ISVD〜Infinite Stratos Verdict Day〜   作:高二病真っ盛り

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現在の一夏
HEAD:KAGERO mdl.1
CORE:CB-307
ARMS:Ar-M-W48
LEGS:SAWARABI mdl.1
R ARM UNIT:heat pile
L ARM UNIT:handgun
HUNGER UNIT:blade


03ー10 チームワーク

トーナメント六日目 第三アリーナ

SIDE:一夏

『それでは!バトルスタートです‼︎』

 

決勝トーナメント二回戦第一試合。

実質準決勝のこの試合で俺たちと鈴たちがぶつかった。

 

『はあぁぁぁ‼︎』

『やあぁぁぁ‼︎』

 

開始早々、セシリアと鈴が中断されたクラス対抗戦を取り戻すように撃ち合う。

 

そうやって遠くに行った二人を一瞥し、構える。

 

「じゃ…俺たちも始めようか」

『う、うん…』

 

強張った声で応えるハミルトンさん。

いい笑顔してるんだろーなー今の俺。

 

 

SIDE:鈴

(すごい…すごいよセシリア!)

 

ライバルの成長に心の中が興奮に満ちる。

どういう理屈かはわからないけど以前まではできなかったビットとの同時攻撃をセシリアは可能にしていた。

 

(でも、あたしも負けないよ!)

 

あの日、あたしは無人機に手も足も出なかったことを悔やんでいた。

だからこそ、あたしはあたしの弱点を克服しようと必死に練習した。

 

その結果が『龍咆』の非視認での使用だ。

まだ完全とは言い難いけど、実戦に組み込めるレベルにはなっている。

 

現に今だって『ブルー・ティアーズ』のレーザーを撃ち落としている。

 

(だけど…このままじゃジリ貧…)

 

『龍咆』をハイパーセンサーで感知してから回避できるようセシリアはかなりの距離をとっている。

このまま遠距離戦を続けても先に消耗するのは自分だろう。

 

(どこかで、隙を見つけて…)

 

前回みたいに飛び込むしかない。

 

「!」

 

あった。

レーザーの雨の中に一つ穴を見つけた。

どう見ても罠だが罠ごと切り刻む!

 

「やあぁぁぁ‼︎」

 

意を決して加速。

しかし、飛べど飛べどレーザーが飛んでこない。

もしかして、罠ではなくホントに穴だったのか?

 

(丁度良いわ…)

 

どちらにせよ。近づけばこちらのものだ。

更にブースターを吹かし両手がガラ空きのセシリアに肉薄する。

…両手がガラ空き?

 

『デュランダル!』

 

ガキャァン!

 

 

SIDE:セシリア

「デュランダル!」

 

ガキャァン!

 

狙い通りに突っ込んできた鈴さんの双刀を両手に展開した双剣で受け止める。

 

『嘘⁉︎』

 

やはり、鈴さんはわたくしが未だに近接戦が苦手だと思い込んでいたらしい。

 

「鈴さん」

『……』

「わたくしも弱点を克服してますのよ」

 

わたくしだってあの日、あの戦いで悔しい思いをしたのだ。

 

「自分だけ強くなっていると思ったら、大間違いですわ!」

『くっ⁉︎』

 

ビットとの同時攻撃の答えは一夏さんが用意してくれた。だからわたくしは自分のもう一つの弱点である『近接戦が苦手』を克服しようと訓練したのだ。

 

「てやぁぁぁ‼︎」

 

 

SIDE:鈴

『てやぁぁぁ‼︎』

 

セシリアが双剣で斬りかかってくる。

 

「くうっっ!」

 

この状況では防御するしかない。

自分の双刀は威力は高いが小回りが利きにくく、逆にセシリアの双剣は威力は低いが小回りがかなり利く。

 

『まだまだですわぁ!』

 

それに双剣の隙をビットで全て潰している。

 

嵌められた。

元々、不意を打って接近戦に持ち込むつもりだったのだ。

 

「フンッ!」

 

上に向かって瞬間加速(イグニッションブースト)

ここは引いて体制を立て直さないとー

 

ドヒャア

 

「え…」

 

バジゥゥッ

 

「きゃああ⁉︎」

 

強い衝撃と一緒に地面に叩きつけられる。

横を見ると金属ブレードを構えた一夏がいた。

 

「いち…か…?」

『けっちゃぁーく!鈴 シールドエネルギー エンプティ 勝者 一夏&セシリア!』

 

え…?負け…た…?

 

『チームワークの勝利だ。鈴』

『ゴメン鈴。一秒で負けちゃったぁ〜』

 

ああなるほど、そういうことか。

まずセシリアがあたしを引きつけ、その隙に一夏がティナを倒す。

そして、隙を見てあたしを倒す。

初めからそういう作戦だったんだ。

 

「謝んないでよティナ。専用機相手にフォローしなかったあたしが悪いんだから」

『で、でも…』

「いいって」

 

敗因の全てはあたしにあった。

個人同士の決着に気を取られて、チームプレイを疎かにすれば負けるに決まっている。

 

『試合には勝ちましたが、勝負はついてませんわよ』

「うん、いつかつけようね。セシリア」

『ええ』

 

差し伸べられたセシリア(好敵手)の手を取る。

 

『これは素晴らしい!

皆様、この二組に盛大な拍手を‼︎』

 

パチパチパチパチ

 

こうして、あたしのトーナメントは終わった。

 

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トーナメント六日目 控え室

SIDE:一夏

『けっちゃぁーく!如月 シールドエネルギーエンプティ 勝者ラウラ&箒!』

『如月、見事にパイルを当てましたが惜しくも敗退です!』

「見たか、セシリア」

「ええ、見ましたわ」

 

準決勝第二試合の如月さん&鷹月さんとボーデヴィッヒ&箒の試合。

俺たちはそれを見てニヤリと笑った。

 

「勝てますわ…」

「ああ…」

 

俺は箒を、セシリアはボーデヴィッヒを、それぞれの目標を見据えて呟いた。

 

そして、決着の七日目が訪れる。




デュランダル

ブルー・ティアーズの新兵装。
緊急時用のインターセプターと違い、元々近接機用の武器。

垂直落下ムラクモ!
コレハ(*´ω`*)ハヤル

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