ISVD〜Infinite Stratos Verdict Day〜 作:高二病真っ盛り
申し訳ございません。
そして今回、原作キャラの死亡があります。
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SIDE:一夏
「……ここは」
気がつくと俺は見知らぬ場所に立っていた。
右を見ても白、左を見ても白。
白 白 白。ただその中にいた。
俺はなんでこんなところに…
「…! そうだ。思い出した!」
確か三千機以上の無人機と交戦して…
そして、死んだはずだ。
「……」
「やぁ、おはよう。元気かな?」
「っ! 誰だ‼︎」
声をかけられ振り向く。
そこには二十代から三十代の研究員然した男が立っていた。
「いやいや、警戒しなくてもいいよ。僕はもう、人の可能性を認めているからね」
「…財団…なのか……?」
この声、この口調、そしてなりより『人の可能性』という発言。
こんなことを言う知り合いは一人しかいない。
財団、あの世界でUNACと未確認兵器を使って
こいつしかいないのだ。
「そうだよ。もっとも、前に一回話しかけたんだけどね」
「…は?」
そんなバカな。こいつの声などあの決戦以来一度も––––
『いやいや、僕をなんだと思ってるんだい?』
あった。
箒のマハオンライスの時の声だ。
「…そんなことはどうでもいい。
ここはどこだ。なんでお前がいる」
「質問が多いね。一つずつ答えるよ」
こいつは本当に財団か?
あまりにも正直だ。
「まずは、何故僕が生きていたかだけど––––」
「どうせデータコピーだろ。お前、
「察しがいいね。決戦後、君のACの中にコピーの一つを入れておいたんだ」
ぶっちゃけこいつの生存は知っていた。
「次にここは、
「ISの自己意識の世界ってことか?」
「それで構わないよ。ちなみに僕が
ってことは俺はまだ死んでないと。
「財団、
「別にできるけど…どうしてだい?」
「決まっている。依頼をこなすためだ」
俺は傭兵だ。ただ、依頼をこなす存在であればいい。
「復帰を歓迎するよ、黒い鳥。傭兵っていうのは本当に仕事に律儀だね」
財団がその皮肉な笑みを強める。
その顔はどこか嬉しそうだ。
「じゃ…パイロットデータの認証を開始するよ。メインシステム、通常モード起動。作戦行動を再開」
笑みを浮かべながら、
「さぁ…一緒にメチャクチャにしようじゃないか」
かつてマギーを唆した台詞を財団は俺に向ける。
……いいだろう。乗ってやる。
「ああ、メチャクチャにしてやる」
その言葉と共にメッセージウインドウが開く。
『未知なる領域に進みますか?
Yes No』
迷わずYes。
瞬間、白の世界が黒に染まって…いや、焦げてゆく。
「さて、どうするんだい?」
「アセン変更。全防ガッチガチのガチタンで持ち堪える」
そう思い、『ガレージ』を漁ると…
「…⁉︎こいつは!」
「ああ…それも、君と同じく人の可能性だったね…。使うのかい?」
「ああ、使うさ。これは、俺の
これなら、あの司令船を潰せる。
「じゃ…いってらっしゃい」
『メインシステム、戦闘モードを起動します』
「いくぜ…
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臨海学校二日目 海中
SIDE:一夏
ゴポゴポゴポ
「〜〜!?」
『君、自分が海に沈んだのを忘れてたのかい?』
目が覚めたら青一色だった。
思わず取り乱すが、すぐに落ち着き直す。
(司令船の場所は…)
【システム、スキャンモード】
スキャンモードで司令船の位置を確認し浮上。
どういう訳か無人機達の攻撃が飛んでこない。
(構うか…)
むしろ好都合だ。あの撃墜には俺も屈辱を感じている。
【パージします】
起動パスを入力。左腕部の装甲が弾け、量子と化す。
【不明なユニットが接続されました】
露出した左腕部と左肩部のジョイント部に背中から伸びたアタッチメントが接続される。
六基のチェーンソーが円状に束なり回転を始める。
【システムに深刻な障害が発生しています】
背中の”ソレ”がジェネレーターを限界まで駆動させ、無限に近いエネルギーを生み出させる。
同時にバイザーに幾多のノイズが走った。
【直ちに使用を停止してください】
数多の戦いを共に粉砕した右腕を携え、司令船に向かってグライドブースト。
ようやく無人機達が動き出したがもう遅い。
そのまま、暴力を司令船に突き出した。
ギュィィィィィン!!!
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臨海学校二日目 司令船内
SIDE:クロエ
「束様、織斑一夏の撃墜を確認しました」
『りょ〜か〜い。じゃいっくん回収してアレぶっ壊してね』
「わかりました」
通信を切り、無人機達に司令を入力する。
ドイツでの
今回束様から下った司令は『織斑一夏の専用機
聞くに外したら死ぬという呪いの装備を無理矢理つけられていたらしい。
早く外してあげなければ。
そう思った時だった。
「え…?」
なんと沈んだ筈なのに熱源反応があったのだ。
とりあえず、束様に指示を仰ぐ。
「束様!」
『はろはろークロちゃんどしたのー?』
「
『えー…ムカつくなぁ。ぶっ壊しちゃえクロちゃん』
「わかりました」
通信を切り、再度モニターを見る。
「!?」
おかしい。
モニターからの数値がISが出せる限界を軽く超えている。
「た、束様!」
『…どしたの?』
「
ギュィィィィィン!!!
「!?」
そこまで言ったところで、赤い暴力が船内に突撃してきた。
瞬間、全てがスローモーションになる。
(逃げなきゃ…)
どこに?狭い船内に逃げ場所はないのに。
(躱さなきゃ…)
いつ?躱す時間などないのに。
(防がなきゃ…)
どうやって?防ぐ方法はないのに。
(どうしよう どうしよう どうしよう。)
思考がループするが時間は止まらない。
刻一刻と暴力が迫ってくる。
「いや…」
その言葉を最期に、私は黒く焼き尽くされた。
純白の機体は全て黒に染まっており、全てのパーツの性能が向上している。
サイズの縮小と左腕パージから左腕装甲パージ以外の主な変更点はない。
威力は『絶対防御?なにそれおいしいの?』なので身内戦での使用は厳禁。