ラブライブ! ~西木野真姫の幼馴染~   作:雅和

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初めまして、雅和と申します。

昔は色々書いてましたが、久しぶりにリハビリがてらラブライブの作品を連載します。
作者はアニメしか見ておらず、最近スクフェスを始めた程度のラブライブ初心者ですので、温かい目で見守っていただけると幸いです。
とりあえず、週1更新くらいを目指したいと思います。

ではまずは序章をどうぞ。


序章 『再会』
MUSIC-00 『帰還』


「帰ってきた、なぁ……」

 

新幹線と電車を乗り継いで三時間弱。

ようやく目的地の最寄駅に降り立った俺―――瀬野浩一(せのこういち)は、ゴロゴロと転がしていたキャリーバッグを一度停止させ、青く澄んだ―――いや澄んではいないか―――都会の空を見上げた。

東京都千代田区。秋葉原から数駅離れたこの場所は、俺の生まれ故郷でもある。

およそ七年前、親父の転勤で西の方に引っ越すまで、多感な幼少期をここで過ごした。そして再び親父が東京にある本社に呼び戻されることとなり、もう一度ここに住むことになったというわけだ。

今思えば、元々戻ってくることは確定していたのだろう。転勤している間は家を買わずに向こうの社宅を借りていたし、この地のマイホームは売らずに友人に貸していた。

だが当時小学生だった俺に、そんな大人の事情は知りようもない。

あの頃の俺の胸にあったのは、仲が良かった友達と別れなければならない寂しさ、悲しみ。特に、隣の家に住んでいて、まるで兄妹同然に育ったあの子とは―――。

 

「……やめやめ! さて、我が家に向かいましょうかね」

 

落ちかけた気持ちを強引に上向かせ、再び歩き出す。キャリーバッグが地面を転がる音をBGMに、俺は駅から徒歩で10分程度の、実に七年ぶりとなる我が家を目指し歩き始めた。

 

 

 

季節は初春。三月の下旬。

親父やお袋より一足早くこの地に来たのには、もちろん理由がある。

俺が今度の四月から通う予定の高校に提出していた編入のための資料に、多少の不備が見つかったためだ。

別に郵送で送られてきたそれを、修正してから送り返しても問題はなかったが、その分時間が掛かるし更なる再提出を要求される可能性もある。

それならばと、どうせ三日後には本来の引っ越し予定だったこともあり、先に行って家の掃除と自分の部屋のものの片付けを厳命されたのだ。

まあ後は、これから通う高校が少し特殊であるため、早めに挨拶を済ませておきたかったというのもあるのだが……。

 

「到着っと。……この辺りも変わんねーなぁ」

 

懐かしの我が家を視界に入れ、軽く首を振って周りを確認。まあ周辺は住宅地なので、大きな変化などそうそう無いだろうけど。

そしてやはりというか、視界はある一点に集中してしまう。日本の平均水準ともいえる俺の家の、優に三倍はありそうな大きな家。思い出すのは、そこに住んでいる赤毛の少女。

 

「真姫……」

 

懐かしさからつい口を衝いて出てしまった名前に苦笑する。

さて、あまり別の家ばかり見ていると不審者だと思われそうだ。今の世の中では冗談とは言い切れない想像に身震いした俺は、キャリーバッグを持ち上げて、瀬野の表札が掛かった門を開ける。

そして―――。

 

「……ただいま!」

 

無人の家だと分かっていながらも、何かに宣言するように大きな声を出した。

 

 

 

MUSIC-01へ続く

 

 




とりあえず序章なので短めです。

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