マクロス作品の『歌』はどれも良い・・・
インサイド
昼間はノンベンダラリと皆でボードゲームをしたりして過ごし、親交を深めた。そして・・・
ワイワイ・・・ガヤガヤ・・・
外はトップリと暗くなり、辺りは人の賑わい声がひしめき、屋体からは食べ物の良い匂いが漂う・・・
「わぁ~い♪」タッタッタ
「おいエミリー!走るな!」
「フフ♪転けないでくれよエミリー?」
俺はウィッチー卿の乗る車椅子を押しながら、俺達の前を無邪気に走るエミリーに注意する
「てかウィッチー卿、浴衣の着付け出来たんだな」
「これでもウィッチー家の当主だからね。それに日本の夏祭りには浴衣でなくてはダメだと聞かされていたしね」
「・・・因みに誰からそれを?」
「え?教授からだけど?」
やっぱりアイツからか・・・
今のエミリーを見たら、あの教授は泣いて喜ぶだろうな~・・・
無垢な赤い髪に合うような白をベースにした浴衣。似合ってんな~・・・
「む・・・アキト?エミリーに見とれないでよ。君も教授のようにロリコンなのかい?」
「まさか!あの浴衣が似合ってるなって見てただけだよ」
「そう・・・なら、ボクはどう?」
「おん?」
「ボクの着ている浴衣はどう?」
見返り体勢でウィッチー卿は俺を見る
「そうだな・・・ウィッチー卿の美しい金の髪に合った白と紫をベースにした浴衣・・・良いセンスだ」
「・・・フフ♪ありがとう。お世辞でも嬉しいよ・・・アキト・・・///」プイッ
そう言ってウィッチー卿はソッポを向く。耳まで真っ赤だ
照れるなら最初から言わなきゃいいのに・・・
「・・・なにかなアレは?」
「むぅ・・・何か引っ掛かるな」
「後ろから見ていると・・・まるで夫婦のようですわ」
・・・夫婦か・・・
後ろについてくるセシリアやシャーロット、ラウラが聞こえないような声で喋るけど・・・聞こえてんだよ。流石は吸血鬼ear・・・良く聞こえる!
「アキト・・・?」
そうしてるといつの間にか隣に簪がいた。ウィッチー卿から借りて着付けた淡い水色の浴衣を着ている
「どうした簪?」
「シェルスさんは・・・どうしたの?」
「あぁ、シェルスは―――」
シェルスは俺達と一緒に屋敷を出たが、『ある事』の為に別行動をしてる。その『ある事』を『カタギ』である簪達に言う訳にはいかないんで、なんとか誤魔化した
「アキト~食べる~?」
エミリーがリンゴ飴を片手に走って来る。って
「お前、コレ食いさしじゃあないか」
「もういらな~い!アキト食べて~」
「オイオイオイ・・・勿体ないだろエミリーさん・・・ヤレヤレだぜ・・・」
俺は仕方なくエミリーの噛じりさしのリンゴ飴を受けとり、噛じる。美味いなコレ♪
「ちょ、アキトさん!?///」
「おん?なんだよセシリア?」
「そ、それ・・・!///」ワナワナ
セシリアが何故か震えながら俺の持つリンゴ飴を指差す。なんだよ食いたいのか?
「あ、アキト!そ、それは間接キスになるんじゃないかな!?///」
「おん?」
まぁ、確かに間接キスになんのか・・・んでも
「俺は気にしないし」
「「気にして(ください)ッ!///」」
「フフ♪言われてるねアキト?」
笑ってないでエミリーを押さえてくれよウィッチー卿?アイツ、はしゃいで何処に行くかわからんから
と、んな事をしてると・・・
「アキト?」
「おん?何だよラウラ?」
何だかラウラがモノ欲しそうにリンゴ飴を見る
「・・・いるか?」
「良いのか?!なら・・・」カプリ
目を輝かせながらラウラは俺が差し出したリンゴ飴を噛じる。そして・・・
「美味い!美味いなアキト!」ニコー
ニンマリ笑顔を浮かべる・・・教授がいたら鼻血モノだな
「さ、流石はラウラッ!」
「私達に出来ない事を平然とやってのけますわ!」
「えと・・・そこに痺れる憧れ・・・る?」
・・・なんでそんな流暢な事言ってんだ?あと、簪、最後に『?』をつけるな。ウィッチー卿、口元押さえるな。笑うなら笑ってくれ
そんなこんなで皆で祭りを楽しんでいた・・・
・・・んだが・・・
「あれ?アキトじゃないか?『鈴』?」
「え?・・・ホントだ。アキトじゃない!それにセシリア達も!」
「あら!?『一夏』さんに鈴さんじゃあありませんの」
・・・なんで『コイツ』らがココにいるんだよ!?
「・・・どうしてココに?」
「え?俺や箒の家、この近くなんだよ。それで―――」
オイ・・・オイオイオイオイオイオイオイオイオイ、マジかよ!よりによってコイツの家が近くかよ?!
「それよりなんでアキト達がココにいるんだ?」
「いえ、実はですね――「ボクが彼女達を正体したのさ」――ってウィッチーさん?」
セシリアの説明にウィッチーが口を挟んだ
「アンタは?」
「ボクはヴァイオレット・ウィッチー。一応、アキトやシャルロットの後見人さ」
ちょっ!?ウィッチー卿?!
「そうなのか。俺は織斑一夏だ」
「へぇ・・・君が世界で最初の・・・」
ウィッチー卿は目を細め、織斑を見ると手慣れたようにニコリと作り笑いをして手を出し、握手をした。そして横目で隣にいた黄色の浴衣の鈴を見た
「それでそちらは織斑くんの彼女さんかな?」
「え、は、あ、私!?///」
鈴よ、動揺するな。バレバレだぞ
「え?違うよ、鈴はただの幼馴染みだ」
「・・・む・・・」
織斑ァ・・・お前はバカか・・・
鈴はイッキに不機嫌になるのが手に取るようにわかるぞ
それとウィッチー卿、また笑いを堪えてんのかよ
・・・貴女も好きね
「それより一夏さん?箒さんが居ませんけど・・・どうかされましたの?」
そう言えばあの人間見ないな・・・
「箒なら『神楽』をする為に準備してるぞ?」
「かぐら・・・なんですか?それは?」
「『神楽』・・・昔からある固有の『舞』みたいなモノだ」
「ダンス・・・かな?」
「そんな感じだな」
それをあの人間がしてるとは・・・曲がりなりにも・・・か
「それオモシロそう!アキト!見に行こう!」
「ハイハイ、わかったから袖を引っ張るな」
はしゃぐエミリーを押さえながら、俺達は神楽が行われる舞台に行った。舞台の周りは多くの人間が集まっていた。そして、神楽がはじまった
―――シャン・・・シャン・・・♪―――
「おぉ~!」
「これが日本文化か!」
「綺麗~・・・」
巫女服を纏った少女が神楽を舞う姿に外国人組は感嘆の声をあげた
確かに神楽は美しく、素晴らしいモノだった
・・・でも・・・
「・・・アキト?」
「・・・いや、なんでもないよ簪・・・」
何故か、この現状に俺は違和感を感じてしまうのだ。例えるのなら、水に浮かぶ油のように・・・
たまに俺はこの感覚をおぼえる。それは俺が『普通』とは違う『化物』だからだろうか?それとも・・・
そんな憤りと寂しさにも似た感情を持ちながら、俺達を最後まで観覧した
――――――――――――――――――――――――――
ノーサイド
アキト達が祭りを楽しんでいる・・・その裏で・・・
「しゃ~しゃしゃしゃ♪もうすぐ『表』の祭りが終るであろ~」
「終わったらすぐに『裏』の祭りが開催されますね!」
「そうであろー!今回はウィッチーがスポンサーについておるから『賞品』が楽しみであろ~」
ある『山羊』と『袋』がクツクツと笑っていた
「ちょっとお二人とも?笑ってないで準備して」
そんな笑う二人に赤い髪の女性が注意をする
「そうであったそうであった!今回は1位を取るであろ~!『ヴァレンティーノファミリー』ファイトォ!」
「ドオォォンンンッ―――!」
こんな騒がしい中、『裏』の祭りが着々と準備されていた・・・
←続く
心理的描写は難しい・・・
でも謎的な感じが出た・・・かな?
次回は色々登場!