空戦魔導士候補生の教官~死神と流星~   作:狂った朱

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黒の剣聖《クロノス》

「こんなものか」

俺達は十匹の魔甲蟲を三分で殲滅した。すると、通信が入ってきた。

 

『此方、カナタ・エイジ。魔甲蟲に囲まれてしまった。俺の部隊は俺以外撤退が完了した。撤退のために援護を頼む』

 

 

「了解。グリムとアスカが援護に向かう」

 

『待て、グリム勝手に行動をして、隊列を乱すな』

 

「うるせぇ‼仲間が危ないのにお前の命令なんて聞いていられるかよ‼」

そう言いきるなり俺は通信機を鎌で叩き切った。

 

「あぁ~壊しちゃった~」

アスカが、そう茶化してくるが無視して一人で行こうとすると,,,,,

 

「あぁもう待ってよ‼。私も行くから‼」

 

「はぁ~最初からそう言えばいいのに,,,,,行くぞ「は~い」」

そして、俺達はカナタからの通信があったところへと向かっていた。そしてそこについた俺達が見たものは,,,,,

 

「よぅ,,,,,遅かったじゃねえか,,,,,。わりぃもう、限界だわ,,,,,」

そう言いながら、大量の魔甲蟲に囲まれ、その内の一匹に飲み込まれていくカナタの姿だった。そしてカナタは、そう言い終わる共に魔甲虫に飲み込まれた。

 

「マジかよ,,,,,カナタが殺られるとか,,,,,」

 

「黒の剣聖《クロノス》が負けるって,,,,,かなりの無理をしたんだね,,,,,」

 

「行くぞ「行くってどこへ?」カナタを助けに「死んでると思うよ?」関係ない。死んでるとか死んでないとか関係ない。仮に死んでたとしても魔甲蟲の腹の中のままじゃあアイツが成仏出来ないだろうからな」

 

「グリムらしいね,,,,,」

 

「だから、力を貸せ。あれを使うぞ」

 

「え~あれは危ないよ?」

 

「助けるためだ、多少のリスクは仕方ない」

 

「助けるって死んでるかも知れないのに?」

 

「関係ないって言っただろ?」

 

「わかった。言っても聞かないだろうから始めようか,,,,,」

 

「ありがとう,,,,,。アスカ」

そう会話してから、俺達は契約の言葉を唱えだした。

 

「「我らが示すは比翼の理、『我は魔』《我は呪》を持ち寄り一つに纏める。これより始まるは守るための破壊の宴なり‼」」

 

そう唱え終わると、俺の中に一つの力が入って来る感覚がした。入ってした力は呪力。その呪力はとても力強くかった。その力が俺の中に入り終わると同時に全てを破壊せよと囁く声が聞こえるのではないかと思うほど強烈な破壊衝動が俺を襲ってきた。

 

「グッ,,,,,」

しかし、それに耐えつつ俺の魔力と呪力を混ぜ合わせる。

 

「出来た,,,,,」

そして出来たのは、崩力。全てを壊せる力であり、世界の学者達がその存在を証明できない力。

証明できない理由としては、呪力は魔甲蟲の持つ力であり、人の身にその力を入れようとすると魔甲蟲の細胞が暴走し、その体を壊すからだ。そして、何でそんな力を持ってるかと言うと,,,,,

 

「よく耐えたね。それに耐えたのはグリムが初めてだよ」

 

「この、力の供給源がよく言うよ,,,,,」

 

相棒のアスカのお陰だ。こいつは実は人形の魔甲蟲で、俺の部隊を何度も襲撃してきた魔甲蟲に怨みがあるらしい。らしいと言うのは、こいつは過去を語らないから知らないからだ。こいつはここに来るまでその魔甲蟲に怨みがある奴らの所に行き俺と同じ契約をしては、共に戦ってきたらしい。契約の内容は、魔甲蟲とバレ無いようにフォローする事と、自分の魔力を半分与えると言うものだった。ちなみにその契約してきた奴らの末路は、呪力が中に入ると同時に気が狂い辺りを破壊したり、仲間を殺したりしたらしい。

 

「元々はお前の力何だから、お前が余裕なのは当たり前か,,,,,」

アスカも崩力を纏っていた。それに、俺と違って余裕そうに笑っていた。

 

「そうだよ。当たり前だよ?」

 

「はいはい,,,,,。もういいや、殺るぞ」

 

「字が違うような気がするけどいいや。行くよ」

俺達の一斉に飛び出した。俺達に気づいた魔甲蟲達は、カナタを飲み込んだ奴を除き、一人につき十匹ずつに別れて襲ってきた。

 

「邪魔だ‼。戦技、嵐《テンペスト》‼」

戦技、嵐《テンペスト》自分の持つ鎌に魔力や崩力を纏わせ全方向に斬撃を飛ばし自分の周囲を切り裂く技。

全方向に行くわけだから勿論、アスカの方にも斬撃は飛ぶわけで,,,,,アスカの方の様子を見ると双剣で、斬撃を打ち消していた。

 

「危なかった~」

 

「双剣だからだろ?。本気用の武器を出せよ」

 

「は~い」

そう言うと、アスカは一本の太刀を取り出した。

 

「コイツらに使うのは、ちょっともったいないような気がするけど,,,,,まっ、いいか!。それじゃあ私も行くよ。戦技、流星《ミーティア》!」

二つ名が着いた理由の一つのあの戦技か,,,,,。

戦技、流星《ミーティア》相手の反応出来る速度を超えて動き、相手を切り裂く戦技。のはずなんだけど,,,,,何でか見える?。崩力のお陰で動体視力とか、身体能力が高くなっているみたいだな。まぁ魔甲蟲には見えなかったようで特に抵抗らしい事は出来ずに斬られていった。

 

「さて、カナタを返してもらうぞ」

そう言った瞬間、カナタを飲み込んだ魔甲蟲が苦しみだした。

 

「えっ?何が起きてるの?」

 

「わからない。取り合えず武器を構えてろ」

中から破られていく見たいに魔甲蟲の体が歪んでいく。

そして中から一本の大剣が魔甲蟲を貫いた。

 

「「はっ?」」

 

「あれは、カナタのだよな?」

 

「ってことは、まさか,,,,,」

そう話している間にも大剣は魔甲蟲を両断していく。そして中から出てきたのは、紛れもなくカナタだった。

 

「「幽霊~‼」」

 

「生きてるよ‼」

 

「うん?、カナタお前,,,,,何か魔力が少なくなって呪力が入ってないか?」

そう、中から出てきたカナタは魔力が減り、呪力が体の中に入っていた。普通ならあり得ない状況だ。さっきも説明した通り人は呪力を使うことは出来ない。俺は契約でアスカから供給されているが普通なら契約出来る魔甲蟲は居ないので現実的に考えると使う方法と言うより、手に入れる方法が無いんだ。

 

「まぁいいよ,,,,,帰ってからどうするか決めようぜ」

 

「いいのか?。カナタ、そんなに軽くて?」

 

「いいんだよ。疲れたから帰ろうぜ」

 

「わかったよ」

そうして帰ろうとした矢先、俺は目の前が暗くなってきた。ふらついているのだろう。視界が揺れる。

 

「グリム!?」

アスカの声が遠くから聞こえる。

 

そうして俺は意識は手放した。カナタが生きていたことが夢では無いようにと祈りながら,,,,,。

 


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