俺ガイルSS やはり俺の球技大会は間違っている。   作:紅のとんかつ

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エピローグ それから俺は少しだけ変化した日常に戻り出す。

 

 

 自転車に股がり、朝の冷えた空気を切りながら学校を目指す中、俺は学校の時計を見上げる。

 

 

 時間的にまだ余裕がある事を確認すると俺は自転車のスピードを落とした。

 

 

 球技大会の次の日、俺は何時もの時間に家を出た所、体に凄まじい筋肉痛が走り、自転車をこぐのに苦労し学校に遅刻しそうになったのだ。

 

 あれから三日ほどたったが、遅刻しないよう早めに家を出るように心掛けていた為か、今日は時間に余裕が出来た、むしろ出来すぎてしまった。

 

 

 ホームルームまで時間が空いてしまい、どうやって時間を潰そうか考えながら下駄箱を開くと、そこに意外そうな顔をした由比ヶ浜が現れる。

 

 

「あれ? ヒッキー、今日は随分早いね!」

 

 まぁな。

 そう返しながら靴を履き替える。

 

 

 

 

 

「……おはよう」

 

 一応、と朝の挨拶をすると由比ヶ浜はあ、と反応した後、片手を上げ嬉しそうに挨拶を返してきた。

 

「うん! やっはろ~!」

 

 

 

 前々から思っていたのだが、その挨拶は朝昼晩共通挨拶なのだろうか?

 

 ”やぁ”と”ハロー”の合体語と仮定すると、朝に使うべきは”やっぐっともー”になるのだろうか?

 

 そんなどうでも良い事を考えながら歩いていると、由比ヶ浜が隣で歩いていた。

 

 

 

 ……お前このままだと二人で教室入る事になる訳だが、ここはトイレにでも行くフリをしてずらすべきだろうか?

 

 いや、むしろ自意識過剰だろうか。

 

 

「ヒッキーは土曜日何で行くの?」

 

 

 由比ヶ浜の質問。それは土曜日に行われる球技大会の慰労会の事だろう。

 球技大会の夜、俺は疲れた体を押し、受験で頑張る小町の為に夕食を作っていたらメールが届いた。

 

 

 内容は

 ”比企谷君! 土曜日遊びに行こう!”

 

 問題はそのメールアドレスは知らないアドレスだった事だ。

 

 

 顔文字が無いから由比ヶ浜じゃない、

 雪ノ下にしてはフランクすぎる、

 平塚先生にしては雑すぎる。

 

 

 いや誰? と他に自分を比企谷君と呼ぶ人間を思い浮かべるとめぐり先輩と雪ノ下陽乃さんが思い浮かび、陽乃さんなら俺のアドレスを調べる位やりそうだと思い浮かべたりしていた所に、

 

 一色から

 ”戸部先輩がしつこかったんで、先輩のメルアド教えちゃいました(笑)先輩だから良いですよね?”

 

 とメールが届いた。

 戸部かよぉおお!!

 しかしアイツ漢字なら俺の名前間違ってないのがさらに紛らわしい。

 

 

 なんやかんやで、その土曜日は球技大会で協力したメンバーで行う慰労会の誘いという話になり、なんやかんやで結局行くはめになったのだった。

 

 しばらく思考していたら由比ヶ浜が顔を覗きこんできた。だから近い近い。

 

 

「街だろ? 電車、だな……」

 

 大分後れて返事を返すと由比ヶ浜がもじもじし始める。

 

 

「じ、じゃあさ、一緒に」

 

「あんれー?」

 

 そんな会話をしていると急に後ろから声をかけられ、俺と由比ヶ浜の肩を叩かれた。

 朝っぱらからテンション高い男、戸部翔だった。

 

 俺たちの間から二人の顔を交互に見る。

 

「ヒキタニ君! 結衣! ウェーイ! 今日は元気系? 珍しく早いじゃない!」

 

 朝から声でけ~。

 由比ヶ浜もそう感じたのかム~、と頬を膨らませていた。

 

「……お前は元気一杯で羨ましいよ」

 

 

「だべ~? 元気なのが取り柄なんよ~! むしろそれしか無いわ~!」

 

 

 皮肉が通じず、勝手にテンション上げていく戸部。

 

 

「いや、声でけ~って。聞こえてるから……」

 

「いやむしろヒキタニ君も元気上げてこ~ぜ!朝は大事っしょ!」

 

「いや俺はいいよ」

 

「それじゃ駄目っしょ! 俺朝からランニングしてきて、朝シャンしてきたんよ! 新しいシャンプー良い香りしない?」

 

「お前止まんねぇな」

 

 

 戸部の勢いに圧倒される俺。

 ていうか由比ヶ浜さっきから何怒ってんの?

 

 

 

「あ、隼人君だ! じゃヒキタニ君、結衣! また後でね! 雪ノ下さんにも宜しく! 土曜日楽しみにしてるわ~! お~い隼人君~!」

 

 

 こうして戸部は俺達を竜巻のようにかき回すと、前を歩いていた葉山達の所に走っていった。台風みたいな男だな……。

 

 

「……いや、すげぇなアイツ」

 

 そうしているうちに教室に着いてしまった。

 由比ヶ浜が教室を見上げるとため息をついた。

 

 

「むぅ~、とべっち、タイミング悪すぎっしょ……」

 

 そういうと項垂れながら由比ヶ浜は教室に入ろうと前に歩きだす。

 

 

 

 

 教室の中では今日も一番に聞こえてくる戸部の声。あの件で俺の変化があった事、それはクラスの奴で朝のホームルームまで偶然出くわしても、気まずくなる必要の無い人間が1人増えた事だった。

 

 

 

 今日も今日とて煩く教室に響くお調子者の声を聞きながら、俺は自分の席に座り込む。

 

 

 

 

 




 これで間違った球技大会について終わりになります!

 初めてのSS投稿でお見苦しい所をお見せしました!材木座が言ってた、感想や評価が貰えるのは嬉しい物……、今までSSを書いてはフォルダに保存していただけの自分に今回で非常に共感出来る物となりました!


 俺がいる、超面白いですよね♪
 自分の中であの作品は発売日に本屋の開店前に店先で待機するぐらい大好きです!

 やはり自分は比企谷君が大好きです!
 彼、本当に魅力的な主人公です。

 勿論戸部君も超好きです!
 いつも戸部君が登場する度におっ! と反応する自分がいます(笑)

 というかあの作品は読めば読むほど好きになるキャラが多すぎる(笑)

 心情や些細な動作まで書いてくれるからですかね!


 ではここまで読んで頂けた方々、お付き合い頂きありがとうございまた!少しは暇潰しになって頂けたなら幸いです!

 また未練がましく番外とか追加するかもしれませんが、その時また見て頂けたならさらに嬉しいです!本当にありがとうございました!

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