ISVD〜Infinite Stratos Verdict Day〜 作:高二病真っ盛り
不定期更新になれど完結までの道は見えています。
一年一組 三時間目
SIDE:一夏
「さて、今から授業と行きたいところだが、その前に再来週のクラス代表戦に出る代表者を決めたいと思う」
織斑先生が何やら重要そうなことを言う。
授業中に決めることでも無さそうだが。
「先生、クラス代表とはなんですか?」
如月さんが質問する。他のみんなも聞きたそうだ。
「クラス代表者とは文字通り、クラスの代表だ。今言った対抗戦だけでなく、生徒会会議や委員会に出席するクラス長のようなものだ。ちなみに、一度決まれば一年間は変わらん。自薦や他薦は問わん、誰かいるか?」
本当に文字通りのものだった。しかし、嫌な予感がする。
「はいっ。織斑君を推薦します!」
「私もそれが良いと思いますー」
予想通りの発言に机に突っ伏す。
やっぱりか、そこまで俺を殺したいかお前ら。
操縦者としての腕が無いと判断されれば、その時点で俺は研究室送りの可能性があるのだ。自分の発言が人を殺すことを自覚してほしい。
レーザーブレードだけで元代表候補生に勝つことも出来ない今の俺では、現役代表候補生が出てくるであろうクラス代表戦など自殺行為だ。
バァン‼︎
「待ってください!それでは納得がいきませんわ!」
机を叩きながらオルコットが文句を言い始める。
「そのような選出は認められません!大体、男がクラス代表だなんていい恥さらしですわ!このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえと‼︎」
割と問題発言がとびだした。まぁ否定しない、というか出来ない。
「実力から行けばわたくしがクラス代表になるのは必然。それを物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります。わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来たのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!」
暴言が俺だけでなく、日本にまでいった。
なんてスタイリッシュな自殺行為なんだ。見てて惚れ惚れする。
「いいですか⁉︎クラス代表は実力トップがなるべき、そしてそれはわたくしですわ!」
うんそろそろやめとけ。
クラスの半数以上を占める日本人生徒が切れているぞ。
「大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛でー」
これ以上はさすがにマズイ。俺は口を挟んだ。
「お、織斑先生‼︎」
「…なんだ、織斑」
ヤバイ。織斑先生も切れてた、よく見たら山田先生もだ。
「やる気も自信も実力もあるみたいですし、ここはオルコットさんをクラス代表にしましょう」
「……いいだろう。クラス代表はオルコットだ。オルコット、この件について話がある。
「ええ、分かりましたわ」
グッバイオルコット
お前の蛮勇を俺は明日まで忘れない。
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昼休み 食堂への道中
俺と箒は逃げるように食堂に向かった。
理由は簡単だ。俺が
織斑千冬は公式戦無敗にして、ドイツでの教官実績もある実力派のIS操縦者。
篠ノ之束はISの開発者にして、世界中から指名手配されている科学者。
そんな二人の弟と妹なのだ。気になって当然である。
おかげで質問責めにあいそうになり、命からがら逃げおおせたというわけだ。……”誰かさん”にはつけられてるが。
「……」
「どうした一夏。食堂はもっと先だぞ?」
「…悪い箒。先行って席を取っといてくれ」
「?、わかった。あまり待たせるなよ」
「ゴメン」
箒と別れ、人気のない廊下に入る。
クルリと振り向き”誰かさん”に向かって言い放つ。
「出てこい」
昼休み 人気のない廊下
SIDE:誰かさん
「出てこい」
織斑一夏の言葉に従い姿を現す。
驚いた、データ上の彼なら気付くはずはないのに。
「これは驚いた、生徒会長様が一生徒に何の用で?」
腕を広げたオーバーリアクションで彼は驚きを表現する。
「あら?おねーさんのこと知ってるのかしら?」
「知ってるも何も、入学式で挨拶してたじゃないですか…
ニコリと音がしそうな笑顔を彼は浮かべた。
なるほど、過去のデータなんて参考にもならないということか。
「それじゃあ私が何の用で貴方の前に現れたかは、わかるかしら?」
色気を振り撒くのではなく、真面目な顔で質問する。
彼は少し考え答えた。
「
白鴉、なんらかの理由で羽毛が白く変色した希少なカラス。
どうやら、入学試験で見せた白い機体と、唯一の男性操縦者である事と掛けているらしい。
中々な洒落だが、自分が生徒会に勧誘されていることは理解してるらしい…鳥籠という表現には若干の皮肉を感じるが。
「鳥籠に入るのは嫌?」
「嫌じゃありませんよ。鳥籠が、自分を守ってくれるものなら」
発言内容を見るに彼は学園に危害を及ぼす気は無いらしい。
それに、こちらが彼の立場を保証するなら生徒会にも入るようだ。
「フフッ、勧誘成功…でいいのかしら? 生徒会へようこそ、歓迎するわ新しい副会長さん♪」
「はい、それと頼みがあるですが」
「何かしら?エッチなのはダメよ?」
「空いている時間でいいので、ISの練習と、勉強を教えてください‼︎割とピンチなんです!」
さっきまでのかっこいい顔は何処へやら、そこには高校一年生の青年がいた。
その後「人を待たせてる」と言い、彼は去っていった。
しかし…彼のあの目、どこかで見たことがあると思ったらー
(歴戦の、傭兵の目ね)
いったいいつあんな目を身に付けたのだろうか、個人的な興味が湧いてきた。
如月さん
一年一組の生徒。
如月生体研究所のご令嬢。
白鴉
言うなればホワイトタイガーとかと同じもの