今回は『彼』からはじまります
俺はこの『彼』に尊敬を抱いている
???サイド
今日は『ウィッチー』に屋敷に招かれ、一年ぶりに海外から帰って来た『エミリー』の歓迎会?をしている。そんなエミリーと他の招待者が『僕』の『彼女』と戯れている
夏の陽射しが彼女を照らし、涼風が彼女の艶やかな黒髪を撫で浮かせる。その黒髪が白のワンピースにあって尚の事良い
「あ!」ブンブン
見ている僕に気づいたのか、朗らかな笑顔で僕に手を振ってくれる。僕もそれに答えるように手を振る
「次にお前は『幸せだな~』と思う」
・・・幸せだな~・・・ハッ!?
「って『アキト』さん!?」
「ニヤニヤしてんじゃねぇよ『クライムエッジ』」
いつの間にか隣にはシタリ顔の『吸血鬼アーカード』こと『暁アキト』さんがいた!
「い、何時の間に・・・?!」
「お前がエミリーと戯れる『女王陛下』を見ながらニヤニヤしてる辺りで」
「全部じゃないですか!?」
「まぁ、そう言うなよクライムエッジ?お前らが青春してる事は十二分にわかったからな♪」ナデナデ
アキトさんはニヤニヤとしながら僕の頭を撫でる
この野郎~・・・何時もながらに腹立つ・・・!
「それよりアキトさん、その呼び方止めて下さい」
「おん?呼び方ってのは何だよ?え?『クライムエッジ』さん?」ニヤニヤ
こ、この人、わかって言ってやがる・・・
「僕は・・・『僕達』はあの『呪い』に打ち勝ったんだ。その名前で呼ばれるのは・・・『気に入らない』」
「・・・カカッ♪」
ニヤリとまた口角を引き上げ、嫌な笑顔を浮かべる
この人、『暁アキト』は『吸血鬼』だ
今でも信じられないけど、『一年前』の『戦い』で彼の『おぞましさ』や『恐ろしさ』、そして『覚悟』を嫌がおうでも知らされた
「そう怖い顔をするなよ?『昔の顔』に戻ってるぜ?クライムエッジ」
「む・・・だから止めろって!」
「カカカッ♪悪い悪い。お詫びに何か飲み物持って来てやんよ。何がいい?」
「え・・・なら、サイダーを」
「OK OK !彼女の分もいるよな?『祝専用変態KIRIkun』!」
「なっ!?///」
そう言うとアキトさんはサイダーを貰いに行った
あの人はホントに・・・
「どうしたの『切』?」
僕が落ち込んでいると彼女に負けない位の美しい赤髪を持った美少女が声をかけてきた
「あ、シェルスさん・・・」
「ショボくれた顔して・・・らしくないわよ」
「いや、ちょっと・・・アキトさんに・・・」
「あ~・・・」
シェルスさんはこめかみに中指をあてて困った顔をしたかと思ったら―――
「フフ♪」
朗らかに笑った。その笑いに僕は驚き、身を少し引いた
「フフ♪ごめんなさいね切。やっぱり貴方、アキトに好かれてるわね」
「・・・は?」
何言ってんだこの人?
「流石はアキトと『戦った』だけの事はあるわね」
「いやいやいや!どこがですか!」
会えば何時もおちょくるような事して・・・
「彼、好意を持ってる人にはイジワルしたい人だから」
何だよソレ・・・好きな娘をいじめる小学生男子かよ!?
そんな悪態を心中でついていると、突然シェルスさんは僕に顔を近づけた!
「な、なんですかッ!?///」
シェルスさんは僕の首辺りの臭いを嗅いだ
アレ?僕、臭いかな?
「スンスン・・・ふ~ん・・・」
一頻り臭いを嗅ぐとシェルスさんは・・・
「切も好きな子にはイジワルしたい派ね?」
「・・・へ???」
「クフフ♪それじゃあね『殺人貴』さん?」
・・・と言ってそのまま行ってしまった
ホント、何なんだ・・・『吸血鬼』ってのはあんな人達ばっかりなのか?
そんなふうに考えていると・・・
「切くん!!」
前から僕を呼ぶ声が聞こえて来た
「む~・・・」
前を向くとそこには小柄な体で仁王立ちをし、フグみたいに頬を膨らませた愛しい彼女・・・『祝ちゃん』がいた
「どうしたの祝ちゃん?」
「む~・・・切くん?さっきシェルスさんと何してたの?」
「え?それは・・・(あッ!)」
まさか、さっきのを祝ちゃんに見られてた?!それで祝ちゃんは・・・
「『嫉妬』してくれてる?」
「なッ!?そ、そんなんじゃないもん!別に切くんがシェルスさんと話をしていて、それに対してモヤモヤなんかしてないもん!///」
「真っ赤な顔で弁明しても説得力ないよ?祝ちゃん?」
「ッ!?き、切くんのバカッ!変態!スケコマシ!///」
・・・あ~・・・
僕はそれから何も言わず彼女を抱き締めた
祝ちゃんはビックリして少し暴れたけど、すぐに大人しくなった
「大丈夫だよ祝ちゃん・・・僕は君の全部が好きだから///」
「っ!・・・切くん・・・❤///」
あぁ!僕の彼女はこんなに可愛い!
しかし、この時・・・僕はあるミスをしていた。それは祝ちゃんと抱き合ってる場所が『パーティ会場の中央』だったことを・・・
それに気づいた時には既に時遅し・・・
「へ~、お兄ちゃんやるぅ~♪」
「あらあら♪」
「ヤレヤレ、まったくあの二人は・・・」
「「わぁ・・・///」」
「灰村くん!羨ましいぞ!」
皆から注目され、顔から火が出そうな程顔が赤くなるのが自分でもわかった
その時、何故か僕は後ろを見た。不穏な気を感じたからだ
その僕の後ろには・・・
「カカカッ、カカッ♪」
サイダーが入ったグラス二つを持って、僕を見る吸血鬼が楽しそうに笑っていた
←続く
なんかキャラが崩壊してる・・・
何故、こうなった・・・?
ご愛敬という事で悪しからず・・・