人外になった者   作:rainバレルーk

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アキトの出番はないです。次回は出るかな?

アキト「マジかよ?!」



戦夜一夜のホテル1

 

 

一流ホテル『ニューリタナー』からの通報により、警察が駆けつけた。しかし、駆けつけホテルに突入した警察官達は屍喰鬼達に難なく喰われお仲間入りとなってしまった

 

それから『特殊部隊』やら『強行部隊』やらが突入していったが・・・

 

「「「ぎゃあぁあッ!?」」」

 

『『『VaGuGyaaa!!』』』

 

呆気なく新人屍喰鬼が増産された

ようやく自分達の手に終えない事に気づいた警察は軍に応援を要請。それから2時間後、ホテルを厳重に取り囲んだ警察部隊のテントに軍用トラックが駆けつけた

 

 

「お、おい!見ろよアレ!」

「スゲェ!」

「コイツは素敵だ!」

 

テントの近くにたむろしていた野次馬達がトラックに向かって喚声を上げる

近くにいたレポーターが野次馬達の目線のモノを伝える

 

 

『ごらんください!ホテルに立て込もっているテロリストを排除するためにIS部隊が投入されます!』

 

トラックからは黒をベースにした色調に胸元には星条旗がついた『全身装甲』の機体が『3機』出てきた。そして隊員の一人が野次馬達に手を振るとホテルへ入っていった

 

 

「「「おぉ―――!」」」

 

『関係者によるとあの機体は我が国最新鋭のISの模様です!機体名は『フラッグ』です!』

 

「「「USA!USA!!USA!!! 」」」

 

観衆は熱気に沸き上がる

そんな情景を双眼鏡で隣ビルの屋上から見る人影が一つ・・・

 

 

「あ~らら、熱狂しちゃって・・・これだからヤンキーは・・・」

 

双眼鏡を外し、その人物は溜め息を吐く。すると腰の無線をとり、通話する

 

 

「もしも~し、こちら『猫』。どうぞ?」

 

『もしもし、こちら『伊達男』。どうした?』

 

無線からは雑音混じりに渋い声が聞こえてくる

 

 

「目標の『乙女』達が到着したよ。そしてそのままパーティ開場に『玄関』から入場。どうぞ」

 

『了解。エスコート係を向かわせ、たっぷりとウェルカムシャンパーニュをぶちまける。招待客は他にいるか?どうぞ』

 

「ん~・・・あ!」

 

『猫』は何かを見つけたのか、声をあげる

 

 

『どうした猫?どうぞ』

 

「『V.I.P. 』を発見。乙女達の乗って来たベンツに乗ってるよ。あと『半機械』も確認。どうぞ」

 

『そうか・・・ククク♪ありがとう猫。『少佐』によろしくな。どうぞ』

 

「それじゃあね『伊達男』。ご武運を」

 

『あぁ。お前もな・・・『シュレーディンガー』』ブチリ

 

相手の男は猫の名前を呼ぶと無線を切った

無線を切られた猫は少し寂しそうに笑うと闇夜へと姿を融かした

 

 

「さぁ・・・『夜がはじまる』。僕達の『夜』が・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 

ホテル『ニューリタナー』内部にて・・・

 

 

カシャン・・・カシャン・・・カシャン

 

全身装甲のIS『フラッグ』を装着した隊員達はホテルの廊下を進んでいた

が「・・・おかしい」と隊員の一人が呟く

 

 

「どうしたのフラッグ2?」

 

「おかしいでしょう。我々が突入する前に警察が入ったんですよね?だったら何故、こんなにも『異変』がないんでしょう?それにこの『30』階まで何もなし・・・」

 

ホテル内部はテロリストが立て込もっているにしてはあまりにも『綺麗すぎたのだ』。それに警察が突入しているのに廊下には銃撃戦の跡も争った跡もない

 

 

「まるでゴーストホテルね・・・」

 

「フラッグ3、レーダーに反応は?」

 

「ありません」

 

そうして隊員達はホテルの奥へ奥へと進んでいく

 

 

「そう言えばフラッグ1」

 

「なにフラッグ3?」

 

「あのトラックに乗っていた少年は誰なんですか?ドイツの『強化人間』の『番』ですか?」

 

「さぁ?そうなのかどうかは知れないけど『学園の男』らしいわ」

 

「え!?マジですかフラッグ1!」

 

隊員が驚く

 

 

「いいなぁ~、私も彼氏欲しいなぁ~」

 

「そうね。こんな職業だと『ベルサ』隊長みたいになるわよね」

 

「そう言えばあの人、どうしたんですか?」

 

「なんか食堂で倒れていたようですよ」

 

「これも日頃の不健康さね・・・」

 

隊員達は駄弁りながら尚も奥へと進む

すると目の前にゴシック調の両扉が見えて来た

 

 

「フラッグ3、ここは?」

 

「パーティ開場みたいです。ここまで人っ子一人いなかったので多分ここにはいるでしょう」ガチャリ

 

フラッグ3が重々しい扉を開けた

 

 

「「「・・・え・・・!?」」」

 

3人の隊員達は目を見開き顔を青ざめながら驚愕した。そこで3人が見たのは・・・

 

 

グチャリグチャリグチャ・・・

「くっは~・・・やっとこさ、やっとこさかいかいかいかいかい?もう遅すぎだぜ?お嬢さん方?」

 

血みどろの屍の山に胡座をかき、涙を流す若い女性の頭部を蜜柑のように生皮をむき咀嚼するバーテン姿がいた

 

グチャリグチャリ・・・

 

「アは♪アハハは♪」コツコツコツ

 

バーテン服の男は積み上がった屍の山を踏んづけながらフラッグ達に笑顔で近づく

 

 

「ぜ、全体!射撃用意!」

 

「「は、はい!!」」

 

フラッグ1は2と3に命じてリニアライフルをバーテンに向ける

 

 

「およ?およよよよよ?どうして皆さんは僕ちんに銃を向けるんだいだいだいだい?」

 

バーテンは惚けた笑顔でフラッグ達に質問する

 

 

「ど、どうしたもこうしたもない!き、貴様がテロリストか?!」

 

「こ、この山はい、一体・・・!?」

 

フラッグ2.3は戸惑いを隠せずにたじろく

 

 

「え~?見てわかんないの?御覧の通りの僕ちん達の『晩御飯』だよ~?」

 

「ば、『晩御飯』!?」

 

「そうだよ。ね~?皆~?」

 

バーテン服の声に答えるようにパーティ会場の側からゾロゾロと『黒い重装備兵』が出てくる出てくる

兵士達の目は『赤く光っている』

 

 

「・・・貴様らの目的はなんだ?どうしてこんな事を?」

 

フラッグ1はバーテンに言葉をかける。するとバーテンは悪びれる様子もなくいい放つ

 

 

「は?・・・は?は?は?んなの決まってるじゃん。『殺戮』だよ♪」

 

「「ッ!?」」

 

その屈託のない言葉にフラッグ達は固まり、ISの下の顔が強張る

 

 

「そう・・・」

 

「そうだよ?それよりさぁ!お嬢さん方!またパーティには不似合いな汚い『ドレス』を来てるねぇ?こっちにおいでよ!僕ちん達が優しくエスコートしてあ・げ・る♪」

 

「・・・そんな事しなくていいわ。それよりプレゼントがあるのよ・・・受け取ってくれる?」

 

「え~?なになになになに~?」

 

フラッグ1は冷静、しかし怒りを含んだ声で叫ぶ

 

 

「鉛弾を喰らいやがれ糞野郎!」

 

「「「「「ッ!?」」」」」

 

ガガガガガガガガカガガガガガガガガッ!!!

 

フラッグ達は一斉にリニアライフルの引き金を引く。銃口から飛び出た銃弾はまっすぐに飛び、バーテン達の体を貫く!

 

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!

 

「この野郎ゥゥウ!」

 

「クタバリやがれぇえ!!」

 

「ぎゃひ!?」

「あばばば?!」

「ぐべぇッ!?」

 

バーテン達の肉や臓物、脳味噌までもが会場に飛び散り、真っ赤に染まっていた会場はもっと赤く染まりあがる

しかしその内にライフルの弾は尽き果て、カラカラと音が鳴る

 

 

「ハァ!ハァ!ハァ!」

 

「ざ、ざまみやがれ!」ガシャン!

 

弾が無くなり、使い物にならなくなったライフルをフラッグ達は残骸に成り果てたテロリスト達に投げつける

 

 

「・・・フラッグ2、本部に連絡。30階のパーティ会場にいたテロリストを已む無く射殺・・・とね」

 

「了解・・・フラッグ3、生存者は?」

 

「生体反応は・・・なし・・・」

 

「くっ・・・了解・・・!」

 

フラッグ達は苦虫を噛み潰した心境で本部に連絡しようと無線を開いた

 

 

 

・・・その時・・・!

 

 

 

「え?もう終わりなの?」

 

「「「ッ!?」」」グルリ

 

フラッグ達は声がする方向を振り向き、驚愕し、そして青ざめた

 

 

「そ、そんなバカな・・・!?」

 

「ウソでしょ?!!」

 

そこには銃撃で千切れた腕をプラモデルのようにはめるバーテン達がいた

その後ろには先程の銃撃で蜂の巣になった兵士達も平気そうに立ち上がる

 

 

「な、なんだ・・・なんだ貴様らは!?」

 

フラッグ達は恐怖する。目の前で起こっている事態に足を1歩退がる

 

 

「アハハは♪・・・僕ちん達は『レギオン』・・・『吸血鬼の大隊』、『レギオン』だよ」

 

バーテンを静かに答え、また屍の山から屍を引き釣り出し、引きちぎり喰らう

 

グチャリグチャ・・・

 

「んぐ・・・さて・・・お嬢さん方?今度はこっちがその体を味わわせてもらう番だよ。クヒ♪」チャキ

 

「ッ!迎撃体せ―――」

 

フラッグ1の指示が下る前に

 

 

「ぎゃは♪」

 

「ッ!?」

バゴォオン!

 

バーテンは『生身の拳』でISであるフラッグを殴る。殴られたフラッグは数m後ろに吹っ飛ぶ!

 

 

「ッ!?フラッグ1!!」

 

「余所見はダメだよぉ~?」

 

「「「Vaaaaaaaaaaaaaa!!」」」

「きゃあッ!?」バガァッン!

「うわぁあッ!」ゴギャアン!

 

フラッグ2.3も重装備兵に殴られ、壁に叩きつけられる

 

 

「???!」

「ど、どういう事?!」

 

叩きつけられたフラッグ達は頭が真っ白になり、疑問符をいっぱいに浮かべる

 

 

「あ、ISが・・・ISが『ただの人間』に『吹きとばされた』!?」

 

「う、ウソでしょ?!」

 

フラッグ達は戸惑う。世界最強であるISが『生身の人間』のしかもただの『グーパン』で吹き飛ばされたのだ。無理はない

殴られた箇所は大きく凹む

 

 

「今のでSEが『半分まで減る』なんて・・・」

 

「こ、こんなの聞いてない!ウソよ!ウソ!このぉお!」ダッ

 

「ま、待てフラッグ2!」

 

混乱したフラッグ2が回転刃のブレードを引き抜き、テロリスト達に突撃する

 

 

「おっと!」グイ

ズブリ

「なっ!?」

 

バーテンは近くにいた重装備兵を掴むと盾にしてフラッグ2のブレードを食い止める

 

 

「はい、捕まえた!」

 

「い、いや――バギィッ!――かはっ!?」

 

バーテンは容赦なくフラッグ2の鳩尾殴った。するとISのSEはあっという間に0になった

 

 

「か・・・かは・・・!」ドサリ

 

SEが0になった事によりISが解除されたフラッグ2はその場に倒れる

 

 

「およよ?これは中々に可愛いお嬢さんだった!」

 

バーテンはフラッグ2の髪の毛を掴み、まじまじと顔を見るとベロりと頬を舐める

 

 

「貴様ぁ・・・フラッグ2から離れろ!」

 

「もちろん。離れるよ」

 

「へ?」

 

「こうやってね!」

 

そういうとバーテンはフラッグ2を重装備兵達が集まる方に投げた。投げられたフラッグ2に重装備兵達が群がる

 

 

「・・・御上がりよ♪」

 

「や、」

 

「やめろぉぉおッ!」

 

フラッグ達の悲痛な叫びも空しく、フラッグ2はISスーツを剥かれ、重装備兵達に『喰われる』。グチャリグチャリと音をたてて・・・

 

 

「「あ、あぁ・・・!」」

 

フラッグ達は項垂れ、涙を流す。あまりの恐怖に体は震える

そして数分も経たぬまにフラッグ2は無惨な肉の残骸へと変わる

 

 

「皆~?次はあのお嬢さん達だよ~?」

 

「ひっ!?」

 

バーテンの声に重装備兵は反応し、フラッグ1、3の方を向く

 

 

「さっきのお嬢さんも可愛いかったんだ。このお嬢さん達も勿論可愛いよね?それにさっきは『喰う』だけで味気なかったよね~?」

 

「「「Vaa!」」」

 

「だ~か~ら~」

 

バーテンは口を歪みに歪ませ邪悪に笑う

 

 

「あのISを剥いで、スーツも生皮も生爪も、剥いで剥いで剥いで、汚して汚して汚して汚して、そして食べよう。きっとおいしいよ!」

 

「「「「「Vaaa」」」」」

 

重装備兵の目がフラッグ達に注がれる。涎をたらし、ナイフを取りだし、恐怖で震えるフラッグ達にジリジリと近づく

 

 

「く、来るな!来るなぁ!」

 

「本部!本部!応答願います!本部!応答を!」

 

フラッグ3は恐怖のあまり錯乱したように引き抜いたブレードを振り回す。フラッグ1は無線から何度も何度も本部に応答をかける

 

 

「本部!本部!」

 

「う・る・さ・い・よ?」バギィッ!

「グハァッ!?」

 

バーテンはフラッグ1を躊躇いなく何度も何度も何度も殴る。フラッグ2も重装備兵に囲まれ、SEが無くなるまで暴行をうける

その内にSEが底をつき、スーツ姿を曝す。それでもバーテン達は暴行を続ける

 

 

「だ・・・だずげて・・・」

 

「こ・・・この・・・」

 

彼女達の歯や鼻は折れ、涙と血で顔を汚す

 

 

「良いねぇ!良いねその顔!ゾクゾクするよ!」

 

「いや・・・いやぁ・・・!」

 

バーテンは彼女達の髪の毛を掴み、床に叩きつける。その内に気がすんだのか、髪の毛を離すと腹に蹴りをいれる

 

 

「さてさてさてさて!良い顔になったし・・・汚してやろう!皆で仲良く、喧嘩しないでお嬢さん方を汚して汚して汚してやろう!ゾクゾクするねぇ!」

 

「や・・・やめ・・・!」

 

バーテンはフラッグ1のスーツを引き裂くとその首筋に長くのばした牙を突き立てようとした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・ザシュッ・・・

 

「・・・え?」

 

しかし牙を突き立てる前に彼女を掴んでいたバーテンの腕が粘土のようにポロリと『切れた』

 

 

ザシュッ

ザシュッ

ザシュッ

 

そのままフラッグ2を囲んでいた重装備兵も首や頭を切り刻まれる

 

 

「な、なんだ?なんだ~?!」クイ

 

バーテンは動揺し、辺りを見回そうと顔をあげる

するとどうだろう。目の前に拳が迫ってくるではありませんか

 

ゴギャッ!

「ぶげらっ!?」ガシャン!

 

バーテンは吹っ飛び、会場内にあったバーカウンターに激突する

 

 

「・・・ヤレヤレ・・・急いで来たと思ったら、すでにか・・・糞ッタレめ・・・!」

 

拳の持ち主は残骸になったフラッグ2を見ながら呟く

 

 

「なんだお前!僕ちん達の楽しみを邪魔するなんて!何者だ?!!」

 

「き、君は・・・!」

 

バーテンは激昂し、自分を殴った人物に向かって叫ぶ。フラッグ1はその人物の顔を見て驚く

 

 

「自己紹介が遅れたな。俺は『アルカード』、『暁のアルカード』。今からテメェらを惨殺死体に仕立てあげる男の名前だ。糞野郎」

 

┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"・・・

 

そこにはヤギのマークの入った赤い軽装鎧を身に付け、真っ赤に染まった眼でバーテン達を睨む『暁アキト』こと『アーカード』が立っていた

 

 

 

 

 

 

←続く

 




バーテン服は黒・・・ですよね?

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