銃撃戦と白兵戦がやりたくって書いた。
敵ガンダムタイプの襲撃を受け、任務を優先させるために囮を買って出たシュンは、搭乗機との性能の違いで苦戦を強いられる。
苦戦するシュンはアウトサイダーの力によりMSと一体化して奮戦し、何とか倒すことに成功した。その代償は大きく、シュンは生死の境をさ迷う羽目になる。
『シュンよ、シュンよ。無事か? あの一体化だが、済まない。他に選択肢は無かった』
「他に選択肢は無かっただ? もう二度とやらんぞ、あんな物」
夢の中でアウトサイダーに起こされたシュンは目を覚まし、目前の浮遊する不気味な青年に向けてあの一体化はもうしないと怒り心頭に告げる。
たしかにあんなおぞましい一体化は、何らかの性癖が無い限り了承できる物では無い。
それよりシュンは周りの事が気になった。もう日常的となっている銃撃戦と爆発、それに怒号。周りを見渡せば、明らかに何処かの戦場であることが分かる。
直ぐにシュンはアウトサイダーに、何をさせるのかを問う。
「気になるんだが、なんで俺は戦場に居るんだ? クソッタレめ、俺に何をさせるつもりだ?」
「まぁ、目覚めの時だ。お前があそこへ行けば、現実のお前も目覚める」
「あぁ、分かるぞ。ここで死んだら現実の俺も死ぬんだな?」
「然り。何事にも、それなりの代償がつきものだ」
その問いにアウトサイダーは、指差した方向へ行けば現実で目を覚ますことが出来ると答えた。
無論、死んでもやり直せると言う保証はあの虚無の存在がやるわけが無い。シュンはここで死ねば、現実の自分も死ぬと思って聞いてみれば、アウトサイダーは首を縦に振る。
「まぁ、いつもの事だ。やれやれ、夢の中でも戦わなきゃならんとは」
死なずに目的地へ着くしかないと分かったシュンは起き上がり、自分の得物か武器を探す。
だが、何所にもない。いつものスレイヴすら見当たらない。アウトサイダーを無言で見れば、彼はスレイヴと最もシュンが信用する銃であるAK-74突撃銃を目の前に出した。
「ついでに拳銃もくれ。そいつさえあれば、向かえる」
AK用のマガジンベストを着て、大剣を背負った後、シュンは拳銃を要請した。使うのはスチェッキンAPSだ。シュンはこれをフルオートで使わず、主にセミオートで使う。
その大型自動拳銃がシュンの右手の掌に予備弾倉と共に召喚されれば、右腰のホルスターに入れ込み、予備弾倉を取り出しやすい場所へ入れる。
準備が整えばAK-74の弾倉に弾が入っていることを引き抜いて確認し、入っていることを確認して装填して右のボルトを引いて初弾を薬室へと装填した。
構えてちゃんと使えるかどうかを確認した後、銃撃戦真っただ中を駆けるために、履いている戦闘靴の靴紐をしっかりと結ぶ。
「それじゃあ、やりますか」
「あぁ、仲間たちが待っているぞ」
「応よ」
虚無の存在より、現実で仲間たちが待っていると伝えられたシュンは、戦場の真っただ中に突っ込んだ。
戦場では、何所の国の軍隊か勢力、あるいは民兵や民間軍事会社が戦っているかどうか分からなかったが、今のシュンにはどうでも良い。しかも自分が殺したと思われる者達が銃撃戦や白兵戦で殺し合っているようだが、無論、それも彼にとってはどうでも良い事だ。障壁か邪魔になるようなら、殺すだけである。
「邪魔だ!」
銃撃戦を行っていた者達が一斉にシュンに振り返り、こちらに銃を向ければ、直ぐに持っている小口径AKを撃つ。
セミオートにセレクターのレバーを合わせていた為、引き金を引けば一発しか撃てないが、このAK-74はAK-47よりも精度が良いので正確に狙うならセミオートで良い。
狙った三人の男が血飛沫を上げながら倒れれば、遮蔽物に滑り込み、背後から殺しに掛かる者達に狙いを定めて撃ち殺す。
銃撃が止んだところで直ぐに遮蔽物から飛び出し、目的地へと身を屈めながら向かう。
その間にシュンを殺そうとする者達が銃を向けて来たが、無視して遮蔽物に隠れ、時には撃ち返して進む。
それを繰り返すこと十分、目的地まで中間となった所で突然、周りの景色が雪に覆われた森へと変わり始めた。
「どうなってんだ?」
瞬く間に戦場が雪原に変わったことで、シュンは少し驚いたが、それでも撃ち合っている敵は気付いてお構いなしに撃ってくる上、目的地は変わりないので彼は戦場の中を突き進む。
雪に足を取られながらも、何とか遮蔽物の木に身を隠し、そこから再装填を済ませたAK-74で撃ち返す。
敵の服装は冬季装備で真っ白で、違いは身に付けている個人装備や武器だけだ。それもソ連赤軍とドイツ国防軍である。戦車の類はT-70軽戦車にヘッツァー軽駆逐戦車だ。シュンは独ソ戦の真っただ中の戦場に入ったようだ。
「確か士官学校の教科書で見たことがあるぞ。それに両方とも戦ったことがある。女だったがな」
シュンは士官学校の教科書と実戦を思い出して数名の敵を撃ち殺した後、撃ち殺した敵兵、自分の背丈に合ったソ連兵の死体から冬用ブーツを剥ぎ取り、それを履いて雪の銃撃戦の中を駆け巡る。
T-70はT-34戦車に似ているが、装甲は軽戦車なので対したことは無い。それにT-34戦車はスレイヴで斬ったことがあるので、シュンは大剣を引き抜いてソ連の軽戦車を叩き斬って破壊する。
戦車を破壊した後、随伴歩兵を全て斬り殺してから、目的地への邪魔となるドイツ兵等を殺しながら進む。
「オラァ!」
ヘッツァーを大剣で両断し、奇跡的に全員生き残った乗員が慌てふためいて逃げ出す中、目的まで銃弾を躱しながら駆けた。
「くそっ、今度は砂漠かよ!」
第二の中間地点まで着いた途端、またしても景色は一変、森から砂漠へと変わった。
寒さから熱さへと変わったので、シュンは冬用の戦闘靴を履き捨て、遮蔽物に身を隠して目的地を見る。
「戦場は変わったが、目的地が変わらないのが幸いだな」
「いや、今度は味方も居るぞ」
目的地が変わらないことに安堵するシュンに、何所からともなく現れたアウトサイダーは、今度は味方が居ると告げる。
その方向を見れば、進軍する複数のM60A3主力戦車と多数の随伴歩兵部隊、上空には複数のAH-1コブラが見える。兵器類は西側主体だが、小火器の類は東側と西側の混合である。
「こりゃあ、楽が出来そうだ」
「忘れるな、シュン。これ程の戦力が味方をすると言う事は、敵は圧倒的な数である可能性が高い」
「あぁ、分かってるよ」
残弾を確認しながら、アウトサイダーの忠告を聞いて頷いたシュンは、目的地への攻撃へ向かう一団に参加した。
「十二時方向に敵集団確認! 損害に構わず前進せよ!」
「いつものだな」
指揮官より前進命令が聞こえれば、シュンは従軍時代と戦場に居た頃を思い出す。ワルキューレでは自分のような男は既に最前線に立たされ、前方の機関銃掃射や砲撃、あるいは爆撃で何度も無数の戦友を失うか負傷し、自分も負傷した事だろう。
まさか夢の中でも、こんな一方的に撃たれながら前進する羽目になったシュンは、全力疾走で敵陣へと向かっていく。
途中で歩兵が機銃掃射で撃ち殺されるか四肢を引き千切られ、砲撃で吹き飛ばされ、戦車が大破して戦闘ヘリが撃ち落とされる中、シュンだけが敵の対戦車兵が隠れるタコツボへと到着した。
「そいつを貰うぜ!」
ライフルでは無く大型自動拳銃でタコツボに居た三名の対戦車兵を撃ち殺せば、彼らが持っていたカールグスタフ無反動砲を奪い、陣地用の榴弾を装填して敵の機銃陣地となっていたタコツボに向けて発射する。
機関銃手は装填手を含めてRPD軽機関銃ごと吹き飛び、その肉片が空中高く上がり、肉片が雨のように一時的に降り注ぐ。
直ぐに後部を開けて空薬莢を排出し、対戦車用のロケット弾を装填、味方の戦車を撃っている敵戦車、T-72Mに向けて発射した。対戦車ロケットを側面に撃ち込まれたT-72Mは大爆発を起こし、爆発の衝撃で吹き飛んだ砲塔が宙を舞う。
どうやらM60パットンを真正面から破壊するために、火薬量を増加させたようだ。
ここにこもって居ては、いずれ見付かって榴弾を撃ち込まれる可能性が高いので、直ぐに離れて敵を殺しながら目的地へと目指す。
「畜生、こんだけやっても俺一人か!」
タコツボからタコツボへ、十分な高さのある塹壕へと飛び込めば、味方が誰も来ないことに腹を立ちつつ、スチェッキン自動拳銃に切り替え、次々と飛び出してくるAK-47Ⅲ突撃銃か改良型のAKM突撃銃、56式自動歩槍を持った敵兵等を撃ち殺しながら進む。
狭い場所でのスチェッキンの威力は絶大だ。本来は戦車兵の護身用火器として開発されたが、前線では不評であった。だが、狭い場所での戦闘に効果を発揮し、特殊部隊に採用され、ソ連崩壊後も治安部隊で今もなお現役である。
シュンはこれを専用のストック無しで使い、単発のみで使用して次々と出て来る敵の排除をおこなっている。
遮蔽物に身を隠してそこで再装填を素早く済まし、再び出て来る敵を撃ちながら進んだ。
「よし、あともう少し…」
目的地まであと少しとなった所で、またしても景色は一変。今度も別の場所へと変わる。
「次は何所の戦場だ?」
短時間で二度も戦場を駆け巡ったシュンは、今度は何所の戦場だと思って周囲を見渡せば、夢では無い今いる世界の連邦地上軍の歩兵がこちらに向かって逃げて来る。
思わず銃を構えたシュンであるが、歩兵の誰もが銃を向けることなく何かから逃げる。それも61式戦車や歩兵戦闘車も含めてだ。
何に逃げているのか確かめるべく、逃げる将校から双眼鏡を奪い取り、連邦兵たちを追う正体を双眼鏡で見れば、自分に取っては忌々しい事を思い出す。
「…なんて性質の悪い夢だ! 悪夢だぜ!」
それは、ジオン公国軍の地球侵攻作戦であった。多数の降下艇、HLVが地球へと降下して多数のMS-06ザクⅡの地上戦型であるJ型を降ろしている。降下艇より降りた多数のザクは地上戦闘を開始し、手にしている120mmマシンガンで抵抗する連邦軍を排除している。
この光景はシュンがワルキューレを止める切欠となった戦闘と似ている。彼にとっては悪夢そのものである。
これに苛立ったシュンはいつの間にか身に付けてあったベルトのコアにコインを挿入し、バリアジャケットを身に纏って空を飛び、ザクに向かって無策に突っ込む。
弾丸の如く高速で接近して来るシュンに対し、反応で気付いたザクはそこへマシンガンを向けようとしたが、反応速度はMS最初期の物であるために遅れ、徹甲榴弾が命中したかの如く胴体が破裂する。
これほどの体当たりを食らわしたにもかかわらず、シュンはバリアジャケットのおかげで無傷であった。続け様にスレイブを引き抜き、気付いてマシンガンを撃ちまくるザクを切り裂く。スレイヴはザクを容易く切り裂き、瞬く間に二機や三機が残骸と化す。
「クソが!」
四機目を大剣で切り裂き、五機目に突っ込もうとしたが、地面に叩き落とされる。地面に減り込んだシュンは悪態を付きながら立ち上がり、踏み潰そうとして来る五機目のザクの足裏を触れる。
どちらか強いかは一目瞭然であるが、それはあっさりと覆される。シュンはバリアジャケットの力でザクを逆に引っ繰り返し、近くにある撃破した四機目の左腕を力尽くで引き千切り、立ち上がろうとするザクに向け、左肩のスパイクの部分を振り下ろす。
一度程度はコックピットの部分が拉げた程度であったが、シュンは力任せに壊れるまで叩き付け、やがてザクは全く動かなくなる。
味方機が居ないことを確認してか、付近に居る数機のザクは一斉にマシンガンをシュンに向けて発射する。残っている数機分、120mmと言う大口径機関砲の一斉射だ。辺り一面に爆風で土煙が巻き起こり、更には両足に装着されている三連装ミサイルポッドまで放たれた。
「あぁぁぁ!!」
だが、その粉微塵となる攻撃はバリアジャケットに防がれる。流石に全ては防ぎ切れず、全身傷だらけのシュンであるが、怒りで我を忘れているのか、痛覚を感じずに目に見えるザクを両手に持っている大剣で破壊し続ける。
時には口のパイプを引き千切り、持ち上げて別のザクにぶつけ、左腕のガントレットに付けたボウガン型プラズマ砲をエンジンがあるバックパックにありったけ撃ち込む。
何百発ものプラズマ弾を浴びたエンジンは大爆発を起こし、ぶつけたザクを巻き込み、更なる大爆発を起こす。
「っ!」
次に角の付いた指揮官機のザクが背後から近付き、ヒートホークを振り下ろして来たが、シュンはこれを大剣で受け止め、あろうことか弾いて指揮官機を叩き切った。
たかが空飛ぶ男一人に、大隊規模のMS隊がやられていくのを見て、残ったザクは恐れおののき、逃げようとするも、シュンは一機たりとも逃すことなく、高速で接近して次々と大剣で切り裂いて破壊していく。
やがてシュンが冷静になる頃には、動いているザクは居なくなり、ただ無残に破壊されて黒煙を上げるスクラップの山だけがあった。
「ちっ、胸糞の悪い夢だぜ。嫌なこと思い出させやがって」
自分にとっては悪夢に等しい物を見せられたシュンは悪態を付きつつ、目覚めへの目的地へと飛んで進んだ。
辿り着けば、アウトサイダーが再び姿を現し、悪夢を乗り越えたシュンを歓迎する。
「おめでとう。悪夢を乗り越えたな」
「あぁ、おかげで余計に仕切るのが嫌になったよ」
いつものように浮遊し、腕組みをしながら歓迎して来る黒目の青年に対し、シュンは皮肉で応え、その場にある場所に腰掛けた。
なぜ部下を持ってシュンが先導しないのかは、圧倒的な力を持つ敵に部下たちを殺されたくないからだ。死んだ彼らの遺族になんと謝れば良いか分からず、それに自分の指示で死なせたくないからでもある。
そんな悪夢を見せられて苛立つシュンにお構いなしに、アウトサイダーはいつの日か指揮を執る機会が来ると告げる。
「その機会はいつの日かある事だろう」
「相変わらず人の気持ちを考えねぇ野郎だ。愛着の沸かないクズ野郎や馬鹿共のボスならしてやるが、真っ当な奴らは論外だぞ。餓鬼もな」
「善処しよう。では、次は現実の世界で」
機会が来ても指揮を執る気は無いと言えば、アウトサイダーは消え、シュンの視界は真っ白になった。
「…起きたぞ!」
「な、なに!? あの致死量レベルの出血だぞ! こいつ人間か!?」
現実世界、宇宙世紀の一年戦争時期の世界の陸軍病院にて、目を覚ましたシュンに、ホワイト・ディンゴの面々は驚きの声を上げる。
「直ぐに来て! 診断を覆す状況が起きたわ!」
アニタは直ぐにナースコールをして、自分たちが居る個室に医者を呼び寄せる。
死んでもおかしくない大量出血をしているにも関わらず、シュンが目でも覚ますように起きたので、一同を代表してレイヤーが人間かどうかを問う。
「起きて早々に悪いが、お前は本当に人間か?」
目覚めの悪い夢を見たシュンはこの問いに、少し考えてから答えた。
「あぁ、多分、まだ人間だと思う」
「そうだと良いがな。でっ、ガンダムと戦った時、何があった?」
シュンが人間であると分かれば、レイヤーはガンダムの時に何があったのかを問うた。
次なる質問に一同の視線が集まる中、シュンは誤魔化しても仕方ないと判断して、ありのままの事を話した。
自分は異世界の人間であり、名乗った名前は偽名である事や、目的があって行動していることに、あのガンダムタイプは異世界より来た物で、連邦とジオンの物で無いMSも異世界の物あると話す。更には聞いても居ないのに、自分の除隊時の階級が陸軍大尉であると明かす。
殆どの事を信じたホワイト・ディンゴの面々であったが、シュンが士官学校を卒業した事や、レイヤーより上の階級である大尉に昇進したことは信じて貰えなかった。
「大体の話は分かった。だが、信じられないことがある。お前が士官学校を卒業して、最終的に大尉にまで昇進していることだ」
「あぁ、それは俺も思っている。未だに士官学校を、落第寸前の成績で卒業できたことが信じられないでいる」
「お前を大尉にした少し人事課の考えを疑うな」
「お前が大尉に昇進するなら、俺は今ごろ少佐だよ」
シュンも未だに大尉になれたことを不思議がっていると言えば、レオンは大尉にまで昇進させた人事課を疑い、マイクは少佐まで昇進できると豪語する。
そんな話はさておき、シュン的にはもう休んだので次の出撃はいつかとレイヤーに問う。
「もう十分に休んだ。次の出撃はいつだ。いや、いつですか?」
「自分の方が、階級が上だからって、敬語を使わなくなったわね」
「まぁ、軍隊は階級社会だからな。大尉殿、失礼ながら貴方の出撃は許可できません。ご自分のお身体をご覧ください」
自分の最終階級が上だからって、敬語を使わずに問い詰めるシュンに対し、レイヤーは敬語で出撃は許可できないと返す。
言われた通りにシュンは自分の状態を確かめれば、とても出撃が出来る状態では無い。
「退院できるまで出撃は許可できません。しっかりと療養してください」
「それに貴方の機体は、何か中に突っ込んだ所為か損壊状態です。予備の機体はありますが、出撃は出来んな」
レイヤーが苦笑いをしながら言えば、ボブもまた敬語で乗る機体もない事を伝えた。
「では、部下の無事も確認できたことだし、次の出撃に備えよう。暫くはファング4抜きで作戦結構だ」
シュンがまだ生きていることを確認した一同は、その病室を後にした。
「まぁ、あんたの方が優れてるからな」
入院している個室を後にした一同の面々を見て、シュンは自分よりレイヤーの方が優れていると認め、大人しく療養していることにした。
忠実通り、シュン抜きでホワイト・ディンゴはヒューエデンに向けて出撃した。
任務は他のMS部隊と共にヒューエデンの要塞を突破し、オーストラリア大陸のジオン軍最終拠点であるHLV基地を攻撃することだ。
前線基地を放棄して戦力を集中しているためか、HLV基地を防衛する要塞の抵抗は激しかった。
既に先行した部隊が攻撃しているのか、交戦が行われている。
この時点のホワイト・ディンゴの編成は隊長機がジム、ファング2もジム、ファング3が量産型ガンキャノンと言う編成だ。今回はシュンが入院中の為、史実通りの編成である。
『友軍部隊、既に交戦中!』
『おいおい、もうおっぱじめてるのかよ。まっ、主役は遅れて登場するもんだしな』
オアシスのアニタから既に友軍部隊が要塞に攻撃を開始していると聞き、マイクはそれに加勢しようとするが、先行した部隊は強力なビーム砲を浴びせられて消滅した。
『友軍部隊、反応途絶!』
『全く、無茶しやがって!』
「強力なメガ粒子砲だな。オアシスは生存者の確認を! 第3MS中隊と共に我々は突入する!」
先行した部隊の全滅が知らされれば、レイヤーは生存者の確認をオアシスに命令してから、他の部隊と共に要塞へと突入した。