ISVD〜Infinite Stratos Verdict Day〜 作:高二病真っ盛り
ライダーとかL B Xとか趣味盛り込み過ぎた。
最新話です。どうぞ。
「さぁ、ダンスタイムと行きましょう」
「ハッ、なにがダンスだ。気取ってナメてんじゃねぇっすよ!」
その言葉と共に、ボタンは屋根から飛び降りながら右手の剣を振り下ろす。
それをヒラリと躱したセシリアは掌底を二連、続いてキックを浴びせる。
「ハッ!」
「おっと」
倉庫の上からアサルトライフルを展開したナオミがセシリアを狙う。
その弾丸と太刀筋の連携を舞うように避けながらセシリアは考える。
「やはり、素手は無理ですわね」
【
その呟きと同時に
その銃身を使い、器用にボタンの剣を受け止め抑える。
抑えたボタンを蹴り飛ばし、そうして出来た連携の隙を使い銃口をナオミに向ける。
スガァン!
否、正確にはナオミの足元―――倉庫の屋根に向かって放たれた光弾は炸裂と同時に屋根を粉砕。
着弾前に飛んだナオミが着地した時には、既にボタンは体勢を立て直しておりすぐさま2人は連携を再開した。
「おりゃぁ!」
ボタンが繰り出す切っ先の嵐。
ナオミが放つ弾丸の豪雨。
それら2つが織りなすハーモニーに対し、セシリアが選んだのは――――
「では、
――――各個撃破であった。
【
その音声と共にヴォルカライザーが変形する。
グリップとバレルの接合部が折り曲がり、銃身だった場所がナックルガードとなる。
更にヒンジだった部分からグリーンのビーム刃が発振、形成され変形完了。
『ヴォルカライザー ソードモード』に切り替えたセシリアは、左手より迫るボタンの剣を一瞬だけ防ぎ、その力を殺さずに受け流す。
受け流され、隙を作ってしまったボタンの背中を踊るように滅多斬りにするセシリア。
仕上げとばかりに蹴り飛ばし、今度はナオミに目を向ける。
「こんっ……のぉっー!」
今度はこちらが背中を切ってやるとばかりに叫ぶボタン。
両手に握られた双剣に、目に見える程のエネルギーが注入される。
【
そんな行動を待っていたとばかりに、セシリアはナックルガードを2回スライドする。
電子音声と共に、光でできた刀身が込められたエネルギーを示すように眩く輝く。
「おりゃぁぁぁぁ!!!!!」
【
示し合わせた訳でもないのに、セシリアの袈裟懸けの刃が、ボタンのX字の刃が同時に放たれる。
放たれた2つの光刃はぶつかり合い、強烈な閃光を発生させる。
「ぐわぁぁぁ!」
打ち負けたのは、ボタン。
火花を散らして打鉄・改の装甲が悲鳴をあげる。
「
頼れる味方があっという間に墜とされたのを見て、ナオミは焦りの声色を隠せず、反射的に引き金を引く。
ズダダーン!
キィン!
そんな攻撃、効きもしないとばかりにセシリアはナオミとは対照的な余裕の笑みで弾丸を剣で弾く。
「…っ!なら……」
その様を見て、武装をアサルトライフルからガトリングに変更して弾幕を厚くしようとするナオミ。
【
しかしそれを黙って見ているほど、セシリアは甘い人間ではない。
ヴォルカライザーをガンモードに戻し、更に銃身上部を1回スライドする。
【
電子音声が鳴り響き、単発のマグナムモードから、連発のマシンガンモードに切り替わる。
実弾と光弾。
2つの連射、連撃がぶつかり合い轟音を鳴らす。
「……!へぇ…」
撃ち合いの中、ラファールリヴァイブ・ソルジャー肩部の砲門が開く。
(確か、先程はあそこからミサイルを放ってましたわね…)
助けに入る前に見た光景を思い返し、今度は銃身上部を3回スライドする。
【
またも電子音が鳴り、そして銃口に濃密なエネルギーが収束する。
そして同時にトリガーが引かれる。
4門の砲から放たれるミサイルと、1つの銃口から放たれるエネルギー弾。
本来ならば、セシリアは間違いなくダメージを受けるだろう。
しかし、今は違う。
「!?」
ヴォルカライザーの銃口から放たれたのは拡散し、誘導する光弾群だった。
ラファールのミサイルとD-Nxの光弾群は全てぶつかり合い、そして光弾だけが爆煙を貫き、ナオミの身体に炸裂する。
「キャぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ふふっ、ふふふっ!」
身体に走る衝撃に普段の物静かな彼女からは想像も出来ない悲鳴が上がる。
2人をあっという間に撃破したセシリアの口から思わず興奮の笑いが溢れた。
「何笑ってんすかよぉ〜!」
痛みの走る身体を奮い立たせたボタンの怒声が響く。
最後の一撃とばかりに片方の剣にエネルギーを過剰供給し、構える。
「あら、コレは失礼。では……」
それに対してセシリアは回避、防御ではなく迎撃を選ぶ。
【
「―――幕を引くといたしましょうか!」
その掛け声と同時に、青き力の奔流がセシリアの右脚に集まっていく。
「あ"あ"あ"あ"あ"!!!」
ボタンの絶叫が響く中、負担に耐え切れなかったのか、剣にヒビが入る。
2人の戦士は同時に動いた。
「はっ!」
セシリアは飛び上がり、空中でキックの姿勢。……俗に言う『ライダーキック』のポーズをとる。
ボタンは振りかぶり、大上段から上空のセシリアを切り落とさんとする。
「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
【
「う"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!」
セシリアの『ヴォルカニックコメット』とボタンの渾身の一撃が激突。
秘められたエネルギー同士が混ざり畝り、そうして起きた爆発は離れた船すら揺らすほどの衝撃を響かせる。
ドゴォォォォン!
「きゃ……!」
無論、そのパワーは近くにいたナオミに容赦なく降り注ぎ、吹き飛ばした。
銃を杖に、ナオミがなんとか意識を戦場に向けると、煙の向こうに1人の人影が見える。
(どっち…せめて……)
ボタンであってほしい。
そんな彼女の願いは容赦なく砕かれた。
煙が晴れた向こうでは、特にダメージが見受けられないセシリアと……大ダメージが故、
(嘘……!?)
ボタンもナオミも、決して弱い操縦者では無い。また、ラファールリヴァイブ・ソルジャーも打鉄・改も決して弱い機体では無い。
だが、現にその2機がこうして一蹴された。相手は
これが新型。
これが次世代機。
(……っ!)
圧倒的なまでの差に、ナオミは睨みつけるので精一杯だった。
「……」
しかし、当の本人はそんな視線など感じてもいないように辺りを見回している。
「…ま、来ますわよね」
「……?」
何かに呆れた様子のセシリア。
カッ
次の瞬間、3筋の破壊の光が降り注いだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「フッ!」
ラウラの拳が亡国構成員の鳩尾を砕き
「セイッ!」
虚の手刀が構成員の意識を刈り取る。
埠頭での一方的な戦いが行われている同時刻。
レースが行われている真っ只中のアリーナ内の3番電気室では、亡国機業とIS学園生の戦いが終わろうとしていた。
「グゥ…」
パタリと最後の1人が倒れた事を確認して、2人はホッと息を吐く。
「…なんとかなった、か」
「ありがとうね。織斑さん」
「構わん。学園の生徒として当然のことだ」
彼女たちが沈黙させていたのは、第3電気室で破壊工作を行おうとしていた一団。
文化祭の一件で発生した、大量の欠員による警備の混乱を使い、この大会へのISが暴れる為の仕込みをしようとしていたのだ。
混乱は酷く、現にここを察知し、来れたのは虚とラウラの2名のみであった。
「……ううん。やるべきだったのは私。ラウラさんは“一般の生徒”でしょ?」
「そうだな。私はただの、ドイツとはなんら関わりのない存在だ」
互いに機密満載の軽口を叩きながら、工作員の手足を縛る。
経歴こそ抹消済みだが、ラウラは元軍人。こういったことは手馴れたものだ。
「……そういえば、よくここがわかったわね。織斑さん。私も織斑くんから指示があって初めて動けたんだけど」
「……まぁ、たまたまだ」
口を動かし、手も動かし、リズムよくテンポよく縄で縛っていくラウラの脳裏に先ほどの会話が浮かぶ。
『3番の電気室に行ってみなよ。そこで君は正義の味方さ』
シャルロットの言葉に従い、向かってみればこうだ。
怪しい集団と遭遇し、交戦。結果だけ見れば、大会と人命を守ったラウラは正義の味方であろう。
……シャルロットの言う通りに。
(やはりアイツは何かを隠している。亡国機業に繋がる何かを)
ラウラは、初めてシャルロットとあった時を思い出す。
あの時の奴は、いつ自分の
それが故に関わる価値もないと見過ごして、実際関わる間も無く
シャルロット・デュノアが何故男装してIS学園に入学したのか、その顛末そのものを私は知らない。
話を戻そう。姿を消した奴のことを私はしばらくの間忘却していた。改心前も、改心後もだ。だが、奴はたったの二ヶ月あまりでデュノア社の社長となっていた。
『そこで君は正義の味方さ』
そして、今のあの忠言。
『
なぁ、貴様は何を考えている。
わぁぁぁぁぁぁぁ!!!
湧き立つ歓声にラウラは意識を戻す。
歓声の内容を聞き取ると、どうやら一夏は最下位だったようだ。
アレで案外負けず嫌いな叔父をどう慰めようか、ラウラは考える事にした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「天丼とはまた芸の無い。ユーモアが足りませんわよ、ユーモアが」
視点は再び臨海地区の埠頭の倉庫エリアに戻る。
ニヒルな笑みを浮かべ、左手に盾を構えたセシリアは、自身と
「……生憎と、2人がかりでお前を笑わせることしか出来ないそこのクズ共と違ってな。私はコメディアンじゃないんだ」
一応仲間であるボタンとナオミへの痛烈な言葉と共に、上空から1機のISが舞い降りる。
「お久しぶりですわね……二週間を久しぶりと言うのかはわかりませんが」
「……個人的には一ヶ月からが久しぶりだな」
まるで世間話をするかの様に、バイザーの奥の視線はセシリアを見据える。
声の主はサイレント・ゼフィルスの操縦者、
「
「ハッ…一緒に消し飛ばしてやろうと思ったのだがなぁ。まさか敵に守られるとは」
―――なぜ今回ミッションに関係無いお前がここにいる。
―――なぜさっきの狙撃の目標に味方である私とボタンを含めた。
そんなナオミの視線をマドカは侮蔑と嘲笑で返す。
「まぁいい、ここは私に任せろ。気絶した
「……くっ!」
尻尾を巻いて逃げろ。
言外にそう言われたナオミは歯噛みするが、現状そうするしか無いのもまた事実。
ISの持つ超人的な力を持ってナオミは倉庫街へ消えた。
「……意外だな。お前、こういう時に見過ごす奴だったか?」
「いえ?ただ、確実に1人は持ち帰ろうと思いましてね」
セシリアの目的は亡国機業の構成員の捕獲だが、マドカの目的は(一応)それの阻止である。
だからこそ、マドカは戦闘不能となった2人を口封じに撃ち抜かんと光線を放ち、それが故に、セシリアはその光線から2人を守ったのだ。
「…フン。なら、その
「準備運動はとっくに済みました。始めましょうか!」
その言葉と同時に、意識を失ったボタンの周囲にセシリアの6基のビットが配置され、3基ずつに分かれて正三角形のバリアを構築する。
バリアは強靭で、これを用いてマドカから2人を守り、セシリア自身は盾で防いだ事が伺える。
ジリ…
互いの間の空気が張り詰める。
「さぁて、第2幕と行きましょう!」
どんな時も優雅たる彼女は、クルリとガンスピンを行い微笑んだ。
NAME:Blue Tears D-Next
KE:1384
CE:1629
TE:1537
R ARM UNIT:laser blade(TE)
R ARM UNIT:laser rifle(TE)/pulse machinegun(TE)
L ARM UNIT:laser blade(TE)
L ARM UNIT:laser rifle(TE)/pulse machinegun(TE)
UNIQUE UNIT:rifle bit(TE)/blade bit(KE)/bit shield
HANGER UNIT:shield
一夏と財団が、セシリアの素質を鑑みて設計構築した次世代のIS。得意戦闘距離は近から中距離だが、全距離対応の万能機。待機状態は腕時計。
纏うためにはBT兵器稼働率を最低91%、BT適性がAでなければならない正に選ばれた者の兵器。
ビームを固形化して、物理干渉を成すそれに秘められた力は、既存のISを凌駕している。
必殺技は脚部、或いは拳にエネルギー溜めて放つ『ヴォルカニックコメット』。
ヴォルカライザー
ソードモード、ナギナタモードを内蔵したブレードモードと、マグナムモード、マシンガンモードを内蔵したガンモードを使い分ける万能武器。
ブレードモード時ではナックルガードに、ガンモードでは銃身となる場所をスライドすると特殊なアクションを行える。
ビット
普段は背部のウィングに格納されており、セシリアの意思、もしくはオートで行動する。
ビット1つ1つにブレードモードとガンモードがあり、3基集まれば正三角形のバリアを張る事ができる。
ティアーズ・ガーター
高い防御力を誇る片手盾。
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