大学という場所は彼の周囲の環境をガラリと変えた   作:さくたろう

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前回の続きです

今回はいろはす視点ではなく、前回出てきた白楽碧視点での物語となります。

気づいたことや意見がありましたら是非教えてください。


再会し出会い、そして戦いが始まる

いろはが満面の笑みで例の先輩に挨拶をすると男の人がゆっくり口を開く

 

 

「一色…か?なんでお前ここにいんの?」

 

 

「ちょっとせんぱーい。なんでってひどくないですかー?先輩を追いかけてきたんですよー!」

 

 

「いや、そういうのいらねえから…お前文系志望だったの?初めて知ったぞ」

 

 

「そうですねー、言ってなかったですもんねー。というかせんぱい、1年ぶりに会った可愛い後輩に対しての反応がそれだけですか?なんかショックなんですけどー…」

 

 

「自分で可愛い後輩とか言っちゃうあたりあざとい、あいかわらずあざといな」

 

 

「あざとくないです!というかこんなかわいい後輩に追いかけられるなんて幸せ者じゃないですか?先輩の人生で普通ならありえないイベントですよ?だからもっと嬉しがるべきです」

 

 

「あーはいはい、本当あざとかわいいよ一色」

 

 

「あざとくないですよー!」

 

 

頬を膨らませてそう言う。あれ?いろはってこんなあざとい感じなの?っていうか初めて見るんだけどこんな表情…しかもあざといのはあざといかもしれないけどすっごい可愛い。わざとらしさがないからなのかな。

そんなこの子を見てあーほんとこの先輩のことが好きなんだなーと思う。

 

久しぶりに大好きな先輩と絡んでるいろははいつもウチらといるときよりも可愛く、まるで恋する乙女そのもののようだった。

 

でもそんなこの子も今は先輩の後ろの人たちが気になって仕方ないみたい。

聞いた話だとこの先輩は高校時代ぼっちだったみたいだし、それが大学では再会していきなりグループの先頭で歩いてるし困惑してるのかなー。

なんかちゃっかり女の人までいるしね!これはライバル登場なんじゃないー!?どうするいろは・・・!

 

 

「ところでせんぱーい?後ろの方たちはお友達ですかー!?わたしてっきり先輩は大学でもぼっち生活してるのかと思ったのに…なんか先輩の嫌いなリア充みたいですよ?あ、もしかしてパシリとか?」

 

 

ちょっとあんた再会早々その絡みは流石に可愛そうだよ・・・

しかもその人あんたの好きな人だよね?ずぶといなーこの子。

そう思うと先輩の方もそう思ったらしく、

 

「お前の方こそ再会早々完全に俺のメンタルブレイクしにきてるよね?そっちの方がひどくない?俺泣いちゃうよ?」

 

 

「えーでも先輩がこんな集団の先頭で歩いてるとかやっぱり想像つかないですし、なんかあると思っちゃうのが普通じゃないですかー?」

 

 

「ああ、それは確かにな。まあ俺もそれに関しては同意せざるを得ないわ」

 

 

ああ、同意しちゃうんだこの人。なんか聞いてた通りちょっと捻くれてるのかな?ただの残念さん?

 

 

というか私も含め先輩の後ろの人たちもこの会話についていけず完全に蚊帳の外なんですがそれは…!

あっちの女の人なんか笑ってるけどなんか怖いんですけど!?ずっといろはのこと見てるし。

それに関してはいろはは完全に無視というか気にしてない感じだし。

私が少し戸惑っていると周りの友達?たちが

 

「ヒッキー高校でボッチってほんとだったの?」「はっちーがぼっちとかやっぱり信じられないかも」

などの反応があった。

 

 

「みなさん先輩のお友達ですか?初めまして先輩の後輩の一色いろはです!いつも先輩がお世話になってますー!こんな捻くれてる先輩と友達なんてみなさんとても親切なんですね。なんかわたし感動しちゃいました!」

 

「あ、こっちはわたしの友達の白楽碧っていいます!」

 

 

なんかついで程度に紹介されたんだけど、どうしよう。

 

ニコッと微笑みながらいろはが挨拶すると先輩がふてくされた様に答える。

 

 

「お前の挨拶なんか小町っぽいな、やっぱりあざといキャラってどこか似るんだろうか。あとこいつらは友達っていうよりなんていうの…アレだアレ」

 

友達をアレ呼ばわりってどうなんですかね先輩。あれ?もしかして本当に友達ではない??

 

 

「そういえば小町ちゃんも今や総武高校の立派な生徒会長ですよねー。わたしが会長のときも生徒会でいろいろ手伝ってくれて助かりましたよー」

 

 

「そうなんだよな流石俺の妹というか、まあ兄の俺が言うのもなんだがあいつ以上の適任者探すほうが難しいだろうな。というかうちの高校って男子が生徒会長だったことあるのだろうか…」

 

 

「うわー、せんぱい大学生になってもシスコン全開ですか。若干、いえかなりひきます…というか気持ち悪いです」

 

 

「いや小町天使だし仕方ないだろ。そういえば生徒会でもそうだが高校生活でもだいぶ小町のこと面倒見てくれたらしいな。ありがとうな一色感謝してるぞ」

 

 

「いえ、小町ちゃん可愛いですし当然ですよ…というかいきなり褒めて私の好感度あげる作戦ですか?すいません、先輩にいきなり褒められるとかただ調子狂うだけなんで…それにこれ以上あがりません」

 

 

「俺は小町に対する感謝の気持ちを述べただけでなんでまた拒絶されてんの俺?通算何回目だよ…」

 

 

先輩に感謝されたこの子は恥ずかしくなったのか少し頬を染め俯く。

しかもさあんたこれ以上あがりませんってもうすでに好感度MAXじゃん…

ギャルゲーなら告白イベントで既に落ちるレベルなんですがそれは…

先輩もよく聞こうよあがらないとは言ってるけど否定はしてないよこの子。

しっかし照れてるこの子本当かわいいなー。これは素で照れてるんだよね?こんなかわいい照れ方見たことないんだけど。

 

いろはと先輩の絡みが落ち着くと、先輩の後ろの人たちが今度はウチらに挨拶してきた。

最後は先ほどからいろはのことをずっと見てた女の先輩の挨拶だ。

 

 

「初めましていろはちゃん!私ははっちーの友達の金沢美智子って言います。はっちーには学校生活でいろいろと助けてもらったりしてるうちに仲良くなったんだよー。よろしくね」

 

 

『初めまして金沢先輩。これからよろしくお願いしますねー。先輩って優しいから【誰にでも優しくしちゃう】ところありますよね』

 

 

あれ?いろさん若干笑顔がひきつってますよ?大丈夫?さっきの先輩に対する笑顔どこいった?

これは完全に金沢先輩のこと敵視してるなーこの子…まあわからんでもないけれど。

 

 

「いろはちゃんははっちーとはすごい仲好さそうだね。なんか普通の先輩後輩の関係以上って感じ!ちょっと妬けちゃうなー。あ、でもいろはちゃんはっちーとは1年ぶりなんだっけ?大学に入った頃のはっちー懐かしいなぁ。あれから大分はっちー変わったんだよね」

 

 

あれ?あれ?金沢先輩の方もなんか言い方に棘がありませんかね…これ完全にお互い敵認定しちゃったやつだ。しかも金沢先輩って見た目結構レベル高いし、好きな人のことを知らない空白の時間をライバルは知ってるのって結構来るよね。頑張れいろは!

 

 

「というか一色たち飯食いに学食きたんじゃねえの?食べなくて平気なのか?そろそろ時間やばいぞ」

 

いきなりの先輩の言葉で私も気づく。ヤバイもうこんな時間じゃん…たしかにウチらはここにご飯食べに来てたのにまだ席取りの段階じゃん…しかも先輩たちが座ってた席取られてるし。

まあいろはも久しぶりに先輩に会えてよっぽど嬉しかったんだろうな。時間忘れるくらい…

お腹が空いてしょぼくれてる私に気づいたのかいろはが先輩たちに挨拶した。

 

「あ、じゃあわたしたちこれで失礼しますね!せんぱい今日連絡するんでメールみてくださいね…?」

 

 

上目遣いで先輩にお願いするこの子あざとすぎる…!

 

 

「いやほらお前のそういうのなんかろくなことなさそうだしさ、今日はちょっとアレだアレ」

 

 

「…本物」

 

 

先輩が拒否気味に答えたあといろはが何かぼそっと呟いたけど何を言ったのか聞こえなかった

だけどその言葉に先輩だけは反応したのかいきなり挙動不審になった。

あ、これなんか弱みでも握ってるのかこの子…

 

 

「あ、あれなんか今日すっごい暇だわー。誰かメールとかくれないかな、今日は俺ずっと携帯いじってるわ。メール来たら即返信、これ紳士の嗜みだよな、うん」

 

 

「ですよねー、じゃあ先輩ちゃんと返事くださいね?後で連絡しますので!それではまたー」

 

 

そう言ってウチらは先輩たちのグループと別れやっと昼食にすることになった。

 

あぁ…お腹すいた

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございました。

今回は友人の白楽碧目線で書かせていただきました。

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