大学という場所は彼の周囲の環境をガラリと変えた   作:さくたろう

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はじめましてさくたろうと申します。

アニメと原作のいろはが可愛すぎて衝動で書いてしまいました。
SS初心者でいろいろひどいところがあるかもしれませんがお付き合いいただけると幸いです。

よければ感想やご意見をいただけると今後の参考になるので嬉しいです。


わたしの大学生活がはじまり、そして再会する。

 

桜舞い散る4月

わたしは無事に大学に進学した。

 

 

正直高校生活は、2年までは楽しかったけど3年は憂鬱だった。楽しくなかったと言えば嘘かもしれないけど何か欠けてるような気がした日々だった。

 

 

 

たぶん……、ううん、理由はわかってる。先輩が卒業したからだ。

3年前に生徒会長の件から先輩と知り合って、先輩が卒業するまでわたしの2年間はとても充実していたと思う。

葉山先輩に告白して振られた後から……、もしかしたらその前からかもしれない。

わたしは自分でもわからないくらい先輩のことを好きになっていった。先輩はひたすらわたしをあざとい後輩としかみてなかったかもですけどねー……

 

 

それでも先輩と過ごした日々は本物だったと思う。

奉仕部に遊びに行った日々や生徒会を手伝いにきてくれた先輩(わたしが無理やり手伝わせていた)との日々はわたしの中でそれはとても大切な思い出になっていた。

 

 

結構本気でアプローチをかけたりしたと思うんですよねー。

ほとんどがあざといでスルーで正直凹んだ日もあったりしましたね……

それでも毎回必ず付き合ってくれる先輩にわたしの好感度は上がる一方だったし、意外とわたしは単純なのかもしれない。

 

 

先輩たちの卒業式の日は、自分たちの卒業式以上に素で泣いてしまい、先輩に苦笑いされましたっけ。

泣き顔見せたくなくて、最後に挨拶できなかったのはわたしの人生の汚点とすら言いたいレベルだったかな。

あれで死ぬほど後悔して先輩が忘れられなくて、大学まで追いかけるきっかけになったのは間違いないと思う。

 

 

先輩の大学や学部とかは平塚先生が教えてくれた。なんだかんだこの先生には1年の頃からお世話になってるし、本当に感謝してます。(早く誰かもらってあげてくださいよー)

 

 

そんなわけで、高校生活最後の1年間を憂鬱にしてくれた先輩にしっかりと責任を取ってもらうため、先輩を追いかけて同じ大学に進学したのである。

 

正直、先輩の行った大学舐めてましたすいません。

3年が憂鬱だったっていうのは受験勉強ばっかりしていたっていうのもあるかもしれない……

これだけ努力して先輩を追いかける後輩のわたしってかわいいー、なーんて思っちゃったり。

まあでもこんなにかわいい後輩が自分を追いかけて大学に進学するなんて先輩は幸せものですよー?

 

 

入学して早々、何人かにアプローチされたけど、今は正直彼らを相手にしてるほど暇じゃなくて、早く先輩に会いたいっていうのが一番だった。

講義中もそんなことばっかり考えてしまい、声をかけられたりしても、先輩のいうあざといわたしを出すのを忘れてたと思う。

まずは先輩の情報集めないとかなぁ……、何の講義受けてるかとかサークル入ってればすぐみつけられるんだけどなぁ……

 

ただ、先輩のことだからぼっちだろうし探すの大変だなぁ。サークルとかも入ってなさそうだしね。

そんなことを考えているとまた講義が終わる。

こんなのでわたしこの大学の講義についてけるのかな!? これはもう早く先輩見つけ出して今の状況を打破しなければ……!

 

お昼になるとわたしは大学で知り合った友人の白楽碧と学食に向かう。

大学に入り、あざとい自分をあまり出してなかったわたしは意外と女ウケがよく、高校の時に比べ、女友達が多い気がする。

 

中でもこの碧は頼れる姉御キャラで一緒にいると落ち着くし、割とユーモアのある子だと思う。

まだ出会って数日だけれどもう出会ってから結構経ってる気分になる。

碧が男だったら惚れちゃってたかもしれない。

 

この大学に入った本当の理由も碧には伝えている。

だからだろうか、わたしがキョロキョロしているのを見て、碧がニヤケ顔で聞いてくる。

 

 

「今日も例の先輩探してるの?」

 

 

「ん?うんー。一応ね。割と目立つからすぐ見つかると思ったんだけどなぁ……」

 

 

「えー、でも聞いたイメージだとそんな目立つような感じはしないよ? むしろ目立たないんじゃないの?」

 

 

「んー、容姿はちょっとイケメンってだけで確かにそんなに目立つ感じじゃないんだけどね。なんていうのかな? 負のオーラっていうの? それが滲みでてて、それを象徴するかのような死んだ魚の目をしてるんだー」

 

 

「あんたのその話聞くとさ、好きで追いかけてきたんじゃなくて、何か恨みがあって、それを晴らすために追いかけてきたようにみえるよ……」

 

 

「恨みかー。若干それもあるかもねっ。でも先輩にはそれ以上に感謝してるし、こんなに好きになったのは先輩が初めてでやっぱりそれは本物なんだと思う。」

 

 

若干照れながら答える。あざといわたしをだしてるときは気にならないんだけどなぁ。素のわたしは意外と純情なのかもしれない。

 

 

そんな話をしながら今日の昼食の食券を買い、空いてる席を探してると、集団で食べていた人たちが食べ終え、席を立ちこちらに向かってくる。

 

 

 

その集団の先頭の男は若干の猫背でアホ毛があり、死んだような魚の目をしてブツブツ文句を言っている。

 

 

何を言ってるかまでは聞き取れなかったが聞いたことのある声だ。

やる気のなさそうなダルい感じの声……

 

 

目の前の彼が『彼』であることに確信したわたしはここしかないと思い、彼の前に立つ。

 

 

わたしを避けようとして下を向いてた顔が正面を向いた瞬間、わたしは精一杯の笑顔で彼を呼ぶ。

 

 

 

 

「せーんぱいっ、お久しぶりですねー!」




最後まで読んで頂きありがとうございました。

一応1話目ということでほとんど八幡といろはの絡みはないです。
2話目以降をいろは視点でいくのか碧視点でいくのか考え中です。
ほとんど妄想内容なので気軽に読んでもらえると嬉しいです

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