ISVD〜Infinite Stratos Verdict Day〜   作:高二病真っ盛り

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高二病「恋愛描写って難しい……キンクリしていいかな?」

シャルロッ党の友人「ダメに決まってんだろ」

高二病「このいっくん助けないだろうしシャル闇落ちさせていいかな?」

シャル(ry「ダメに決まってんだろ‼︎」

そんなこんなで今のプロットです。
ありがとうシャルロッ党の友人。
なんとかシャルの救済法を思いついたよ。
ところでついでに恋愛描写の書き方を教えてくれない?


02ー11 無自覚の罪

夕方 屋上

SIDE:一夏

「……ゴメン、その告白は…受けれない」

「えっ…」

 

鈴が困惑する。この後の事を思うとズキリと胸が痛んだ。

 

「えっ…えっ。なん…で…?」

「あーえっとさ。俺、好きな人がいるんだ」

「えっ…」

 

またもや鈴が困惑する。

まぁ当然だろう、誘拐される前の俺は筋金入りの鈍感で朴念仁だったし。

 

「だ、誰なの…? その好きな人って…」

「ゴメン、それは言えない」

 

我ながら、最低な返答だと思う。

行方不明の間の事や、この告白の事。散々心配をかけたのにもかかわらず、何一つ話してやいない。

 

(俺はもういいけどさ、千冬姉や鈴にはアンタを殴る権利があると思うぜ。主任)

 

心の中で元凶に呟く。

もっとも、一番殴られるべきなのは俺なのだが。

 

「……から」

「えっ?」

 

自己嫌悪に陥っていると鈴が何か呟く。

 

「諦めないから!絶対に、アンタを振り向かせてみせるから‼︎」

 

鈴の口から出たのは、あまりにも真っ直ぐな、眩しい想いだった。

 

「またねっ!」

「ちょ、鈴⁉︎」

 

そう言い放ち、鈴は泣きながら屋上から降りていった。

 

「……最低だな…俺…」

 

でもさ、鈴。

たとえ三年後に消えなくても、俺は、()()()()()()()()()()()()()()()()なんだぜ。

 

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夜 IS学園寮1025号室

SIDE:一夏

「…ただいま」

「⁉︎ 一夏!」

 

部屋に戻ると箒が慌てて駆け寄ってきた。そういや、こいつにも心配かけてたな。

 

「遅かったな、…何があったのだ?」

「悪りぃ、『今回の事件を口外しない』って誓約書を書かされたからさ」

「そ、そうか…」

 

なんか最近、『それは言えない』としか言ってない気がする。

女は秘密を着飾って美しくなると言うが、男が秘密を纏った所で何になるだろう。

 

「ハァ……飯食ってくる」

「ま、待て一夏!」

「……何?」

 

荷物を置いて食堂に行こうとしたら箒に呼び止められた。

 

「その…だな。お前がいない間にご飯を、作ったんだ…」

「えっ?……あっ‼︎」

 

部屋に備え付けのキッチンには二人分のオムライスが出来上がっていた。

部屋中に充満する食欲をそそる香りに俺はまったく気付けてなかった。

 

(疲れてたのかな…俺)

 

いままで犯した”無自覚”の罪が精神的に俺を追い詰めていたのだろう。

だからだろうか、箒の心遣いに思わず涙が出そうになった。

 

「…ありがとう。いただきます」

 

少し冷めてしまったオムライスを一口、口に入れる。

……ん?

 

「あ、味はどうだ?」

「…しない」

「えっ?」

「味が…しない…⁉︎」

「えっ⁉︎」

 

確認の為にもう一口頬張る。しかし、味がしない。

鼻をくすぐる香りも、舌にご飯やチキンの触感もあるのに、噛めども噛めども味だけが無いのだ。

 

「ば、馬鹿な!」

 

俺からスプーンをひったくり箒がオムライスを食べる。しかしーー

 

「味が…ない…⁉︎」

 

結果は同じだった。

いったい、このオムライスは何だ?財団製の新しいナニカか?

何処かで、『いやいや、僕をなんだと思ってるんだい?』と聞こえた気がしたが無視した。

 

「「……」」

コンコン

「「ハ、ハイ‼︎」」

 

二人で呆然としているといきなりドアがノックされた。

驚きのあまり、ハモって返事してしまう。

 

「織斑くん?篠ノ之さん? 部屋に…うん、いますね」

「山田先生?」

 

ノックの主は山田先生だった。

箒がドアを開けて招き入れる。

 

「えっと…事情聴取の続きですか?」

「あ、いえお引っ越しです」

「「お引っ越し?」」

 

またもやハモってしまった。

 

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夜 IS学園秘密研究室

SIDE:千冬

「無人機、か」

 

戦闘映像を見ながら呟く。

あの事件後、未確認機はすぐさまこの研究室に運び込まれ解析が開始された。

 

出てきた解析結果は織斑の言う通り、無人機だった。

織斑は『スキャンモードで見抜いた』と言っていたが、そんなことまで見抜けるとはやはりあの機体は謎だ。

 

世界中で日々進化するIS技術でも、未だ届いてない技術。遠隔操作(リモートコントロール)独立稼働(スタンドアローン)の技術が使われていた事実はすぐさま箝口令が敷かれるほどの事態だった。

 

また、致し方ない状況だったとはいえ、織斑、鳳、オルコットの攻撃が激しすぎて修復は不可能と判断された。

 

そして一番の問題点ーー

 

「無登録の、コアとはな」

 

未確認機、ゴーレムに使われていたコアはどこの国にも登録されていないコアだったのだ。

 

こんな傍迷惑なことをしでかす心当たりは一人しかいない。

 

(束…お前は何を考えてる……)

 

返ってくる言葉は、何もなかった。

 

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夜 IS学園寮1025号室

SIDE:一夏

「……」

 

急に同居人がいなくなった部屋で俺は読書をしていた。

 

「何故、急に引っ越し?」と言う言葉に山田先生からの返答は「年頃の男女が同室なのはまずい」と言う至極当然のものだった。

これに関しては、俺も同意なのだが箒は嫌そうだった。だが、俺と同室になった初日に箒自身が言った言葉『男女七歳にして同衾せず』を引き合いに出したら渋々だが納得してくれた。

 

(明日から鈴にどんな顔で会えばいいんだろう)

 

明日の事は明日考えようと布団に入ったその時、

 

コンコン

(前にもあったな、このシチュエーション)

 

確か主任との会話もこのシチュエーションだった気がする。

 

「……」

「箒?」

 

ドアを開けると先刻引っ越したばかりの箒が立っていた。

 

「どしたの?忘れ物?」

「い、いや。違う」

「んじゃ何?」

「……」

 

箒はだんまりしてしまう。

どうしよう、なんか嫌な予感がする。

 

「用が無いなら寝るよ?」

「ろ、六月末の学年別個人トーナメントだが…」

「?」

 

ああ、あったねそんなの。

その時までにはACとISの技術の擦り合わせを終えないと。

 

「わ、私が優勝したら……その…つ、付き合ってくれ‼︎」

「えっ⁉︎」

 

あまりの衝撃的な発言に口の中に残ってた虚無ライス(俺命名)の感覚が吹っ飛んだ。

 

「っ!」

「えっ?ちょ!箒⁉︎」

 

言うだけ言って箒は走り去ってしまった。

 

「……ハハッ、ハハハ」

 

自嘲するような笑いが口からこぼれた。

 

(まさか、箒まで今日告白してくるなんて)

 

笑うしかない。誰でもいいからこの女たらしをぶん殴ってくれ。

いったい俺は、何人の友達を不幸にすればいいのだ。

 

(そうだ、休みを作って(親友)の所にでも行こう)

 

こんな気持ちを一人で抱えていたら、いずれ俺自身が壊れてしまう。

誰かの助けが無けりゃ、俺は無力なのだから。

 

「もしもし、会長ですか?…いえ、六月頭のレッスンを休みに出来ますか?……すみません、迷惑かけてばかりで」

 

そのあとの俺の行動は、早かった。




次回で第二章終わるかな?

しかし、幼なじみの涙で精神的にいっくんがやばい。

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