空戦魔導士候補生の教官~死神と流星~ 作:狂った朱
遠くに、なにかが見える。
俺は、そのなにかを見るために近づいていった。
見えた物は,,,
赤く染まった空と墜ちていく仲間だった。
そして残ったのは、俺と一匹の人形魔甲蟲。
「今のお前も、まだ殺す価値もない」
そう言うと、ソイツが飛び去り目の前から消えた。
これで三度目だ。こいつに俺の小隊を潰されたのは,,,。
「クソが‼、何でだよ。俺の仲間を殺して何故俺は殺さない‼。何だよ‼。何故俺だけは、殺す価値もないのか‼」
その時の俺はその場で咽び泣いた。すると一つの影が近づいてくる。
「力が欲しい?。アイツと対等戦える力が?」
そう言われて俺は頷く。
「欲しい。アイツを殺せる力が得られるなら‼なんだってしてやる‼」
「そう,,,。なら力をあげる。アイツと戦える力を,,,」
そう言うとその近づいてきた影は一つの制約書を出してきた。
「これにサインしなさい。そうすれば契約終了よ」
俺は迷わずその紙をひったくりサインをする。
「それじゃあよろしくね?。私はアスカ・ユーベル。あなたは?」
「グリム,,,グリム・ナイト,,,」
名乗りながらアスカと握手をする。
これが、俺とアスカの出逢いだった。
「うぅん?」
目を覚ますと目の前に見えたのは、真っ白な天井。
「どうして、俺は寝ているんだ?」
体がダルいが、無理して体を起こそうとする。だが、体の右側になにかを乗っているようで体が起こせない。
「ぅん?」
そう声が聞こえたから見てみると、アスカが、俺にのし掛かったまま、寝ていた。
「看病してくれていたのか,,,」
「そうだ。アスカに感謝しろよ?」
「カナタ、通報していいか?」
とりあえず、いつの間にか窓から不法侵入しているカナタにそう言って置く。
「心配している友人に酷くないか?」
「不法侵入している奴にそんな優しさは持つ必要がない」
そう言われながらもカナタはへらへらと笑っている。だがすぐに顔が引き締まる。
「一つ聞かせろ。お前は崩力をどうするつもりだ?」
カナタは険しい顔をしたまま、俺に黒い大剣を突き付ける。
「さぁな、アイツを殺す以外考えてないからな。「それが終わったらどうするつもりだ?」分からないけど仲間でも守っていこうかな?。今度こそ何も失わないように,,,」
そう言うとカナタは、回答に満足したらしく大剣を下ろしたらしい
「そうか、俺はこの力をどう使うかは決めてない。だからこの力をどう扱うか決めるまでは俺達三人が崩力を使えるのは秘密にしてもらいたいんだか,,,いいか?」
「別に構わないぞ。話すつもりもなかったしなアスカにも言っておくよ」
そう言うとカナタは、そうかと、一言だけ言うと帰りも窓から飛び去った。それと同時にアスカが起きる。
「ふぁ~。グリム,,,起きたの?」
「あぁ、起きた。なぁアスカ「な~に~」今度こそ守るぞ。仲間を「うん,,,。分かっているよ」じゃあ頑張っていこうか,,,」
そう言いながらカナタが飛び去った方向を見て、俺は決意をする。今度は、守れた。守れることがわかったからアイツが来ても仲間を守る。たとえ、俺が死んだとしても,,,
俺は静かに決意を固めた。