科学と非科学の歯車   作:グリーンフレア

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 Metal Gear Survival楽しみです(白目)
どうしてメタルギアの名前使う必要があるんですか。いっその事MGOのオマケにすればいいと思うんですけど。


ACT.19 痴女科学者と計画の行方

 プライムコンテナのハッチが開き切る。

が、サポーターがいるものと思っていたそれからは、青葉やリトルチェイサー達のように誰かが出てくる様子はなかった。

 

 いつもならIRVINGに憑依している月光が目線の高さにより容易に中身を覗いたが、今はコンテナの方が誰よりも高く中がどうなっているか知る事は出来ない。大型の武器・装備が入っているのかと当初の予想を覆し、仕方なく月光達はコンテナの縁によじ登る。一方で超達は自走式シザーリフトを持って来たりして中の様子を窺う。

 

 

 

「わ~、武器とかがいっぱいありますねー。」

 

「弾薬の他に旧式の物から数年後に登場する物まで。武器だけを見れば当たりと言える品揃えだけど・・・。」

 

「問題は真ん中のモノ、カナ?」

 

 

 MG42、PP-19Bizon、SAIGA-12、Magpul PDRと弾薬箱が収められている中、6人の視線の先にあるのは武器弾薬に混じってコンテナ中央にある物体。

 MGS4に登場する各章のボス、BB(ビューティ&ビースト)部隊の一員であるラフィング・オクトパスが綺麗に丸くなっていた。見下ろす位置にあり、月光達からはパワードスーツに覆われているモノが何であるかは分からないでいる。

 

 

『おかしいな、プライムコンテナに入っているのは無人兵器のはず。・・・もしかしてMGRのサイボーグみたいなのが一緒なのか?』

 

『となると初の人型ニャね!』

 

『サポーターもどんな子か楽しみニャ!』

 

 

 

 新たなサポーターに期待が膨らむアルビレオとスピカ。月光とベナトナシュもサポーターは気になっているが機体の方も注目しており、特にベナトナシュはどんな戦い方が出来るのかに興味があるようだった。

 

 機体を詳しく見ると触手基部(仮)はグレーがメインだが、ホワイト寄りのグレーも斑に入り、その他センサー類のライトカラーは水色、触手は少し赤みがかったグレーといった具合で、元になった機体とは色合いが違っている。覆っている触手の隙間から、奥の方が見えたが触手の密度が高く詳細は分からなかった。

 

 ラフィング・オクトパス(?)に近寄って、声を掛け揺らしたりノックしてみたりしたが、相変わらず反応はなくパワードスーツの類かと予想し、ワイヤーアームの差込口を探すがそれらしい物は見当たらない。

 月光は差込口を探すのに集中して気付かなかったが、微かに聞こえる声をベナトナシュは感じ取っていた。

 

 

 

「ちょっと待つニャ。こいつから何か聞こえる。隊長もう少し近寄れるニャ?」

 

「ここら辺か?・・・ん?」

 

「よぉじょが、ツインテールの幼女がいっぱいぃ・・・。えへ、えへへへへへ・・・。」

 

「「・・・。」」

 

 

 小さく聞こえてくる女性の寝言。サポーターが宿っていることは分かったが、聞こえてくる内容は明らかにおかしかった。

 

 

「叩き起こすか。」

 

「わぁい、総二様がショタっ子に・・・。ぐへへへへへへ幼女とショタ総二様ぁ、まさにパラdッッッグヘァ!!」

 

 

 

 手近にあったMG42を某カールスラント軍人よろしく、銃身が曲がらないよう気を付けながら、ラフィング・オクトパス(?)の触手基部を殴り付ける。女性らしくない悲鳴と共に体勢を崩すと、すぐさま触手が展開し倒れ込むのを防ぐ。それによってようやく機体の全容が見えた。

 

 触手基部と思われるパーツは、同じ物をもう1つ裏返し合体させてその触手を元からある物に対し後ろにずらした様なレイアウトになり、計8本の触手が生える基部はオリジナルより厚い。

 そして本来ならラフィング・オクトパス本体の背中が接続される位置だが、腕が無く綺麗な丸になったTRIPODがあるだけで、これが機体の本体部あたるようだった。

 

 

 

「いたたたた・・・。もう、せっかくいい夢を見てたのに・・・。」

 

「その夢とやらはとても如何わしい雰囲気がしたけれどね。取り敢えずは自己紹介をお願いするよ。」

 

「あら?月光さんはIRVINGに転せ「詳しいことは共戦ネット(共同戦術ネットワーク)で説明するから!」わ、分かりました。んんっ、では少々お待ち下さいね。」

 

 

 そう言うと彼女は下側の触手4本を器用に絡ませ、人の形に見立てるとオクトカムが起動。オクトカムにより、僅かな時間で触手の質感と形状が変わっていく。

 何がどうやってそうなったのか、実に豊満な胸を強調する服に白衣を羽織り白い長髪をなびかせる女性へと変貌し、アルビレオの人型機という予想はある意味では当たっていた。

 

 

「私はトゥアールと申します。()()()()()()()()が大好物の科学者、とでも言いましょうか。」

 

「その嗜好、わざわざ自己紹介で強調しなくていいからね?・・・・・・しかし俺ツイのトゥアールかぁ。これは、荒れるかなぁ。」

 

 

 

 無駄だと思いつつも一応は注意を入れ、超一味とリトルチェイサーの面々と挨拶を交わすトゥアールを見る。

 彼女の持つ高い技術力は非常にありがたいものだが、原作での変態の一言で片付けられる言動を知っていて、それを率いる立場である月光としては少し不安だった。

 「変な厄介事だけは勘弁願いたいなぁ」等と思っているうちにトゥアールの共同戦術ネットワークへ同期が完了し、機体の情報がネットワーク上に追加され始める。

 

 外部スピーカーでそれぞれへの挨拶を済ませたトゥアールには、手の空いているスピカとアルビレオに現状説明を任せ、月光自身は超達と重要な話がしたいと申し出る。例によって会話グループを分けようとした時、猫耳ツインテールのアルビレオがトゥアールの餌食になったらしい悲鳴が聞こえたが、ある程度予測できていたことだったので無慈悲に隔離する。

 

 

 

 

 コンテナから出て彼女達に案内されたのは、すぐ近くにあった設計図などが広げられている如何にも研究室に必ずあるような様子のディスプレイ付のテーブル。二人は備え付けの椅子に腰掛け、月光(とベナトナシュ)はテーブルに上がると断りを入れてディスプレイにマニピュレーターを接続し、今朝届いた"Project M"について話を切り出す。

 画面に映し出したのは計画全体の概略図。しかし、バツで上書きされたり但し書きが書き足されたり等幾つかの項目が目立つ。最早、書き直した方がいいのではないかと思う程だった。

 

 

 

「話、というのはこれなんだけど・・・。」

 

「やはりその部分の事でしたかー。お二人?で話されたいこともあるでしょうから、私はのんびり資料とデータを用意しましょうかー。」

 

「気を使わせてしまってスマナイネ。」

 

 

 「お気になさらずー、飲み物も持って来ますねー」と言い残すとコントロールルームと休憩部屋へと出かけていった。

 

 

「ハカセの事だから20分は掛かるカナ?特に内密にしておきたい事も無いが、まずはダーカー関係から話すとしようカ。」

 

 

 

 これらの問題はかなり深刻らしく表情は今までと比べ真剣味が増し、気を引き締め直した月光は原作との大きな差異を改めて感じることになる。

 

 

 

「ダーカーについては資料と前に話した通り、魔法世界でしかその存在は確認されていなかたヨ。それが先日突如この麻帆良に現れた。何故奴等が今になてここに現れたカ。その理由は分からないが、密かに手に入れた学園の調査結果と私なりの調査から、それとは別に大きな問題が出てきたネ。それも今回の計画の根幹に関わる重大な問題。」

 

「・・・もしかしてこの鬼神の使用について関係している事?」

 

 

 概略図の中、月光が目をつけた"鬼神使用について"の項は他の項目より目立つように赤線で囲まれ、すぐ隣に「要変更」とある。

 

 

「その通り。鬼神が使えないのだヨ。これでは迅速かつ強力な巨大魔法陣の生成がとても難しいものになるネ。」

 

「でもそれがダーカーとどう関係しているのやら。」

 

「・・・ニャるほど。学園の結界だニャ。あれは確か高位の魔物とかを封じ込める力があったはず。もしかするとダーカーにも影響しているかも知れないニャ。」

 

「あー、つまり鬼神を開放するために結界を落とすとダーカーが湧いてきてしまうって言う事か!」

 

「ウム。正確には"結界が復旧すると"だがネ。」

 

 

 

 学園の報告書によるとダーカーは結界外から常に学園内に侵入する機会を伺っており行動パターンから狙いは世界樹の魔力と見ているそうで、結界が消失した時に密かにダーカーが潜伏し結界復旧後に活動を始めるという。

 しかしなぜ世界樹の魔力を狙い、わざわざ結界復旧後に活動し出すのか、もし予定通りProject Mを開始し結界の消失状態が長引いた時にはどう行動するか等の他、月光達を執拗に追跡してきた挙句、攻撃を仕掛けてくるといった事もあり、分からない事がいくつも残る。

 

 とにかく今まで魔法教師・生徒の対応で奇跡的にも被害が出ていない所で、沢山の人が訪れる学園祭にダーカーの出現は必ず避けなくてはならず、危険性を減らすためにこのまま学園結界を維持しそれに頼って計画を進めるしか無かった。

 学園側もダーカーについて全く対策をしていないという訳でもなく、学園内に潜伏している可能性を配慮し警戒を強化しているらしい。

 

 

 

「なんだか不思議な状態だね。最大の障害を最悪の事態を防ぐため敵にも知られずに利用するなんて。」

 

「ダーカーによる被害を0にする為と言うのは分かったが、鬼神の代わりはどうするニャ?」

 

「実はこの推測は昨日立てたものでネ。再検証や君達の事でまだ手付かずだヨ。」

 

「それはまた・・・。そんな忙しい時にお邪魔してしまって申し訳ない。」

 

「謝る事はないヨ!サンプルを手に入れる機会があたから、むしろ感謝しているぐらいネ!」

 

 

 

 サンプル、というの物に覚えがなく余計に悩む月光。その感謝される理由は月光達がダーカーと実弾兵器等で交戦した結果、路地のあちこちに砂状のダーカー因子を散らしていたからだった。その後の魔法関係者による浄化作業を逃れたそれらを回収し、麻帆良での貴重なサンプルとして研究に役立っていた。そうして辿り着いたのが前述の推測である。

 

 またこのサンプルから思わぬ副産物が得られていた。それはこの麻帆良で採取した残留ダーカー因子は侵食性が著しく低下しており、日頃から世界樹の魔力の影響下にいる一般人等にはほぼ無害といえるほど弱体化状態にあった。簡易的な実験の結果からこの弱体化は恐らくダーカーの戦闘力自体にも影響を与え、その原因は世界樹の魔力であるという仮説を立て、これから本格的な研究に取り組むという。

 

 葉加瀬がいるとは言えこうしたイレギュラーの研究の他に鬼神の代替案等、やるべき事がとても多い状況で、学園生活に左右されることのない協力者が得れるというのは超にとってもありがたい事だった。

 

 

 

「これも推測になるがダーカーが世界樹を狙う理由は恐らく弱体化の効果を排除する為。だがそれから先の目的は分からないネ。」

 

「何にせよダーカーが出てこないに越した事はない、か。」

(確か世界樹の下にはネギの父親と創造主が封印されているはず。そんでダーカーの最終目的は"深遠なる闇"の復活・・・。まさかねぇ・・・。)

 

「それで計画の変更についてだが・・・。」

 

 

 超が何かに気付き視線を逸らす。その先にはポットやコンビニ弁当、資料やUSBメモリ以外にコンビニにあるような肉まん蒸し機までカートに載せて戻ってきた葉加瀬の姿があり、時間を見ると彼女が席を立ってから30分近く経っていた。

 

 

「この話は大勢でした方がヨロシイネ。お帰りハカセ!」

 

「遅くなりましたー。お話の方はもうよろしいですかー?」

 

「大丈夫だヨ。丁度これから計画の見直そうとしてたところだたが、折角だから休憩ネ!」

 

 

 

 カートに載せられていた物を次々とテーブルへ移していると、コンテナの中から説明を終えたスピカ・アルビレオ・トゥアールも出てきて合流する。

 トゥアールはオクトカムを解除し本来の姿に戻っていたが、アルビレオは何やら疲れた様子でぐったりしていた。スピカによると、あるはずの無い人型の肉体を直接(まさぐ)られた様な接触を受けたと言い、アルビレオが集中的にその被害を被ったらしい。

 

 超達は外の時間では夕食になる食事を摂りつつ、立ち直ったアルビレオも含めたサポーター達と会話を楽しんでおり、月光とベナトナシュはそれを環境音にして受け取った資料とデータに目を通していく。

 

 受け取ったのは"修学旅行中にしてもらいたい事"、"代替案の必須事項"と二つに纏められたファイルだった。それらファイルはそれなりの枚数であったが捲ってすぐの一枚目、それぞれファイルに書き記された概要は、いくつか項目があるものの前者は「学園祭に向けて戦力を強化せよ」という事。後者は「鬼神の代わりとなる大型機を作れ」とのこと。

 他に重要案件となるものとして"修学旅行中に~"の方にはネギパーティーの実力測定の為、要員を派遣するようにという要請も盛り込まれている。

 

 

 

「鬼神の代わりかぁ。当てはあるけど武装をどうするか。」

 

「これだけの科学技術者が揃ってるんだ。どうとでもなるニャ。」

 

「でもビームはなー・・・。いや、しかし・・・。」

 

 

 ベナトナシュはファイルを読み、月光は接続を保てていたデータベースである数種の設計図を見つけ、一人ドツボに嵌まる。やがて夕食を食べ終わり片付けをしていた葉加瀬が彼にとって都合の悪いことを思い出してしまう。

 

 

「そうそうー。月光さんの意識体がどのように存在しているか解析するの件ですがー、Project Mの見直しが済んでからでどうでしょうかー?」

 

「忘れ去ってくれてたら良かったのに・・・。」

 

「月光さん逃げては駄目ですよ?これは私達なりのAIが作れるチャンスなのですから!さぁ全てを曝け出しましょう!」

 

「ああ逃れられない!」

 

 

 

 隅の蒸し機と資料などこれから必要な物以外をテーブルから片付けたが、時間をもう少し貰いトゥアールも手伝わせて急ぎ代替機を設計する

 

 そうして出来上がり、ディスプレイに映し出されたのは6機のメタルギア。

PEACE WALKER(ピースウォーカー)

ZEKE(ジーク)

SAHELANTHROPUS(サヘラントロプス)

REX(レックス)

RAY(レイ)

EXCELSUS(エクセルサス)

 

 トゥアールによって作られた即席の設計図と仕様書では、求められる機体性能や装置を積む為のキャパシティともに十分備え、戦闘能力も無名の鬼神達に迫るものだった。実機を作ってみなければ分からないが、トゥアールは「すっごい生産設備もあるのですから大丈夫です!」と自信満々である。

 

 続く他の兵器を含めたプレゼンテーションでは、元々超は非殺傷武器がありに死者・重傷者を出さないのであれば大抵の物は許可するつもりで、メタルギアともどもゴーサインが出る。

 外の時間で明日になると超と葉加瀬は修学旅行に出て連絡が困難になってしまう。そうなる前に残された時間でできるだけ形になるよう早速作業に取り掛かるのだった。 




 二話に分けたのに私自身ここまで話が進まないのが驚きです。



 次回はいわばダイジェストで修学旅行編を端折り、動きがあるところ手前まで一気に飛ばしていこうと考えています。





○コンテナの中身
 本文中でどこに入れるか悩んだ挙句、こちらに放り込んでおきます。
メモ書きしてある設定集的な物からほぼコピペしただけなので、もちろん読み飛ばしていただいて結構です。

・トゥアール(俺ツイ)
 MGS4登場のラフィング・オクトパスをmod.GOD仕様に改造したものが乗機。
機体名はOCTOPUS。
 機体構成は触手・触手基部を合わせて触手機構:テンタクルスブロック。ラフィング・オクトパス本体がいた所にTRIPODの球型部を少し形を変えてセットした本体:コアブロック。

 その他オリジナルとの変更点
オクトカムはより高性能に。
コアブロックの耐弾性能は12.7mmクラス数発まで。その他は非常に高い耐弾性能。
テンタクルスブロック上面の3つの射出口からは浮遊爆弾兼地雷の他に吸着機能付き浮遊カメラを射出する。
 基本的には非戦闘要員。ただしポテンシャルは高め。原作通りのキャラだが観束総二がいない分、百合・腐女子・ショタコン方面へ変態属性を追加。

・MG42 4挺
└7.92x57mmモーゼル弾
 75発入り ダブルドラム型弾薬箱 各1個
 250発入り 41年型弾薬箱 4箱

・PP-19 Bizon 1挺
└9x19mm パラベラム弾
 64発入り スパイラルマガジン 4個

・SAIGA-12 1挺
└12ゲージ バックショット弾
 8発入り ボックスマガジン 4個

・Magpul PDR 1挺
└5.56x45mm NATO弾
 30発入り STANAGマガジン 4個

・7.62x51mm NATO弾 200発入り弾薬箱 3箱

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