月に吼える   作:maisen

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第六話。

忠夫初出勤の日から一週間後。

 

人狼の里、犬飼宅にて、長老は頭痛を堪え頭を押さえていた。

 

 日の出を静かに迎えるはずの里が何時になく騒がしい。それもそのはず、里の中心にある長老宅からは、大勢が騒ぐ音がここ一週間程絶えることなく聞こえているからである。

 

「ちっくしょー!!」

 

「ただでさえ少ない人狼の女子が―!!」

 

「また犬飼家かー!!」

 

「忠夫ー!! 駆け落ちー! うらやましいぞー!」

 

「自棄酒じゃぁぁぁぁ!!!!」

 

「「「「うおぉぉぉぉぉっ!!!!」」」」

 

 何があったのかと言えば、単純に、生還の宴を開いていた彼らのところに、「シロが忠夫と駆け落ちした」という話が聞こえてきたのである。

 

実際にはそんな事実は無いのだが、噂好きな女衆によって付けられた背びれ尾ひれと、物的証拠として発見されたシロの書置きのせいでもはやそれは確定事項として里の中に広がっている。

 

さらに言えば、(気付かれて無いと思っている)シロが(そもそも対象外で気付いていない)忠夫にあからさまに想いを寄せている態度であったのが駄目押しにもなった

 

もう、誰も疑ってなぞいない状況で、その事実は彼らの心を深く抉った。

 

確かにまだ幼さを残していても、将来は美人になること間違いなしであり、忠夫に(届いてはいないが)猛烈なアタック(という名のじゃれ付き)を繰り返していても、もしかしたら、万が一とかあるかも、と、独り者として僅かにそんな気持ちを持っていたのである。

 

 それまで互いの生還を祝う宴会だった筈のそれは、瞬時に嫉妬の自棄酒へと姿を変えたのであった。それからというもの、一週間の長きに渡り続いている。

 

 呑み過ぎで倒れては放置され、暫くすればゾンビのごとく蘇り、再び酒瓶を手にして管を巻く。

 初めは心配していた里の者達も、原因の情けなさと延々と続く瘴気と嫉妬に満ちた騒音、そして放置していても何時の間にか復活しているのでまぁ大丈夫だろうと言う諦めがあり、彼らは鬱陶しがられながらも宴会を続けていた。

 

 何故か、長老宅の庭で。

 

 煩さに我慢できなくなった長老が制圧しようにも、近づけば集団で縋りつかれ、涙と鼻水と酸っぱい匂いのするナニカを服に付けられ、しかも延々と呪詛のごとく愚痴を述べられ続ける始末。

 

 ぶん殴っても酒のせいでダメージを受けず、何事も無かったかのようにすぐ戻ってくる。

 しかも、集団でだ。

 

たまらずその夜のうちに犬飼宅へ逃げ出した長老は、一週間たっても収まる様子の無い騒ぎをどうしたものかと頭を抱えていたのだった。

 

 

 

 とまれ、今、犬塚と犬飼と言う、この里でも指折りの剣士を呼んだのは、別にあっちをどうにかするとかそういう事でも無いのだから、と長老は頭を切り替えた。

 

 庭と酒蔵の惨状を想像してやや憂鬱になりながら、正面に座った二人の男に対して居住まいを正す

 

「全く…少し前まで女々しく陰に篭っていたかと思えば、すっかり元通りか」

 

 ふぅ、と溜息を吐いた長老の前で、二人の男達は頭を掻いたり、腕を組んで頷いて見せたりとそれぞれ行動は違えども、同じようにどこかすっきりとした顔をしていた。

 

「まぁ、我が娘もそろそろ大人。ようやくこの里から出ても獣の姿にならなくなったとことのほか喜んでおりましたからねぇ」

 

「左様。我が愚息はあの生まれの性か、獣どころか、半獣人の姿さえ取れなかったからなぁ」

 

「…この里では、場所や月にとらわれることなく人の姿を取れることが大人の証。そういった意味では、忠夫も十分に異端であるからのぅ」

 

 ふと、長老が昔を思い出すように遠い目を見せた。

 

「まぁ、沙耶殿のおかげで、少なくとも人間全体に対する偏見は消えたわけだ…」

「妻も、喜んでおりましたよ…ここの皆は、私を受け入れてくれた、と」

 

 それに対し、「当たり前じゃ」という誇りと自信に満ちた視線を返す長老。

 

 長老と同じように、どこか昔を懐かしむような眼を見せながら、犬飼家の仏壇に置かれた位牌に顔を向け、呟いたのは犬塚だった。

「強い女性でありました、我等の奉ずる月とは真逆の、太陽のような」

 

 と、何だか雰囲気を醸し出している二人の隣で、しかし夫であった犬飼は腕を組んだまま微かに唸り声を上げていた。

 

 目を閉じたままの彼の額からは、時折たらりと汗が落ちている。

 

 ぶつぶつと「拙者は尻に敷かれとらん」とか「押しの強さで押し掛け女房…」や「押し倒された気が……既成事実…睡眠薬……うっ、頭が」とか呟き続けている所を見ると、本人達にしか分らない事も色々あったのだろう。

 

「あの子も、太陽を持っておる。炎の固まりのごとき、な。…しかし、同時に、危険な物も、その内に秘めておるように思えてしまう」

 

 ふと、長老の口から呟きが漏れた。

 

 不安と、心配。

 

 出ていく事は分っていて、きっとそれはそんなに遠くは無いだろうと覚悟はしていたものの、やはりもう少し鍛えて、せめて霊波刀くらいは身につけさせてやるべきだったか、と。

 

 血の繋がりは無くとも祖父のようなものとして、孫の一人の独り立ちにはやはり気持ちが揺さぶられてしまう。

 

「ふん」

 

しかし、それを鼻息一つで断ち切る男がいた。

 

「妻の名沙耶は刀の『鞘』に通じます。その息子であるあやつなら美事、収めて見せるでしょう」

 

 

 実の父たる犬飼の、特に焦った様子も無い言葉には、確かに覗く信頼がある。

 

 誇らしさと、ほんの少しの、「なにか」の感情を隠しながらのその返答に、その親友は同じ、いや、隠された感情をこちらははっきりと示しながら呟く。

 

「炎を、か。しかし犬飼。拙者は、不安なのだ。鞘は『莢』。その中に、『包み育てる』性を持ってしまう。そうではないか?」

 

「「…」」

 

不安を隠しながらの返答でなく、はっきりとした犬塚の声に、沈黙で返す二人。

 

――いや。

 

「…くっくっく。良いではないか」

 

 長老は、先程見せた感情とは正反対の、全くの信頼をその声に乗せていた。

 

「それでも、あやつなら…忠夫なら、騒ぎながら、愚痴りながら、それでもきっと何とかする。そう、思っているのであろう?」

 

「…いやはや、流石は年の功、といったところでしょうか」

 

「…我が息子ながら、あれはまた沙耶の息子。あの、真綿の様で中身は神鉄で拵えられたような我が妻の鞘」

 

「「「あいつじゃ砕くにゃ早すぎる!」」」

 

 

 数瞬の後、犬飼宅は3人の爆笑に包まれ、更に数瞬の後、爆音を響かせてその部屋ごと吹っ飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――GS美神除霊事務所――――

 

 事務所のソファーに座って…いや、舌を出しながら「ぐてぇ」、として寝転んでいるのは、先ほどまで里で語られていた青年、元 犬飼であり、現 横島忠夫と呼ばれる青年であった。

 

「畜生うちの所長人使い荒過ぎだ…」

 

 ほぼ力尽きた野良犬の様相を呈している理由は、雇われてからの一週間で、まさに嵐のように依頼をこなしていった美神に主な原因がある。

 

 新たな助手を得て、GS美神除霊事務所はその対応力を増した。

 

それまで数々の依頼を、美神一人しかいない為どうしても人手が足りずに断ってきたその鬱憤晴らしのように、ひたすらポンポンとこなしまくったのである。

 

 海に行き、山に行き、異空間に行き、時には幽霊と共に銀行を襲い、またあるときは女子高で校長に青春を取り戻し、その挙句宇宙にまで事務所の活動は及んだのである。

 

「結局、まともに嫁探しは進まんし…」

 

 女子高では「危険物」と書かれたトランクに入れられて厳重に鍵をかけ、さらにごっつい鎖で巻いたあと呪縛ロープで巻かれて、そのまま依頼終了まで放置された。危うく閉所恐怖症になる所だったしトランクが開いた時に一番に目に入ったおキヌちゃんがマジ女神に見えた。

 

求婚は隣の雇用主に意識ごと叩き潰されたけれども。

 

 海では生まれて初めて逆なんぱ、とかいうやつをされたが、人妻と知って泣く泣く諦めた。

 

『人狼の里・独り者の鉄の掟=その四。子持ちの人妻に手を出すな!』に引っかかった為である。

 

ちなみにこの掟、破ればもれなく夫と独り者集団からの血の制裁があるため、正に鉄の掟となっている。

 

 ちなみに銀行員のおねーさんがたは、現金を持たない横島を歯牙にもかけなかった。

視界にも入れて貰えないほどの冷たさに「嫁に来ないか?」の「よ」さえ言えなかったのである。

 

「…えぐえぐ」

 現実の厳しさを知り、一人涙する横島であった。

 

 だが、そんな彼を気にもかけず、笑顔でおキヌを連れて帰ってきた美神は、上機嫌に彼の座ったソファーを軽く蹴って声をかけた。

 

 同じようなペースで働き続け、しかも一部はおキヌに任せて始めているとはいえ接客から事務、経理までこなし、依頼の際には最前線で霊力を振い除霊にあたる。

 

 そんな彼女は、何故か半人狼である筈の忠夫が疲れきっていると言うのに元気溌剌だった。

 

 しかし、忠夫は見た。

 

 どんなに三人疲れて帰ってきても、従業員二人がぐったりしているのを横目に札束を数えたり、通帳を睨んだりしているうちに見る見る疲れが取れていく美神の姿を。

 

 正直この人の方が人外何じゃなかろうか、と思いつつ、すっかり馴染んだ除霊道具を担いだ忠夫を車に乗せ、依頼現場に向かう三人だった。

 

――が、三人揃ってからの快進撃もここまでだった。

 

「きょ…協同作戦?!そんな話、聞いてないわよっ!!」

 

 ここ一週間というもの順調にその業績と依頼成功率を伸ばし、鼻歌交じりに上機嫌で次の仕事へと向かっていた美神であったが、ここに来て、とうとうその悪運も尽きてきたようである。

 

「え~。私は令子ちゃんと一緒にお仕事できるのを楽しみにしてたのよ~~。そんな言い方無いじゃない~~~」

 

 そのまま身を翻して逃げ出そうと…いやいや、厄介ごとを回避しようとしていた美神の髪を掴み、間延びした話し方で美神を引き止めた肩までの黒髪を持つ女性――GS「六道 冥子」は、楚々とした雰囲気を持つ、洋風お嬢様であった。 

 

 見た目は。

 

 

 そして、そんな年頃の女性、しかも、可愛い女性を目にした横島は、久しぶりの新たな出会いと言う事もあり、本能と煩悩がゲージを振り切った。

 

 

 カタパルト、オンライン! 発進、どうぞ!

 

 そんな脳内メッセージが流れたかどうかは知らないが、横島の身体は無意識のうちに宙を待っていた。

 

 犬飼 忠夫 いきまーす! 

 

 

 弾道ミサイルのごとく、正確に目標「名も知らぬ美女」の向かって飛び立つバカ一匹。

 

「お嬢さ~ん!」

 

 着弾まで、3秒

 

「嫁にっ!」

 

 おキヌが何時の間にか隣から突如消えた横島を見送り、美神が霊力を高めた右手を振りかぶり、残り2秒

 

「来ないっ」

 

 が、美神の裏拳が振るわれるより早く冥子の影が光を放ち、1秒。

 

「か――あぶろべしっ!!」

 

 美神の渾身の右ストレートより早く、迎撃ミサイルのごとく炸裂したのは、12本、いや、12匹。

 

「あ~。霊の気配でこの子達~、今殺気立ってるので~、近づくとあぶないですよ~?」

 

 GSの大家、六道家に伝わる、12神将と呼ばれる、現代では一国の軍隊にさえも匹敵する式神達であった。

 

 不埒者に対するお仕置きなのか、それとも主人を守ろうとする行動なのか、忠夫は直撃を受けた後も、十二支を模した式神達に纏わりつかれていた。

 

―――――ギャーッス!

 

「あ~れ~?」

 

―――ギブ、ギブギブギブ!

 

「あのバカ…。なに、どうしたの冥子?」

 

―――あ、アカンっ、もう電気はいーやーやーっ!!

 

「ん~、なんていうか~、あの子達、攻撃してるんじゃないわ~」

 

―――うおっ!あぶなっ!かすった!かすったって!!

 

「へ?」

 

―――キャインキャイ―ン!

 

「なんていうか~、久しぶりにお父さんにあって~懐いてるみたいな~?」

 

―――俺がいったい何をしたーーー!!

 

「あの、横島さんが大変な事になってるんですけど…」

 

―――がぶ。

 

「「「あ」」」

 

 

 

 

なんとかかんとか逃げ回ってはいたが、何せ相手には悪意や殺気というものが無い。

しかも冥子曰く、子供がじゃれているような――それにしては激しすぎてはいたが――ような物である。

個々でも反則気味の連中が集団で来るからたまったもんではない。何時の間にやら彼らに追い詰められていた横島は――大口をもった式神に咥えられていた。

 

しばらくじたばたと動いていた彼の下半身も、三人の前でその動きを徐々に緩慢にしていく。

 

おろおろとおキヌが手を出そうか出すまいかその周りを飛び回り、美神はどうしたものかと額に手を当て呆れた様子。

ひとりのほほんと眺めていた冥子は、忠夫を咥えた式神と目を合わせると、笑顔でこくりと頷いた。

 

彼女的にはもう良いから離してあげて、と言ったつもりで頷いたのだが、何故か彼らは横島を離す事無く彼女の影へとどんどん沈んでいく。

 

あれ? と首を捻った冥子に対し、もはやピクリとも動かない横島を咥えたままの式神が最後に影に飛び込み、そのまま消えていった。

 

どうやら、気に入られた横島は彼らの棲み家である六道冥子の影の中へとお持ち帰りされてしまったようだ。

 

「…ど~しましょ~?」

 

「…さっさと出して…まぁいいか。十二神将もいるし、戦力的には問題ないから、そのままほっときましょ。どーせ死にゃしないわよ」

 

「美神さぁーーん!」

 

 頭痛をこらえながらの美神の台詞に、おキヌは必死で呼びかけるも、「除霊に入る前から疲れたわ」という風に除霊対象の新築マンションに入って行った美神には届かなかったようである。

 

 

――それから数時間後、ようやく式神の『甘噛』から開放され、式神の涎でべたべたのまま影から引っ張り出された横島が見たものは、記憶の中では新築マンション『であった』瓦礫の山であった。

 

 非常に疲れた様子の美神曰く、色々あって、こうなった。予想はしていた(冥子が来た時点で)、反省はしているし(冥子と組むとこうなる)、後悔(冥子とはもう組みたくない)もしている。

 

 が、ちょっとまぁ…結果を見れば除霊には成功したのでOKだろう、とは思うが、依頼人が納得しないかもしれない。

 

 そう言って、後方で膝をつき、呆然とマンション後を眺めている依頼人を指さす。

 

「はぁ。で、どーするんすか」

 

「ゴネられる前にばっくれるわよ。さっさと乗りなさい」

 

「良いのかなぁ…」

 

 後ろめたそうな表情で依頼人を眺めるおキヌを助手席に押し込み、何となくばっちい横島を後部座席に蹴り込む。

 

 運転席にキーを捻る。

 

タオルを一枚後部座席に投げ、そのまま流れるような動きでアクセルとハンドルとサイドブレーキを操作。180°ターン。

 

 呆けたままの依頼人と、「お母様に叱られるわ~」と宙を見上げて慄いている冥子を置き去りに、嫌な事があった場所からとっとと離れたい、と言った感情を隠しもせずに、美神はアクセルを踏み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 その夜、六道邸にて。

 

「ん~~」

 

「あら~?冥子どうしたの~?」

 

「あ、お母様~~」

 

「珍しいわね~貴方が考え事だなんて~」

 

「そんな~、お母様ったらひどいわ~」

 

 なんとものんびりとした会話を交わす、六道冥子。

 

 が、その余裕も眼前の女性がまとう雰囲気が一変するまでだった。

 

「そんなことより~、貴方、また除霊に失敗したんですって~?」

 

「あ~、ごめんなさいお母様~~!」

 

 それまで冥子の影の中で大人しくしていた式神達が、その女性の放つ威圧感とともに冥子にプレッシャーをかける。

 

 母と呼ばれたこの女傑こそ、六道 冥華。

先代の式神十二神将の主であった。母子だけあって、その面立ちは良く似ているが、こちらは着物の着こなしからして熟練された「大人の風格」があった。

 

「で~?何を考えていたのかしら~?」

 

「それがね~」

 

 しばらくの間、奪われたコントロールを返してもらってようやく一息ついた、何処となく煤けている冥子と、母の会話は続けられる。

 

 中心は久しぶりに出会った旧友たる美神と、その従業員であり「六道に伝わる」十二神将に「異常に懐かれた」少年、横島 忠夫である。

 

「…そんなはずは無いわ~。あの子達は先祖代々伝わるれっきとした『六道家の式神』よ~?」

 

「え~、でもでも~」

 

「そんなにほいほい懐いてちゃ~、式神としては致命的よ~?」

 

「…ほんとなのに~」

 

 拗ねた顔をして部屋を出て行った娘を見送った後。しばらく、その絶えない笑顔の裏で何かを考えていた冥華は、なにかに思い当たったような、同時に凄まじく、ここ数年、睡眠中以外は殆ど崩さなかった笑顔を忘れるほどの驚いた顔をした後。

 

「フミさん~。フミさんはいるかしら~」

 

 また、何事もなかったかのように、筆頭侍女を呼びつける。

 

「―――ここに」

 

 何処からともなく、音どころか、気配すら出さずに背後に現れた懐刀の侍女に、全く崩れない笑顔で。

 

「お願いがあるの~」

 

「ハッ」

 

冥華は、お願いと言う、六道家当主としての命令を出した。

 

 

 

「あ"ー寒かったでござる。しかし、あの女、何が「すべて凍るはずなのにー!!」でござるか」

 

「……」

 

「あの程度で、この犬塚シロに流れるエモ・・・ごほんっ!もとい、兄上への想いが凍るわけがないでござる!」

 

「………」

 

「どうした~狐♪ そんなに凍ったことが悔しいんでござるか? ん~?」

 

「…グルルッ!」

 

「わーっはっはっは! ん~どっちに行くでござるかな~?」

 

ぴた(止まって)。じーっ(何かを確認した後)。…ふっ(もう一人に向けて嘲るような笑みを浮かべて)。ずだだだだだだっ(全力疾走)

 

「ちょっ! まてーい! このクソ狐ー!!」

 

「しくしくしく・・・・この世にまだ凍らせられないものがあるなんて・・・・・また雪女修行のやり直しね」

 


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