ISVD〜Infinite Stratos Verdict Day〜 作:高二病真っ盛り
・現在、無銘の『ガレージ』にOWは無い。
・ISの武器でも無銘は破壊可能。(入学試験など)
現在の一夏
HEAD:HA-111
CORE:CA-215
ARMS:AA-135
LEGS:L2MA-131
R ARM U:HATSUKARI.mdl1
L ARM U:AM/RFA-130
SHOULDER U:Su-J-A11
臨海学校二日目 海上
SIDE:千冬
「篠ノ之!もっと早くならんのか!」
「これが限界です!」
篠ノ之を急かし歯噛みをする。
脱出用の篠ノ之は当然として、乗り慣れない機体で負傷者を抱えた私と一夏自身ではどちらが残ればいいかは明らかだ。
「せめて…せめてオルコットが無事なら…」
一対多が可能で、一夏とコンビネーションがとれるオルコットが墜ちなければ楽に援軍を要請できたであろう。
だが、無い物ねだりをしてもしょうがない。ここは早く逃げなければ。
◇
SIDE:箒
「せめて…せめてオルコットが無事なら…」
千冬さんの呟きに心がズキンと痛んだ。
もし、もしあの時私が前線に出しゃばらなければ一夏は残らずに済んだのだろうか。
(違う…)
私は、一夏を助けるために専用機を欲した。
(違う……)
私は、一夏の隣にいるために専用機を貰った。
(違う……!)
だが現実はどうだ。
助けるどころか、隣にいるどころか、迷惑しかかけていないではないか。
(私は…私は……)
一体、何の為に専用機を望んだのだろう。
後悔と絶望が胸の中で踊り狂う。
「う、うわあぁぁぁぁーっ!」
《絢爛舞踏、始動》
無我夢中で、私は飛んだ。
もう何もかもを忘れたかった。
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臨海学校二日目 旅館
SIDE:簪
『山田君!今すぐにあのポイントにIS部隊を送れ!
三千機以上の無人機と一夏が交戦している!』
「了解です!……二人とも、出れますか?」
「「はい」」
一組の副担任、山田先生の質問に頷く。
「……アンタ、機体が未完成って聞いてたけど…」
「大丈夫。主武装が無いだけ」
「……ツッコまないわよ」
あの日、お姉ちゃんと本音で語り合って以来自分の心が軽くなった。
機体も、お姉ちゃんのコネで新しい所を紹介してもらい八割方完成した。
それもこれもあの織斑一夏のお陰だ。
ビンタをかまそうとしたのにこちらの問題を解決してくれたあの人には足を向けて眠れない。
(今、恩を返すから)
だからこそ、今度は私が助ける番だ。
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臨海学校二日目 海上
SIDE:一夏
【深刻なダメージを受けています、回避を優先してください】
ACから警告音声が流れる。
それと同時に弾が当たり、
【エネルギー、残り30%】
【システム、スキャンモード】
ハイブーストを使い回避に徹するが、四方八方を数千機に囲まれた今となっては無駄な足掻きにしかならない。
だが、こちらとてだだ追い詰められていた訳ではない。
福音戦の時に出てきた密漁船。
あれが、途中かなりおかしかったのだ。
無人機達は一向に密漁船を狙わず。かつ、船への流れ弾には身を呈して守る。
気になってスキャンすると、密漁船が無人機達に指示を出していた指令部だったのだ。
【肩部、残弾無し】
しかし、悲しきかな。俺にこの状況をひっくり返す手はない。
四方八方からの弾幕は衝撃で俺に攻撃の隙を与えないし、撃てたとしても防がれるだけだ。
【稼動限界まであと僅かです、回避を優先してください】
せめて、あの船が司令船だと援軍に伝えなければ。
だが、無情にも弾幕は装甲を剥がしてゆく。
(終わり…か……)
なんとも呆気ない死に方だ。
呆気なさ過ぎて、頭は酷く冷静だ。
(ゴメン…ファットマン…千冬姉……)
鳴り響くエラー音をBGMにAPを失った俺は海に落ちた。
[BREAK DOWN]
『いやいやいや』
『何を勝手に死のうとしてるんだい?』
『僕はあの時言ったはずだ』
『もし君が例外だと言うのなら』
『君には、生き延びる権利と義務があると』