北方の白き少女 Heart of the admiral   作:ハルバーの懐刀

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このような展開になった原因ですが、それはたった一つだけのことです。
『北方棲姫が存在する理由』



No.13 ここはどこ?

(・・・?)

 

それは身体に伝わってくる堅い床の感触を感じ取った。

恐る恐る目を開けたそれの視界に白い天井が映り込む。

 

(・・・また・・・夢?・・・それとも・・・)

 

目を覚ましたそれは、仰向けの状態から起き上がる。

そこはどうやら木造で出来た建物の廊下のようだ。

 

「・・・えっ?」

 

そこで己自身の異常なことに気付いて、驚きの声を漏らした。

 

まず、幼い少女へと変化したはずの身体が、元の性別である男の身体へと戻っていたのだ。

だが、以前よりも背が低く、声が若々しいという妙な感覚に襲われる。

 

「一体全体どうなってるの?」

 

どう聞いても子どもらしい声色だった。

 

「よいしょっと・・・」

 

立ち上がってから周りを見渡すそれの目は、大人の身長より高い全身鏡が壁に掛けられているのを発見する。

 

「・・・・・・おおっ!?」

 

そこに映ったのは、自身のとんでもない姿だった。

 

身長は恐らく、あの暁姉妹と同じぐらい背が縮んでしまい、記憶にある元の年齢よりも若返っていた。

服装は、海軍の提督が着ている白い軍服で、ちゃんと身長に合わせたサイズのものだった。

 

「本物の提督の服?・・・でも、子ども用にしか見えない・・・」

 

彼は左手で帽子を取り外し、右手で頭を少し掻き始める。

 

「・・・・・・ん?」

 

再び帽子を被った彼は、鏡に映った自身の後ろで立っている黒い女性の存在に気付いた。

 

「ふわっ!? ビックリした・・・」

 

彼は慌てて振り向き、そこに立つ女性を注視する。

 

彼女は成人ぐらいの身長で、肌が全く見えないほどの黒い服を纏っていた。

ゴシックな服装で、スカートは膝くらいまであり、黒髪のロングストレートの上にある黒い帽子から目元が殆ど見えない黒のヴェールで顔を隠している。

 

「・・・コチラヘ」

「?」

 

彼女は黒い手袋を嵌める左手を彼に差し出す。

少年となった彼は特に警戒もせず、小さな右手をその手に乗せた。

 

「ゴアンナイシマスネ・・・」

 

優しく手を握る女性が彼を連れて歩き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曇り空の海上を航行し続けるトラック鎮守府の艦娘とクルーザーに乗る山岸提督。

 

そんな彼女らの先頭をある深海棲艦が先導するように航行していた。

 

数分前に、遭遇したばかりの姫級“駆逐棲姫”である。

 

「かなり右へ大回りで移動していますが・・・」

「アノママ、ススムト、“ハクチセイキ”ノ、シュビタイガイマス。デモ、“オニ”ノカノジョラハ、ウゴカナイカラ、ソクメンノ、シエンカンタイヲ、トッパシタホウガイイ」

 

大和の質問に駆逐の姫がそう答えた。

 

彼女が初対面で北方棲姫を救って欲しいと懇願した後、自分なら居場所が分かると告げてきた。

 

それは誰もが困惑し、何人かは罠ではないかと予測する。

そんな中、大和が藁にも縋る思いで、彼女の言うことに食いついた。

山岸も僅かな可能性を信じたいと思い、『許可するわ』と戦艦の彼女に呟く。

 

長門、扶桑姉妹、一航戦の計5人は、彼女のことをまだ完全に信用せず、罠だったときの対策を身構えていた。

 

無言で航行し続ける彼女らの中で、大和がある疑問を駆逐棲姫に尋ねる。

 

「教えてください」

「・・・」

「あの娘は・・・何なのですか?」

「・・・」

「何故、あの娘が同じ深海棲艦に・・・狙われるのですか?」

「・・・」

 

それは他の者たちも聞きたかったことだった。

静かに航行し続けていた駆逐の姫がゆっくりとそのことを語り始める。

 

「アノコハ・・・ヒトコトデ、イエバ・・・・・・“イケニエ”」

「なっ!? い、生贄!?」

「シンカイセイカン、ニトッテ・・・アノコハ、ノドカラテガデル、ホドノソンザイ。アノコヲ、トリコミ、キョウダイナ“チカラ”ヲ、テニスルタメニ・・・」

「力を・・・手にするために?」

「“オニ”ヤ“ヒメ”トイッタ、ソンザイハ、チカラヲ、タクワエテ、アラワレル。デモ、ソレヨリ、テットリバヤイ、ホウホウガ、“ホッポウセイキ”ヲトリコムコト・・・」

 

その話を聞いた大和だけでなく、他の艦娘も驚きを隠せなくなる。

同じように聞いていた加賀があることを問い掛ける。

 

「聞きたいことがあります。あなたはその事実を何処で知ったのですか?」

「・・・」

 

航空母艦からそう言われた駆逐棲姫が俯き、すぐに顔を上げてから口を開いた。

 

「ワタシモ・・・ソノ“ホウホウ”デ“ヒメ”トナッタ」

 

それを聞いた何人かの艦娘が、その所業に手を染めた彼女へ砲身を向ける。

しかし、大和だけは冷静な態度で手を伸ばし、砲撃しようとする彼女らを抑えた。

 

「あなたも・・・力が目当てですか?」

「チガウ! デキレバ、コンナチカラ、ホシクナカッタ!」

 

問われた駆逐棲姫がそのことを強く否定する。

彼女は一呼吸してから心を落ち着かせた。

 

「アノコハ、モトカラアンナ“スガタ”ジャナカッタ」

「元から? それは一体・・・」

 

大和がそのことについて聞こうとすると、駆逐の姫が続けて答えた。

 

「モトハ、ベツセカイノ、“テイトク”ヲシテイタ、“ニンゲン”ダッタ。ソレガ、ナニカニヨッテ、コノセカイヘ、ヤッテキタノ・・・“ホッポウセイキ”トイウ“イケニエ”トシテ・・・」

「なんだと!? あれが・・・あれが人・・・いや、“提督”の成れの果てだと言うのか!?」

 

それまで黙っていた長門が声を上げた。

 

「タスケタカッタ! デモ、アノヒ・・・イヤ、アノコトデアイ、ソシテ、シンカイセイカンノ、シュウダンニ、オワレツヅケタ。ボロボロニナリ、サイゴノシュダンデ、アノコガ、ギセイトナッタ・・・」

「それは・・・別のホッポちゃんなのですか?」

 

両手を握った電が怯えるような声で尋ねる。

 

「ソウデス。シマニイタ“アノコ”トハ、ベツノソンザイデス。ホカノコニ、ツイテハ・・・ワカリマセン」

「そんな馬鹿な話は・・・」

「ありえます」

 

長門が否定しようとするが、大和が真剣な表情でそれを遮った。

 

「あの娘は、普通の深海棲艦とは違う部分がありました」

「違う部分だと?」

 

彼女は長門から目を離し、その隣に居た扶桑姉妹の方へ指差す。

 

「昨日、あの娘と話したとき、扶桑さん達が航空戦艦になることを呟いた」

「えっ? 私達のことを?」

「そう・・・まるで元からそれを知っていたかのように・・・」

 

大和は続けてあることも思い出し、皆にそのことを伝える。

 

「それに・・・あの娘は私の姉妹艦である“武蔵”も知っていた」

「「「「「!?」」」」」

 

最早、驚きで言葉が出ない艦娘たち。

彼女は山岸にあることを聞く。

 

「里子提督、武蔵については・・・」

「あなたと同じ機密扱いになっている艦娘よ。でも、それは大本営の機密情報・・・」

「そんな武蔵を・・・深海棲艦であるあの娘は知っていた」

 

これには流石の山岸も絶句する。

彼女自身、提督着任の際に極秘事項『大和型戦艦は保護するまで情報隠蔽せよ』と伝えられていた。

1番艦の大和は、発見時で敵に知られてしまったが、2番艦の武蔵については未発見と同時に情報も隠されたままだ。

 

「“提督”については、正直信じ難いですが・・・あの娘が元は人間だったのは信じられます」

「大和・・・その根拠は?」

「あの娘に助けられたからです。それ以外に理由はありません」

「そう・・・」

 

山岸がその理由を疑うつもりは微塵もなかった。

大和だけでなく、自身の保有する艦娘たちを何度も助けてくれた存在。

それは確かにあの深海棲艦と思えない行動だったからだ。

 

「それで・・・Youはワタシたちに協力して欲しいのネー?」

「キヅイタトキニハ、モウオソカッタ。ワタシヒトリデハ、タチムカエナイ。ダカラ、アナタタチニ、タクシタイ。モウ、アノコヲ、ギセイニ、サセナナイタメニ・・・」

 

金剛の質問に、彼女は頷いてからそう答えた。

哀しげな雰囲気を漂わせる彼女を見て、大和は今後の作戦内容を確認し始める。

 

「あの娘の居場所は・・・敵艦隊の中心で間違いないですね?」

「マチガイナイデス。ゼンポウノ、シュビタイトモ、キョリガハナレマシタ。サユウニテンカイスル、シエンカンタイトノ、コウセンハ、サケラレナイデスガ・・・」

 

艦娘たちは駆逐棲姫が向かっている先へ目を向けた。

同じように見つめる山岸が操縦根を握り締めて、航行する艦隊に指示を飛ばす。

 

「皆、念のために出来る限り弾薬消費は抑えて・・・やむを得ない場合は許可するわ」

「「「「「了解!」」」」」

 

彼女は返事をする艦娘たちを見送り、ある不審な点を黙考していた。

 

(あの駆逐棲姫の話が本当なら・・・他の北方棲姫が見つかっているはず・・・でも、最初の発見されたもの以外、全く情報はない・・・)

 

(それに・・・最初の発見した艦隊の証言もおかしかった・・・『我々が見つけたんだっけ?』って、何よそれ・・・見たのはあなた達なのに・・・)

 

山岸は何とも言えない疑問を感じながら、若干遅れ気味の島風に呼び掛ける。

 

「島風、艦隊から遅れているわよ。急ぎなさい」

『えっ? あっ・・・うん・・・』

 

彼女の指示で島風が航行速度を徐々に上げていった。

 

 

 

 

 

「・・・私、なんで・・・・・・こんな場所に居るんだっけ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗い雲で太陽光が遮られた海上に、多数の人型をした存在が佇んでいた。

 

 

両手に砲身の艤装を持つビキニ姿の“重巡リ級”

 

白い仮面と左腕が砲塔、右腕に大盾のような魚雷発射管のある“雷巡チ級”

 

セーラー服に大きめの白マントの中から蛇のような砲塔を多数持つ“戦艦タ級”

 

リ級より大型で砲身が5門もある大盾の艤装を両手に持つ“戦艦ル級”

 

 

どれも青白い目を光らせて、その場から動かないまま立っている。

 

「・・・」

「・・・」

「・・・?」

 

ある戦艦タ級の1隻が何かに気付く仕草をした。

彼女が左側へ振り向いた瞬間、その身体全体を包み込む程の爆炎が発生する。

 

「「「「「!?」」」」」

 

味方の艦の反応が消えたことで、佇んでいた全ての艦が一斉に動き出した。

 

「初弾命中! 感激です!」

「Good過ぎるネー! 榛名ー!」

「やるな! この長門も負けていられんぞ!」

 

榛名たちの砲撃を見た長門が2隻の戦艦ル級たちの間へ突っ込んでいく。

突然の強襲に慌てるル級たち。その砲撃は狙いが定まらず、簡単に相手の接近を許してしまう。

 

「ふんっ!!」

 

ビッグ7を誇る戦艦が左右の手でル級たちの首を握り掴んだ。

首を掴まれた彼女たちが苦しげな表情で痙攣する。

その艦娘を見つけた他の敵戦艦が彼女に向けて砲撃した。

 

「フッ、甘いわ!」

 

長門は手に持った戦艦たちを盾にし、飛んできた砲弾を防いでいく。

味方の攻撃を背中から受けたル級たちが声を上げずに沈黙していった。

 

「返してやる!」

 

長門が砲撃してきたタ級とル級に向かって、手にした深海棲艦たちを投げ飛ばす。

投げ付けられたそれをまともに受けた2隻の深海棲艦が体勢を崩してしまう。

その隙を長門は見逃さなかった。

 

「そこだ!!」

 

彼女はすかさず艤装の下部にある2つの41cm連装砲だけで砲撃した。

放たれた砲弾は激突で動きを止める深海棲艦たちに命中する。

なんとも強引な戦法に、他の艦娘たちが冷や汗をかいていた。

 

「天龍。あれが・・・戦艦の主な戦い方なの?」

「いや、違うに決まっているだろう・・・弾薬を極力消耗しないようにって、里子提督が言ってたし・・・」

「あはははっ♪ なら、私達も始めるね♪」

 

矢矧と天龍を余所に、笑顔の龍田が近接武装の薙刀を槍投げのように投げ飛ばす。

 

「ッ!?」

 

それは砲撃をしていた重巡リ級の腹に深々と突き刺さった。

投げ刺した本人は命中した相手の元へ素早く近寄り、刺さったままの薙刀を勢いよく引き抜く。

そのまま彼女は流れるように、痛みでよろめくリ級を斬り捨てた。

 

「天龍ちゃ~ん! 次の獲物も取っちゃうよ~!?」

「ご指名らしいわ。あなたのご自慢の腕、期待するわよ」

「たりめーだろ! 横須賀で鍛えられた腕見せてやるぜ!!」

 

気合の入った眼帯の軽巡洋艦が走り出す。

彼女は右腰に掛けてある刀を抜き、左手に持つ刃の凶器を光らせた。

龍田に気を取られた2隻のリ級が、高速で移動する軽巡の斬撃の餌食となる。

 

「よっしゃぁっ! 次行くぞ!」

 

戦艦と軽巡洋艦によって、敵の支援艦隊が次々と撃沈していった。

 

 

 

最後のチ級が煙を上げて倒された時、艦娘たちの前方にさらなる敵艦隊が現れる。

反対側で展開していた別の敵艦隊が、殲滅された艦隊の異常に気付いたのだ。

 

「ココハ、マカセテクダサイ!」

 

駆逐棲姫が艦娘たちの中から飛び出し、深海棲艦の艦隊を睨み付ける。

 

「ギョライ、ゼンダンハッシャ!!」

 

彼女の太もも左右にある艤装の魚雷発射管から黒い魚雷が発射された。

1回発射されるだけでなく、2回、3回と連続で多数の魚雷が放たれ続ける。

たった1人で発射したとは思えない量のそれは、向かってくる深海棲艦たちを一撃で落とし始めた。

 

「す、凄い・・・」

「流石、姫級ね・・・」

 

戦艦や重巡などが簡単に撃沈されていく光景に、蒼龍と飛龍が思わずそう呟く。

彼女の駆逐と付いた名を疑うほどの戦闘能力を見せ付けられたからだ。

 

「サイソウテンシマス。ノコリヲ・・・」

「よくやった、後は任せろ!」

「龍田! 行くぞ!」

「待って~! 天龍ちゃ~ん!」

 

長門、天龍、龍田が僅かに残った敵艦を倒しに向かう。

 

駆逐棲姫はその場で留まり、艤装の魚雷装填を行っていた。

兵装の再装填を行う彼女の元へ、白露と時雨が近寄ってくる。

彼女らは神妙な顔で駆逐の姫に声を掛けた。

 

「ねぇねぇ。ちょっと・・・聞いてもいい?」

「・・・」

「あ、あのね・・・気を悪くしないでね? ちょっと気になっ・・・」

「姉さん、落ち着きがないよ。僕からも聞きたいことがあってね・・・」

「ワタシニ・・・ナンノ、ゴヨウナノデスカ?」

 

表情を変えずに装填作業をする駆逐棲姫。

姉の白露を差し置いて、時雨があることを尋ねる。

 

「どこかで僕らと会ったことはないかい?」

「・・・・・・ナイデス」

 

駆逐の姫は振り向きもせずに答え、それを聞いた時雨も冷静な表情を変えなかった。

 

「そうか・・・残念だったね」

「で、でも!」

「行こう、姉さん」

「あっ、時雨!」

 

時雨は納得していない姉をその場から引き連れていく。

残された駆逐棲姫は装填作業に集中した。

 

(シッカリ・・・シナイト・・・イマハ、アノコガユウセン・・・)

 

 

 

 

 

数分も経たない内に、遭遇した深海棲艦たちは強制的に退場させられた。

 

再び、駆逐棲姫を先頭に艦娘たちが航行を開始する。

山岸のクルーザーは戦闘海域から離れた位置で航行を停止していた。

 

「・・・トマッテ!」

 

突然、駆逐の姫が艦娘たちの航行停止を呼び掛ける。

止まった彼女らの目には、暗くて何もない海域が映っていた。

辺りを見回す大和が先頭にいる彼女に問い詰めようとする。

 

「本当に此処なのですか? 何もありませんが・・・」

「ココノハズデス。アノコノ、ハンノウモアル・・・デモ、ナンデ・・・」

「・・・?」

 

駆逐棲姫は戸惑うように辺りを見回した。

彼女自身も想定していなかったことが起きているようだ。

その時、響の探信儀に新たな反応が現れる。

 

「来る・・・なっ、何これ・・・!?」

「響? どうし・・・」

「とても大きな音が・・・上がってくる!!」

 

暁の声を遮るように響が大声を上げた。

その瞬間、彼女らの前方に巨大な水柱が立ち上がる。

 

 

海上へ現れた2つの影。

 

 

ボートよりも、とてつもなく大きな黒い物体。

 

 

1本の歯の大きさが人の頭ほどある口をもつ巨大な顎の艤装。

左右には今にも割れそうな赤い飛行甲板があり、後方辺りから砲塔もいくつか付いている。

赤く光る口の中は炎がちらつき、黒い体の表面に赤い亀裂が走っていた。

 

 

その左隣にいるもう1体の人らしきもの。

 

 

その身体の大きさは顎の艤装と同じく、身長の高さは3メートルを軽く超えている。

白い肌を隠すセーラー服は所々がボロボロになり、辛うじて大事な箇所だけを覆っていた。

手足の黒い装甲にも赤い亀裂が纏わりつき、黒い首筋にも刺青のような亀裂が浮かんでいる。

雪のように白い髪は足に届きそうなくらい長く、左耳の上辺りに短めのサイドテールが束ねられていた。

 

 

巨大な人型のそれは、赤く光る瞳で対面にいる艦娘たちを見つめる。

 

 

「ソ、ソンナ・・・マサカ・・・」

 

その姿を見た駆逐棲姫が震える声を出す。

長門も同じように目を見開いて、その存在の正体を呟いた。

 

「空母・・・棲姫・・・」

 

巨大な深海棲艦が微笑みながら口を開く。

 

「マッテイタワ。サァ・・・ハジメマショウカ・・・」

 

 

 

 

 

「スベテ・・・ヒノ、カタマリトナッテ・・・シズンデシマエェェェェェェェェ!!」

 




次回:海色に消えても・・・あなたを忘れない

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