ISVD〜Infinite Stratos Verdict Day〜   作:高二病真っ盛り

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現在の一夏

HEAD:無し
CORE:ポロシャツ
ARMS:無し
LEGS:ジーンズ
R ARM UNIT:謎の腕輪
L ARM UNIT:無し


01ー02 家族の再会

SIDE:一夏

『おい!あのガキ逃げやがった!』

『逃がすな‼︎捕まえろ‼︎』

 

『おいボウズ、何泣いてんだ?』

『おうこっち来い。腹膨れりゃ笑えるだろ?』

『俺はファットマン。ちょいと有名な運び屋だ』

 

『おいおいファットマン、いつの間にかみさんもらってんなデケェガキ作ったんだ?』

『何言ってんだレイフ、拾ったんだよ。何でも異世界から来たらしい。』

『マジかよ…って信じてんのかよ⁉︎』

『嘘にしちゃあ凝ってたし、吐く理由もねぇからな』

 

『マグノリア・カーチス。マギーって呼んで』

『どうしたイチカ、顔赤くしちまって。まさか…惚れたか?』

『何言ってんのよファットマン。私みたいな隻腕に惚れる訳無いでしょう』

 

『もう2年前か、私がお前を撃ったのは』

『お前!お前が私を‼︎』

 

(懐かしいなオイ)

 

夢の内容にツッコミを入れつつ起き上がる。自分が地面に寝ていたということはACから放り出されたはずなのだが、辺りを見回しても機体の破片すら見当たらない。あるのは鳥居と見覚えのある神社だ。…神社?

 

「篠ノ之…神社」

 

記憶の中の姿そのままの篠ノ之神社があった。

 

(帰ってきたんだ…俺)

 

あの穴に落ちた時に予測はしてたが、こうもすんなり帰ると拍子抜けだ。

あれからどれだけ経っただろう。評決の日(ヴァーディクトデイ)が半年、その前のマギーと死神部隊隊長の会話と合わせれば最低2年半以上は経っている。

 

(引っ越してないよね千冬姉)

 

これで引っ越されていたら無一文で彷徨う羽目になる。千冬姉の地元愛を信じつつ俺は家路についた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

織斑邸

SIDE:千冬

『一夏の捜索を打ち切った⁉︎どうしてですか‼︎アイツは、アイツはきっと生きています!お願いします、再開してください‼︎』

 

『謎の穴に落ちた?ふざけるな‼︎一夏を何処へやった貴様等‼︎』

 

『束、ああ私だ。…そうか、”見つかってない”か』

 

『私はお前の思うような強い人間じゃない。弟一人守れないちっぽけな女だ』

 

(情けない女だな、私は)

 

暗い気持ちを飲み込むように酒を煽る。しかし、飲めど飲めど気持ちは晴れない。

あれからどれだけ経っただろう。第二回モンド・グロッソの開催日から逆算すればわかるが、それをする気力がない。

 

「散らかったな、この家も」

 

元から家事技能の無かった私の代わりに一夏が家事をしていたのだ、当然一夏がいない今は散らかる。

それにこうやって散らかっていれば一夏がひょっこり家事をしに帰って来てくれるかもしれないという意味不明な理由もあった。

 

(一夏、お前は今どこにいるんだ…)

 

女々しい思考に陥っていると呼び鈴が鳴る。誰だろうか、真耶や五反田が来るとは聞いていないが。

腰を上げ服装を整え外に出る。玄関口にはどこからどこまで弟の印象を残す青年が立っていた。

 

「……」

「あの…えっと…ただいま?」

「い……ち…か?」

「うん」

 

目の前の青年は自身を一夏と言った。いったいこれはなんだ?酒の飲み過ぎで頭がおかしくなったのか?

 

「一夏…なのか?」

「うん」

「一夏…なんだな?」

「うん」

「一夏…一夏ぁ‼︎」

「グエッ」

 

目の前の弟を抱きしめる。目から涙が溢れてくる。もう二度離すものかという思いを込めて更に強くー「千冬姉‼︎ギブ!ギブ!」…命が危なそうなので離した。

 

「ゲホッゲホッガハッ!…ただいま、千冬姉」

「ああ、お帰り…一夏」

 

今までどこにいたのか、何をしていたのか、聞きたいことは山ほどあった。だが今はどうでもいい、帰って来たという事実が堪らなく嬉しいのだ。

 

「上がれ、散らかってるがな」

「台無しだよ千冬姉」


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