ISVD〜Infinite Stratos Verdict Day〜 作:高二病真っ盛り
誰だ!こんな無茶なプロット作った奴!(ブーメラン)
襲撃時 アリーナ
SIDE:鈴音
「ああもう、すばしっこい‼︎」
『よく狙っておくんなまし‼︎』
あたしが『龍咆』を撃ち放ち、オルコットが『ブルー・ティアーズ』で狙撃する。
だが、未確認機はそんなあたし達を嘲笑うようスイスイ避ける。
効果は無い訳ではない。
アリーナの遮断シールドを突き破ったあのビーム砲撃を撃たせる隙は粗雑ながらも連携で潰している。
だけど、あと一歩。あと一歩が届かないのだ。
『鳳さん!オルコットさん!今すぐアリーナから脱出してください!すぐに先生たちがISで制圧に行きます!』
一組の副担任、山田先生のアナウンスが響くが生憎その指示には従えない。
『ピット口が閉まってますのよ!』
理由をオルコットがイラついた口調で答える。
そう、脱出経路のピット口が閉まってるのだ。これでは逃げることも、救援部隊が来ることも出来ない。
『え、ええと。でしたら……』
『おーい、聞こえてるかなー?』
『「⁉︎」』
どうしようかと悩んでいると既に避難したはずの一夏から通信が入る。
『織斑⁉︎ 何処にいる! 何故避難してない‼︎』
『すみませーん織斑先生。今観客席です。それよりも報告が。アレ、
『『『「⁉︎」』』』
反省も何も感じられない声で一夏はとんでもない事を口にした。
『あともう一つ、アイツを倒す方法を見つけました』
「本当⁉︎」
『本当ですの?』
『ああ、だから協力しろ。鈴、オルコット』
◇
襲撃時 観客席
SIDE:一夏
『ゴーレム?』
「それがあの無人機の名前だ」
『信じられませんわ……無人で動くISだなんて…』
「あるんだから信じろ。第一、通信中の無防備なお前らを攻撃してこないのがいい証拠だ」
『『あ…』』
納得のいかなそうな二人に説明する。まぁ納得はいかんだろう。
何せ目の前にいるのは技術的に不可能なはずの無人ISなのだ。正直俺も困惑してる。
俺が未確認機が無人機だと確信した理由だって、傭兵として有人無人問わず戦ってきた経験とアーキテクトとしての知識を総合した直感だ。
だが、この直感が間違いではないと断言できる。
「とにかく、今言ったのが作戦の内容」
『つまり、あたし達はアンタの言った時間に言った場所に撃てばいいのね?』
「うん、予想通りなら狙った場所に行くから」
俺が建てた作戦とは鈴とオルコットの射撃で無人機の挙動を誘導し、認識範囲外の俺が撃ち抜くというものだ。
「二人ともいける?」
『まぁ今は?緊急事態ですし?貴方に従ってあげても良くてよ』
「頼むぜ、
『頼んだわよ……一夏…』
「任せな、
どうやら、この作戦に二人は納得してくれたようだ。
『カウントはわたくしが致しますわ』
『わかったわ』
「了解」
【システム 戦闘モード】
スキャンモードから戦闘モードに切り替え、右手の
チャージ中はスキャンモードで壁を見通すことができないので、完全に勘での狙撃となる。
(力を貸してくれ…マギー)
傭兵時代の狙撃の腕にはまだ遠い。
だからこそ、もっと狙撃に向いたアセンではなく願掛けを込めてマギーのアセンにしたのだ。
自分の一撃が当たるように。
執念で再起動した彼女のような一撃を撃てるように。
『3!』
オルコットのカウントが始まった。
『2!』
フルチャージしたレーザーライフルを予測狙撃地点に向ける。
『1!』
落ち着け、無人機のロジックパターンは既に見切った。あとはこのまま当てるだけだ。
『0!』
ワンテンポずらし引き金を引く。
放たれたレーザーは、物理障壁を貫き、遮断シールドを砕き、そしてーー
『やりましたわ‼︎』
『当たった‼︎』
見事、無人機に着弾した。
『! アイツ、まだ動くの‼︎』
しかし、当たりどころが良かった?らしく、グググと無人機が動く。
再度、チャージを開始した。
『総攻撃ですわ!この機を逃せば終わりでしてよ‼︎』
『わかってるわよ!』
二人も考えは同じようで、無人機に銃口を向ける。
鈴の『龍咆』が、オルコットの『ブルー・ティアーズ』が、そして俺の『KARASAWA』が紙装甲の無人機に突き刺さる。
俺たちの即席コンビネーションで、無人機はあえなく爆散した。
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事件後 屋上
SIDE:一夏
「今日は…風が騒がしいな……」
無風の屋上で一人呟く。
事件の事情聴取が終わり、俺たち三人は『今回の事件を口外しない』という誓約書を書かされた。
避難をしなかった事は怒られたが、その後の事とトントンという扱いで済むらしい。
んで、どうにも部屋に帰る気にもなれずこうして屋上で黄昏ている訳だ。
「一夏…?」
「ん…?鈴?」
どういう訳か、鈴も屋上に上がってきた。
「え、えっとさ…今日はありがとう。あたし達だけじゃ危なかった」
「いや、俺だって二人がいなきゃ倒せなかったさ。だからお礼はいいよ」
この発言については本当だ。
機動力でISに劣る
……まぐれに頼ればワンチャンあるけど。
「は、話は変わるんだけどさ」
「?」
「約束…覚えてる…かな?」
約束?
鈴と別れる前の約束?
記憶を探るが、『お土産を買う』という絶対ありえない選択肢が頭を占める。
「やっぱり…覚えて…」
「まって!今出そうだから!」
そう、思い当たる節が一つあった。
約束した場所は小六の教室で時刻は夕方、確か内容はーー
「『料理が上達したら、毎日あたしの酢豚を食べてくれる?』‼︎」
「そ、そう。それよ!」
やっとこさ思い出した時特有の感覚が脳を満たす。アハ体験って言うんだっけ?
同時に、”思い出さなきゃ良かった”という考えが生まれる。だって内容と状況を見るに、どう考えても告白なんですもん……。
「で、でさ…返事は…」
「あーえっと、鈴?」
「な、何?」
「自惚れと思って聞くよ?この約束って、告白とかそういう類?」
一抹の希望に賭けて質問する。
赤く染めた頬が明らかに否定しているが、それでも賭ける。
「そうよ…あたしは、鳳鈴音はアンタの事が好きなの」
「……」
……まぁ、だろうね。
俺としても、嬉しいのだがーー
「……ゴメン、その告白は…受けれない」
「えっ…」
俺に受け入れる選択肢は、ない。
次回あたりに……第二章終わればいいなぁ(遠い目)
とりあえずQ&A
Qなぜカラサワ?
Aカラサワさんなら壁抜きしても大丈夫だと思った。
Qえっセッシーヒロイン化⁉︎
Aありません。
Q今回のアセンなーにー?
Aマギーです、一応作中にもあります。
Qどうして告白を断ったの?
A次回書きますけど、予想できる範疇です。