大学という場所は彼の周囲の環境をガラリと変えた 作:さくたろう
睡魔と戦いながら書いたのでもし誤字脱字がありましたら教えていただけると幸いです。
なんか書いてるうちにいろはってこんな感じだっけと思いつつ、まあ大学生だし物語から3年たってるしいいんじゃないかなという思いで書いてます。
席を探すとタイミングよく2人分の席が空いたのでそこで昼食をとることになった。食券は既に買ってあるのであとは荷物を置いて並ぶだけである。
今日は白ごはんにお味噌汁!そして無料のきゅうちゃんてきな漬物である。決してダイエットとかではない。私はダイエットっていうのはしたことがない。
ならなぜこんなメニューなの?って聞かないで!決してご飯60円お味噌汁30円で90円でお昼が済むとかそんな理由ではない。なんとなく漬物とご飯でいいかなって思っただけなの。
あぁいろはそんな目で私を見ないで…
「はい、これあげるよー」
そう言いながらおかずをくれるいろは。
あらやだなんで天使がこんなところに??
食べながらさっきの先輩が例の先輩か確認する。
「そういえばさ、さっきの先輩が例の先輩でいいんだよね?」
「うん、そうだよー。雰囲気ちょっとだけ柔らかくなったかもしれないけどやっぱり先輩は先輩だったなぁ」
あぁあれで少し良くなったんだ…高校時代はどれほどだったのだろう。
というかいろはさん先輩の話になった途端ニコニコになるってどんだけ好きなんですかね。
「でも確かに顔はそんなに悪くないね、若干目が死んでるけど」
「でしょでしょー!あの目だけで相当損してるよねー。でも正直先輩の外面はどうでもいいかなー。先輩の凄いところは中身の部分だしねー!」
「なるほどねぇ…」
正直さっきのやり取りだけではこの子のいう中身というものがどれだけ凄いものなのかわからないよ!むしろ中身微妙そうなんですが!?
などと言おうとしたけれどあんまりにもこの子が笑顔で語るものだから言いそびれちゃったよ!
いや、そんなニコニコ笑顔で語るこの子にそれを言ったら怖そうだから言わなかっただけなんだけどね…
「でも先輩が大学でまさかグループに所属してるなんて思わなかったなぁ」
いろはがそう呟く。でも見た目はそこまで悪くないし(死んだ目以外)まあ多少残念な雰囲気漂わせてたのはあるけどそこまで孤立するような人なのだろうか…
まぁ1度挨拶しただけだし私がこれだけの情報であの人を評価するのも間違っているのだろう。でもあんた好きな先輩本当ボロクソ言うわね…
そう思ってると聞いてもないのにいろはさんが語り始めました。
「なんていうかねー、わたしの先輩の大学のイメージってやっぱりぼっちで寡黙に講義受けてる感じなんだよねー。確かによく知ればあの頃みたいにあの人と付き合える人たちも中にはいるかもだけど。でもそのための第一印象が先輩はとんでもなく悪すぎるしぃ。むぅ…高校と大学の違いなのかな?周りが先輩を評価する環境が変わったってことなのかな…」
「高校の時どんだけ評価されてなかったのよ…」
というか付き合える人いたにはいたんだね。
「完全に評価されてなかったわけじゃないんだよね。少なくともわたしは先輩のこと評価してたし?むしろ評価というか別の感情が途中からわたしを支配したというかですね…」
あーはいはいそこニヤけない、(´っ•ω•c`)しない。可愛いなこんちくしょう。
「なんていうかよく知らないと先輩のいい所ってわかりにくいんだよね!大抵の人はよく知らないうちに勝手なイメージを決めつけちゃうんだと思う…そんなことはないのにね。でもわたしもよく知れたのは本当にたまたまだし、今思えばあれは運命的な出会いと呼べなくも…」
なんかこの話してるとずっとこのこニヤけてそうだし気になったことさくっと聞いてしまおう。
「でもさー、そんなに好きならなんで高校時代に告白しなかったの?」
私がそういうと、いろはは先ほどまでの表情が消え、どこか切ない表情に変わりゆっくり口を開く。
「うん、まあねぇ。いろいろあったんだ。いろいろ。正直本当にそれはずっと考えてたんだぁ。でもあの頃はなんていうか先輩の回りには近づけるけど手が届かないっていうのかな?わたしじゃどうにも入りきれない…ううんあの3人はたぶんあの3人だからこその本物…なんかちがうなぁ…だめだぁ…」
私の質問にいろはは答えようとしつつ、自分でもうまく言葉で言い表せないのか、途中から自分で言いながら頭を抱え始めた。
そんな光景を見て何か必死に説明してくれようとしてるのは伝わってきた。
まあ質問に対しての答えはさっぱりだけどねっ!
頭を抱えフリーズしちゃったいろはを再起動させ、昼食を済ませて午後の講義に向かう。
出会ってからいつも真面目に受講してたいろはは今日はずっと携帯とにらめっこしてる。どうやら先輩に送るメール文を考えてるらしい。
「こう…」「んー違う…」「あーでもこっちのほうが…」「いや…」
メール一通送るのにどんだけ悩むのいろはさん。中学生の頃を思い出しちゃうんだけど?!
「できた!」
どうやらメールが完成したらしいので横目で内容を確認させていただこう。この講義暇だしね!
『せ~んぱい(*´∀`*)可愛い後輩からのメールですよ?
あれぇ?今わたしからメール来て嬉しがってます?
わかりますよー可愛い後輩からメールなんか来ちゃったりしたら喜んじゃうのが男の子ですよね!
それでなんですけど、今週の金曜日って先輩空いてますか?お願いしたいことがあるんですよー!
あと返信は早めでお願いしますね☆』
女の私からみたら若干ウザイんじゃないのこれと思うメールを送信しやがりましたよこの子。
こういうメールって可愛いから許されるんだよね?
男にただしイケメンに限るっていうのがあるように、女にもただしかわいこちゃんに限るっていうのがある。
私知ってる!
数分後いろはは携帯から目を離さずじーっと見てる。
ご主人の帰りを待つ忠犬ちゃんかな?うちの愛犬のぷうたみたいだ。
十数分後どうやらまだ返信が来ないらしい忠犬いろはちゃんの頬が膨らんでいるよ?ちょっと機嫌悪いのかな?それでも携帯をじっと見つめる忠犬いろは。
そしてそのまま講義が終わる。どうやらメールは帰ってこなかったらしい。完全に不機嫌になってしまったいろはを私が落ち着かせる。おーよちよち悪い先輩ですねー。
次の講義のために移動してるとどうやらメールが返ってきたらしい。横目で盗み見るスキルを発動させる。
『悪い、今気づいた
金曜は無理だ』
やっば!先輩やっば!私が言うのもなんだけどこんだけ可愛い子からの(まぁ若干ウザイ内容の)メールに対してこれだけで済ませる先輩カッコイイ…
脳内で冗談を言い、うわぁ絶対これ機嫌悪くなるやつだと思ってたけどそうでもなかった。むしろ素直に返ってきて喜んでるように見える。
またメールを打ち始めるいろは。
『なんですかその今気づいたって( *`ω´)焦らしプレイですか先輩のくせに生意気です!
そんなんで効果あると思ってるんですか?甘いんじゃないんですか?
金曜無理ってなんでですか?どうせ暇じゃないんですか?
こんどは早く返信くださいよー?』
メールを送り終えたいろははふぅ…と一息ついてこちらを向いたので目が合ってしまった。
しまったー!!私の横目で盗み見るスキルが看破された?!
「盗み見は良くないよ碧ちゃん?」
ニッコリとした表情で放たれたその言葉はとても怖かったです。まる
それから数分後、今度はすぐにメールが返ってきたらしい。
別に見たいなら普通に見せてあげるよって言われたから私もそのままメールの内容を覗く。
実は見てもらいたかったんじゃないのあんた。
『お前の中で俺どんだけ暇人なんだよ。いや割と暇人だけど。
金曜は金沢たちの飲み会強制参加
土曜なら』
おうふ、先輩それはいけませんよ。好意を寄せてくれてる相手に他の女の子との飲み会報告とかダメ!絶対!
そもそもこの先輩はいろはに好意を抱かれてることをちゃんと認識してるのだろうか…うん、してなさそう。
「あんにゃろ…」
なんか聞こえた…聞かなかったことにします。
『では仕方ないですね、土曜日でいいですよ!土曜日○○駅に10時でお願いしますね?
それとわたしも金曜日のその飲み会参加したいなぁって思うんですけどー?
先輩の後輩として先輩が大学でどんな人たちと付き合ってるのか気になるじゃないですか(^ω^)
小町ちゃんとの話のネタにもなりますし!
あともう一人来たいって子もいるんですよ!聞いてもらってもいいですか?』
これもう一人って確実に私だよね?ん?私行きたいなんて言ったけ?あれこの年でボケてきたのかな…
そんなことを考えてると早速メールが返ってきたようだ。
『大丈夫だそうだ
場所決まったら連絡するわ』
あれれ?私も確定になっちゃった感じ?どうしましょう。
でもまぁなんか面白そうだしこの子の観察がてらに付き合ってあげるとしますか!
その後も先輩とのメールのやり取りは続いてるらしいが私は疲れたので少し寝ようと思う(講義中です)
あぁそういえば…
「金沢さんってたぶん先輩のこと好きっぽいよね?結構可愛いし強敵じゃない?」
「うーん…確かに可愛いけど全然かな?高校の時に比べたらね!」
そう言ったいろはの顔は、あざとさはまるでなく素の笑顔だったと思う。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
誤字脱字やここおかしいぞ?っていう点がありましたら教えて頂けると幸いです。