙った標的は拳銃弾を弾くアーマーを着込んでいるのか、少し怯む程度で短機関銃を撃ってくる。
「クソッ、高価なアーマー着てんな」
これに苛立ちながらも、シュンは比較的に装甲が薄い顔に向けて数発ほど撃ち込んだ。
案の定、フェイスガードの装甲は拳銃弾を防ぎ切れるほど分厚くなかったらしく、空いた穴から血飛沫を上げながらその兵士は固い道路の上に倒れた。
同じように顔を狙えば、確実に人数は減らせそうだが、同じ手が二度も通じる筈も無く、一人が倒れたのを見た隊長らしき兵士が遮蔽物へ身を隠すようドイツ語で指示を出す。
【棒立ちするな!】
「けっ、余計なことを」
その指示が飛んだ後に、倍返しと言わんばかりの銃撃がシュンの隠れている場所へと飛んでくる。これに苛立つシュンは、あかりが自分の愛銃の安全装置を外そうとしているのを見て、撃たないように怒鳴り付ける。
「おい、余計な事してんじゃねぇぞ!」
「だって! 私も武偵…」
「殺す度胸もねぇ餓鬼はそこで縮こまってろ! 邪魔だ!!」
何故、シュンが怒鳴り付けたかは、あかりが人を殺そうとしないからだ。
武偵全体がそうであり、人を撃つ覚悟も無く戦場に出て来られては邪魔だと判断したからだろう。
そんな時に、この凄まじい銃撃を防ぐ手立てを見付ける。
「機械の犬っころの装甲坂か。使えるな」
それは機械の犬を破壊した時に剥がれた装甲坂であった。厚みは装甲車の類で使用されている素材と同様であり、銃弾程度は防いでくれる。装甲坂を手にしたシュンは、これで少しは反撃の糸口が出来ると思い、それを手に取って遮蔽物から飛び出す。
飛び出した瞬間に一気に集中砲火を受けたが、装甲坂のおかげでなんとか被弾せずに済んだ。相手が装甲坂を盾にして出て来たのを確認してか、ナチス兵等は直ぐに足元ばかりを撃ってきたが、足を撃たれる前に、手近に居るナチス兵に接近することに成功した。
「おらっ!」
手近に居るナチス兵は一人であり、シュンが近付いた瞬間に、ライフルの銃座で殴り掛かって来たが、顔面に強い拳を受けて倒れた。そんな敵兵に空かさずシュンは、ナイフを首に突き刺し、敵兵の息の根を止めて突撃銃を奪う。
「良い銃を使ってるな」
大柄な人物に馴染むように設計された突撃銃を手にしたシュンはそれを気に入り、試し撃ちに回り込もうとして来る二名のナチス兵に向けて撃ち込む。
ナチス兵等が持つ突撃銃に使用している弾丸は強力な物であるらしく、防弾性の高いアーマーを意図も容易く貫き、標的にした二名を殺傷した。
「すげぇな」
反動も余りなく、尚且つ強力な弾丸を発射するので、まだ息のある兵士にとどめの一発を撃ち込んでから、遮蔽物から頭を出して様子を見ようとするナチス兵の頭に撃ち始める。
弾倉に残っている弾丸を全て撃ち尽くせば、敵が来ないうちに近くの死体のポーチから予備弾倉を取り出し、それで再装填を行う。一々敵の死体から剥ぎ取っている暇は無いので、死体のポーチを直ぐにナイフで切り離し、それを無理やり体に巻き付け、銃撃が緩んだ隙に別の遮蔽物へと移る。
【黄色人種如きに何をしている!? さっさっと撃ち殺せ!!】
自分等が軽蔑する人種一人に、苦戦している部下たちに苛立ったのか、指揮官らしき将校がドイツ語で戦っている兵士たちを怒鳴りつけていた。
「どうやら本物のナチのようだな」
これを聞いたシュンは、敵が完全なるナチス、つまり第四帝国であると分かれば、突撃銃のセレクターをフルオートに切り替え、機関銃を撃ちながら前進してくる装甲兵の顔に銃弾を浴びせた。
「ひでぇ面だな…」
顔面に十数発の銃弾を受けた装甲兵のフェイスガードは破損し、素顔を敵に晒してしまう。その素顔はとても恐ろしい形相であり、おそらくこの体格を作る為に犠牲となった者の末路だろう。この素顔を見たシュンは少し驚いたが、驚いている暇は無く、機関銃を撃たれる前に、背中の大剣を引き抜いて両断する。
両断された装甲兵は血を噴きながら左右に別れ、道路の上に倒れ込む。
その際に装甲兵が落とした強力な機関銃を手に取り、それを持ち上げて目前に居るナチス兵等に向けて撃ちまくる。
「アクトン!」
装甲兵が持つ機関銃を奪われたのに気付いた指揮官は、直ぐに遮蔽物へ隠れるよう叫んだが、既にシュンが引き金を引いた後であり、数名程が肉塊へと変わる。
標的が全て遮蔽物へと身を隠せば、一度引き金から指を離し、手近に居る者から排除しようとそこへ向かう。
【また撃たれる前に撃ち殺せ!】
弾幕が止んだところで、敵は脅威を排除しようと続々と身を乗り出して手にしている銃を撃とうとする。
だが、これはシュンの罠であり、出て来た順に向けて再び機関銃の弾幕を浴びせる。
銃弾を頭に受けたナチス兵の頭は粉々に吹き飛び、被っているシュタールヘルムが飛んで行く。それから四人目を撃ち殺せば、脇に銃弾を受けてしまう。
「クソッ、イテェ…!」
脇腹に銃弾を受け、痛みで道路の上に膝を着いたが、痛みを我慢しながら立ち上がり、自分に向けて狙撃を行った選抜射手が居る場所へ向け、機関銃の残る残弾を撃ち込む。
殆どの弾は外れたが、数発ほどが選抜射手に命中し、胴体を切り裂いて彼の遺体を詰めたい東京湾の中へ叩き落した。
「よし、少し楽になったな」
選抜射手を仕留めたところで、少しの所は戦闘が楽になった。弾切れとなった機関銃を捨てた後、ライフルに持ち替えて近くの遮蔽物へ身を隠し、ナチス兵との地道な撃ち合いを再開する。
回り込もうとした兵士に撃っていると、銃声に混じってドイツ語で何かを知らせる声が聞こえた。どうやらあかりの援軍が来たようだが、強力な武装集団相手には頼りなさ過ぎるだろう。
【例の少女です!】
【二個分隊程を回せ! あいつには重装甲兵にやらせろ!】
「厄介なのが回ってくるようだな」
シュンはドイツ語があまり理解できないが、援軍の方へ何名かを回して自分にはあの装甲兵が来ると分かった。
物の数秒後にその通りとなり、二体の装甲兵が強力な機関銃を撃ちながら接近してくる。
「おっと! さて、あの嬢ちゃんの援軍は…?」
電気のこぎりのような銃声がし、自分が身を隠している場所へ何発も弾が当たる音が鳴る中、シュンはあかりの援軍を、敵から奪った双眼鏡で確認する。
そこに映っていたのは、M3A1グリーズガンを持つアリアと、SG553突撃銃を持つルリであった。
「なんだよ、超人と戦った時のように少女趣味満載な格好で来いよ」
装備としては良い物だが、ルリが強力な形態である魔法少女のような恰好で来なかった為、腹を立てた。
それに愛すべき先輩が助けに来たのか、戦闘不能となった夾竹桃と共に身を隠していたあかりは戦意でも取り戻し、彼女と共に遮蔽物から飛び出して、アリアとの合流を急ぐ。
「ド素人が! ハチの巣になっても知らねぇぞ!」
安全も確保されていないのに、勝手に飛び出したあかりを見て、更にイラついたシュンだが、自分も彼女に構っていられるほど余裕が無かった。
二体の装甲兵が目と鼻の先まで迫っており、もうじき大きな手に握られた大口径の機関銃でハチの巣にされるだろう。
「まずはデカ物からだな!」
少女らを援護するのは、二体の装甲兵を排除してからと判断し、シュンは背中の大剣を抜き、一番近い距離に居る装甲兵に向けて巨大な刃を振り下ろした。
巨大な刃は装甲を物ともせず、紙のように装甲兵を二つに切り裂く。
一体目を切り裂いた後、直ぐに二体目に向けて巨大な刃を叩き付けて肉塊へと変える。
脅威であった装甲兵を全滅させたところで、アリアたちを助けに向かおうとしたが、自分に対しての予備戦力か、先ほどの犬とは小さい物の、大きな犬型の戦闘ロボットが飛び掛かってくる。
「っ!?」
二体目を片付けたところで飛び掛かって来た犬型の戦闘ロボに、シュンは対処しきれず、乗り掛かられてしまい、口の鋭利な刃で噛み付かれそうになる。
「この、クソ犬が!!」
自分の顔に食らい付こうと、何度も頭を出してくる犬型の戦闘ロボに対し、シュンはベストにある鞘から引き抜いたナイフを頭に突き刺すが、刃では役には立たない。
しかし首の辺りに刺しこめば、隙間に挟まったらしく、刃が止まった。
「そこかよ!」
そこが弱点だと分かったシュンは、即座にナイフの柄を叩き込んで刃を置くまで食い込ませた。
「グォォォ!!」
すると、犬型の戦闘ロボは唸り声を上げながら苦しみ悶え始める。
「このクソ犬が!」
犬型の戦闘ロボが離れたところで、シュンは下に落ちている大剣を拾い上げ、仕返しと言わんばかりに大剣の刃を叩き付ける。
戦車や機動兵器等を切り裂いてきたスレイブに取って、犬型の戦闘ロボの装甲など全くの無意味であり、一瞬の内に叩き斬られて破壊される。
【装甲軍用犬が!?】
【なんなんだあの男は!?】
予備戦力もシュンに破壊されたナチス兵等は驚きを隠せず、士気が低下しつつあった。
「やぁぁぁ!」
「っ!?」
その隙を見てか、あかりは自分に気が付いてない敵兵の脇腹に向け、自身の手に纏わせた電流のような技を叩き込む。これを脇腹に受けた敵兵は吹き飛び、道路の上に倒れる。
それはシュンにも見えていたのか、彼は馬鹿にしていたあかりが、予想外の技を見せたことに驚きの声を上げた。
「なんだ、あの餓鬼。あんな能力を持ってたのかよ。まっ、あれじゃあ序の口程度だがな」
あかりの能力を見たシュンだが、それよりも凄い物を見て来たのか、対して驚かず、士気を低下させたナチス兵等に襲い掛かる。
【き、来たぞ!】
【近付けなければ問題ない! 撃ち殺せ!!】
大剣を持ちながら突っ込んで来るシュンに対し、ナチス兵等は体勢をある程度立て直して、近付かれて斬られる前に、集中砲火を浴びせて殺そうとする。
だが、予想外に援軍であるアリアたちに邪魔をされたのか、思うようにシュンに集中できず、次々と大剣で切り裂かれていく。
【な、なんてこった! 極東の猿相手にもう一個分隊程に…!?】
一個小隊程のナチス兵は居たが、シュンや救援に駆け付けたアリアたちの活躍により一個分隊まで減少し、彼らの戦意は完全に無くなっていた。
小隊長は大剣で切り裂かれて道路の上で無残な屍を晒しており、補佐を務める下士官も殆どがシュンに殺されている。
【て、撤退だ! 撤退しろ!!】
上官や自分以外の下士官を殺されて小隊代理指揮官となった
その命令を待っていたのか、生き残りたちは親衛隊伍長に続いてワンに浮上しているUボートへと戻り始めた。
「ふぅ、ナチ共は逃げたようだな」
被弾した脇腹を抑えながらシュンは敵の追撃もせず、アリアたちの方へ視線を向けた。
愛しの先輩が来てくれたのか、あかりはアリアに抱き着いており、抱き着かれた彼女はそれを嫌がっている様子を見せていた。その様子を、夾竹桃は何か変な視線を送っていたが、隣に居るルリも気付かない様子だ。
「餓鬼共も無事なようだな」
武偵達の無事が確認されれば、脇腹の治療をするためにこの場から去ろうとしたが、近くで何か巨大な物が落ち、その衝撃がシュンを襲った。
「何っ!?」
最初にアリアが声を出せば、一同は落ちた音が鳴った方向へ視線を向ける。
去ると同時に左耳の切っていた無線を点けてしまったのか、本部にもその音が聞こえ、それを聞いた泰田が慌てた様子で問うてくる。
『どうした瀬戸!? 何があった!?』
「あぁ、ナチスのロボットだ…」
慌しく問うてくる泰田に対し、シュンは見た物をそのまま彼に伝えた。
彼の視線にある方向には、その言葉通りにナチスのロボットが居た。
右手には強力な兵器らしき物を発射する砲口が付けられ、左手には機関銃が付いており、胴体は不気味に赤く光るカメラがある。胴体の重量を支えている足は、ある程度太い。
胴体にハーケンクロイツのマークが付いているからにして、シュンの言う通り、ナチスのロボットであることには間違いない。どうやら湾に浮いているUボートから発射されたようだ。
それと同時に、空から報道のヘリが現れ、橋で行われているナチスとの戦闘を中継しようとする。
「へ、ヘリ…!? なんで報道のヘリが…?」
「封鎖を突破してきたのね! なんて馬鹿なことを!」
ヘリに気付いたあかりが声を出せば、アリアは戦闘に巻き込まれる可能性がある為、威嚇射撃をして追い払おうとするが、彼女が撃つ前にロボットがヘリに向けて右手の砲口からエネルギーのような物を発射する。
「ヘリを撃墜した…!?」
発射されたエネルギーは狙った獲物に命中して一撃でヘリを撃墜した。空中爆発だ。爆発の衝撃で破片が周囲に飛び散って行く。
「邪魔が消えて助かる」
報道のヘリが撃墜されたところでアリアたちが驚愕するが、空に居る邪魔なヘリが消えて助かったシュンは、ロボットの前に出て大剣を構える。
それと同時にナチスの戦闘ロボットが、今まで戦って来た機動兵器や戦闘ロボとどの程度の物か見て比べる。
「見たところ、超化学とかで作られたロボットみてぇだな。だがよ、これよりもすげぇのを斬ってたり爆破してきたからよ、対して驚かねぇんだよ、なっ!」
今まで戦って来た物と比べれば、目前に居る戦闘ロボは、強力なエネルギーを発射する以外、対した物では無いと判断する。それにイラついたのか、ロボットが左手の機関銃を撃ってくる。その発射速度は、ナチス・ドイツで開発された機関銃であるMG42と同様の物だろう。
発射された雨のような弾丸を、シュンは今まで培って来た反射神経で避け、遮蔽物となる廃車へ飛び込む。
「凄い…」
「馬鹿、一緒にやる…」
凄まじい連射力を避けるシュンを見て、あかりは驚きの声を上げたが、アリアは共にナチスのロボットと戦おうと声を掛ける。だが、素人同然の武偵に来て欲しくないシュンは、電気ノコギリのような銃声に負けないくらいの大声で怒鳴り付ける。
「来るんじゃねぇ! てめぇらは邪魔なんだよ!!」
「何って…」
「邪魔だっつってんだろぉ! 良いからそこで縮こまってろ!!」
何か言い返そうとするルリの言葉も聞かず、シュンは凄まじい剣幕で怒鳴って黙らせた。
大男に恐ろしい剣幕で言われたのか、三人の少女は怯えていたのか知らないが、何も言い返せず、ただ黙って自分等を怒鳴り付けた男がナチスのロボットと戦うのを見ているだけだった。
彼女らを黙らせたシュンは、如何なる装甲でも切り裂くことが出来る大剣を引き下げ、ロボットがどのような行動を取るかを、隠れる遮蔽物を移しながら見定める。
「目標をぶっ殺すか、エネルギーが切れるまで追い掛け回すようだな」
そう身を隠している遮蔽物を撃たれながら、戦闘ロボの行動を読めば、シュンはまた場所を移動して弱点を確かめる。
「背後に余り装甲が無いようだな。脚をやれば行けそうだが、一人だからやり辛れぇな」
脚を切り裂き、動きを止めれば楽に倒せると読むシュンだが、一人で戦っているため、これに持ち込むには厳しいと判断する。
三人の少女を囮に使えば、ロボットを楽に倒せそうだが、余計な真似をされたくないシュンはその選択肢を直ぐに捨てる。
「仕方ねぇ、一人でやるか」
脇腹の銃創がマシになり、動きをある程度見極めれば、大剣の柄を握り締め、意を決し、遮蔽物より飛び出した。
当然ながら隠れている場所から飛び出せば、ロボットは左手の機関銃を撃ってくる。
撃たれることが分かっているシュンは、遮蔽物に身を隠しつつ、ロボットとの距離を詰める。
「何十発ほど撃てば、銃身が熱くなる。そんで冷やす為に撃つのを止める…今だ!」
ロボットの左手に付いている機関銃は三つの銃身のガトリング方式であり、何十発も撃っていれば銃身が熱くなって変形する恐れがある。ロボットには銃身を冷やすために間を空けるのがプログラムされているのか、何十発も連続して撃てば、銃身を冷やすため、撃つのを止める。
そこを狙ってシュンは直ぐに遮蔽物から飛び出し、一気にロボットまで接近した。
機関銃が撃てないので、ロボットはエネルギー弾を右手から発射したが、爆発するには一定の時間が必要であることを知っているシュンは、即座に爆破範囲から離れる。
エネルギー弾を撃って銃身がある程度冷えたのを確認したロボットは、向かって来る標的に向けて左手の機関銃を撃ったが、シュンは滑り込みを掛け、第一射目を寸での所で躱した。
「危ねぇな!!」
その際に一発が頭皮を掠めたが、幸い髪の毛の二、三本を消し去った程度に済む。
道路の上を滑り続けるシュンは、ロボットの股の間を抜ける間に大剣を左足に叩き込み、切断することに成功する。
左足が切れてロボットがバランスを崩して倒れる頃には、シュンは股の間を滑り抜け、右手でブレーキを掛けて体勢を立て直していた。
倒れ込んだロボットは、上半身を標的の方向へ旋回させてチャージ済みの右手のエネルギー弾を発射しようとするも、既にシュンは大剣の刃を振り下ろす瞬間であった。
「ぶっ潰れな!!」
そう叫んだシュンは、巨大な刃をロボットの頭部に向けて叩き込む。
刃は頭部から胴体にまで達し、下半身の辺りまで来れば止まった。それと同時に動力源まで斬られたのか、ロボットは戦闘行動を止め、爆発の予兆か、光り始める。
「やっちゃった…!」
「ひ、一人で…倒した…!?」
「あんなの、伊・Uでも数えるくらいにしかいないわ」
アリアとあかり、そして夾竹桃が一人で強力な対人用戦闘ロボを倒したシュンに驚いていたが、油断は許さない。
「ヤベェ!」
ロボットは爆発する寸前であり、それに気付いたシュンは、即座に大剣の刃を引き抜いて離れた。
「危ない!」
ルリもそれに気付いたのか、呆気に取られているアリアとあかりを守る為、魔法に長ける仲間たちに教えてもらった防御魔法を使い、二人を飛んでくる破片から守ろうとする。
魔法など使えないシュンは、爆破範囲より余り離れられなかったのか、大剣の刃で防御することを決めて身構えた。
数秒後にロボットは爆発し、装甲や部品などの破片を周囲に撒き散らす。飛び散った破片は周囲の廃車群に突き刺さり、無論の事、ルリが張った魔法のバリアにも突き刺さる。
シュンの方にも破片は飛び、大剣の巨大な刃に当たる。だが、全て防ぎ切ることが出来ず、一つの破片がシュンの左肩に突き刺さった。
「クソッ、最後に盛大に爆発しやがって」
爆発が収まれば、シュンは大剣を背中のラックに戻し、左肩に突き刺さった破片を無理に引き抜いた。
「せ、先輩…私達、生きてます!」
「そんなことは分かってるわよ! でっ、Uボートは?」
「もう逃げちゃったみたい…」
あかりが全員の生存報告をすれば、それが分かっているアリアは、あの戦闘ロボを送り込んだUボートを探した。
だが、ルリが湾を見て知らせた辺り、ロボットが爆発したのと同時に周囲を包囲していた警備艇を数席ほど機関砲で沈めてから、海の中へ潜って逃げた様だ。
「やるなら今だがな…だが、こいつはありがてぇぜ」
とどめを刺すなら今だが、逃げてくれたことに敵の指揮官に感謝したシュンは、それを口にしながら自分のこの世界における帰る場所へと帰ろうと、傷口を抑えながら向かう。
「待ちなさい! ここであんたを…」
「待て! この場は我々が引き継ぐ! 君たちは大人しく帰るんだ!!」
しかし、大量殺人犯を逃す訳にはアリアは、シュンにM3A1グリーズガンの銃口を向けて止めようとしたが、遅れてやって来た陸上自衛隊の隊員に止められる。
「あのおっさんの差し金だな」
「大剣の君はこっちだ。何故か知らんが、防衛事務次官が君を呼んでいる」
やって来た自衛官達を見て、シュンは泰田の差し金と判断し、衛生科の隊員と伝令の自衛官と共に自分を呼び出した防衛省の高官の元へ向かった。
~後書きコーナー~
ダス・ライヒ「さて、ナチスが出て来る回だから気合い入れちゃったよ。出て来たナチスはウルフェンシュタインの方だがね。そんで今回のゲスト」
シュトロハイム「我がドイツの化学は世界一ィィィィ!! ルドル・フォン・シュトロハイム親衛隊大佐だ、よろしく頼む」
ダス・ライヒ「ナチス関連と言えば、この人。つか、この人しか思いつかなかった。ナチス絶対殺すマンだとね…」
シュトロハイム「ナチス絶対殺すマン? ほぅ、かのウィリアム・BJ・ブラスコヴィッチだな? ふん、このサイボーグとなった私には、赤子の手をひねるよりも簡単な事だがなァ」
ダス・ライヒ「自信たっぷりだなァ~、あいつァ、無数のナチスが作り上げた兵器を千切っては投げ、千切っては投げをしてきた人外レベルの男だゾイ。柱の男と戦ったことがある少佐、ではなく大佐でも…」
シュトロハイム「貴様、この私の実力が分かってい無いようだな? 幾ら相手が我が軍の兵器を幾度も潰して来た男でもォ! このサンタナを基準に作られたァ! このシュトロハイムの腕でェ! 奴のどてっ腹にィ! 風穴を開けてくれるワァァァァ!!」
ダス・ライヒ「相変わらずテンションたけェなナ…そんな叫んで大丈夫かァ?」
シュトロハイム「ちと馬鹿にされているようで腹が立ってな。つい叫んでしまった。しかしだ、私はヴァルヘルム親衛隊大将はやや気に入らんのだ」
ダス・ライヒ「何故です? ヤバい物ばっか作ってるから?」
シュトロハイム「以下にも。閣下の作る物は、どれもこれもが悍ましいのだ。このシュトロハイムがそれが恐ろしいのだ」
ダス・ライヒ「なるへそ、確かに怖いもんね、あの人は…ゲテモノばっか作るし」
シュトロハイム「おっと、また何処かの戦線が突破されたと言う報告が入ったようだ。私はこれにて失礼する」
ダス・ライヒ「あっ、そうですか。頑張って防衛してくだされやぃ」
シュトロハイム「奇妙な別れ言葉だが、まぁ、そんなことはどうでも良い。では、さらばだァァァァ!!」
ダス・ライヒ「テンション高いな、あいつ…」