バナオドとミカクーがツボる今日この頃・・・
インサイド
「KUAぁ~・・・」
「眠いわ・・・」
俺達は時差ボケで眠い瞼をこすりながらニューヨークの空港で迎えを待っている
IS委員会のあれから帰ると屋敷のウィッチー卿とシャーロット達にオブラート包の事情を話して数日後にこの国にやって来た
『お土産よろしく』
エミリーからは土産を頼まれたり
『見敵必殺であろー』
ドンからは『許し』を得たりと様々
「本当にこの場所で間違いないの?」
「一応、あの『焔大佐』に連絡しといたんだ。そしたら『使い』を出すとか言って、この場所を指定したんだからな」
そうだ。焔の錬金術師こと『ロイ・マスタング』に大隊長の事を話したら飛びついて来た。それで英国軍の特殊班と合同作戦をする事になり、その使いを待っている
「でももう5分も待ってるだけど」
「シェルス、その時計、10分進んでるからな」
「・・・そういえばそうだった」
シェルスのお茶目にクツクツと笑っていると
「おぉ!暁殿にヴィクトリア殿!」
「おん?」「あら?」
人混みを掻き分け、体躯の良い特徴的な頭をした人物が歩いて来た
「アキト・・・アレって」
「カカ♪」ダッ
俺はその姿を見るやいなや、脚に力を込めて思いっきりその人物のもとへと走り、腕を挙げた
「「筋肉!」」ガシィッ
その人物も腕を挙げ、俺の腕と交差するようにぶつける
「久しぶりだな!『剛腕』少佐!」
「お久しぶりである暁殿!」
この人物は英国陸軍特殊班所属の少佐『アレックス・ルイ・アームストロング』。高名な英国貴族の家の出で、『剛腕』の二つ名を持つ『錬金術師』でもある
「相変わらずデカイわね少佐」
「ヴィクトリア殿もお久しぶりです」
シェルスも少佐に近づき、拳を軽くぶつける
「悪いな少佐。非番だったろうに」
「いえいえ、『ヤツら』の関連とあればこのアレックス・ルイ・アームストロング、どこにでも駆けつける所存である!」バーン
少佐はポーズをとりながら答える
「・・・ここで脱ぐなよ少佐」
「・・・もちろんである!」
「さっきの間はなに?」
因みにこの人、『筋肉』が自慢である
「まぁ、感傷に浸るのはこれぐらいにして・・・そろそろ飯食わね?」
「そ、それはやはり!」
「いや、血とかそう言うのじゃないから。なんか腹にいれたいんだよ」
「そうね。私もお腹すいちゃった」
時計の針は12時を過ぎ、俺の胃はキュルキュルと音をたてている
「それは丁度良い!集合場所となっている店のバーガーが絶品なのだ」
「そいつは良い!少佐の舌を唸らせるバーガー・・・フッ、楽しまずにはいられないな」
こうして俺達は集合場所にガラガラと旅行カバンを引きながら向かった
・・・まさか、そこに『あの野郎』が来るとは露知れず
―――――――
ここはニューヨークの繁華街・・・
「おい・・・少佐・・・?」
その一角にあるレストラン『ダイナーズ・ダイナー』の・・・
「えと・・・少佐?」
あるテーブル席にてアキトとシェルスは向かいに座るアームストロングに疑問符を投げ掛けていた
「「なんでコイツがここにいる?」!」ビシッ
「ダァーっハハハハハハ!」
隣に座るドイツ陸軍のミリタリージャケットをまといモノクルをかけ豪快に笑う金髪の男『ルドル・フォン・シュトロハイム』に指を突きつけて
こうなったのには訳がある。順をおって説明するとこうだ
意気揚々と少佐が気に入ったというレストランに案内される
↓
この店名物のバーガーを人数分を頼む
↓
その時、厳つい者共を連れたシュトロハイムがドカドカと入ってくる
↓
シュトロハイムがアキト達を見つける
↓
両者驚く・・・が何故かシュトロハイムがニンマリ笑顔で近づきアキト達の隣に座る←今ココ
「そ・れ・で!なんでココにこのシュトロハイムがいるんだよ少佐!?」ギラリ
アキトは物凄い剣幕でアームストロングに迫るとアームストロングは申し訳なさそうに答え―
「そ、それはですな・・・今回の―――」
「俺達もこの作戦に呼ばれたんだよ」シュボ
「・・・お"ん?」
――る前にシュトロハイムが煙草に火をつけながら答えた
「どういうこったよシュトロハイム?」
「なんだ貴様は連中から聞いてないのか?アァァカァアドォォオくぅん?」
ピキ
「・・・よしシュトロハイム。外に出やがれ『
「上等だ」
┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"・・・
二人の間に険悪なムードが漂い、近くの席にいた厳つい者共も立ち上がる
「!(ま、まずい!これでは!)」スチャ
アームストロングは慌てて懐の『ナックル』を取り出しはめ、止めようとしたが
「・・・ちょっと?」
「「あ"?」」
「迷惑だから静かに・・・して?」ニコリ
ゴゴゴゴゴ
シェルスが笑顔と凄味で二人を注意する
「あ、ハイ・・・」
アキトは素直に反応する
・・・がしかし
「ん~?それはどういう事かね?フロイライン?」
シュトロハイムは突っ掛かった
「店の人の迷惑になるから止めてと言ったのよ。お分かり?」
「それもそうだな・・・」
「なら―――」
「しかし、先に仕掛けたのは君の隣にいるその男だ。だから邪魔をしないでもらおうかフロイライン?」
「・・・あ"?何だって『機械野郎』?」ギラリ
この時、アキトはある『重要』な事を忘れていたのだ
「(お腹を減らしたシェルスはジャッカルよりも凶暴だった!」ボソッ
「(ど、どうするでござるか暁殿?!ヴィクトリア殿の眼が先程より『紅く』なっていますぞ!」ボソ
「(そんな目で俺を見るんじゃあねぇよ少佐!取り合えずナックルはそのままはめといて、二人が動き出した瞬間に『錬金』頼むぜ少佐!」
「(御意!」
アキトとアームストロングは何時でも対処出来るように体勢を整えた
「・・・WANABEEEEE・・・」
「・・・」メキメキ
「「・・・ゴクリ」」
皆が二人の動向を見守る中・・・
「えーと・・・『スペシャルバーガーセット』と『ホットドッグセット』の方?」
「「あ、はい」」
従業員がアキトとシェルスの注文品を持ってきた
取り合えず、この争いは一旦終息する
「んで?なんでテメェがここにいんだよシュトロハイム『大佐』?」モクモク
「食いながら話すなアーカード。そこはアームストロング、頼むぞ」
「わかったのである」
シュトロハイムは頼んだビールを飲みながらアームストロングに説明を丸投げした
「今回、我々は米軍のIS部隊を中心とした部隊であの大隊長に対処する」
「それは来る途中の飛行機の中で資料を読んだよ。なんでコイツが呼ばれてるのかを聞いてるんだが?」
「まぁ、そう急かさないでくれ暁殿」
「はーい」
「我々には共通点がある。それは『四年前』の出来事に関わっているからである」
「ほーん・・・あ、なるほど」パクッ
アキトは一人納得し、付け合わせのピクルスを口に放り込んだ
「つまりは『四年前』連中は裏方で、IS連中が表でヤツらを倒す事にする・・・って事かしら」
「その通りだヴィクトリア殿」
アームストロングの答えを聞いてシェルスはヤレヤレと呆れるように首をふる
「ッチ。IS派の連中はまだわかってねぇのか・・・あの戦役で討伐軍のISが残骸の残骸にされたのをもう忘れたのかよ」
「フン、所詮人間なぞそんなものだ。貴様ら『吸血鬼』と違ってな」
「うるせぇよ『サイボーグ』野郎」
「フン・・・」
そうして二人はコーラとビールを飲み干した
「てか、シュトロハイム?お前よくその体で空港の検問通れたよな?どんな裏技使ったんだ?」
「これか?我がIS部隊の追加武装とともに貨物機に運ばれた」
「おん?・・・ちょっと待て・・・まさかドイツはIS部隊を連れて来てるのか?」
「あぁそうだ。今回の作戦では我が部隊『シュバルツ・ヴォルフ』とIS部隊『シュバルツ・ハーゼ』が参加する。・・・ん?」
シュトロハイムは何かを思い出したようにニヤリと笑った
「そう言えば貴様はハーゼの隊長であるボーデヴィッヒと懇意にしているそうだな?なんでも貴様は『嫁』だとか」
「・・・・・・アキト?」ギロリ
シェルスはハイライトが消えた目でアキトを睨む
「ちょ、ちょっと待て。睨むな睨むな!俺はラウラとはただのクラスメイトなだけだから」
「ほぅ、ただのクラスメイトをファーストネームで呼ぶとは」
「いや、普通だからな!だからシェルス、首を絞めるな!そろそろ苦しい!」ギチチ
「む~」
アキトの首をシェルスは手加減無用で絞める
「ハハハ♪暁殿も隅に置けませんな」
「笑ってないで助けろ少佐!」
そのままシェルスはアキトの首をへし折ろうとしたのだが何か気づいたのか手を放す
「どうしたヴィクトリア孃?」
「少佐、今回参加するISは全部でいくつなの?」
「・・・」
「少佐?」
シェルスの言葉にアームストロングはグッと口をつぐんだ
「どうしたんだ少佐?そんな汗をかいて?」
「フン、言ってやれアームストロング」
「えと・・・今回参加するISは・・・全部で『5』機である」
「「・・・・・・は?」」
答えを聞いてアキトとシェルスはポカーンとしてしまった後
「「はぁぁぁぁぁっ!?」」
驚愕の叫びを店内に響かせた
はてさて、どうなる事やら・・・
←続く
ディエパンや遊アキも外せない・・・