大学という場所は彼の周囲の環境をガラリと変えた 作:さくたろう
前回同様いろはす視点になります。
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これからもゆっくりマイペースですが投稿していきますのでよろしくお願いします。
「「「いろは、誕生日おめでとー!」」」
そう言って挨拶してくれるのは友人の碧たちだ。
先輩の家に泊まった日から数日、今日は4月16日私の誕生日。
え?誕生日ネタ遅くない?すいません作者がSS書き始めたのがつい最近でして……
あのあと碧にどんなことがあったとかいろいろ聞かれたりめんどくさかった。
もちろん先輩頬にキスをしたことは黙ってる。言ったらめんどくさそうだし、というか泊まったって言っただけですごいめんどくさかったし……
先輩とはあの日以降、1度だけ合って少し勉強教わった。編集者への道は長そうです……
っと、そんなことは置いといて朝から友人たちが誕生日を祝ってくれるのは素直に嬉しなぁ。
「じゃあ今日はいろはの誕生パーティーでもしようよ!」
「いいね、いいね♪私たちの奢りでいいよん!飲みに行こ♪」
友人Aちゃんが提案パーティーの提案に他の子も賛成してくれる。
みんなの気持ちはすっごい嬉しい……、でも今日だけはどうしてもダメなの!
私の今日の予定は既に決まっている。この前先輩の家にお世話になった時に必死に取り付けた予定が。
まあこのことは碧にしか言ってないんだけどね~(。・ ω<)ゞてへぺろ♡
言えない理由としては単純に恥ずかしいというのが第一、それにこのことは実るまで秘密にしておきたい。先輩紹介したらもしかしたらライバル増えるかもしれないし?いやまぁ私と勝負出来る子なんてそうそういませんけどね?
「ごめんね~みんな。今日はちょっともう予定入っちゃってるんだぁ。今度誘って?ね?」
「しょーがないなぁ。ちなみに予定ってなぁに?もしかして彼氏とか!?」
「ち、ちがうよ~。高校時代の友達がお祝いしてくれるっていうからさぁ」
「ふぅん。男?男でしょ!」
しつこい、しつこいよ!そりゃ先輩が彼氏ならどれだけ嬉しいことか……
というか男と遊ぶっていうのは決まってる感じなんですかね。
「いやいや女の子だよ~。前から言われてたから今回はそっち優先でね。ごめんね~」
私がそう言った時の碧のニヤニヤした顔が若干イラっとしたのは秘密♪
まあ内緒にしてくれる碧には感謝しなきゃね。
「でもいろは可愛いのにそういう話全然ないよねー、一昨日だって告白されてたじゃん?割とイケメンだったのにもったいないよ」
「う~ん、わたし今はそういうの興味ないっていうか……、それに顔とかより中身重視だから」
「へぇ~。まぁ彼氏欲しくなったら言ってよ!合コンセッティングするし!いろはならすぐすぐ!」
「うん、ありがとっ。あ、パーティーには行けないけどプレゼントなら喜んで受け取るよ?」
「うわぁ、それは汚い、いろはす汚い!」
「その言い方はいろはす(水)がダメみたいで良くないと思うんだけど!?」
「じゃあ学食とカフェくらいみんなで奢るよいこいこ!」
お昼に奢ってもらう約束を交わし午前中の講義を受けていく。
正直今日の講義は全く頭に入ってこない。夕方からの先輩とのデート?が控えてるし、楽しみすぎてドキドキして眠れないかったんですから……、本当にこういうところ中学生ですかね私は。
結局午前中の講義は居眠りしていたら終わったようだ。
先輩の夢を見ていたなんて誰にも言えない。
「また、比企谷先輩の夢でもみたの?」
ニヤニヤしながら聞いてくる碧。なんなんですか碧ちゃんエスパーか何かですか?
と言ったものの数日前に一度講義中に寝てしまい、その時先輩に告白されてキスをする夢を見た。
もう少しでキスというところで碧に起こされた私は寝ぼけてて「先輩は?」みたいなことを言ってしまい碧にあっさりバレてしまったわけで。
その時の寝顔もバッチリ保存されていたのは言うまでもない。
そんなことで私が講義中寝ていると大体先輩の夢を見てたの?とか聞かれるようになっちゃったんですけどね。
「もう~違うよ。今日は別に何も見てないし……」
しばらくは寝たらこのネタでいじられるんだろうなぁと思いつつ、先輩の夢は見たい。いやまぁ講義中寝るなよって話なんですけどね。
午前の講義が終わり、みんなで学食に行くことに。
今日は奢りなのでAランチで。普段なら昼食にこんなお金かけないけれど今日はまぁ奢りですしいいですよね?
みんなでわいわい喋りながら食べていると先輩から1件のメールが来た。
『お楽しみのとこ悪いけど今日17時に行けそうにないから18時でもいいか?』
お楽しみ?もしかして近くにいるんですかねこの人。それならわざわざメールじゃなくて声かけてくれれば良いのに。
そう思い私はキョロキョロと先輩を探す。私の先輩探索スキルを舐めないで欲しいところですね。
ざっと遠くの方を見回しても見当たらないので今度は自席の周辺を探すといた。
近い。近いというかもはや私の後ろにいる。何してるんですかねこの人。
テーブルメンバーを見るといつもの人たち金沢先輩の姿もある。どうやら向こうのメンバーは私たちに気づいてたようだ。
後ろの先輩にしか聞こえないように小声で話す。
「せんぱい18時からってどういうことですか?楽しみにしてたんですけど~?」
「ちょっとサークルの用事でな。1時間遅れるけど必ず行くから。ダメか?」
「ん~それなら仕方ないですね。あっ私も行っていいですか?手伝いますよ?それに先輩のサークル入りたいですし」
「あー、聞いてみるわ」と言い、先輩はグループの方へと戻った。
昼食をすませ午後の講義を受けていると
『大丈夫だと。講義終わったら○○○に来てくれ』と先輩からメールが来た。
午後の講義を全て受け待ち合わせ場所へと向かう。先輩はもう来ていたようで他にもいつもの人たちが待機している。
「うっす」
やる気のなさそうな挨拶をしてくる先輩。ん~こんな可愛い後輩が現れたんですからもうちょっとテンションが上がった感じの挨拶できないものですかね。先輩には無理か……
「お待たせしました?今日は何をやるんですかね?」
「新入生用のサークル勧誘ポスターが完成したからそれの貼り付けだよー。うちの大学結構敷地広いでしょ?だから毎年この時期はどのサークルもポスターの場所取りで大変なんだぁ」
金沢先輩が説明してくれる。あれ?私は先輩に聞いたんですけどね~。
まぁいいですそんなポスター貼り生徒会の頃に何回も経験してますし、さっさと終わらせて先輩とデートに……!
実際作業自体はそんなにかかりませんでした。それと同時にサークル参加の申し込み書もササッと書いてしまい、これで私も晴れて先輩と同じサークルの一員です♪
サークルに入りましたって言った時の先輩の顔はめんどくさそうでしたけど!
せっかくなので先輩と大学から一緒に駅まで行くことに。別れ際に金沢先輩が先輩に何か言っていたようですけど無視です無視。
「まぁ、そのなんだ、手伝ってくれてサンキューな」
ボソっと先輩が呟く。って先輩から素直に感謝の言葉が!?あれ今までこんなことありましたっけ?
「いえいえ、わたしも早く終わらせて遊びたかったですし~winwinですよ」
「しかしお前が本当にうちのサークル入るとはな」
「だから言ったじゃないですか。本気ですって。信じてなかったんですか~?」
「いや、信じてなかったわけじゃないんだけどな、一色が編集者ってなんか似合わないな」
むぅ失礼しちゃいますね。それを言うなら先輩だって……、いや、先輩は似合ってますね、意外と。
「まぁいいんですよ、どうせ寿退社するまでの腰掛けなんですからー。相手みつからなかったらせんぱいがもらってくださいね♪」
「……あざといろはすあざとい、嫌だよめんどくさそうだもん」
ふ、先輩照れてるのバレバレですよ、顔赤いです。
ここは攻めあるのみ。
コホン、んん、と咳払いをしつつ、喉の確認完了。ちらっと上目遣いで先輩を見つめ切れ切れの声で口を開く。
「先輩は、私じゃ、……ご不満、ですか?」
「………いやまぁ、不満てことはない、むしろ嬉しいまである。まぁ本気ならな」
「ふぇっ!?」
それは反則なんですけど……!
何言っちゃってるんですかね。あ、ヤバイです、絶対今顔が真っ赤になってる。
……なんか負けた気しかしないんですけど、あざといっていうか若干チャラいんじゃないんですか先輩。
「せんぱいのくせに生意気です……、ところで今日の予定は決まってるんですか?」
「ん、あぁ、とりあえず夕食にするか」
「あー、いいですね。でお店はどこですか?」
「ふっ、今回はしっかり予約してあるぞ。金沢が教えてくれたからな」
何ドヤ顔で言っちゃってるんですかしかも自分で考えてないですし!?
「せんぱい、デート中に他の女の子の話はポイント低いんですけど……」
「い、いや俺一人で決めるよりいいだろ。まあ確かに今言う必要はなかったな、すまん」
ふむ、今日の先輩は素直ですね。いつもこれくらい素直ならいいんですけどね。私が言うのもあれですけど。
しかしこれは私も素直にならないとだめですね♪
そう思い先輩の左腕にしがみ付き頭を肩につける。
うん、カップルみたいだ。今日はこれで行こう。先輩が何か言ってるようですが無視で。
「あのぉ、一色さん?周りの視線痛いから……。これぼっちににはきついから。まじ」
「デートならこれくらい普通ですよ、せーんぱい?」
ぶつぶつ文句を言う先輩を無視し歩いていくとどうやら目的のお店に到着したようだ。
外装からおしゃれな雰囲気を漂わせるお店は今日のような特別な日にはぴったりなのかもしれない。
お店の名前は「SHINO'S TOKYO」どうやらフランス料理のようです。予約席に案内され席に座る。
正直こんないい所に先輩と二人きりで食事というのは想像してなかったのでちょっと笑ってしまう。
「何?なんかおかしかったか?」
「いえ、先輩とこういうお店で過ごすなんて予想してなかったのでつい」
「まあ俺もここまですごい店だとは思わなかったしな。財布大丈夫かな……」
「最後の台詞はポイント低いですよ……」
こんなところでもいつもどおりの先輩にすこし安心しつつ、注文していく。
二人共お勧めの「うずらの詰め物 リゾットと卵 〜生意気小僧風〜」を注文。
しばらくすると料理が運ばれてくる。
「うっわぁ、すっごい美味しそうですねせんぱい!」
「お、おう。早速食べてみようぜ」
そう言って二人共ナイフでうずらを切ると中から卵とリゾットが流れてくるそれをうずらのお肉と合わせて食べる。
やわらかいリゾットの味わいとこれはキャベツだろうか、シャキシャキっとした触感がなんともいえない味わいで頬が蕩けそうだ。
「んん~~~~!すっごい美味しいですよこれ!こんなの今まで食べたことないです!」
「美味いなこれ、リゾットだけどこれはなんだろうな親子丼に似てる気がする。うずらの肉もしっかりしててさらに野菜の触感がそれを引き立ててる」
「あー、親子丼ってなんかわかります!お肉も美味しいですしこの卵との相性も最高ですね!」
料理に大満足したあとは元々予約してくれていたんですかね、ケーキが運ばれてくる。
ケーキもとても美味しかったしポイント高いですよ先輩♪
「すっごい美味しかったですね~」
「あぁ、まさかあそこまでとはな。喜んでくれて何よりだわ」
「また来ましょうね♪せんぱい?」
「ん、んんまぁ財布に余裕があったらな……」
「もぅ~、そこはそうだな、また来ようぜくらい言って欲しいですー」
「うるせー高いんだよ学生なめんなよ」
「ふっふっふ。編集者になったら簡単にこれますよきっと」
そう言いまた先輩の左腕にしがみつく。
「おい、だから恥ずかしいからやめてくれませんかそれ」
「今日一日くらいいいじゃないですかー?次はどこいきますかー?」
「はぁ……、そうだなぁなんかしたいことねーの?」
「そこはせんぱいが決めてくれるとポイント高いんですけどね。せんぱいとならなんでも楽しいので」
そう言うと先輩の左耳が赤くなる。ふっ、照れてますね先輩♪
「だーかーらそういうのがあざといんだよ……。久しぶりに卓球でもするか?」
「あっ、いいですねーやりましょう!今日は負けませんよ?」
「はいはい、じゃあ今日も何か賭けるか?」
「いいですねー、じゃあわたしが勝ったら今日はせんぱいのおうちにお泊りで♪」
「はぁ?なんだよそれ」
「えーだってぇここからだとわたしの家遠いですし、それにこんな可愛い子が泊まりに来るとかせんぱいにとって得でしかないですよ?」
「いやいや…お前にこられるとゆっくり休めないんだよ。こないだだって…い……り…ス…てくる…」
ゆっくり休めないってことはそれなりに私のこと意識してくれてるんですかね。最後の方は小声すぎて何言ってるか聞き取れませんでしたが。
「えー何か言いましたか?」
「なんでもねえよ、まあ俺が勝てばいいだけのことだからな。さっさとはじめるぞ」
ふふふ、先輩は知らない。私が去年球技大会のために(本当はまた先輩と卓球する日が来るようなきがしたから)去年結構な頻度で卓球練習していたことに。
「じゃあいきますよー」
ゲームが始まり、私は実力を隠しながら続けていく。先輩は前にやった時と大して変わってないと判断し、適度にポイントをわたしにくれる。
現在ポイントは11-10
私が1点リードでマッチポイント。先輩はここからでも挽回できると踏んでるらしく表情に余裕がある。
ここで私は去年卓球部の人から教わった横回転サーブをする。先輩のレシーブは回転のせいか高く浮き絶好のスマッシュボールこれをしっかり狙い……
「死ねぇ!」
スマッシュは見事にきまり12-10で私が勝利した!
「おいおいいつの間にあんなサーブ覚えてたんだよ」
「せんぱいを倒すために特訓したんですよ~。約束通り今日はせんぱいのおうちにお泊りしますね!」
「はぁ、いいけどさぁ。お前着替えとかどうすんの」
「ご心配には及びません。こんなこともあろうかとしっかり持ってきました!」
そう言ってお泊まりセットを先輩に見せる。
「お前最初からウチくる気満々じゃねーか」
「そ、そんなことないですよ……、たまたまです」
嘘です、本当は最初から泊まる気しかありませんでした(。・ ω<)ゞてへぺろ♡
だってこうしてかないと全然進展ありそうにないですし、一応敵というか邪魔な存在というか金沢先輩みたいな人もいるわけですから?攻めれる時に攻めていかないといけないわけで……
「じゃあわたし疲れましたしそろそろ帰りましょう!」
「おーおつかれ。じゃあなあ」
何帰ろうとしてるんですかねこの人。たった今泊まりに行くって言ったじゃないですか。
「せーんぱい」ニコッ
「ひっ、わ、わかった。帰ろうぜ」
ふふん、それでいいんです。まったく少しは慣れて欲しいものですね。
この前は酔ってしまってあまり先輩の家にいたという実感がないので今日はしっかり堪能します!
帰り道も先輩の腕にくっついていると急に先輩が「少し寄ろうぜ」と公園に行くことに。
「あー、そのなんだ。一色、誕生日おめでとう。これ一応プレゼント。気に入らなかったら付けなくてもいいから」
え、いきなりなんですか、っていうか今ここでですか。不意打ちすぎるんですけど!
「あ、ありがとうございます……。開けてもいいですか?」
「お、おう」
先輩に渡された箱を開けると中にはピアスが。
「まぁそのなんだ、何あげていいかも良くわからんかったしな。この前お前ピアス付けてたし。それなら似合うかなと思ってな」
「う、嬉しいです!これ一生大事にしますよ!ありがとうございます!」
「いやなに、喜んでくれたならいいんだ」
「せんぱいもこういうのを渡せるんですね~ポイント高いです♪」
「ったく、一言余計だ」
そう言って私のおでこを指で弾く。痛いです。
「じゃあ、その、なんだ、帰るか」
「はい♪」
また私は先輩の腕にくっつき二人並びながら先輩の家に向かう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
感想や誤字脱字ありましたら教えて頂けると嬉しいです。
もうなんかこの二人付き合ってんじゃねえの、っていうか早く付き合えよと思いながら書いてます。
自分で出しておきながら金沢?誰それ?お呼びでないんだけど?みたいな感じです。まあぶっちゃけいろはす可愛すぎて他なんてどうでもいいんだよみたいな!