ホワイト・ディンゴにとって、初の撤退となったブロークン・ヒルの戦いだが、あの場での戦闘継続はほぼ無意味に近い。無理に続けても、前線基地に突入する前に全滅するのがオチだ。
おそらく敵の攻撃を受けた時点で、アスタロスのサンプルは敵の勢力圏内に持ち出され、HLVがある基地まで輸送されている最中だろう。
だが、アスタロスを本国に持ち帰ろうとする者達は、それだけでなく連邦の忘れられた基地に保管してある物まで持ち帰ろうとしていた。
トリントン基地、この基地は会戦当初からオーストラリア南東部、シドニー湾北方に位置する連邦軍の基地だ。
戦略的に価値が低い後方の拠点であるため、ジオン軍から無視され、持ち主の連邦軍からも忘れ去られており、ジオンから攻撃を受けることは無かった。
しかし、連邦軍はこれを逆手に取ってか、南極条約で禁止された核を貯蔵していた。ジオンから怪しまれないため、防衛戦力は最小限にとどめられている。
この手薄な基地を守るため、付近に約数個師団以上を駐屯させているチャールビル基地から増援が送られる手筈である。
「よぉ、若いの。お前、ここに配属されたのはいつだ?」
「あぁ、伍長殿。自分は五日前であります」
「五日前か? お前もこんな辺ぴな基地に配備されたなんて運が悪い奴よのぅ。だが、面白い噂がある。実はこの基地にはな、核が保管されてるって噂だ」
基地の古株である下士官が配属されたばかりの兵士に向け、話題作りの為に核が貯蔵されていると言う事を明かした。
彼は将校が話しているのを小耳に挟んだ程度であり、核が貯蔵されていることなど知りもしない。核の貯蔵を知っているのは、准尉以上の下士官か、佐官階級以上の将校だけである。
核が貯蔵されていると聞き、訓練で南極条約のことを叩き込まれている兵士は驚きの声を上げる。
「えっ、確か南極条約で…」
「馬鹿だな、お前。核なんて言う大量破壊兵器をお上が見す見す捨てるわけがないだろう。何かヤバい状況になってから持ち出すのよ。まっ、今は俺たちが優勢だから使うはずが無いがな」
「そ、そうですよね。まぁ、終戦までこの基地にジオンの攻撃が無ければ良いですが…」
「あっ? こんなお上も忘れたような基地にジオンが攻撃なんてするか、タコ。核なんて本当に貯蔵している訳が…」
兵士が終戦まで攻撃されなければ良いと口にすれば、下士官はそんなわけが無いと言った。
だが、配属されたばかりの兵士が言った最悪の予想が的中した。
『しゅ、襲撃だ! ジオンの、ジオンのドムが攻撃して来たぞ!!』
「こ、攻撃!? どうしてこの基地を!!」
「まさか本当に核が!? 畜生! こっちが勝ったも同然なのに!!」
襲撃を知らせる警報が鳴り響けば、核が貯蔵されていることを知らない将兵達は慌てふためき、演習で行われた通りの行動を取り始めた。
だが、敵は重MS五機に陸上強襲型ギャロップ一機だ。対するトリントン基地には、戦車中隊と対戦車兵中隊、その他歩兵二個中隊を合わせた一個大隊程度だ。チャールビル基地からの増援が無ければ、数時間としか持たないだろう。
「おい、チャールビル基地に増援は頼んだか!? あそこから増援が来ないとやられちまうぞ!!」
「応援は頼みましたが、ジオンの攻撃を受けて回せる戦力が無いようです!」
「なんだと!?」
大隊長の少佐は、予定通りにチャールビル基地に駐屯している増援部隊を呼んだかどうか問うが、通信兵はそのチャールビル基地がジオン軍の攻撃を受けて戦力が回せないと答える。
ただでさえ戦略的価値の無いと上層部に判断されたうえ、基地で駐屯している戦力は消して多くない。防衛を任された少佐は絶望した。
「みんな、緊急事態だ。トリントン基地が礼のドムを中心とした部隊の攻撃を受けている」
「トリントン基地…? たしか、後方支援の拠点だったはず。そこを攻撃するなんて、物資か飯の略奪ですかね?」
トリントン基地襲撃は、直ぐにオーストラリア方面司令官であるスタンリー大佐からホワイト・ディンゴに知らされた。
当然、スタンリー大佐はトリントン基地に核が貯蔵されていることを知っており、チャールビル基地から増援が送れないと分かれば、一番信頼するホワイト・ディンゴに救援を頼んだのだ。
基地の詳細を知らないマイクは、そんな基地を攻撃したジオンの部隊に疑問を抱く。
そんな彼に対し、たった今トリントン基地の秘密を知らされたレイヤーは、事情を知らない部下たちに伝える。
「ただの略奪なら、わざわざ俺たちに頼まないさ。ジオンが襲撃した理由は、核だ。実はトリントン基地には、核が貯蔵されている。この基地は戦略的価値が無いと判断され、上もジオンも忘れたような基地だったが、上層部はそれを逆手に取って核をこの基地に隠していた。何処かでその情報を手に入れて、強奪の為に襲撃したんだろう」
「なに、核だって!? 条約で禁止されてるはずじゃ…?」
「“もしもの時”の為に残してあるのさ。ジオンが条約を破るのに備えてな」
詳細を聞いたマイクが驚く中、レオンはジオンが条約を破った時に備え、報復のために残してあると答える。
次になぜ自分たちが援軍として出撃しなければならないのかを、レイヤーは部下たちに告げる。
「そうだ。俺もスタンリー大佐から聞いた。有事の際、余剰戦力を常駐させているチャールビル基地から増援が送られる手筈だが、当のチャールビル基地はジオンからの攻撃を受け、増援が今すぐ送れない状況だ。そこで、スタンリー大佐は便利屋である我々ホワイト・ディンゴを増援として派遣することにした。既に幾つかの予備部隊が出撃しているようだが、状況は芳しくない。それに、敵は相当な手練れの様だ」
「例のアスタロスを持ち込んだ部隊ですね。なぜ核を狙うのかが気になりますが…」
「保険だろうな。とにかく、事態は一刻を争う。総員、出撃準備を…」
「待ってください、隊長。もう一つ秘匿情報があります」
敵が相当手強く、急がなければ敵の核奪取が行われると告げ、レイヤーはブリーフィングを解散しようとした。
だが、レオンはこの時のために自分の正体を明かそうと待ったをかける。
「どうした? 我々に公開された軍事機密はこれだけだぞ」
「いえ、もう一つ機密があります。実は自分、ジャブロー本部直属の諜報員です。諜報部からこの戦線へ派遣されました」
「おいおい、冗談か? 何もこんなタイミングで…」
「いや、マイク。レオンは本気だ」
「まさかスパイだって言うの?」
自ら諜報員であると明かしたレオンに、マイクは場に合わない冗談だと思ったが、レイヤーは目を見て本気であると確信した。アニタはスパイではないかと疑う。
それを証明するようにレオンはジャブローの参謀本部から受けた指令を、既に戦友となっているホワイト・ディンゴに伝える。
「なるほど、トリントンの核の防衛か…驚いた。じゃあ、アスタロス関連も…?」
「あぁ、キャルフォルニアベース奪還作戦の前から知っていた。当然、まだアフリカでは無く、ここに持ってくることも」
「アリス・スプリングスの列車もか?」
ボブがアスタロス関連でも来たのかを問えば、レオンはキャルフォルニアベースが奪還される前から知っていたと明かす。
次にレイヤーがアリス・スプリングスの件を問えば、レオンは正直に答える。
「えぇ。あの列車には、バストライナーと呼ばれる我が軍から奪った強力なメガ粒子砲が積んでおりました。ジオン軍が実戦で投入する前に破壊したかったのですが。今さら後悔しても遅いですね。ですが、近い内、ジオンはそのメガ粒子砲を搭載した兵器を投入してくるでしょう」
「通りで噂にしては、妙に正確な情報を出してくるわけだわ」
「それを聞いて俺も後悔しているが、街に被害を出す訳にはいかなかったからな。まぁ、出て来たら、ベストを尽くすさ」
奪われたそのメガ粒子砲、バストライナーを積んでいたと知り、破壊しなかったレイヤーはやや後悔したが、あの場で列車を攻撃していれば、ドナヒューと戦う羽目になり、街に被害が出た事だろう。故に撤退を見逃したのは、解放軍としての意味で正解と言える。
次にレイヤーは、なぜ正体を明かす気になったのかをレオンに問う。
「でっ、なんでこのタイミングで諜報員であることを? 例え仲間でも、諜報員は人前で身分を明かすなんて銃殺物だぞ」
「隊長の言う通り、諜報員として失格です。でも、みんなには本当のことを言っておこうかと」
「あっさり認めちゃうのね」
「自分は情報畑には合わないので…」
理由を語るレオンに対し、アニタが諜報員らしくなくあっさりと正体を明かせば、自分は情報畑に合わない人間であると告げる。
場を和ますように、マイクはホワイト・ディンゴが変人の集まりであると明るく言い始める。
「ほんと、お前はとんだ食わせ物だったな、レオン。まぁ、隠し事の一つや二つある仲間が居たほうが、面白みがあって良いや!」
「それにホワイト・ディンゴは変な奴が集まってるんだから、諜報員の一人や二人、居てもおかしくないわ」
「おいおい、その変な奴に俺も混じっているのかよ!?」
「何よマイク、貴方は特にこの中で変な奴の筆頭よ!」
場が和めば、レオンはレイヤーに向けて謝罪する。
「…黙っていてすみません、隊長」
「謝る事は無い。君は自分の任務を果たしていた。それで十分じゃないか」
「怒っているのでは?」
「何を言う? 何度も助けられたことがある。命の恩人に怒る奴は居ないさ。それに…」
「なんでしょう…?」
謝罪することは無いし、怒っていないとレオンに告げれば、レイヤーは自分が思っていることを伝える。
「一つだけ思ったことがある。君は諜報員よりモビルスーツのパイロットが性に合っているかもな」
「あっ、自分もそう感じておりました」
諜報員よりMSのパイロットの方が合っている。
そう言われたレオンは、自分もそう思っていたと返し、自分の知る限りの情報を伝えると約束する。
「自分の知る限りの情報を伝えます。私の権限はスタンリー指令を上回る物でありまして」
「方面軍司令官より情報権限が上ですって!? 全く、とんでもない物ね!」
「いくらなんでも、諜報員だからって」
「最初は驚いたさ。諜報員なら尉官が佐官の権限を上回っちまうってな。ですが、情報が多い方が優位に立つこともできます。謝罪代わりに役立ててください」
「あぁ、もちろんそうするとも」
方面軍司令官より情報権限が高い事に一同が驚く中、その権限を持つレオンは是非とも役立ててもらいたいと言ってディスクをレイヤーに渡す。
「(俺の正体がばれるのは、奴らがトンデモねぇのに乗って現れた時だな)」
この時、シュンは無言ながら驚いていたが、いつかネオ・ムガルの刺客が強力な兵器で自分等に目の前に現れるかと思い、その時は自分の正体を明かす時だと思った。
「さぁ、出撃だ。こうしている間にも、トリントン基地の守備隊は掃討されつつある。急いで向かわないとな! 整備員は機体チェック、パイロットはトリントンに着くまで待機だ!」
そんなシュンを他所に、レイヤーは出撃を命じてブリーフィングを解散した。
トリントン基地襲撃から一時間後、機甲一個大隊程度の戦力しかない基地は、五機のドムとギャロップによって壊滅状態に陥っていた。
「う、うわぁぁぁ! こんなのに勝てるわけはねぇ!!」
最後の一両となった61式主力戦車から戦意を損失した乗員が二名とも飛び出せば、その戦車はドムに踏み潰される。
残っている歩兵や対MS戦闘兵も敵わないと思い、残っているトラックや車両に乗り込んで逃げ出せば、完全にトリントン基地は制圧された。
逃げ出してはいるものの、敵は残っているので撃とうとしたが、弾を無駄にせずに放置する。
『ちっ、手加減してやったのにこの程度か』
『周囲に敵影無し! 増援はあいつが平らげちまってるから来ねぇな! つまらねぇぜ!』
『たくっ、核があると思ってMSが二個大隊くらい居ると思ったが、居たのは戦車一個中隊と対MS中隊だけ。このドムの相手不足にも程がある』
「まぁ、なんであれ、制圧が予定よりも早く成功したのは良くってよ。さぁ、核を奪うわよ! MS隊は補給を済ませなさい! 敵が来ないとは限らないわよ!」
制圧を成功させたジオンの部隊は周囲を索敵したが、やって来るとされる援軍は索敵をしていたドムのパイロットが言っていた者が掃討しているのか来ない。
歯応えの無い敵に対しオネエ口調の指揮官はジープに乗りながら指示を出して、数十名の部下を乗せた部下と共に司令室の制圧に向かう。
『何所にも抵抗は無いぜ! まぁ、連邦のMSが来てもこのドムの前ではオモチャ同然だがな! そっとはどうなってる!?』
『核の貯蔵庫のセキュリティーは、十二時間あれば解除できる!』
基地の外を見ていたドムのパイロットが、核貯蔵庫の出入り口のセキュリティーを解除している隊員に問えば、隊員は十二時間で解除できると端末を操作しながら答える。
だが、基地司令部を制圧した部隊長にとって十二時間は長過ぎたのか、六時間で済ませろと告げる。
『十二時間ですって!? 六時間でやりなさい! それまで持ち堪えられないわ!』
『六時間で!? そんな無茶が出来るわけ無いだろ! そっちでバックアップしてくれ!!』
『もちろんそのつもりよ! さぁ、早くやりなさい!』
無茶を言われたことに隊員が文句を言う中、指揮官はこちらで手伝うと答え、部下たちに指示を出す。
トリントン基地を制圧したジオン軍の部隊名は局地戦戦技研究特別小隊、通称マッチモニード。数機のドムで構成された小隊規模の部隊であり、ジオンの当主の一人娘であるキシリアの私兵部隊だ。
マッチモニードは敵軍や友軍からの蔑称であり、正式名の業務は殆どしておらず、主な業務は連邦・ジオンの反ザビ派の諜報と謀略である。
隊員はサイド3の最下層で生まれた者ばかりで、ザビ家に拾われた彼らは、救ってくれた恩人で国家元首であるザビ家に忠誠を誓っている。ザビ家の脅威となる者の排除を行うのが彼らの主な仕事だが、その中には自分等を馬鹿にする者の排除も含まれている。
隊長を務めるニアーライト少佐も隊員と同じく最下層出であるが、部下たちを捨て駒同然に扱っている。が、彼を含めて部隊全員がお互いを利用価値のある道具として見ているので、規律や倫理観は無に等しく、自分等も命も人類の存続も関係ない。
彼らにとっては、ザビ家の脅威となる者と自分等を馬鹿にする者の排除が全てなのだ。
そんな彼らがトリントン基地を襲撃して核を奪ったのは、おそらく主人であるキシリア・ザビに持ち込んだアスタロスと共に献上することだろう。
彼らが核貯蔵庫のセキュリティー解除に勤しむ中、ホワイト・ディンゴが基地奪還のために迫る。
「三時方向より新手に敵MS接近! 数は小隊規模! 接近中!!」
「また来たの? 補給を終えた機体は直ちに迎撃準備! 奴にも向かわせない!!」
司令塔でセキュリティー解除に勤しむ中、双眼鏡で周囲警戒を行っていた隊員がホワイト・ディンゴの接近を知らせれば、ニアーライトは直ぐに指示を出した。
次々と連邦のMSを排除していた謎のMSは、指示を受けて単機でホワイト・ディンゴに向かう。
果たしてそのMSは…?
『基地を襲ったジオンの部隊は局地戦戦技研究特別小隊、通称マッチモニード。正式名通りの業務は差ほどやっておらず、もっぱら反ザビ家に対する諜報行為ばかりの私兵部隊です』
『管轄は、諜報からして長女のキシリアの私兵部隊か』
『おぉ、流石は隊長。正解ですよ』
トリントン基地へMSで急行する中、ホワイト・ディンゴはレオンから基地を占領した部隊の詳細を聞いていた。
諜報と聞いてレイヤーが、マッチモニードがキシリアの私兵部隊だと当てれば、レオンは見事に正解だと返答する。
『キシリアの私兵部隊? 妖怪の手先じゃないの。きっと名前の通り、人ならざる連中だわ』
『基地に潜入していたスパイが撮った写真では人だが、周りから煙たがられたり、怖がられたりしている様子が見える。妖怪の手先なのは確かだな』
マッチモニードがキシリアの私兵部隊と聞いてか、アニタは妖怪の手先だと言う。
これに写真でマッチモニードの面々を見たことがあるレオンは、人であるが、妖怪の手先は正解であると返す。
『そんな悪党な連中を俺たちがやっつけに行くんだ。さぁ、気を引き締めて行こうぜ』
マイクがマッチモニードを悪党と表して退治しに行くと言えば、レイヤーは注意事項を告げる。
『マイク、意気込みは褒めるが気を付けろよ。核を貯蔵しているドームがある。写真で見たはずだ。そこには絶対に当てるな、流れ弾もビームも厳禁だ。もし命中した場合、中に貯蔵されている核に誘爆し、この辺り一帯は吹き飛ぶ。貯蔵されている核を百発分と計算すれば、シドニー以上の被害が出る可能性がある。注意しろ!』
注意事項は、核の貯蔵庫であるドームに絶対に当てるなと言う事であった。流れ弾でも現金であり、当たった場合、貯蔵している核の量によってシドニー以上の被害が出ると予想される。
その後にレイヤーは敵部隊と交戦する際、なるべく貯蔵庫から引き離すことを条件に戦闘するように心掛けるように告げる。
核がある場所での戦闘は初めてではないが、MSでの戦闘は初めてだ。
「やれやれ、吹っ飛ばさんように注意しねぇとな」
張り付けてある核を貯蔵しているドームの写真を見ながら、シュンは主兵装のマシンガンを単発に設定した。
現在のホワイト・ディンゴの編成は、まだ量産型ガンキャノンの整備が終わっていないのか、マイク機のみであり、レイヤーとレオンはジムのままで、シュンのジム・ストライカーは紛失したパイルバンカー付きのスパイクシールドの代わりに一般的なジムの盾を装備している。
トリントン基地まであと少しとなったところで、ホワイト・ディンゴに例の謎の機体が迫る。
『トリントンまで後もう少しです…っ!? 正体不明機、こちらに急速接近中! 数は一機です!!』
『一機!? 連中にエースでも居たのか!?』
『そんな情報は無い! 奴ら、一体どこの…!?』
アニタが正体不明機の接近を知らせれば、マイクは直ぐにキャノン砲の照準をそれに定め、レオンは情報に無いと答え、接近して来る機体を確認した。
これに続いてレイヤーとシュンも向かって来る正体不明機にカメラを合わせれば、明らかにこの時代の、それも宇宙世紀の物では無いMSが映る。
『こ、こいつは…! 敵の新型か!?』
「ちっ、なりふり構わずに来やがったか」
レイヤーがジオンの新型と思って驚く中、シュンはカメラに映っているこの世界とは違うMS、それもガンダムタイプであった。
次回から全く別次元で原作崩壊の戦闘になるので、ここまでに。