BGMは『ジョジョ』と『コードギアス』が良い・・・
インサイド
夏休みに入ってもう2週間ちょいが経った
ウィッチー家に養子に入ったシャーロットも周囲と慣れ、数日前に日本に帰って来たエミリーやシェルスとも仲が良好だ。今ではウィッチー卿やオクロック、ガントレット共々姉妹のようになってしまっていて、男一人の俺は肩身が狭い
それに俺達と因縁があったクライムエッジ改め『灰村 切』や髪の女王こと『武者小路 祝』ちゃんとも早くに打ち解けてちょっと悔しい・・・今日この頃・・・
今日もクソ暑い外に出ずにダラリとクーラーがキンキンに冷えた部屋でアイスキャンディーをカジりながら学園から出された大量の『宿題』という名のフリークスを討ち取っていた・・・んだが・・・
「・・・なんで『お前等』がこの場所を知っている?」
「え~と・・・」
何故かウィッチー邸の門の前に立っている『金髪』、『銀髪』、『水色髪』に俺は疑問を投げかけていた
「ここは学園側にも知らせてない場所なんだが?」
「そ、それは・・・」
門に寄りかかりながらアイスキャンディーをかじる俺に白のハットにワンピースの金髪こと『セシリア』がモジモジと口を渋る
「シャルロットに教えてもらったのだ」
「ちょっ、ラウラさん!?」
あ~・・・やっぱりか・・・そういや、休みに入る前に携帯の連絡ツール交換してたしな~・・・てか
「俺、今日遊びに来るとか聞いてないんだが?」
「それは・・・サプライズってやつ・・・をしようと思って・・・でも」
「でも?」
「シャルロットが迎え出てくれる・・・予定だったんだけど・・・」
予定外に俺が出迎えちまって事か・・・
道理でシャーロットが昨日からソワソワしてた訳だ。でも残念、等の本人は夏バテと言う名のフリークスに呑まれてグロッキー状態。リビングのソファーでウィッチー卿やエミリーに看病されている
「しかし、困ったな・・・」
「何がですの?もしかして何かご用事がありましたか?」
「いやな――「どうしたのアキト?お客さん?」」
「あ、貴女は!?」「貴様は!?」
「・・・『シェルス』さん・・・」
たむろっていると後ろから甚平姿のシェルスが声をかけてきた・・・てか、それ俺の甚平!
「あら、簪にセシリアにラウラちゃんじゃない。どうしてここに?」
「何故、私だけ『ちゃん』付けなのだ?」
「なんかシャーロットがサプライズで呼んだらしい。あと、シェルス・・・それ俺の甚平だよな?」
「いいじゃない。『俺のモノは俺のモノ、お前のモノは俺のモノ』って格言が日本にはあるでしょ?」
「お前は何処のガキ大将だよ!?」
このマイペースドラキュリーナめ・・・まぁ、似合ってるから許すけども
「な、ななな!//」
「おん?どしたよセシリア?」
たわいもない話をしてるとセシリアが赤い顔をしながら携帯のバイブレーションみたいに震えた
「ふ、//」
「「ふ?」」
「フレンチですわ!//」
「「フレンチ?」」
「・・・ハレンチじゃないの?」
あぁ、ハレンチか・・・って!
「なんでだよ!?」ガビーン
「まぁ、それよりこんな暑い中で話しないで中に入らない?アイスキャンディーがあるわよ」
「おぉ!」
ラウラは目を輝かせた。なんか改めて見るとラウラってエミリーと似てるよな~。無垢って言うか、子供ッポイと言うか・・・
ま、そんな訳で3人を屋敷に招き入れた・・・ウィッチー卿に説明しないとな
―――――――――
(屋敷内にて・・・)
「おや?君達は?」
「お客~?」
クーラーのきいた部屋ではソファーに横たわるシャーロットに団扇で扇ぐウィッチー卿とエミリーがいた
「うぅ・・・う?アレ?皆?」
どうやらグロッキーシャーロットも此方に気づいたようだ
「大丈夫か?!シャルロット、何があった!?」
「いや、ちょっと・・・夏バテでね?」
食欲ないって言って素麺ばっか食ってるからだ。肉を食え肉を
ラウラが「夏バテとはなんだ?」みたいな疑問符を浮かべてんぞ
「アキト?それよりこの娘達は誰だい?」
おおっと、そうだったそうだった
「こっちは学園の愉快な仲間達だ」
「なんですか、そのおざなりな紹介は!」
俺の言葉にセシリアが噛みつく
「もうちょっとちゃんと紹介してくださいまし!」
「悪かったよセシリア、そう怒んな。こちらは右からイギリスの―――」
「国家代表候補生のセシリア・オルコットですわ!IS学園ではアキトさんにとても『良く』してもらいましたわ!」
―――って、お前がするのかよ!?
あと、なんか所々イントネーションが強いのは何でだ?
ま、気を取り直して・・・
「それでこっちが―――」
「ドイツ国家代表候補生のラウラ・ボーデヴィッヒだ。それとアキトは私の『嫁』だ!」
オイ・・・オイオイオイオイオイオイオイ!
ラウラちゃん?君は余計な事を言わないの!シェルスの眼光が鋭くなってるから!
ウィッチー卿?朗らかな顔して『凄味』を出さない!
エミリー!ニヤニヤするなぁ!
「ラウラ、俺はお前の『嫁』さんじゃあないからな」
「む、そんな事を言うな。私とお前の中じゃあないか」
だから、この子は・・・人の話を―――
「なら、ラウラはアキトの『眷属』なの?」
「な!?ば、バカッ!?」サッ
「ふがっ」
「ん?『眷属』ってなんですの?」
俺は慌ててエミリーの口を押さえる
俺の『正体』をシャーロットやセシリア、ラウラは知らない。平穏の為にも知られたくはない
その気を感じてくれたのか・・・
「ま、そんな事は置いといて・・・続けましょ」
シェルスが助け船を出してくれた。なんとかウヤムヤになり、引き続き紹介を続ける
「私は更識簪です・・・よろしく・・・」
「ん~?」
「え・・・なに?」
簪が自己紹介をすると何故かエミリーが近づきジロジロと顔を見た。暫く観察すると
「ウィッチー、この子『インテグション』に似てる」
なんて言い出した
「確かにそうだね。同じ眼鏡属性だからかな?」
「いんてぐしょん?」
確かに言われてみれば『あの子』に似てるよな簪って。容姿的にも色々と
「???」
簪は頭に沢山の疑問符が浮かべてるよ。この後、ウィッチー卿とエミリーの紹介をした
「んで、シャーロット?体は大丈夫か?」
「何か食べれるモノある?」
「うん・・・大分よくなったよ」
「そうですわ!」ピコーン
どうしたセシリア、頭の上に電球が光ってんぞ
「アキトさん、食材はありませんか?」
「食材?」
「(なんだろう、嫌な予感しかしない)」
「もうすぐお昼ですし、私がお昼を作りますわ!突然来たお詫びも兼ねて」
「「ッ!」」ビクゥッ
なんかシャーロットとラウラが怯えるようにビクついたぞ?
「それは良いわね。セシリアの料理は美味しいってアキトから聞いていたし」
「そうなのかい?それは楽しみだね」
そうだな。セシリアのサンドイッチとかクッキーとか美味かったしな
「ちょっ、ちょっと待ってセシリア!今日はこの暑い中に歩いて来たんだよね?だったら無理しなくて良いからね!」
「そ、そうだぞセシリア!」
なんかシャーロットやラウラが必死なのはなんでだ?
「でも今日は料理担当のエーヴェルやヘレンは仕事でいないよ?」
「あ・・・」
そうなんだよな、今日はオクロックやガントレットも『外の仕事』でいないんだ
「今日は俺とシェルスが作るつもりだったけど、セシリアが作ってくれるなら任せようかな」
「はい!お任せあれ!」
「「あ~~~・・・!」」ガクン
「大丈夫かい?シャーロット?」
さっきからシャーロットとラウラの動きが激しいな
「なら・・・私はセシリアさんの手伝いをする」
「えみりーもする~!」
「お!お手伝いとは偉いなエミリー」ナデナデ
「えへへ~♪もっと撫でてアキト!」
「む・・・」
「おん?なんだよ簪?あ、そうか・・・」ナデナデ
「ん・・・///」
なんか簪が不機嫌な顔したけど撫でてやったら機嫌が直った
「むぅ!私も手伝うぞ!」
「そうか。頑張れよラウラ」
「な・・・撫でてくれないのか?」ショボン
「おん?・・・あぁ、はいはい」ナデナデ
「ん・・・悪くない///」
なんかこうして撫でてると子供を持ったようだな
「アキト!」「アキトさん!」
「おん?なんだよウィッチー卿にセシリア?」
「ボクも撫でて!」「私も撫でてください!」
「なんでだよ・・・」
「フフ♪」
「ハハハ・・・(良いなぁ~・・・)」
笑うなシェルスにシャーロット
そんなこんなで料理に移っていく。俺とシェルス、ウィッチー卿にシャーロットは待ってる事にした
――――――――――――――――――――――――――
ノーサイド
キッチンには金、銀、水色、赤の四人が集まっていた
「さて、何を作りましょうか?」
「はーい!」
セシリアの言葉にエミリーが元気良く、手を挙げる
「はい、エミリーさん」
「えみりー、パスタが食べたい!このところソーメンばっかりだったから」
「そうですわね。それなら夏バテのシャルロットさんも食べる事ができましょう」
「それで何味にするの?」
「そうですわね・・・」
セシリアは考える
「ミートソースはどうだ?」
「パスタ麺にカペッリーニがあるよ」
「和風・・・」
「スープパスタ!」
「シーフード!」
「烏賊墨!」
「カルボナーラ」
「バジルソース!」
考え込んでる間に次々と案が出る・・・その結果・・・
「じゃあ全部入れましょう!そうすれば掛け算方式でもっと美味しくなりますわ!」
「「「お~!」」」
盛り上がるキッチン
はてさて・・・どうなる事やら・・・?
数十分後・・・
四人の手で作られたパスタが出来上がり、テーブルの上に並べられた
「こ・・・これは?」
シャルロットは恐る恐るセシリアに聞く
「皆で作ったオリジナルパスタですわ!」
テーブルの上にあるパスタは百々目色をしており、異様な湯気が出ていた
シャルロットは少しヨロッと傾き、隣にいたラウラに詰め寄った
「(ラウラ~?!」ボソリ
「(すまん・・・セシリアを止める事が出来なかった」
「(そ、そんな~・・・」
シャルロットはその事を聞いて血の気が引いた
「どうかしましたかシャルロットさん?」
「う、ううん!なんでもないよ!それよりセシリア?」
「ん?なんですの?」
「このパスタ・・・味見した?」
ゴクリとシャルロットは固唾を飲んだ。その質問にセシリアは・・・
「そう言えばしていませんでしたわ」
「!」ガーン!
ケロッとそう答えるセシリアにシャルロットは気を失いそうになり、ラウラは申し訳なさそうにうつむいた
「えみりー、お腹ペコペコ!早く食べよ~!」
「そうだね。それじゃあ、いただきまーす」
そんな事とは露知らず、ウィッチー達はフォークにパスタを巻き、口に運んだ
「あ!?」
シャルロットは小さく悲鳴をあげた。ラウラは諦めるように目を細めた
「「「美味しい!」」」「美味い!」
「「・・・へ・・・?」」
予想だにしない答えに二人はスットンキョウな声をあげた
「このドロッとした感じが良いわね」
「それに酸味があって、また口に運びたくなる」
「おいし~♪」
「やっぱり美味いな♪」
「そうでしょうそうでしょう!皆さんに喜んでもらえて嬉しいですわ!」
「そんなバカなッ!?」とシャルロットやラウラは声に出せない叫びを心中であげた。そして、それを確める為にその百々目色パスタを食べた
「「お、美味しい・・・!!!」」
そのパスタの異常な美味しさに二人は目を見開き、顔を合わせた
「ど、どうして・・・?」
「な、何故だ・・・?」
今、目の前で起こっている状況に納得できない二人は料理を手伝っていた一人のある人物を見た!
その人物は二人の視線に気づくと・・・
「・・・」ブイッ
Vサインを二人に出した
「「か、『簪』・・・!」」
あのセシリアの独壇場の料理でたった一人、簪だけは気づかれないようにフォローしていたのだ!
二人はそんな簪に感謝をしながら百々目色のパスタを食べた
「そう言えばアキト?」
「なんだよ簪?」
「今日は何かあるの?門の前で何か言おうとしてたけど・・・」
アキトは簪の言葉に思い出したように答えた
「おん?あぁ、今日は近くで『夏祭り』があるんだよ。それに参加するのに家をあけるんだが・・・良かったら皆で行くか?良いよな?ウィッチー卿?」
「あぁ。シェルスも良いかい?」
「もちろんよ。大人数の方が楽しいわよ」
こうして、結構な人数分で夏祭りに行く事と相成った
←続く
オリジナルが強くなる今日この頃・・・
次回、あのキャラが登場!
ヒント・「あろー」