ISVD〜Infinite Stratos Verdict Day〜   作:高二病真っ盛り

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祝 第四章終了!


04ー03 崩れる関係

休日 レゾナンス

SIDE:一夏

「ふぅ…お腹いっぱいですわ♪」

「…ホントにスイパラで良かったの?」

 

日曜日。

俺はセシリアの誘いでショッピングモール、『レゾナンス』に出かけていた。

約束していた、『スイーツ版の満漢全席』は当人の意向で『スイーツパラダイス』に変わった。

 

「ゴメン一夏。あたしたちまで奢って貰って」

「叔父よ。本当にすまない」

 

鈴もラウラも、セシリアに誘われたらしい。

…何故かセシリアの意図が見えた。

 

「ああ!お店に忘れ物をしてしまいましたわ!ラウラさん。一緒に来てくださいまし!」

「なぜだ?」

「いいから!」

 

わざとらしくセシリアが慌てる。

おい、演技しろよ。

 

「さ、行きますわよ!」

「あっ、おい!引っ張るな!」

 

「「……」」

 

鈴と二人、連れて行かれるラウラを見つめる。

 

「え、えっと…行こう…一夏」

「…そうだな」

 

二人きりの状況に赤面する鈴。

お前が勝手に仕組んだのかよ、セシリア。

 

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ゲームセンター

 

「ねぇ一夏。これ撮ろう!」

「プリクラ?別にいいけど」

『ハイ、チーズ♪』

 

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映画館

 

「映画を見るの?」

「いや、めぼしい物の確認」

「あれなんかどう?『劇場版 熱血硬派かにおくん』」

「んなもんあるんだ…」

 

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ゲームコーナー

 

「こ、これは…『ISTD《インフィニット・ストラトス・ザ・デストラクション》』!」

「そ、そんなに凄いものなの?」

「あまりのクソゲーっぷりに『ISTD《いかんそいつには手を出すな》』って言われた伝説のゲームだよ」

 

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水着売り場

 

「ね、ねぇ…これ…似合う…?」

「中々、でもこっちもいいんじゃない?」

「そ、そう…?」

「別嬪さんなんだから、そりゃ似合うさ」

 

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夕方 レゾナンス入口の物陰

SIDE:セシリア

「あー遊んだなー」

「そうだね…」

 

ショッピングモールの出入口から二人が出てきたのを確認する。

鈴さんにアピールするチャンスを作るために演技をしたが、一体どうなったのだろうか。

 

「ねぇ一夏」

「ん?」

「やっぱりあたし。あんたの事が好き」

 

鈴さんからのまっすぐな告白。

だが、一夏さんのあの眼はもう迷わないと決めた眼だ。

 

「鈴」

「うん」

「俺は、お前と付き合う気は無い」

「そっか…」

 

口では平気そうだが、目には涙を浮かべる鈴さん。

 

「……一発良い?」

「おう」

 

バチィン

 

ラウラさん。更識さん。と防がれ、躱されたビンタは、三度目の鈴さんによって当たった。

 

「…またね」

「ああ」

 

走り去る鈴さん。

それを見るだけの一夏さんの背中は、少し寂しく見えた。

 

 

SIDE:一夏

「一夏さん」

「セシリア」

 

どこかで隠れていたであろうセシリアが俺に話しかける。

 

「派手にやられましたわね」

「まぁな」

 

今日一日のデートで再確認したが、やはり俺は鈴に恋愛感情をこれっぽっちも持ち合わせていない。

 

「振り方も少し考えてくださる?鈴さんを慰めるのはわたくしですのよ」

 

思えば、セシリアには頼りっぱなしだな。

 

「悪いな」

「帰りましょう。そろそろ門限ですわ」

「ああ」

 

セシリアと共に帰路につく。

こうして、鳳鈴音の恋は終わった。

 

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夜 IS学園寮

SIDE:箒

「……」

 

部屋の中でスマートフォンの画面を見つめる。

 

『篠ノ之束』

 

「……」〜〜♪

 

表示された姉の名前に『通話』をタップする。

 

『やあやあやあ!久しぶりだねぇ!

ずっとずーーーっと待ってたよ!』

 

「……姉さん」

 

電話口から響く姉の声を聞き、返事を返す。

 

『うんうん。用件はわかっているよ。欲しいんだよね?

君だけのオンリーワン、代用無きもの(オルタナティヴ・ゼロ)、箒の専用機が』

 

「ああ」

 

『えーと…互いに専用機持ちだから』

 

専用機が無いから置いていかれるのも、

 

『篠ノ之箒 シールドエネルギー エンプティ!』

 

専用機が無いからついていけないのも、

 

『セシリア…ありがとう』

 

一夏の隣を盗られるのももう沢山だ。

 

「専用機…あるの……?」

 

『モチロン用意してあるよ。最高性能(ハイエンド)にして規格外仕様(オーバースペック)。そして、いっくんと並び立つもの。

その名は––––』

 

『紅椿』

 

 

[MISSON04 COMPLETE]




次回、臨海学校開始

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