何だかんだでだいぶ時間が空いてしまいましたね。
それなりに長くなってしまいました。
---4月16日 朝---
麻帆良学園倉庫地区の一角。
学園のボート部が使用している倉庫の片隅に潜み一夜を明かした月光らは、この日の内に新たなサポーターとの合流を済ませ、安定した拠点を見つけ出す事で意見が一致。
しかし、日中の隠密行動に向かないIRVINGはアイラの制御の元この場に留まり、月光は再びホットスワップで自身の精神を青葉のMAVへと転送し付近を探索することにした。
『昨日の戦闘で消費したのは7.62mm弾36発、12.7mm弾12発、フラググレネード1個。 私が診断した限りだと損傷の程度は無傷の範囲だった。』
『やっぱり戦闘は出来る限り格闘戦をメインにするしか無いか。』
『そもそも戦闘せずに済むに越したことはないですけどね! それで補給はどうするんですか?』
『神様が投入したコンテナで何かしらのオマケが付いてくるみたいだけど、それをアテにし続けるのはあまり良いとは思えないからねぇ・・・。』
『じゃあ当面は弾薬の補充の目処はないという事?』
『そうなるね。 日本国内じゃ銃弾、特に12.7mm弾なんて簡単に手に入るとは思えないから最悪、駐屯地とかの施設からくすねるか自作するかになるかな。』
『弾薬はなんとか出来るかもしれませんが、ダーカーはどうするんですか?』
『どうするって・・・。まぁ、襲ってきたら撃退する他ないんじゃないかなぁ?』
『そこは分からない事だらけなのはしょうがないと思う。本来なら存在しないわけなので。』
今後の兵站やダーカーの存在等、不安要素が尽きないが今悩んでも仕方ないと気持ちを切り替えた月光に、ホットスワップ後のMAVへの最適化が済んだという青葉からの報告が入る。
電子錠の作動履歴に痕跡が残らないようハッキングしてもらい外に出ると、少し朝もやに包まれた学園はまだ静かではっきりと聞き取れるのは雀などの鳴き声と近くの道路からの走行音程度だった。
アイラが倉庫の中より各種システムで昨夜感知した反応の手掛かりを探ったが現在地からでは大した成果は得られず、結局は当初推測した新サポーターがいると思われる地域を、MAVのセンサーを頼りに見つけ出す他ないということになった。
飛行ルートの設定をすることで月光はただ周囲の監視と観測データのチェックをするだけ、と比較的単純な作業をしつつアイラと青葉と雑談をする。
MAVのセンサー類はIRVINGのそれと比べるとお世辞にも高性能とは言えず、探知範囲の狭さと捜索範囲の広さも相まって、アイラの計算ではこの倉庫群一帯を探索するのに夕方まで時間が掛かるとしていた。
その夕方の時間になると、臨時の隠れ家にしている倉庫にボート部員と思われる複数の人が入ってきたがバレること無くやり過ごすことに成功する。
---同日 夕方---
学園都市全体から見れば外縁の外縁、まさに端っこと言える所まで探索範囲を拡げ、ついに目的の反応を拾う頃にはすっかり日が暮れていた。
『反応はあの辺りの倉庫からか。やっと見つけられたよ・・・。』
『麻帆良大橋の南側にある倉庫全て調べて回ったような物でしたからね!さ、新たな仲間とのご対面と行きましょう!』
目当ての物は商業区の隅にある用途不明な廃倉庫群に紛れ、外観はどこにでもあるような鉄骨建てのそこそこ頑丈そうな倉庫でどうも電気が通っていないとみられた。
軒下には横長の突き出し窓があり磨りガラス加工され自然光はあまり入らなそうな造りで、後は通常姿勢のIRVINGでも問題無く通れるシャッターが1ヶ所。
そのシャッターの側には月光からすると旧式の液晶画面とカードリーダー、それからこれまで通りにジャックが端末が配電盤に偽装されて設置されていた。
『この倉庫自体が神様からの贈り物、と言う事なのかな。』
『青葉の時よりも反応が強いみたい。大型無人機でも入っているの?』
『どうなんでしょう?どうも合流前の未登録無人機の反応というのは全て同じ波長みたいなので、実際目にしてみるまではわからないですね。』
新たなサポーターに胸を膨らませつつ、偽装された端末の側面にあるプラグにMAVのマニピュレータを接続する。
何処かに電源があるのかしばらくしてアンロックされると同時にシャッターが開きLED照明で屋内が照らされこの施設の本性を目の当たりにする。
内部の様子は外観からは想像もつかないほど近代的な白色系を基調とした研究所のような内装となっており、小型ながらもしっかりとした天井クレーンが取り付けられコントローラーがぶら下がっている。
壁は一箇所に少し大きめの端末がある他、本来窓がある部分は全て空調機器と思われる物で塞がれ、その幾つかからは床へ真っ直ぐとダクトが伸びていた。
床面積も広く、一見したところバスケットコートほどのスペースがあり、隅の一角には地下に繋がってるらしき空母の甲板エレベーターのような物が設置され、倉庫中央にサイズこそ違えど前回と様式は全く同じコンテナが置いてあった。
そのコンテナは青葉の時の物と比べると、高さは変わらないものの横に一回り長い形をしていた。
こちらも例によって端末も付いており先と同じ手順でコンテナの開放する。
上面が開き電子音が3つ立て続けにすると、コンテナの中から3つの物体が飛び出し月光達の頭上を越えて後方に着地した。
「リトルチェイサー1番星、ベナトナシュ。」
「同じく2番星、スピカ!」
「更に同じく3番星!アルビレオ!」
「「「これより隊長の指揮下に合流するニャ!」」」
男声と女声のした後方を振り返り今回仲間になるサポーターの無人機の姿を確認する。
全身真っ黒で丸い胴体とそこから生える3本の人間のような腕を持つ3体は、月光の本体であるIRVINGとも関わりに深い無人機であった。
正式名称"
戦隊物の決めポーズを取りつつ「完璧に決まったニャ」「打ち合わせ通りニャね」等と話している3人は"リトルチェイサー"と名乗ったが、月光はネタ元がはっきりと思い出せずに少し悩んでいた。
そのため無意識に機体の主導権を手放してしまい、リトルチェイサーらの綺麗な決めポーズに感嘆していた青葉へ主導権が戻り、それをいい事に様々なアングルで写真を取りはじめた。が、直ぐに主導権を取り戻した月光よって撮影は中断される。
青葉へちょっとした小言を言おうかと思った月光だったが、先に新たに仲間になる3人に声を掛けることにした。
「リトルチェイサーの諸君!歓迎しよう、盛大にな! まずは共同戦術ネットワークへの登録を、それが出来たらスキットシステムのインストールをよろしく。」
『3人のネットワークへの追加を承認。 スキットも問題無くインストールされたみたい。』
『あーあ~、たいちょ~これでいいかニャ?』
『大丈夫そうだね。他の2人も問題無さ・・・』
『隊長、どうかしたかニャ?』
『私達の顔になにか付いてるニャ?』
月光が全システムのセットアップを終わらせた3人の顔を見て言葉が途絶え、リトルチェイサー達を含めた全員が不思議がっていたところで、月光はあやふやだったネタ元を思い出して声を上げる。
『あーそうか、リトルチェイサーって夢喰いメリーに出てたあの猫少年・猫少女軍団か。 ようやく思い出せたよ。』
『なんだか人外キャラとしか合流出来てない気がします。 もっとも、今の容姿も人間っぽい人すらいませんけどね!』
青葉の言うように元人間である月光以外、サポーター達の前世ともいえる人格の元になったキャラは皆、人間ではない者達で個性溢れる面子だった。
サポーターの人格がどのような基準で選ばれているのか想像もつかず、今後合流する無人機達がどんなキャラになるのか楽しみにしつつ、月光はアイラに索敵の指示を出すとTRIPODのスペックについて調べを進める。
TRIPODは月光のIRVING同様、MGR時のものとなっているが"mod.GOD"仕様のため幾つかの変更点があった。
人工筋肉はより強力な物へ換装され、一般人であれば簡単に組み伏せてしまうだけの筋力を持ち、更にハンドガンはもちろんサブマシンガンと場合によってはアサルトライフルも扱える。
各腕の間に小さいながらもカーゴスペースが計3箇所あり、装填済みのH&K P2000が1挺と予備マガジンが2箇所に分けて収納されもう1箇所は空だった。
機体前面部、胴体中央のカメラとセンサーが複合されたパーツをずらすと一部内部機器を露出させることが出来、それをスタンガンとすることで攻撃も可能。
背面部にはオリジナルのただのケーブルと違い、IRVINGなどと同じワイヤーアームが収納されている。
リトルチェイサー達の3機全てこれらの装備となって、彼らの連携能力ならかなりの戦力になると考えられた。
TRIPODのデータを読みながらコンテナの中を調べてみると、TRIPOD用収容ケースの他には、
・IRVING用RWS ブローニングM2重機関銃(弾薬無し)
同 スモークディスチャージャー計8基(装填済み) ×1
・MGL140 ×1
・40×46mm グレネード弾
高性能炸薬弾
空中炸裂弾
催涙弾
発煙弾
32発入り弾薬箱 各種1箱ずつ
・5.56x45mm NATO弾 840発入り弾薬箱 ×3
・鞘入りサバイバルナイフ ×10
・IRストロボマーカー ×1
・工具箱 ×1
以上の装備・弾薬類が詰められており、予想外の収穫に月光は満足していた。
一方、作業中のアイラを除く4人は猫耳がどうとか語尾がどうとかと言う話をしていたが、青葉がふと疑問を口にすると話題はおかしな方向へと向く。
『そう言えば自己紹介の時、名前の前に付いていた"1番星"とかどういう意味なんですか?』
『あぁ、その番付は
『強さ順とかじゃニャい? あ、でも私達得物が違うだけで基本能力はおんなじニャね。』
『他に考えられるとしたら・・・親分の
『オイ、ちょっと待てスピカ。』
話の輪に加わっていないアイラは周辺のスキャンと倉庫の設備の確認を済ますと、丁度TRIPODのスペックを調べ終えた月光に結果を報告する。
月光は上がってきた報告と他のデータを元に談笑していた4人へ指示を出す。
『ハイハイ、今から皆に指示出すからよーく聞いておいてね。 まずは青葉はリトルチェイサーの誰か1人を連れて周辺の倉庫を物色。最近の人の出入りとかの形跡を重点に調べてきて。』
『りょーかいです! それじゃあ・・・ベナトナシュさん! 一緒に行きましょう!』
青葉に指名されたベナトナシュは『何で俺なんだ』とぼやきながらもシャッターを開け、屋外で青葉に掴まると共に飛び立っていった。
探索において混線し双方の会話が混乱しないよう青葉とベナトナシュを別のスキットグループとして設定し、話があるときはネットワークを介して無線でCALLするよう伝える。
『さて残る2人は自分達と一緒に、あそこのエレベーターで地下へ。 電源設備のチェックと地下構造の把握が目的だから、自分が入れない所とか見てきてもらう事になるかな。』
『目立った生体反応は無いけど、狭い通路やダクトとかがあるはずなので。』
スピカとアルビレオをボディユニットに掴まらせてエレベーターへと乗り込む。
倉庫の一角にあるエレベーターは中々丈夫そうな見た目をしており本当に空母のエレベーターのようで、広さはMBTを基準にしてみると1両が難無く収まる程度。
エレベーターの端、壁際に備え付けられた操作台は背面にウィンチがあり、ワイヤーアームぐらいの太さの電線が数巻き残されウィンチの側面から別の電線で台と接続していた。
操作台はタッチパネル仕様の端末が組み込まれ側面には例によって、ワイヤーアームと同直径のプラグがあり接続し、システムを起動させてエレベーターが下降させる。
月光達を乗せたエレベーターはコンクリートのシャフトをどんどん下っていく。
操作端末の後ろにある壁は窪んで倉庫へ電力を供給していると思われる太いケーブルがあり、その壁の左右側の壁は両端には金網で仕切られた窪みにエレベーターを昇降させるワイヤーロープが何本も上下に伸びていた。
四隅にはシャフトの鉄骨に沿ってエレベーターのガイドレールがあり昇降板内部にガイドローラーが仕込まれているようで、レールの継ぎ目を通ると小さく電車のような走行音を立てる。
降下を初めて約1分後、エレベーターは徐々に減速し始めるとやがて操作台とは反対側の壁が大きな格子状の伸縮ドアへと変わり最下層階で停止する。
ドアが中央から左右に開くと同時に室内灯が点き、地下も地上部と同じような内装だが遥かに広い空間になっていた。
その広さに4人共驚きの声が漏れる。
奥行き150m前後、幅30m前後、高さは10m前後の空間に数歩進んだ月光の足音が響く。
『まさしく秘密基地って感じだね。 送電ケーブルは壁に埋め込まれてまだ奥に続いているみたいだし行ってみようか。』
ケーブルはわずかに発熱し赤外線カメラとセンサーでそれを感知し、追って施設を進むと上方へスライドして開く大きな貨物扉に辿り着いた。
扉の直ぐ左側にエレベーターにあった物と同じ端末が設置され、これまでと同じ手順で開放して行く。
扉が開き始めると向こう側から滝のような水音が聞こえ、向こう側が見えてくると既に明かりが点いており、3基の大型水力発電用の水車が部屋の左右と中央にそれぞれ鎮座している部屋に出た。
水は左右の壁と足元の通路の下を通り各水車の元へ流れ、水車を通った水は一本の水路に集まり鉄格子の先の穴へと流れ落ちていた。
更にその奥、各水車の基部から伸びる太いケーブルの先に発電機と蓄電設備があり、鈍い音を出して稼働中であることが分かる。
アイラが言うにはかなりの発電能力があり、蓄電設備もあることからまず電気に困ることは無いと言う。
これだけの設備を神様はどのように用意したのか全く想像がつかったが、月光は地上の倉庫とこの地下施設を活動拠点しようと考え、青葉とベナトナシュの報告次第で確定させることにした。
『電気さえあれば大概の事はできるから、是非ともこの施設を活用したいところ。』
『後は上の2人の報告だけニャね。』
『隊長、隊長! 私あそこら辺にあるダクトの中見てきたいんだけどいいかニャ?』
『んー、まぁ発電設備まで確認できたし後は自由行動でいいかな。』
『やった! アルビ!早く来るニャ!』
アーイという何とも言えない独特な駆動音をさせながらスピカが最寄りのダクトの鉄格子に駆けて行き、同じ音を出し慌ててアルビレオもその後を追って行った。
『いつ聞いても仔月光のあの間の抜けた音はシュールだねぇ・・・。』
『シュールさで言えばこのIRVINGも同じようなものなので。』
『まぁ確かにこんな兵器がモーモー鳴きながら跳んで来たりするのはそうだけどね。 でも直接対峙する敵からしてみたら、不気味で恐ろしいことこの上ないんじゃないかな! 怯えろ!竦め!武器の性能を生かせぬまま、死んで行け!!って感じで!』
『・・・この世界だとモブ相手にしか通用しないような気がする。』
『そういう立ち位置、大好物です!』
そんな事を話している内にスピカとアルビレオは、ワイヤーアームのマニピュレータを器用に使い、ネジを外し鉄格子を床に下ろしてダクトへと入っていた。
『なんか隊長すごく興奮してるニャ・・・。』
『あれはきっと小物臭プンプンで主人公に蹴散らされる悪役とか噛ませ犬だニャ。』
2人の反応を受け、アルビレオの評価にしっくりとくるものを感じた月光は"魔法先生ネギま!"の世界において、どういう立ち位置に入れば色々と美味しい思いが出来るか考えてみることにした。
(ここまでのネギま本筋との関わりや今現在の自分達の姿とかを考えてみると...)
昨晩の出来事から薄々学園側に月光達の存在に感付いているはずで、どう見ても殺戮兵器である自分達に自由を与え物語の舞台であるこの学園に留まらせてくれるだろうか。
勿論ネギを介したりしての交渉とかで何とかなるかもしれないが、その交渉の場で使える手というのは精々原作知識程度。
しかも記憶が不正確なところもあるため、この手を使う局面は慎重に選ばなければならない。
最終手段としては転生者であることをバラした上で本筋へと絡んでいく方法があるが、それはそれでその後に何が起きるか予測がつかなくなる。総合的に見て直接、学園側と接触を図るのはあまり気が進まない。
ネギに拾ってもらい自分達が決して敵ではなく味方である事を信用してもらうという方法もある。まだまだこの時期のネギは歳相応の子供っぽさが残っているはずで取り付く島もあるはず。
但しそこからネギがどう行動するか予測できないので、自分達がどのように本筋に絡むかも推測できない。悪くはない案かもしれないけど不安要素が多い。
(あと本筋に絡んでいけそうな案は・・・)
まだ何か案はないか考えていたところ、地上にいる青葉からCALLが入る。
≪どもぉ青葉ですぅ! この倉庫群周辺地域、64%の調査が終わったので報告したいと思います!≫
≪了解、この短時間に半分以上というのはかなり順調だね。 あと報告なら地下に降りてきてからでお願い。その後に今後の予定について皆とミーティングでもしようと思っててね。≫
≪了解です!それでは後ほど!≫
無線を切りダクトに潜り込んでいるスピカとアルビレオに声をかけ、今の2人の状況を確認すると同時に集合するよう伝えた。
『全部調べれた訳じゃニャいけど特段変わった所はなかったニャ。』
『まだまだ調べ足りないニャァ。』
『まぁ、またあとで自由に探索できる時間作るから。』
少し不満そうなスピカをなだめていると直通となっているシャフトを降下してきた青葉とベナトナシュも合流し、2人を本隊となるスキットグループに再度加えた。
スキットへ再接続し復帰した映像には、満足気な顔の青葉と顔が青く不機嫌そうなベナトナシュの対照的な2人の表情が映し出され、明らかに青葉が何かをした様子であった。
『隊長、聞いてくれ。 青葉の奴、あのシャフトでフリーフォールかましやがったニャ・・・。』
『絶対楽しんでもらえると思ったのですけどねぇ。 次はもう少しソフトに出来るよう精進します!』
『いや、やらニャくていいから。』
『禁止はしないけど安全な範囲で程々に頼むよ。 それで、この周辺を調べてみてどうだった?』
『はい、商業施設に隣接する倉庫以外は1年ぐらい使用された形跡がありませんでした。 なので南側に広がる森を含めますと半径500m圏内は現状無人になります。』
青葉が示した地図は色分けされており、現在地の青色の倉庫を中心に半径500m以内にある建物は全て廃屋と判断され緑色に塗られていた。
商業施設は水色、人の出入りのある施設は青色、未調査の施設はオレンジ色で塗り分けられ、現在位置から最も離れた区画の調査が終わっていないようだった。
『ふむ、ここを活動拠点としても問題無さそうだね。』
『上のコンテナはどうするニャ?』
『色々入ってるしあそこにあると邪魔だから、地下に持って来ておこうか。』
エレベーターを使い全員地上に戻ると装備が詰め込まれたコンテナを、天井クレーンで吊るそうとしたがフックとコンテナを繋ぐ物がなかった為、月光とリトルチェイサー達が全身を使いエレベーターまで移動させた。
特にやることのない青葉は声援を送りつつ、こんな廃倉庫群の中で明かりが漏れているのはあまりにも不審と言うことで、倉庫の電灯を消しに壁ある端末を操作しに行く。
地下についても地下にもコンテナを運搬出来るものが無く、仕方なく引きずり何処か邪魔にならない所へ移動させる。
エレベーターからほど近い壁際まで移動させ振り返ってみると、やはりというべきか床には擦った後などの傷が残されていた。
それを気にしても仕方ないということで次の指示を考える。
とは言え特にやることもなく先の約束通り、自由行動の許可を出す。
但し外は既に夜となり魔法教師らが巡回し始めていると予想されている為、行動範囲は地下室のみとした。
リトルチェイサー、特にスピカは大喜びで開けっ放しにしていたダクトの元へ向い、アルビレオも彼女ほどでは無いがこの地下施設の構造に興味があり、その後をついていく。
ベナトナシュと青葉はコンテナの中を漁り装備品類の点検を始めたが、青葉はマニピュレータで真面目に作業を進めるベナトナシュへ手伝いながらも時々ちょっかいを出す。
『新しい警備ローテーション組もう! 新しい!シフト表の!テンプレート作った!ので!!』
それまで何かを作っていたアイラが唐突に声を上げ、そう言いながら全員に空白のシフト表を転送する。
各自思い思いに行動しながら会話に参加しローテーションを組み始めた。
和気あいあいといった具合に作成していくサポーター達を眺めていた月光だったが、ふと今後の予定について案を練っていたことを思い出す。
早いうちに原作介入の計画を確定させたい月光は編成は皆に任せ、考え事がするから用があったら直接通信でCALLを掛けるよう伝えると、スキットの受信音量を下げてある程度集中できる環境を作る。
その頃には既に日付が変わっていたが、誰一人としてそのことに気が付かず時間が過ぎていった。
取り敢えず、増援サポーター第一波登場完了です。
仔月光は初めて見た時の印象はもう覚えてませんが、その後のアウターヘイブンの通路では大変にお世話になった覚えはあります。
ある時はM82A2、ある時はLMG、ある時はドラム缶、とDPの荒稼ぎをさせてもらいました。
破壊の限りを尽くしてたので腕に麻酔銃撃てばスタンさせれることを最近知りましたよ。
それはそれとして、今回この仔月光たちを何体登場させどのキャラをあてるはめるのか少々悩みましたが、一応現状ではこの
リトルチェイサーですがスピカ、アルビレオはともかくベナトナシュは人間に化けた際の姿は漫画の様々なシーンから推測して、その見た目から想像したキャラで書きました。
そのため半分はオリジナルキャラと言えるかもしれません。
名前がわかっている娘は是非とも出してあげたいのですが、中々原作で登場しないので(ラナは除く)まだまだ今後の出番に悩みます。
今不安なことといえば上記の3人を混ぜた会話でちゃんと誰がしゃべっているか判別できるかどうかでしょうか。
3/30追記
この前、原作単行本15巻を買いました。
ベナトナシュが想像とあまり差がないのはちょっと嬉しいですね。
それからアルドラ(メガネっ娘)の出番がたくさんありましたね。後一人いればTRIPOD隊をもう1隊作れそうです。
個人的に何より重要だったのはリトルチェイサー間でのそれぞれの呼び名が分かった事ですかね。
ベナトナシュやアルビレオは名前が長いのであだ名とかがあるんじゃないかと思ってました。アルビレオもあだ名がありそうですが今のところは不明でしょうか?その辺りよろしければ情報提供をお願いします。
あとアルビレオかわいい。
次回はミーティング回。
ネギま原作ではもうすぐ修学旅行編になります。
話の内容も更新も徐々にペースアップしていきたいですね。
どうでもいい話なのですが本作のアクセス解析で2015年6月分の第1話のアクセス数が1942回を記録していました。
次は1943回まで到達させてみたいですね。
更にその次は2142回でしょうか?
しかし1話辺りのアクセスではとても難しいでしょうね。