大学という場所は彼の周囲の環境をガラリと変えた   作:さくたろう

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更新遅くなりました。すいません。

今回はいろはす視点でのお話にになります!
上手く書けているかわかりませんが最後までお付き合い頂けると嬉しいです。


そして先輩と二人きり

 

「んっ…、う~ん」

 

 

「やっと起きたか」

 

 

「せん…ぱい?おはようございます」

 

 

何故先輩が。

そして何か料理してる。なんか料理してる姿の先輩カッコイイなぁ。

 

……ん。あれ。あれあれ??でもちょっと待って。今どんな状況ですか?なぜ目覚めると先輩が?思い出して私。

 

昨日先輩たちの飲み会に行って初めてのお酒(本当は先輩と一緒だったため)にテンション上がってしまってどんどんお酒を飲んで…

その後どうしたんでしたっけ……

 

 

「ちょっと待ってろ。もうすぐできるから」

 

 

携帯を見ると時刻は午前9時。どうやら先輩は朝ごはんを作ってくれているようです。

 

 

「あ、はい。なんかすいません」

 

 

「別に一人分作るのも二人分作る一緒だから気にすんな」

 

 

待っている間に昨日の記憶を呼び起こすことに必死になる。

途中で酔っ払った私を送ってくれようとした。先輩に家に泊めて的なことを言った気がする。

それにおんぶとかもしてもらった気が。

 

失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した。

 

少しづつ思い出してきたせいか、すごい恥ずかしい。昨日の私何してるの本当。お酒の力って怖い。

恥ずかしさで蹲っていると朝ごはんが完成したようだ。

 

 

「ほれ、できたぞ。朝だし簡単なもんだけど。それと体調どうだ?二日酔いとかないか?」

 

 

軽いサラダにスクランブルエッグとベーコン、食パンがテーブルの上に。

 

 

「ありがとうございますー。ちょっと頭がズキズキするくらいですねー」

 

 

「それが二日酔いっつうんだよ。コーヒー淹れるけど飲むか?」

 

 

「あ、はい頂きます。せんぱい料理できるんですねー。意外です」

 

 

「まぁ一人暮らしだし多少はな」

 

 

先輩の作った朝食は素直に美味しかった。流石元専業主夫志望で1年以上一人暮らししているだけのことはありますね。

そういえば先輩今は編集者目指してるって言ってた気がするけどあれってもしかしてあの時のことがきっかけだったりするのかなー。

 

 

「ごちそうさまです。朝食美味しかったです!食器洗いはしますね」

 

 

「あーいいよ、気にすんな。まだだるいだろうし休んどけ」

 

 

そういうたまにでる優しさずるいです。

 

 

「なんですかどうしたんですか。せんぱいにしては優しくないですか?一晩泊めてもらいましたしこれくらいさせてくださいよー」

 

 

「いや別に普通だろ……優しさの塊みたいなところあるしな俺。むしろ俺の半分は優しさでできているまである。まあしかし一色がそこまで言うなら頼むわ」

 

 

「はいっ♪お任せあれ!」

 

 

「そういう無駄アピールいらないから」

 

 

私の渾身の笑顔をそれだけで済ましますか。ちょっとへこむんですけど。というか別にあざとくないですし!!素直に感謝の気持ち込めただけですし!!

 

 

「無駄ですと!?む、無駄じゃないですよー!ていうかあざとくないですしむしろせんぱいのそういうところのほうがあざといですし!」

 

 

前にも同じセリフを言ったような気がしないでもないけど気にしない気にしない。

でも本当先輩の方があざといですし!!反則ですし!!

 

 

「なんで俺があざといんだよ……、ったく。それで一色は今日どうするんだ?」

 

 

「えー、せっかくせんぱいのおうちにいるのでもう少しこの時間を堪能しようかと」

 

 

「いやいや、堪能できるほどこの部屋何もないから」

 

 

「いえ、別にせんぱいと一緒にいられるだけでいいんですよー」

 

 

笑顔で返したのはいいけれど何かすごい恥ずかしくなってきました。なんなんですかこれ。というか先輩も何か返してくださいよ。気まずいじゃないですか!!

先輩をチラ見すると少し俯いていて表情が見えない。だけど耳のあたりが少し赤くなっているのがわかる。

あぁ、この人も照れてるんですね……

 

 

「……お前そういうのあざとい」

 

 

「あざとくないです!まあ暇ですしお話でもしましょうよー」

 

 

「いや俺が暇ってなんでわかるんだよ。まあいいや」

 

 

「そういえばせんぱい編集者目指してるんですねー。それってあの時のわたしが言ったことがきっかけだったりしますか?」

 

 

「全然ちげえよ。単純に編集者のことを調べる時間があってそれで俺に合ってるかもなって思ったんだよ。それに給料もいいしな。むしろそこが一番の理由でもあるが」

 

 

こういうところは全然変わらないんですねこの人。でも働く意志がある時点で変わったと言えるんですかねー。

 

「なんですかそれ。不純な動機ですねー」

 

 

「まあ職探しなんて結局そんなもんだろ。そういうお前は何か決めてたりするのか?」

 

 

「せんぱいが編集者ならわたしも目指してみますかね?まあ最終的に数年腰掛けたあと寿退社が夢です!」

 

 

「いや何それ理由じゃないし。というかお前が編集者とか一色の学力わからんが普通にしてたらなれないぞ。狭き門だしな。だからこそ俺もそれなりに今から試験対策なり何なりしているわけで」

 

 

「えー、じゃあせんぱいわたしに教えてくださいよー?」

 

 

「いやいや、そんな余裕ないっての。自分のことだけでいっぱいなんだから」

 

 

「ぶぅ~。せんぱいのケチ。卑怯者。捻くれ。八幡」

 

 

「だから八幡は悪口じゃねえよ!!……まぁそのなんだ。本気で目指すならたまになら見てやるよ」

 

 

え?だからなんで先輩はそういう優しさたまに見せるんですかね。そういうのが反則なんですよ。本当にずるいです。

 

 

「俺のためにもなるしな。人に教えるということは自分にも教えるということだしな。言葉にして伝えるとこで改めて分かることもあるし、自分がちゃんと理解していないと教えられないからな。ととあるレジェンドのじいさんが言ってたしな」

 

 

「は?レジェンド?」

 

 

え?何言ってるんですかこの人?大丈夫ですかね?

私は怪訝に思いながら尋ねた。

 

 

「いいよもう今のは気にすんなよ」

 

 

「はぁ、そうですか。まあじゃあ本気で目指すんでせんぱいよろしくお願いしますね?」

 

 

「本当かよ……」

 

 

「あ、そういえばせんぱい!今って4月じゃないですかー?4月といえばなんだと思います?」

 

 

「急になんだよ。4月だし花見とか?」

 

 

「せんぱい馬鹿ですか?わたしに関係することですよ」

 

 

「いや知らねーし馬鹿って言うな。一色に関係すること?……あぁお前4月誕生日だっけそういえば。確か16日だよな…ってもうすぐか」

 

 

むむ……。ちゃんと覚えてくれてるんですね。日にちまで。

なんというかそれだけで素直に感動してしまう自分がこんなに乙女だったのかと思うと少々恥ずかしいんですが。

ほんとずるいなー先輩は。

日にちまで正確に覚えてるとかポイント高いですよ先輩。

 

 

「ちゃんと覚えててくれてるんですね」

 

 

「ぼっちは記憶力はいいからな」

 

 

「今のせんぱいがぼっちとか他のぼっちの人に失礼ですよ?というわけでですねせんぱい16日暇じゃないですかー」

 

 

「いやお前が暇とか知らないし」

 

 

「いやわたしじゃなくて先輩が16日暇ですよね?」

 

 

「いやその日は俺は家であれしなきゃいけないんだよ」

 

 

「暇ですね」

 

 

ニコッと笑顔でそう言うと先輩は顔を引き攣りながら「暇です」と了承してくれました♪

でもひどいですよね先輩。こんな可愛い後輩の笑顔を見て顔を引き攣るとか。どんな環境で育ってしまったらそうなるんですかね!私が先輩を育てなおしてあげないとだめですかね。

 

 

「じゃあ16日はデートしましょう。もちろんせんぱいの奢りで♪平日なのが残念ですが17時くらいに最寄りの駅で待ち合わせで」

 

 

「いや誕生日くらい仲いいやつとか俺じゃないやつと遊べよ」

 

 

「わたしはせんぱいとがいいんですよ?」

 

 

ここまで来たんです今日はとことん攻めてやりましょう。この鈍感ニブチン野郎にはこれくらいでも足りないくらいです。まあ先輩の鈍感は実は敏感だからこその反動のようなものだと思いますが。

 

 

「お前よくそんな心にもないことを……」

 

 

「顔赤いですよせんぱーい。可愛い後輩に誘われてドキッとしちゃいましたか?でもせんぱいと過ごしたいのは本当なんで誕生日はよろしくおねがいしますね?」

 

 

「一色……、お前も顔赤いぞ。まあそんだけ誘われたら行かないわけにもいかないか。可愛い後輩の頼みだしな」

 

 

そう言いながら先輩は右手で私の頭を撫でてくれた。え?ちょ、な、何してるんですか先輩というか恥ずかしいんですが!いやすごい嬉しいですけど……!

 

 

「せんぱい!?」

 

 

「わりぃ、なんか一色見てたら小町を思い出してつい反射的に撫でちまった」

 

 

「いえ別に謝る必要はないんですけど、むしろそのままずっと撫でて欲しいというかなんというか……」

 

 

途中から自分の声がすごく小さくなっていってしまった。だって流石に恥ずかしいですし。

でもこういうのは今まではなかったし少しは先輩に近づけたということなんですかねー。

 

先輩とおしゃべりしていたらいつの間にかお昼の時間になっていた。

先輩はというと少し前くらいから睡魔に襲われたらしく、テーブルに顔を突っ伏して寝てしまっている。

そんなに私とのお喋りに疲れたんですかね?失礼しちゃいますね本当。

まあ私も流石にシャワーも浴びてないので今日はこの辺で失礼しますかねー。

 

昨日と今日はありがとうございますね先輩♪

寝ている先輩の横顔に軽いキスをして部屋を後にする。

ちょっと攻めてみました♪

 

 

 

「はやく16日にならないかな~」

 

 

 

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。


感想、誤字脱字等おかしなところありましたら教えていただけると嬉しいです。

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