ISVD〜Infinite Stratos Verdict Day〜   作:高二病真っ盛り

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遅くなってすみませんでした!

「あ!伏線を張って無かった!」と気付き、書き直したらこんな感じに…


06ー03 噂と真相

??? ????

SIDE:??

 

「眩しい風のなかで〜♪描くよ 君の笑顔〜♪」

 

〜〜♪

 

部屋の中で一人心地良く歌っていると、スマホが鳴る。

…確か、この着メロは。

 

「…もしもし」

『ああ、君かね?朝早くすまない』

「やはり、”アナタ”か。用はなんだ?」

『お礼だ。織斑一夏の活動データを送ってくれた事のな』

 

心にも無い事を良く言う。

利用しようとしている僕が言えたことではないが。

 

「礼はいい。……そうだ、一つ聞きたい事がある」

『なんだ?』

「以前”M”に『織斑千冬は到達点にならない』と言ったな。あれはどういう意味だ?」

『ああ、あれか…。ふむ、良い機会だ。教えよう』

「……」

 

僕はこいつが苦手だ。

変に理屈っぽいのもそうだが、一番の理由は男なのか女なのかはっきりしない見た目と声だ。

 

『とはいえ、そう複雑な事ではない。織斑千冬の『強さ』は、ライオンやヒグマの『強さ』と同じ。

それだけだ』

「…相変わらず、訳がわからないな。”アナタ”は」

『そうかね?』

「ああ、ではな」

『ああ。……君の活躍を期待するよ、”T”』

 

ピッ ギシッ

 

通信を切り、ベットに寝転がる。

悪いな、織斑一夏。お前の事は、友達としては好きだ。

でも、

 

『またね、ーー!』

 

ごめん、ーー。

 

『私の!生徒から!出ていけぇぇーっ!』

 

僕は決めたんだ。

この世界を守るって。

 

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夏休みの昼 五反田食堂

SIDE:一夏

「と、言う訳なんだ…」

 

「「「……」」」

 

夏休み序盤。

俺は、五反田一家と御手洗数馬に自分の事情を説明した。

 

「えっと…冗談だよ…な……?」

「残念ながら、本当だ」

 

弾の言葉に千冬姉が答える。

 

「え…え……え…?」

「あー…目を覚ましなさい…」

 

放心する蘭に鈴が呼びかける。

 

「…あの、どちら様?」

「織斑ラウラ、織斑千冬の義理の娘だ」

 

うん、その質問は話す前にしようか数馬。

 

「「「……」」」

 

「んで?ボウズは結局、どうすんだ?」

 

困惑に包まれた空気を厳さんの一言が吹き飛ばした。

 

「行きます。あの世界に」

「…嬢ちゃんは?」

「私は、認めました…」

「…そうかい」

 

そう言うと厳さんは、厨房に入っていった。

 

「今日は俺の奢りだ。あっちに行くのを後悔するぐれぇの飯食わしてやる」

「厳さん…」

 

その日の昼食は、涙か出るほど美味しかった。

無論、決意を鈍らせはしなかったが。

 

 

夏休みの夜 織斑邸

SIDE:一夏

『なぁ一夏。本当に行くのか?』

 

食事も話も終わり、家でくつろいでいた時。

弾が俺に電話で話しかける。

 

「ああ。本当だ」

『お前さ…おかしいよ…』

 

″イカれてるよ、お前″

 

「……()()()()()()()

 

結局の所、俺もあいつらとそう変わらないのだ。

戦いに取り憑かれ、戦場で命を燃やす。

 

『俺の墓標に名はいらぬ。死すならば、戦いの荒野で』と言えば聞こえはいいが、詰まる所は唯の命知らずの戦闘狂だ。

千冬姉や弾を責めることは誰も出来ない。俺の方が間違っているのだから。

 

『一夏…お前…』

「話は変わるがお前。虚さんとの仲はどうだ?」

『なっ、ちょ⁉︎今は関係無いだろ‼︎』

 

ちなみにこの男と虚さん。

二人の共通の知り合いが俺なので、よく『これを聞いてくれないか』と頼まれる。

 

弾から『虚さんの好きそうな物ってなにかな?』と言うメールの後に、虚さんから『弾君の好きそうな物って知ってる』と言うメールが来た時には壁ドンならぬ壁グラ(壁にグラインドブレード)をやってやろうかと思った。

…無論財団からの制止が入ったが。

 

「関係無い…ねぇ。丁度、うちのラウラがのほほんさんを家に招いているのだけど…」

『申し訳ございませんでした。織斑一夏天之御中主大神(あめのみなかぬしのおおかみ)様』

「俺何者だよ」

 

伊邪那岐と伊邪那美の性別が産まれる前の最高神じゃねーか。

 

「まぁいいさ。良ければのほほんさんに代わるぜ?」

『ああ。…そうだ、一夏』

「あん?」

『……死ぬなよ』

「…ああ」

 

電話を置き、のほほんさんを呼びに行く。

ありがとよ、親友。

 

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夏休み夜 五反田家

SIDE:弾

「ありがとうのほほんさん」

『うん〜。お姉ちゃんの〜事〜よろしく〜』

 

ガチャン

 

「…ふぅ」

 

電話を置き、一息吐く。

これで、今度の日曜日は大丈夫だ。

 

「…あ」

 

一つ伝え忘れた事があった。

 

最近、巷で流行っている『世界各地にもう一人の織斑一夏の姿がある』と言う噂だ。

 

「大丈夫かな、アイツ…」

 

今までは唯の噂と一蹴していたけど、今日の話でどうしても無関係とは思えないのだ。

 

「後でメールしよ…」

 

とはいえ夜も遅い。

ひとまず俺は布団に入った。

 

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夏休み ロシア違法研究所跡地

 

「なるほど…これは酷いね…」

 

もうもうと煙を上げている研究所跡地の上空で一機の黄色いISが滞空していた。

 

「でも、確信は得られた。()の情報に、偽りは無い」

 

黄色いISのパイロットは誰もいない空で一人呟く。

 

「あ、お父さん?うん、今から帰るね」

 

黄色いIS、ラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡの操縦者。

シャルロット・デュノアは、そのまま飛び去った。

 

「『白』に『黒』か。まるでどこかのお話みたいだ。

…再会が楽しみだよ。イッピー」

 

その目は、愉悦の二文字を映していた。


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