俺ガイルSS やはり俺の球技大会は間違っている。   作:紅のとんかつ

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 やはり俺の青春ラブコメはまちがっているSSです!




 SS投稿初めてです!

 文章が変かつ拙いかもしれませんし設定に無理があるかもしれません。

 キャラもこれじゃない感があるかもですがそれでも見てやって良いという方は見てやってくれると嬉しいです!

 俺ガイルが好き過ぎてたまらないです!



序章 やり過ごすはずだった球技大会は俺を逃がさない
プロローグ お調子者は再びその扉を叩く


 

 

 

 ーーーーーーーーー

 

 

 冬の冷たい風が窓に吹き付けカタカタと音を鳴らす。

 その音と紙をめくる音だけが静かな部屋の中に響いていた。

 

 場所は奉仕部部室、部屋の中では奉仕部部長”雪ノ下雪乃”と部員の”由比ヶ浜結衣”そして同じく俺”比企谷八幡”、いつもの部活メンバー三人が難しい顔をしながら百近い枚数の紙束を読み上げている。その三人を腕を組みながらどこか緊張したように見つめている”材木座義輝”がケホケホとわざとらしい咳払いをする。その動作に奉仕部三人は鬱陶しそうに顔を上げた。

 

 

「我の新しい小説、戦国の鎮魂歌はどうであるかな? 今回はしっかりと完結させて持ってきた自信作なのであるのだが……」

 

 

 ……今日奉仕部でいつものようにまったりとすごしていた所に嵐のように現れたコイツは、前の作品を酷評されたにも関わらず、懲りずに自作小説を奉仕部に持ち込んだ。ちなみに今回の作品はタイムスリップして戦国時代に飛んだ主人公がなんだかんだで戦国時代を生き抜く、何回も煎じられて味がしないレベルの良くある話だ。渡された紙束に栞を挟み、雪ノ下は材木座に真っ直ぐ向きなおし口を開く。

 

 

「まだ最後まで見た訳ではないから総評という訳ではないけれど……」

 

 

 材木座はごくりと生唾を飲み込み次の言葉を待つ。しかし雪ノ下から放たれたのは名前の通り冷たい言葉だった。鋭い目線を材木座に送り、ため息と共に評価を口にする。

 

 

「つまらないわ。前回に引き続きルビがおかしい、何故脱ぐのか解らないヒロイン。それに歴史の勉強が足りないとしか思えない。戦う地名や年号が違うだけでなく、何故か性別が変わっている武将までいるわ」

 

 

 「そ、それは話にオリジナリティを出す為に……」

 

 

 「それにたまに使われる四字熟語やことわざ、まるで使い方を間違っている。四字熟語の意味位今なら簡単に調べられるのだから、しっかりと調べてから使いなさい」

 

 

「うぐっ……」

 

 材木座は助けを求めるように俺を見る。

 

 

「所々見たような台詞や展開が多すぎるのが気になる。このキャラとの戦いなんて何処かの奇妙な冒険まんまじゃねぇか」

 

 

「ギクッ……」

 

 バレた!?

 そんなリアクションを挟みながら仰け反ると、最後に悲しい顔で由比ヶ浜を見た。

 

 

「え、ええっと……、特徴的なタイトルだね♪」

 

「グハッ!」

 

 

 三人のそれぞれの言葉を喰らい材木座はぐったりと椅子に背を預ける。

 そんな材木座を見ながら雪ノ下はため息をつき、栞を取り続きを読み始めた。

 

 お前最後までしっかり見てやるつもりなんだな……。正直俺はもうお腹一杯なんだが。

 

 由比ヶ浜もうぇ~っというような顔をしている。だが雪ノ下が全部読むというなら俺達も読まないと駄目なのだろうな。ハァ……。

 

 

 材木座は自分の小説をブツブツ言いながら見返している。

 ……まあ前回と違ってしっかり完結した話を一本作ってきただけ前より格段に前進したと言えるだろう。内容は正直雪ノ下の言う通り面白いとはいえないが。

 

 由比ヶ浜がしぶしぶ紙束をパラパラ流し読みを再開する。

 俺も仕方なしと紙束を広げようとしたその時、部室の扉の小窓に人影が見えた。

 

 

 

 コンコンッ……。

 

 奉仕部の扉が叩かれる。

 一日に二人も来訪者が来るとは珍しい日もある物だ、そう思いながら扉を見ると、これまた珍しい人物が入ってきた。着崩した制服に派手な色のシャツ、校則的にどうなんだ? といった着こなしをした見るからにチャラい感じのクラスのお調子者、戸部翔だった。

 

 

「ども、入りま~す」

 

 

「あれ~? とべっちじゃん」

 

 

「こんちわ。いや~、今日も寒いね~。マジ凍死しちゃいそうだわ~」

 

 

 制服の上着の襟を引っ張り、肌が出る部分を少しでも減らそうとしながらさっさと扉を閉める。

 

 

「どうしたの? とべっち部活は?」

 

 

「いや今日は顧問が来れないとかで休みになったんよ。それで丁度良くってかさ~。その、実は相談があって、前みたく三人に聞いてくれたらな~って思って……」

 

 

 ……!

 これはチャンス、そう判断した俺と由比ケ浜は二人で”カッ!”と目を光らせる。

 

 

「いいよいいよ! 相談乗るよ~!」

 

 

 戸部の話に由比ヶ浜が嬉しそうに紙束を床において答える。俺も紙束を置いて戸部に頷いた。

 

 いやクラスメイトが困ってるなら話位聞いてあげないとな。マジ話聞くだけだけど。いや本当相談に乗るの大切だよな。

 

 

 

「待ちなさい」

 

 しかしそれを良しとしない我が部の部長。紙束を指で叩きながら俺達を制止する。

 

 

「戸部君。悪いのだけれど今は彼からの依頼の最中なの。先にそちらの依頼を終えてからで構わないかしら?」

 

「あ、うん大丈夫大丈夫! んじゃここで待ってて良い?」

 

「どうぞ。椅子なら教室の後ろに積み重ねてあるのをご自由に」

 

 

 そして俺たちを一瞥し、再び雪ノ下は紙束に目を戻す。

 

 

 ……この紙束をどうしても読み終えないと駄目なのね。ゆきのんマジ真面目。

 折角訪れたチャンスを逃した俺たちは陰鬱な顔で席に座り直し読書と呼ぶには辛い作業に戻った。

 

 




 一話へ。

 地の文って難しいですね……。
 原作作者様の言葉の引き出しの多さには本当に驚かされます。

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