ISVD〜Infinite Stratos Verdict Day〜   作:高二病真っ盛り

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今回の話

タワー万能説

あとちょっと長いです。


02ー04 依頼受注

評決の日(ヴァーディクトデイ) FAR EAST

SIDE:一夏

【不明なユニットが接続されました】

 

最終兵器を起動させる。

鳥野郎の行動パターンは全てわかった。あとはこれを叩き込むだけだ。

 

『さぁ…ケリを……ようじゃ…ねえか。最後…黒…鳥(ラスト……ブン)

 

アイツが、俺に突進を仕掛けるタイミングを見計らう。

 

【直ちに使用を停止してください】

 

ACの警告音声を無視して構える。

 

『見……みな、お前に…の力…があるなら‼︎』

 

EXUSIAの突進に合わせて俺は右腕の暴力を突き出した。

 

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現在 IS学園寮 1025号室

SIDE:一夏

「なんで…なんでテメエが…」

『アハハハッ アーハハハハハ‼︎』

 

生きていたことには驚かない。”アレ”を喰らってもエイリークのように生きている奴は生きている。

 

だが、何故こいつの声がACから発せられているんだ⁈

 

「……」

『あーあー、えっとぉ聞こえてるかな?』

『主任、先程の発言は挨拶には不適切かと』

 

呆然としていると謎の女性の声まで聞こえてきた。

一体全体どういうことだ?

 

『あぁそうなんだ。で?それが何か問d『問題です』…キャロりん冷たい』

『ハァ、困った方です。……申し遅れました、私はキャロル・ドーリーと言います。先程のやかましいのは主任です』

「…イチカ・オリムラだ」

 

相手の名乗りに応える。

鳥野郎は主任、謎の女性はキャロルと言うらしい。

 

「……で?俺に何の用だ?」

『用件の説明をする前に貴方にはお話しすることがあります。』

「何だよ」

 

キャロルの言葉に身構える。

こういう時は大抵トンデモな「話」だからだ。

 

『貴方が、何故我々の世界に来たか、という話です』

「……」

 

本当にトンデモな「話」だった。

棚からぼた餅とはこのことか。

来た理由がわかれば行く方法もわかるかもしれないのだ。

 

だが、罠の可能性もある。

偽の情報を使い俺を良いように利用する気かもしれない。

 

「…わかった、話を聞かせろ」

 

数秒思案し応える。

 

罠だろうと構うものか。

少ない情報でも今は欲しい。そう思い俺は耳を傾けた。

 

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夜 IS学園寮 寮長室前

SIDE:箒

コンコン『誰だ』

 

ドアの向こうから千冬さんの声がする。

 

「織斑先生、篠ノ之です」

『篠ノ之か、少し待て』

 

数秒後、織斑先生が寮長室から出てくる。

 

「待たせたな で、何の用だ?」

「千冬さん、どうしてアイツは、一夏は剣道を辞めたのですか?」

「ん?何の話だ?」

「実はー」

 

千冬さんにさっきの会話を説明する。

どうして私とアイツの唯一の繋がりである剣道を一夏は辞めたのか。

一夏に聞いてもはぐらかすばかりだった。なら知ってる人物に当たればいい。

 

そう思い千冬さんを訪ねたがー

 

「悪いが、それは知らない」

 

返ってきたのは、期待と違う答えだった。

 

「どうしてですか⁉︎アイツとずっと一緒にいたのでしょう⁉︎」

「……篠ノ之、耳を貸せ」

「…え?はい」

 

言葉に従い耳を貸す。

 

(これから話す事は口外するな)

(…はい)

(第二回モンド・グロッソで私が棄権したのは知ってるな)

 

有名なニュースだ。確かそのすぐ後に千冬さんは現役を引退したのだ。

確か理由は不明だったはずだがー

 

(棄権した理由は、一夏が誘拐されたからだ)

(っ⁉︎)

 

一夏が誘拐⁉︎いったいどういうことだ⁉︎

 

(誘拐した奴らの要求通り私は棄権した。だが一夏は発見されなかった)

(……)

 

衝撃的な事実の連続に思考がフリーズする。

 

(発見されなかったって、じゃああの一夏は⁉︎)

(落ち着け、今から二週間半ほど前にアイツは帰ってきた)

(そこまでの間アイツはいったい何を…)

(わからん、一夏は『整理がついたら話す』と言っていた。だから、今はそっとしておけ)

(……はい)

 

あまりの事実に頷くしかできない。

 

「……話はもう無いな?就寝時間だ、部屋に戻れ」

「……はい」

 

そのままふらふらと部屋に戻る。

 

一夏、お前に何があったというのだ?

 

幼なじみである私だけではなく、姉である千冬さんにも話せないようなことなのか?

 

(私では、力になれないのか……?)

 

なあ……一夏。

 

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夜 IS学園寮1025号室

SIDE:一夏

『………以上で全てです』

 

キャロルが説明を終える。

彼女の話を整理するとこうだ。

 

・数年前、主任やキャロルが所属する”企業”がタワー内で用途不明な装置を発見する

 

・周囲の制止を聞かず主任が勝手に起動させ装置から強い光が発生する

 

・その後の解析でその装置が「異世界へ物質を送迎する物」と判明。同時に成功時には強い光を発する事も判明

 

・企業はその装置を使ってみたがいずれも失敗した

 

・そこで成功した初回の起動でなにかがこちらに来てないかを調査。俺が異世界から来たことを知る

 

・彼なら成功するのでは?という疑問の下、依頼で俺をおびき出して装置を使用、見事に成功した

 

・そして現在、装置を使いACに通信する形で連絡をとっている

 

つまり総括するとーー

 

「だいたいお前らのせいじゃねぇか」

『否定はしません』

『いーじゃん!終わったことだし〜ギャハハハッ』

「……ハァ」

 

この手の輩にいくら怒ったって無駄だ。

とっとと話を進めてもらおう。

 

「で?俺への用は何だ」

『依頼です、貴方にはこの世界の調査をしてもらいます』

 

だろうな。此方(こちら)からすれば彼方(あちら)が異世界なのと同様に、彼方からすれば此方も異世界なのだ。

調査したいのは当たり前だろう。

 

「調査の期間は?報告はどうすればいい?」

『調査期間は貴方がその学園を卒業するまで、報告は此方がそのACを通じて観察するので不要です』

「……トイレとか、風呂とかは止めろ」

『ええ、承知してます』

 

プライバシーも何もない調査方法である。トイレと風呂は死守したが。

 

「報酬は?タダで、とは言わないよな?」

『依頼中のパーツや武器の調達、修理費と弾薬費は我々が請け負います。又、完了した暁には貴方を此方の世界に招きましょう』

 

一気にきな臭くなった。手当があまりにも厚すぎる。

 

「話が良すぎるな、何が目的だ?」

『勘違いなさらぬよう。我々は”企業”です。対価に見合うだけの成果は期待します』

 

これ以上言う気は無いってか。いいだろう、俺は受ける依頼を選ばない。

 

「…わかった、依頼を受けよう。調査に当たって行動方針はあるか?」

『いえありません。では、ご健闘をお祈りします』

『じゃあ、頑張ってね。アハハハッ』

 

通信が切れると同時にACからメッセージが表示される。

 

無銘(ノーネーム)一次移行(ファーストシフト)を完了しますか?】

 

【YES NO】

 

ノーネーム、彼方の世界でコロコロ機体を換えていた俺に付けられたあだ名。

 

(これが俺の専用機の名前か)

 

苦笑しながら迷わずYESを押す。

 

一次移行(ファーストシフト)を完了しました。単一仕様能力(ワンオフアビリティ)機体換装(アセンブル)”を解禁します』

 

メッセージウィンドウを閉じ、息をつく。

彼方の世界に行く方法は出来た。

 

あとは…あとはこの三年間で別れを告げるだけだ。

 

前の様に突然消えるのではない。千冬姉や箒、弾や鈴音に挨拶するのだ。

 

チクリと胸が痛む。

 

(寮長室に行くか…)

 

まずは、一次移行(ファーストシフト)した事を織斑先生に知らせなければ。

 

そうして夜は過ぎた。




Q結局『外したり、調べたら死ぬ』って何だったの?

Aキャロルの仕込みです。外したら本当に死にます。

Qここが分からない。

A自分の文章力不足です。申し訳ございません。質問して頂ければ、可能な限りお答えします。

Qどうしてパーツや武器は送れるの?

A一夏(イレギュラー)に関するものなら送れる、といった感じでお願いします。

Q企業が有情過ぎる。

A調査員には万全の体制で仕事してもらいます。

次回は設定説明です。

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