魔法科高校の立派な魔法師   作:YT-3

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レポート②では、『気』及びそれを利用する技の説明をします。

『魔力』及び『魔法』ついてはレポート①をお読みください。
感卦法(かんかほう)』などの『(アル)(テマ)(・ア)(ート)』についてはレポート③をお読みください。


レポート② 『気』に関する考察

①『気』について

 

 

体内に存在するサイオンのこと。

エイドス活動の余剰分から生成される部分が大きく、もとから体質的に多く作り出す人もいるが、体を鍛えることでエイドスの活性を強め、作り出す量を増やすことも出来る。

基本的に、魔法科の魔法師はこれを操っているため、本編では主に『サイオン』と表記する。

 

体の内側から外側に出て行こうとする性質があるため、逆に内側に取り込まないと扱えない『魔力』との共存は難しく、(シュン)(クシ)(タス・)(アン)(ティケ)(イメ)(ノイン)は『感卦法(かんかほう)』と呼ばれる超高等技術である。

 

感卦法(かんかほう)

→レポート③を参照

 

 

②『気』の基礎技術

 

 

【身体能力強化】

 

気の操作に習熟していて、この存在を知っていれば、誰でも扱える技術。

魔法式を介さないため、魔法師の知覚にかかりづらい。

 

肉体の内側に満たしたサイオンにより情報構造体(エイドス)活性化させ、常態以上の可動を可能にすることで身体能力を強化する。

 

ただし、肉体の保護は行っていないため、物理的限界を超えた動きをすると体にダメージがある。

また、制御できる範囲での上限は体の筋肉量によるため、鍛えている方がより早く動ける。

 

古式魔法師の間では比較的よく知られている技術ではあるが、情報を書き換えている感覚がなかったために、単に厳しい修行により身体能力が優れていると考えられてしまい、現代魔法学では知られていない技術である。

 

 

【縮地法】

 

厳密的には気は関係のない技術だが、気による身体能力強化と併用されることも多いためここで記述する。

 

武術による移動方法の一つ。

各武術によって細部は異なるが、一瞬で数メートルを詰める歩法という点では共通している。

身体能力強化と併用することでさらに移動距離を伸ばすことができる。

 

『縮地』と名が付いているが、仙術の一つとして『数キロの距離を、たった一歩で移動して見せた』と伝えられてきた『縮地』ではない。それにあやかって付けられただけである。

 

純粋武術的な歩法であるため、筋肉を特定の順番で動かして使う瞬動術との相性は最悪であり、まともに併用することはまずできない。

しかしそれに成功した場合、数キロの距離を一歩で移動することも可能な『縮地』となる。

 

 

【瞬動術】

 

理論としては魔力によるものと同じ。

詳細はレポート①参照。

 

虚空瞬動(こくうしゅんどう)

 

同上。

 

 

【縮地】

 

瞬動術と縮地法の併用により、キロ単位以上の超長距離瞬時移動を可能にする技。

 

体の筋肉を連動させ力を伝える瞬動術と、歩法である縮地法は併用することが非常に難しいため、使用することが非常に厳しい。

ナギも完全には扱えず、約1キロの移動距離で、足場の破壊という欠点がある【(しゅ)(くち)(むき)(ょう)】しか使うことができない。

 

虚空(こくう)(しゅ)(くち)(むき)(ょう)

 

(しゅ)(くち)(むき)(ょう)を、(こく)(うし)(ゅん)(どう)の技術を使って空中に足場に作ることで足場の破壊という問題を解決した技。

移動距離は(しゅ)(くち)(むき)(ょう)と同じく約1キロ。

 

 

【強化】

 

情報体(エイドス)内にサイオンを満たし、内側から押し固めることでその物の本来の強度以上の強度をだしつつ魔法による影響を防ぐ技術。

 

情報体(エイドス)は、原子模型のように、固定されつつも隙間の空いている構造をしている。

この技術は、その隙間をサイオンで埋めることで情報体が壊れにくくし、また接触型術式解体(グラム・デモリッション)と同じ理屈で魔法式の上書きを防ぐことができる。

ただし、同一性質を持つサイオン、つまり自分の『気』や『魔力』による改変は受け付ける。

 

 

 

②『気』を使う戦闘術

 

 

【京都神鳴流】

 

1400年以上も前から、魔を斬り民を護る剣として、裏の世界からも隠れてきた剣術。

 

大元が金持ちに雇われた陰陽師などが相手をしない民衆を襲う魔物を退治する剣なので、図体の大きい相手に確実にダメージを与えるために長大な野太刀を好んで使う。

古くから付き合いのある呪符使いの前衛として雇われることも多く、その場合呪符使いの護りは盤石となるとされる。

 

様々な状況に対応するため、数多くの奥義が伝わっており、中には広範囲殲滅用の技や徒手空拳の技、投げ技まである。

そのため、剣を持たなくても戦闘力が落ちることはないとも言われるが、やはりその本分は剣術なので剣を持つことが多い。

『神鳴流に飛び道具は効かない』とも言われるほど超人的な反射神経と正確さを誇り、その実力は連続で落ちてくる雷を捌き斬ることができるほど。

モップなどの木の棒で岩が斬れることが一人前の証とされる。

 

影に隠れてきた剣術のため表立って弟子を集めることができなかった。そのため、現代魔法の発展とともに名を上げた『千葉家』に剣士志望の弟子候補が集まってしまい、門下が激減して衰退していた。

そこで、エヴァの封印解除と達也の質量(マテリアル)爆散(・バースト)の影響で起きた鞍馬山の霊災(魔物の大規模自然発生)を自分たちの手で収め、名を上げようとしたが失敗。霊災の収束と引き換えに十五歳以上の剣士のほとんどを喪った。

生き残った剣士や子供は散り散りとなり、神鳴流は実質的に崩壊している。

 

(ざん)(がん)(けん)

 殺傷性ランク:ランクB

 戦術的ランク:戦闘級

 

岩をも斬り裂く鋭き一閃。

『高周波ブレード』と『(へし)斬り』の重ねがけのような技術であり、獲物の周りに高速振動する斥力刃を展開し、凄まじい切れ味を作り出す奥義。

 

斬魔剣(ざんまけん)

 殺傷性ランク:ランクB

 戦術的ランク:戦闘級

 

魔を斬り裂くことを目的とした一閃。

通常の気による強化に加え、刀の情報体(エイドス)を強制的に活性化することで、本来なら情報体(エイドス)が触れることは難しい魔法式や霊体などを直接斬り裂くことができる。

 

(ざん)(てつ)(せん)

 殺傷性ランク:ランクA

 戦術的ランク:戦闘級

 

鉄をも斬り裂く一閃を飛ばす技。

螺旋状に形成した斥力刃を剣閃の延長線上で移動させることで、剣の間合いの外に対する遠距離攻撃を可能とした。

 

(ざん)(くう)(せん)

 殺傷性ランク:ランクA

 戦術的ランク:戦闘級

 

不可視の剣閃を飛ばす技。

所謂『鎌鼬』であり、圧縮空気の刃を飛ばし、気圧差により遠距離の相手を斬り裂く。

 

(ざん)(こう)(せん)

 殺傷性ランク:ランクB

 戦術的ランク:戦闘級

 

瞬間的に解放した『気』で斬り裂く技。

一瞬で解放・圧縮したサイオンで擬似情報体(エイドス)を形成、それによって敵の情報体(エイドス)斬り裂く技。

技の名の由来は、余剰サイオン光が閃光のように激しいことから。

 

(らい)(めい)(けん)

 殺傷性ランク:ランクB

 戦術的ランク:戦闘級

 

帯電した刀を振り下ろし、落雷のような一撃を放つ技。

刀が、自由電子の多い金属であることに目をつけ、空中放電によって発生した電子を刀に鹵獲、それを放出して落雷と同規模の電力をぶつける。

 

極大(きょくだい)(らい)(めい)(けん)

 殺傷性ランク:ランクA

 戦術的ランク:戦術級

 

【雷鳴剣】の上位技。

鹵獲する電子を増やすことで威力を上昇させた。

 

(らい)(こう)(けん)

 殺傷性ランク:ランクA

 戦術的ランク:戦術級

 

【雷鳴剣】【真・雷鳴剣】の広範囲版。

鹵獲、放出する電子の量を上げ、さらに広範囲を攻撃するように放出させることで広範囲殲滅を可能にした。

 

(しん)(らい)(こう)(けん)

 殺傷性ランク:ランクA

 戦術的ランク:戦術級(戦略級)

 

【雷光剣】の上位互換にして神鳴流決戦奥義。

莫大な電力を超広範囲に放出することにより、広範囲殲滅を行う。

その威力は戦略級と言っても過言ではなかったが、萃音がこれ以上誰かに利用されるのを憂いた十文字親子が、威力を下方修正して公開した。

 

百花繚乱(ひゃっかりょうらん)

 殺傷性ランク:ランクB・一部他奥義との併用でランクA

 戦術的ランク:戦闘級・一部他奥義との併用で戦術級。

 

秘剣。周囲の花びらが舞い上がるほどの『気』を放出し、目にも留まらぬ連撃を放つ。

【雷光剣】【雷鳴剣】などを除く他の奥義との併用も可能。

 

……etc.

 

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 殺傷性ランク:ランク外・対物魔法のため

 戦術的ランク:戦闘級

 

神鳴流の秘奥にして真価。

基本的に宗家『青山』の者にしか教えられない。

 

刀の情報体(エイドス)、及びそれに付随する魔法式の全てを、『無』の情報によって上書きすることで存在自体を無くす技。

『ある』のに『ない』と極大の矛盾が起きるため、世界の修正力によって一瞬で元に戻される。

しかし、神鳴流はそれを利用し、タイミングを調整することで、その一瞬で敵の守りをすり抜けて当たる直前で実体化する防御不可能の剣術を編み出した。

 

修正により戻される物は構造の甘い魔法式から優先されるため、魔法式のみの状態で対象の魔法式のみに当てることで、情報体(エイドス)を傷つけずに魔法式のみを狙い斬る、ということも可能である。

 

 

【呪符使い】

 

日本古来の魔法師の一種。陰陽師や呪術師とも。

呪符使いが魔法を構成する間の隙を、前鬼・後鬼と呼ばれる式神が護ることが特徴で、発動の遅い古式魔法の弱点を補うための一つの形である。

 

式神である前鬼・後鬼は化成体の一種で、実際にただの化成体の場合もある。

しかし、熟練した術者は、化成体の中心に据える精霊に『魂』を宿らせることで、自立思考、行動を可能とする。

式神は鬼や天狗などの形を成すことが多いが、中にはクマやサルのぬいぐるみを使役する一派もあるとか……。

 

呪符使いのみならず、多くの古式魔法の特徴の一つとして、干渉強度と発動規模の向上が可能であることが挙げられる。

これは、起動式を基に魔法式を編む現代魔法とは異なり、古式魔法では呪符などはあくまで補助具として使い、魔法式は一から魔法師の頭の中で組み上げることから、発動までの時間を長くすれば、その分細部までしっかりとした、大きな魔法式を組み上げることができるためだ。

ただし、これは評価基準の一つである『発動速度』を大きく削る代わりに『干渉強度』と『発動規模』を多少上げる技術であるため、総合評価ではむしろ低くなる。

しかし、発動までの時間を、式神や雇った神鳴流によって稼げる『呪符使い』は、強力な魔法を使えるこの技術を好んで使うことが多い。

 

[八大地獄]

 殺傷性ランク:ランクA

 戦術的ランク:戦術級

 

オリジナル魔法。

仏教における地獄の様相を示す言葉を冠する、振動・吸収系複合領域魔法。

振動系加熱魔法で、一定範囲内を太陽の表面温度と同じ6,000度まで加熱して攻撃する。

もしそれを耐えられたとしても、空気中の酸素と窒素を燃焼させることで炎と酸欠、猛毒であるNO2(二酸化窒素)N2(無水硝)O5(酸ガス)で攻めたてることで毒殺する二段構えの魔法。

 

 

 

③上記以外の『気』を使う攻撃

 

 

《エターナル・ネギ・フィーバー》

 殺傷性ランク:ランクC〜A

 戦術的ランク:戦闘級〜戦術級

 

ナギの前世での名を冠した必殺技。

某不死身バカが『体からビーム……それだっ!』と思いつきで開発した技。後に、ナギが気の遠くなるような修行(スパルタ30%、気合い70%、バカ150%)で身につけた。

 

威力は対艦砲撃に匹敵、もしくはそれ以上の火力がある。

 

何故か攻撃対象を選べる、何故か威力を調節できる、何故かビームなのに光学障壁をすり抜けるetc...、使っている本人にもよく分かっていない部分が多く、もはやほぼ完全なブラックボックス状態。

光波振動系魔法『フォノン・メーザー』と似たような現象だと見られるが、こちらは爆発したりするため尚更よく分からない。

 

ちなみに、体で覚えているため恥ずかしいポーズは必須。技名も叫ばないと暴発したりする。




評価基準について。

①殺傷性ランク
ランクA……一度に多人数を殺害し得る魔法。
ランクB……致死性の高い魔法。
ランクC……致死性がない、または低い魔法。
事後判断……威力の調整が利く攻撃性魔法。
ランク外……防御魔法など攻撃性魔法ではない。

②戦術的ランク
全て一回の威力で計算(一回で複数展開できる場合は合計される)
戦略級……都市、あるいは艦隊を壊滅できる魔法。
戦術級……大集団を無力化、もしくは戦車や戦闘機などの機動兵器を破壊できる魔法。
戦闘級……個人、または小集団を無力化出来る魔法。


()が付いているものは非公開の範囲。


神鳴流の他の技に関しては、本編で出てきたときに追加します。

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