ISVD〜Infinite Stratos Verdict Day〜   作:高二病真っ盛り

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ガバガバプロットを組み立て直したら、遅くなりました。
不定期更新になれど完結までの道は見えています。


02ー02 生徒会

一年一組 三時間目

SIDE:一夏

「さて、今から授業と行きたいところだが、その前に再来週のクラス代表戦に出る代表者を決めたいと思う」

 

織斑先生が何やら重要そうなことを言う。

授業中に決めることでも無さそうだが。

 

「先生、クラス代表とはなんですか?」

 

如月さんが質問する。他のみんなも聞きたそうだ。

 

「クラス代表者とは文字通り、クラスの代表だ。今言った対抗戦だけでなく、生徒会会議や委員会に出席するクラス長のようなものだ。ちなみに、一度決まれば一年間は変わらん。自薦や他薦は問わん、誰かいるか?」

 

本当に文字通りのものだった。しかし、嫌な予感がする。

 

「はいっ。織斑君を推薦します!」

「私もそれが良いと思いますー」

 

予想通りの発言に机に突っ伏す。

やっぱりか、そこまで俺を殺したいかお前ら。

 

操縦者としての腕が無いと判断されれば、その時点で俺は研究室送りの可能性があるのだ。自分の発言が人を殺すことを自覚してほしい。

 

レーザーブレードだけで元代表候補生に勝つことも出来ない今の俺では、現役代表候補生が出てくるであろうクラス代表戦など自殺行為だ。

 

バァン‼︎

「待ってください!それでは納得がいきませんわ!」

 

机を叩きながらオルコットが文句を言い始める。

 

「そのような選出は認められません!大体、男がクラス代表だなんていい恥さらしですわ!このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえと‼︎」

 

割と問題発言がとびだした。まぁ否定しない、というか出来ない。

 

「実力から行けばわたくしがクラス代表になるのは必然。それを物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります。わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来たのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!」

 

暴言が俺だけでなく、日本にまでいった。

なんてスタイリッシュな自殺行為なんだ。見てて惚れ惚れする。

 

「いいですか⁉︎クラス代表は実力トップがなるべき、そしてそれはわたくしですわ!」

 

うんそろそろやめとけ。

クラスの半数以上を占める日本人生徒が切れているぞ。

 

「大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛でー」

 

これ以上はさすがにマズイ。俺は口を挟んだ。

 

「お、織斑先生‼︎」

「…なんだ、織斑」

 

ヤバイ。織斑先生も切れてた、よく見たら山田先生もだ。

 

「やる気も自信も実力もあるみたいですし、ここはオルコットさんをクラス代表にしましょう」

「……いいだろう。クラス代表はオルコットだ。オルコット、この件について話がある。()()()()()()()()()()

「ええ、分かりましたわ」

 

グッバイオルコット

お前の蛮勇を俺は明日まで忘れない。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

昼休み 食堂への道中

俺と箒は逃げるように食堂に向かった。

理由は簡単だ。俺が織斑千冬(ブリュンヒルデ)の弟である事と、箒が篠ノ之束(天災)の妹である事がばれたのだ。

 

織斑千冬は公式戦無敗にして、ドイツでの教官実績もある実力派のIS操縦者。

篠ノ之束はISの開発者にして、世界中から指名手配されている科学者。

そんな二人の弟と妹なのだ。気になって当然である。

 

おかげで質問責めにあいそうになり、命からがら逃げおおせたというわけだ。……”誰かさん”にはつけられてるが。

 

「……」

「どうした一夏。食堂はもっと先だぞ?」

「…悪い箒。先行って席を取っといてくれ」

「?、わかった。あまり待たせるなよ」

「ゴメン」

 

箒と別れ、人気のない廊下に入る。

クルリと振り向き”誰かさん”に向かって言い放つ。

 

「出てこい」

 

昼休み 人気のない廊下

SIDE:誰かさん

「出てこい」

 

織斑一夏の言葉に従い姿を現す。

驚いた、データ上の彼なら気付くはずはないのに。

 

「これは驚いた、生徒会長様が一生徒に何の用で?」

 

腕を広げたオーバーリアクションで彼は驚きを表現する。

 

「あら?おねーさんのこと知ってるのかしら?」

「知ってるも何も、入学式で挨拶してたじゃないですか…()()()()生徒会長?」

 

ニコリと音がしそうな笑顔を彼は浮かべた。

なるほど、過去のデータなんて参考にもならないということか。

 

「それじゃあ私が何の用で貴方の前に現れたかは、わかるかしら?」

 

色気を振り撒くのではなく、真面目な顔で質問する。

 

彼は少し考え答えた。

 

白鴉(しろがらす)を、鳥籠に入れに…とか?」

 

白鴉、なんらかの理由で羽毛が白く変色した希少なカラス。

どうやら、入学試験で見せた白い機体と、唯一の男性操縦者である事と掛けているらしい。

 

中々な洒落だが、自分が生徒会に勧誘されていることは理解してるらしい…鳥籠という表現には若干の皮肉を感じるが。

 

「鳥籠に入るのは嫌?」

「嫌じゃありませんよ。鳥籠が、自分を守ってくれるものなら」

 

発言内容を見るに彼は学園に危害を及ぼす気は無いらしい。

それに、こちらが彼の立場を保証するなら生徒会にも入るようだ。

 

「フフッ、勧誘成功…でいいのかしら? 生徒会へようこそ、歓迎するわ新しい副会長さん♪」

「はい、それと頼みがあるですが」

「何かしら?エッチなのはダメよ?」

「空いている時間でいいので、ISの練習と、勉強を教えてください‼︎割とピンチなんです!」

 

さっきまでのかっこいい顔は何処へやら、そこには高校一年生の青年がいた。

 

その後「人を待たせてる」と言い、彼は去っていった。

しかし…彼のあの目、どこかで見たことがあると思ったらー

 

(歴戦の、傭兵の目ね)

 

いったいいつあんな目を身に付けたのだろうか、個人的な興味が湧いてきた。




如月さん
一年一組の生徒。
如月生体研究所のご令嬢。

白鴉
言うなればホワイトタイガーとかと同じもの

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