やはり捻くれボッチにはまともな青春ラブコメが存在しない。 作:武田ひんげん
俺…比企谷八幡は今まで友達を作らないいわゆるボッチだった。そんな俺は今日一日の授業がおわり、教室内はリア充共が今日どこに行くだの、カラオケに行くだの、話しているのを尻目に教室をいつもより早足で出た。廊下にはまだ沢山の人が残っていたが俺には全く関係ない。とにかく速く帰らなければという思いが俺を焦らせていた。
いつもよりも数倍早足で歩いてそうして無事下駄箱まで降りてこれた。よし、ここまでは順調だ。
それから靴を履き替えて日が落ちてきて少し黄色掛かった外に出たら俺の勝ちだ。
よし、靴も履き替えた。あとは下駄箱からでるだけ…
「あれー?どこにいくのかなー?」
後ろから悪魔の声が聞こえてきた。悪魔の声の持ち主雪ノ下陽乃は、ゆっくりと俺のところに歩いてくる。その歩いている様はダースベイダーの登場曲が似合うほどに恐ろしかった。
俺は動くことができずにただやってくるのを待っていた。
「さて、なんで帰ろうとしてるのかな?」
「え、えーと…」
俺はこの人から逃げるためにわざわざ終礼が終わった途端にそそくさと帰ろうとしたのだったが、作戦は失敗におわった。ゲームオーバーのBGMが脳内で流れる。
そう、俺は負けたのだ…。
ということで俺は(強制的に)昨日初めてやってきた特別棟の空き教室へと連れていかれた。
――――――
特別棟は部活関連の教室や部室が入っている棟だ。昨日は余りにも余裕がなかったため良く見ることはできなかったがこう見たら特別棟は4階建て。
中に入るとずらっと教室が並んでいる。その教室の名前のプレートを見ると、陸上部だの、サッカー部などの王道系部活の名前や、~同好会などのサークル的な感じなのもあった。
俺たちは最上階の4階の一番階段から遠い端の教室に入る。
中に入ると文化祭などで使われている長机とパイプ椅子があり、俺たちは昨日と同じように座った。
……。
座ったはいいが、話すこともないししばらく沈黙が流れた。
俺はボッチ生活が長いのでこういう時の対処法なんて知らないし、適当にスマホをいじっていた。
しかしあまりに沈黙が続いているのでちらりと雪ノ下のほうをみると、本を読んでいた。
……こう本を読んでいるところを見たらすごく画になっている。雪ノ下自体はこうして改めてみるとやっぱり美しい。大きな目、鼻筋が通った鼻、艶をおびた唇、サラサラとしたセミロングの髪…。
おっといかんいかん、2分ほどつい見とれてしまっていた。しかも雪ノ下に気づかれてしまった。
「なーに、さっきからジロジロみてるのかなー?」
「え?なんのこと?」
「2分くらい前からみてるよね?」
バレてましたー。しらを切っても仕方がなかったので、
「つい見とれてしまって…」
思いっきり正直にいってしまった。やばい、身がまえないと、キモイの一言に対して…。
しかし、雪ノ下は
「あははー正直だねー。でも、私そういうこと良く言われるんだー♪」
キモイという一言もなかったのでよかったと少しホットしてしまった。
まあ、雪ノ下はずっと明るいところにで続けているだろうからそういうことを言われ続けたんだろうな。
それに見た目も美しいからな。
その会話が終わったあと、再び沈黙が生まれてしまった。
というかこんなに沈黙が多いのになんで俺ここにいるんだろうと思ってしまっていた。というか、なんで雪ノ下はもともと俺とお話する予定じゃなかったのか?なのにこんなに沈黙ばっかりでいいのか?
俺は思った疑問をぶつけてみることにした。
「なんで雪ノ下は俺をここに呼んでるんだ?」
ほんとに疑問に思ったことなので素直に聞いてみた。
すると雪ノ下はうーんと顎に手を当てて考えたあとに、
「なんとなく、ここに置いときたくて、かなー?」
おい、お話どころかモノ扱いかよ…。まじか俺とうとうボッチどころか人間扱いもされなくなったのかよ。
と完下の、チャイムがなったので帰るしたくを始める。
すると雪ノ下は
「明日は逃げずにここに来ることね?そうじゃないと…わかるのね?(ニコッ」
脅されました。明日は必ずきます。
続く
今日は2連投です。
次回も、頑張って書いていきます!
応援よろしくおねがいします!
次回投稿は6月8日の17時です。