ISVD〜Infinite Stratos Verdict Day〜   作:高二病真っ盛り

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今回のセシリアの所で、言葉の響きで元ネタを当てた人は名乗り出て欲しいです。(露骨なコメ稼ぎ)


06ー05 夏休みの過ごし方(後編)

夏休み イギリス開発研究室

SIDE:セシリア

『皆さんこんにちは。新社長のシャルロット・デュノアです。

報道陣の方々は聞きたい事がたくさんあるでしょうが、まずは僕の方針を示します。

 

デュノア社は第三世代機の開発から撤退。第二世代機、『ラファール』の再開発に尽力します。

理由ですか?無駄だと判断したからです。第三世代機の開発自体が。

 

そもそも、IS操縦者を養うIS学園で教材として使用されているのは日本の『打鉄』とウチの『ラファール』です。

なら、使い慣れたもののバージョンアップモデルを作ろう。そう考えたのです』

 

 

「……昨今の第三世代至上主義に真っ向から喧嘩売ってますわねぇ」

「そうじゃな…喧嘩を売っているのはお主も同じじゃな…」

 

はて?なに耄碌した事を言っているのでしょうか、このボケji…技術開発顧問は。

 

「とぼけるでない。お主の出した『ブルー・ティアーズ』の改修案。

サラッと第四世代の技術を使えと言っておるでわないか」

「一夏さんが、それに同封した技術を使えば可能らしいですわよ。」

「…AEOSといい、あの少年は何者なのじゃ?」

「禁則事項です♪」

 

タネを明かせば、『なにか良い改修案はないか?』と一夏さんに聞いたら笑顔で色んな案を出して、更に財団が悪ノリに近い形で実現する為の技術を『タワー』の情報から出したのだ。

 

後、第三世代だ第四世代だ言ってますけど、その両方の特徴を備えたコレは『次世代機』ですわよ。

 

「まぁ伝える事は伝えましたし、わたくしは実家に戻りますわ」

「ふん。高慢ちきな娘が、小生意気になってきおって」

「苦情は受け付けませんわよ」

 

そう言い部屋を出る。

手元の改修企画原案の原本の表紙を見て、思わず口がにやけた。

どこをどう考えてもヤバイ機体なのは明らかだが、それ以上に楽しみなのだ。

 

B(ブルー)ティアーズ・D-Nx(ディーネクスト)…」

 

とはいえ、ただ待ってはいられない。

わたくしの新たなる専用機、B(ブルー)ティアーズ・D-Nx(ディーネクスト)を使用する為に必要なBT兵器稼働率は最低でも91%。

現状の72%では足りないのだ。

 

「意図せずして、貴女とは真逆ですわねぇシャルロット・デュノア」

 

誰でも使える量産機のシャルロット。

自分だけが使える専用機のわたくし。

 

「いつか、語り合ってみたいですわねぇ」

 

目指す所は違えど、どこか友達になれそうだ。

 

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夏休み 浦安ネズミの国

SIDE:弾

「200円になります」

「ハァ…」

 

思わずため息しか出ない。

折角、虚さんをデートに誘えたのに、ヘタレて飲み物を買いに逃げる始末。

 

「決めたんだ…今日告白するって……」

 

そうだ。ヘタレている訳にはいかない。

そう思い、虚さんの元へ戻ると…。

 

「こ、困ります…」

「え〜いーじゃんよ〜」

「俺たちと遊ぼうぜ〜」

 

見知らぬ男共に、虚さんが囲まれていた。

マズイ。早く助けなければ!

 

「おい!お前r」

「チェスト!」

「あべし!」

「ひでぶ!」

「「⁉︎」」

 

虚さんを助けようと叫んだその時、銀髪でサングラスとマスクと帽子と兎耳を装備した少女が男達を殴り飛ばした。

 

「ではな、デートを楽しめよ(裏声)」

「は、はぁ…」

 

そう言うと銀髪の不審者少女は男達の襟首を掴み、去っていった。

 

「行こっか。虚さん」

「うん…」

 

>緊張が吹っ飛んだ気がする…。

 

>勇気が上がった。

 

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夏休み ロシア会議室

SIDE:楯無

「それで?現楯無よ。織斑一夏は三年間何処に行っていたのかは?」

「申し訳ありません。あの子は、少々秘密主義なもので」

「ふん。まぁいい」

 

私の言葉に鼻を鳴らし、IS委員会の委員の一人、ガルシルド・ガーダインは全員に目を向けた。

 

「此処にいる全員は聞き及んでいると思うが、この国の研究施設が何者かによって破壊工作された。

そして、その破壊工作に使われたのが単一使用能力(ワンオフアビリティ)『零落白夜』だと解析で判明した」

 

「待ってください。織斑先生は––––」

 

「私語を慎め、現楯無。別に我々は、織斑千冬が今回の実行犯とは言っておらん。

彼女には確固たるアリバイが存在し、且つ『暮桜』の封印が解除された痕跡も、再度『白式』が持ち出された形跡もない」

 

その言葉に心中胸を撫で下ろす。

よかった。織斑先生が犯人にされなくて。

 

「しかし、そこが問題だ。この破壊工作が行える機体は二機とも使用されていない。

つまり、この二機以外が行ったと言う事になるが、現状『零落白夜』は篠ノ之博士以外に作成は不可能だ。なぁ現楯無」

 

「何が…言いたいんですか?」

 

駄目だ。この先はきっと、織斑君に被害が及ぶ。

 

「我々はこう予想しているのだ。『織斑一夏は三年間篠ノ之博士の元に居た』と」

 

「!」

 

「それならば全てに説明がつく。468番目のコアを所持している事も、第二世代機でありながら第三世代を墜とせるのも、ISに対しての高い技量も、AEOSなどという新システムの開発もな」

 

「……っ」

 

「無論、今回の件に関わっているとは言わん。彼もまた、きちんとしたアリバイがあるからな。

……そこでだ。現楯無」

 

「……はい」

 

「近い内に彼と話がしたい。その旨を伝えておいてくれ」

 

「……はい」ギリッ…

 

思わず歯噛みする。

自分はなんて無力なのだ。彼との『自分の身を守れ』という約束すら守れないなんて。

 

「では、次の議題に移る。議題は、アメリカの銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)の操縦者の処罰についてだが––––」

 

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夏休み 空港

SIDE:鈴

「ふぅ…。飛行機って疲れるわね…」

 

ググッと背伸びをして筋肉をほぐす。

 

今回の復縁の話は大成功を収めた。

 

大成功過ぎて両親が中国に残り、自分一人だけで日本に帰ってくるぐらいに。

 

「どうして離婚したのよ…あのイチャつきようで…」

 

思春期の精神にはかなりキツい空間が出来上がってしまい、逃げ出したという方が正しいけども。

 

「ハァ〜…。帰ろ……ん?」

 

スマホの着信音を聞き、ロックを解除。

 

ラウラから送られてきたメールには本文が書かれておらず、題名だけだった。

 

『【末長く】五反田弾と布仏虚のカップル成立【爆ぜろ】』

 

「……おめでとさん」

 

疲労とは恐ろしいもので、この程度のコメントしか私は口にできなかった。

 

「今日はもう、カップ麺でいいや…」




さて、各々が各々の夏休みを過ごしている最中。
我らが主人公は…

「……」シャクシャク

家の縁側でスイカを齧っていた。目から生温かい塩水を出しながら。

「おかしいなぁ。このスイカ、塩掛けてないのに甘いや……」

『……』

このザマには流石の財団も皮肉の一つも浮かばぬようで、終始無言を貫いている。

そう、この男。『今日一緒に遊ばないか』、と先輩方にまで声をかけたのだが全滅したのだ。

元々、学園寮の工事は前々から知らされており、そこまでに予定を組まなかったこの男が悪いと言えば悪いのだが…。

「……」シャクシャク

涙を流しながらスイカを齧る様はあまりにも哀れだ。

後日、『一人で暇つぶしできるように』とこの男がとあるソシャゲに手を出すのは別のお話。

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