ノーサイド
ザー
ザー
ザー
ここはイタリア、ヴェネチア郊外のとある邸・・・外は雨が降りしきる
ガチャ
「あぁ寒ぃ・・・温っかい飲みもんが欲しいぜ」
「まったくよ・・・クシュッン!」
「お帰りなさい二人とも・・・朝御飯は外でとったので?」
「とってねぇよ・・・」
「・・・」ブスゥ
フランスの蝉退治から帰ってきたアキトとシェルスの二人はどこか不機嫌だった
「おや?お帰りアキトにシェルス」
「ただいまウィッチー卿・・・朝飯はまだ残ってるか?」
「え?朝御飯はフランスでとったんじゃあ?」
「とってないんだなそれが・・・」
「あのクソ軍め・・・」
「おやおや?どうしたんだい?二人とも?」
説明しよう!二人は大蝉を退治したあとに後からきたIS部隊に目標に間違えられて攻撃をうけた・・・
アキトはこれにブチ切れて暴れまくり、その一帯を更地に変えた・・・もちろん朝御飯どころではなくなり、急いでこの邸に戻ってきたという訳だ・・・
「・・・」ブスゥ
「ゴメンなシェルス?俺があんな事で切れなかったら」
「もういいのよアキト?悪いのはあのIS部隊なんだから」
「シェルス・・・ありがとう!」ダキッ
「うわっ!?ちょっと!アキト!///」
アキトはシェルスを抱きしめながらくるくると回った
「・・・ボクの目の前でイチャつかないでよ」ムスゥ
「い、イチャついてなんか!?///」
「まぁいいさ・・・朝御飯ならまだ途中だから」
「そうか!なら行こうぜ!シェルス!」タタタタタタタ
「ちょっ、ちょっと!おろしなさいよぉ~!!///」
アキトはシェルスを抱えて広間の方へと走っていった
「・・・ボクもアキトと仲良くしたいなぁ・・・」
「お嬢様・・・」
「ん、朝の仕事を終えたらボク達も行こうか」
そんな魔女の声がどこか寂しく残った・・・
広間・・・
「WRYYYYYYYYYyyyyyyy!!!!!! 」ドゴォォン
「ぐべらぁっ!?」グシャァ
アキトは広間の扉をブチ壊して入ってきた・・・
「おぉアキト、お帰りであろー」
「おぉ!ドン!食事中に失礼!俺達の飯をくれ!」
「まったく・・・慌てないで来なさい!アキト!お行儀が悪いですよ!」
「ゴメンゴメン、ロレさん」
「あとアキト、早くそこから退いてあげなさい・・・潰れてますから」
「あ?潰れてるって・・・うぉっ!?」
「ぐぁぁ・・・」
アキトが蹴破った扉の下には、ピンク色の髪をしたスーツ姿の男が下敷きになっていた
「ボスぅぅぅ!!!!!!」トトトトト
扉の近くにいた少年がピンク色に駆け寄る
「カハハハ♪ 悪い悪い「ディアボロ」」
「謝る気があるのなら、さっさと退けろ・・・」
「ハイ、ハイ、」スタッスタスタ グイ
アキトはそこから退いてディアボロを起こした
「まったく・・・お前は何時も何時も・・・俺に何か恨みでもあるのか?」
「ハッキリ言って毎度毎度、娘自慢をするのがウザイ」
「なんだとっ!?我が宝、娘「トリッシュ」の自慢をして何がウザイのだ?!こんなにも可愛いのに!!!!!!」ペラ
ディアボロは懐から写真を出しながら答えた
「・・・ディアボロ、取敢えず血をよこせ」グサァ
「理不尽っ!?ぁぁぁぁぁ・・・」ゴキュンゴキュン バタリ
アキトは話が面倒臭くなったため、ディアボロの首に指を突き刺し血を飲んだ・・・ディアボロは青ざめて倒れた・・・
「ボスぅぅぅ!!」ユサユサ
「案外に旨いんだよなぁ、ディアボロの血は・・・心配するな「ドッピオ」?大丈夫だから」
「ほ、本当?」グス
「あぁ、本当さ♪飯を食べようぜ?ドッピオ?」
「う、うん(ボスが無事なら良いけど)」
「・・・」
「ん?さっきから黙ってどうしたんだい?シェルス?」
「いつまでも私を抱えたままで話をするな!!」ゴスッ
「ゲボラァ!?」ビッターン
アキトに抱えられたままだったシェルスはアキトの頬に右ストレートをぶちかました!
彼は一回転をして、床にキスをする
スタスタスタスタスタ
「皆、扉が外れてるけど・・・ってどうしたのコレ?」
朝の仕事を終えたウィッチーには何がなんだかわからなかった
「朝から騒がしいであろー」
「何時もの事ですよ、ドン」
ドンとロレンツォは冷静であった
あれから少しして、今は皆で食事中・・・
「そういえばさぁ、ディアボロ?」ハグハグ
「なんだ?アキト?」
「なんでディアボロがここに居るんだ?一応「パッショーネ」のボスなんだろ?」
「一応てなんだ、一応て・・・俺はヴァレンティーノに呼ばれてここに来たんだ」
「ドンに?」
「そうであろー、今日は皆に大事なお知らせを伝えるためにディアボロを呼んだのであろー」シャクシャク
「お知らせ?まさかここを離れるなんて・・・ってあれ?」
「なんでわかったであろー!?ウィッチー?!」
ドンは自分が言おうとした事を言い当てられて驚いた
「マジかよドン!?ついに引退するのか?!」ガタタ
「落ち着きなさいアキト、ドンが私達に相談もなく引退するわけないでしょう」
「それもそうか」ガタタ
「でもドン、ここを離れるってどういう事?」
「それはだな・・・我がヴァレンティーノファミリーの拠点を「日本」に移そうと思ったからであろー!そのためにパッショーネにイタリアを任せるためにディアボロを呼んだのであろー」
「「なんだって(なんですって)ーーー!?」」ガタタ
アキトとシェルスは驚きのあまりに立ち上がった
「二人とも食事中に立ち上がるなんてお行儀が悪いですよ」
「しかし驚いたねぇ、ドンが拠点を移すなんて・・・因みにボク達ゴシップも日本に拠点を移すから」
「「えぇぇぇぇ!?」」
「どうして日本に拠点を移すんだよ?!」
「決まっておろー、金の匂いがするからであろー」
「決まってるよ、「髪の女王」に変化があったみたいだからね」
ドンとウィッチーは事情を話した
「あ~・・・なら仕方ないか・・・ところでそれに俺達も付いていっていい?」
「もちろんであろー、最初からそのつもりであろー」
「良かった~、これで収入源は確保できた訳だ」
「そういえばアキト?」
「おん?どうしたよディアボロ?」
「お前に頼まれていた件なんだが」
「何か手がかりが掴めたみたいだな?」
「あぁ、お前が探していた「錬金術士」と「ホムンクルス」達は日本で活動を始めたらしい」
「結局は生まれ故郷に戻ってきたか・・・よし!なら準備をしますか、バクバク ゴックン・・・ご馳走さま」
ガタタ スタスタスタスタスタ ガチャ
アキトは勢いよく食事を済ませると、自分の部屋に戻っていった
「私も準備をしないとね、ご馳走さま」ガタタ
スタスタスタスタスタ ガチャ
シェルスも後を追うように広間から出ていった
「ではワシらは今後の事について話をしようかのぉ」
こうしてと朝の出来事は過ぎてゆく・・・
←続く
この世界には色々なキャラが性格が変わったり、設定が変わったりして出て来ます