第四話の投稿です。
「コスモタイガー隊、全機発艦!」
ヤマトがそう言うと背中に背負っている艤装のハッチが開き続々とヤマトの艦載機コスモタイガーが発艦する
コスモタイガーは、高性能な機体で単機で惑星の重力圏内から宇宙空間への離脱ができるほどの高出力エンジンと様々な任務への汎用性を持った防衛軍正式採用の機体だ
ヤマトはこの艦載機を約四十機配備している
「ふぅ……全機発艦完了」
「終わりましたか?」
「ええ、何とか……コスモタイガーを全機発艦させるのは疲れるんですよ」
ヤマトは疲れた様子で砂浜の側に生えたヤシの木の影に座って主砲をバラしていじるキリシマの横に座った
ヤマトとキリシマは深海凄艦の駆逐艦と交戦したあとそこから南下し、そこで見つけたこの小さな無人島で野営をおこなっていた
「それ分かります。私もヤマトさんほどではありませんが、数機ほど搭載しているので分かります。艦内から直接発艦させるのはかなり気合いりますよね。事故でも起こしたら艦載機がしばらく発艦できなくなりますからね。」
「ですね」
笑みを浮かべながら言うキリシマにヤマトも笑みを浮かべた
「それじゃあ――」
ヤマトは真剣な顔をした
「コスモタイガーから偵察の報告がくるまでとりあえず現状を把握しておきましょう」
「了解」
「まず始めに主砲の件をお話しましょう」
ヤマトは背中の艤装から主砲を一つ取り外すと自分の目の前に置いた
「先の戦闘でなぜか主砲が作動しなかった件について」
キリシマは小さく手を上げた
「私から良いですか?」
「ええ、良いですよ」
「これを見てください」
ヤマトの了承を受けたキリシマは自分のかけているメガネのテンプルの部分を持ちいじるとメガネのレンズの部分が光りキリシマとヤマトの間に画面が投影された
画面には主砲の図面が映し出されている。
「原因が不明ですが主砲のエネルギー回路が焼ききれています」
投影された図面の問題を起こした部分が赤く点滅する
「幸い修理はすぐに終わりそうです」
「そうですか……ありがとうございました、キリシマさん」
キリシマの報告を聞いたヤマトは少し考え込んだ
「実は……私も同じなんです」
「えっ?」
ヤマトもキリシマと同じように空中に画面をいくつも表示させ各主砲の問題部分を表示した
「私も各主砲のエネルギー伝達回路が焼き切れていましてそれで恐らく発射できなかったのだと思います」
「ヤマトさんも同じだったんですか!?」
まさかの一致にキリシマは驚いて声を上げた
「……でも、ヤマトさんも同じ故障なんてこれはやはり、偶然ではないのでしょうか?」
「十中八九、偶然はあり得ないでしょう。私たちが地球に居る事といい、主砲が撃てなかった事といい、これをすべて偶然の一言で片付ける事はできません」
「では原因は何でしょうか?やはり……」
「波動砲」
ヤマトは静かに言った
「ではやはり!」
「ええ……先程、波動砲のチェックがてら先の戦闘のデータを解析しました」
ヤマトは波動砲発射時とその前の周囲の様子を時間ごとにグラフ化した動画を見せた
「これは……」
そのグラフをキリシマが興味深そうに見つめる
「そうです、ここを見てください」
グラフの動画が再生される
波動砲が発射される前はとくに変化は無いただまっすぐの線が横に伸びているだけだったが波動砲発射時刻になるとグラフの値が急激に上昇し一瞬で異常を示した
「通常、波動砲を撃つと空間が歪みますがそれを考慮してもこの値はあきらかに異常です」
「まさか……それで地球にワープ?したんでしょうか?」
「その可能性はあります。ですがそれが原因だとすると、もっととんでもない事もあり得ます」
「たとえばどんな……」
「時間や空間のズレです」
ヤマトはワープの原理を説明した資料を投影した
「そもそもワープは時間軸のズレ等様々な物の微妙なバランスの上に成り立っています。ですが今回のワープは波動砲が原因の未知のワープです。まだワープとは決まっていませんが……ワープだとすると私達は時間軸のズレ等を一切修正していません。つまり――」
「ここが異次元の間という可能性も未来や過去の宇宙と言う可能性も別次元の宇宙という可能性もなんでもあり得るのです」
「そ、そんな……」
キリシマは顔を真っ青にした
「まだそうだと決まった訳ではありません。コスモタイガー隊からの連絡がくれば詳細が分かるはずです。しかし、いずれにせよ主砲は使えるようにしなければなりません」
「そうですね」
「とりあえず、コスモタイガー隊からの報告が届くまでに主砲を使えるように修理しましょう」
「分かりました」
いよいよ次回、艦これのキャラクターが本格的に登場します。
第五話は来週には投稿しようと考えています。
ようやく日向さんのレベルが98になりました!
はやく99まであげたいです!