諸君、私は『ほのぼの』が書きたい・・・
『あっちこっち』のようで、『野崎くん』のような『日常』を私は書きたい・・・!
あと、BXのラスボスの声優さんが・・・
アキト「余計な事を言わんでいい」
嵐の前の日常・・・1
シャルロットサイド
チュンチュン・・・
あの臨海学校の一件から夏休みに入って、もう3日が経つ。僕は朝日に照らされたテラス席で朝ごはんを食べている
・・・いるんだけど・・・
「どうしたのシャルロット?もしかして食欲がないのかい?」
「い、いえ!そんな事ありません!お、美味しいです!」
「そうかい。ならよかった・・・でも」
「・・・『でも』?」
「敬語はやめてもらいたいな。義理とはいえこれでもボクは君の『お姉さん』なんだからね?」
ニコリ・・・と正面に座る僕より長い金髪をもち、ゴシックの服を着た女性『ヴァイオレット・ウィッチー』さんが上品に笑う
「は、はい・・・『ウィッチー』さん」
「ノンノン。『ヴァイオレット』、それか『お姉ちゃん』・・・ね?」
「は、はい・・・お、お姉ちゃん」
「フフフ♪よく出来ました」
ウィッ・・・じゃなくて、『お姉ちゃん』はどこか妖艶な雰囲気を漂わせて笑った。僕は不覚にもドキッとしてしまった
「シャルロットさま、紅茶のおかわりは?」
「シャルロット!たくさん食えよ!」
「カカッ♪大変だなシャーロット」
僕のまわりではお姉ちゃんに仕える『エーヴェル』さんがカップに紅茶を注ぎ、同じく使用人の『ヘレン』さんがお皿にサラダをどんどん盛り付ける
そんな状況をハムを食べながら笑う『アキト』
「ハハ、ハハハ♪」
僕は少し口角がひきつりながらもその場を楽しんだ
どうしてこうなったのか・・・それは『終業式』の日まで遡る・・・
その日は1学期終了を伝える終業式が行われていた。終業式が終わると僕を含めた外国人組がガヤガヤと騒がしい教室で『夏休み』の予定について話をした
「皆は夏休みどうするの?」
「私は本国に帰って『ティアーズ』の戦闘データと学生生活を政府に報告しますの」
「私も軍に『レーゲン』のデータを提出しなくてはな。それに部下達にも挨拶をせねばな」
「そっか~・・・」
セシリアやラウラ、2組の鈴も夏休みの最初は本国の報告が主な仕事のようだ
「シャルロットはどうするのだ?」
「え?そうだね・・・僕は・・・」
ラウラの言葉を聞いて僕は口を濁した。なぜなら・・・
「ちょっと!ラウラさん!」
「?・・・あっ!す、すまないシャルロット!」
「いいんだよラウラ・・・」
僕は『ある事件』の影響でフランス国籍から『自由国籍』に移っている。これは面倒な報告をしなくいいんだけど、それは同時に・・・
「僕には『帰る国』がない・・・かぁ」
「シャルロットさん・・・」
別に僕は生まれ故郷を嫌いじゃない、むしろ好きだ。フランスにはお母さんと過ごした思いである。でも僕は『生きる為』にこの選択をした
「それでシャルロットは夏休みの間はどうするのだ?」
「そうだな~・・・学園に留まるつもりだよ」
「そうですか・・・」
それにしても本当にどうしようかな~?IS学園の夏休みはジュニアスクールよりも長いし・・・簪にオススメのアニメでも聞いてみようかな?
・・・そんな風に思っていたその時
「おやおやおやおやおや?どしたのお三方?織斑先公の有り難迷惑なお話も終わったのに、帰らないの?」
・・・と怪訝な顔をした不思議でおかしくて、僕に覚悟を与えてくれた人物『暁アキト』が立っていた
「アキトさん・・・」
「おん?どしたよセシリア?」
「・・・いえ、なんでもありませんわ(アキトさんが何気に織斑先生をdisってましたわ)」
「そう言えばアキトはどうするのだ?」
「何をだよ?」
「いや、夏休みはなにか予定があるのか?」
「「!」」
そうだよ!アキトは夏休みどうするんだろう?何か予定でもあるのかな?
そんな好奇心を持ちながら、返答を待っていると急にアキトが思い出したような顔をして、手を叩いた
「そうだよ、忘れてたよ。シャーロット、行くぞ」
「え?・・・どこにかな?」
「どこって・・・お前の『家』だよ」
「・・・え?」
僕はその時、ヘンテコな顔をしていたと思う。そんな僕に対してアキトも変な顔をした
「アキトさん?それはどういう事なんですの?シャルロットさんは『自由国籍』のはずでは?」
「おん?なんでシャーロットが自由国籍なんだよ?」
「「「・・・はい?」」」
「シャーロットは『イタリア国籍』に移ったろうが」
ん?何を言ってるのホントに!?
「ちょ、ちょっと待ってよアキト!僕はあの『事件』で自由国籍になったんだよね?!」
「なったよ」
「だ、だったらなんで僕は『イタリア国籍』になるのさ!?」
「・・・オイオイオイオイオイオイオイオイオイ」
アキトは頭に手をおいて溜め息を吐いた
「この間、シャーロット、お前が『ウィッチー家』の養子に入るって話をウィッチー卿を交えて話をしたろうが!忘れたのかよ?!」
「うぃっちー?・・・あれ?」
その時、僕は二月前の出来事を思い出した。アキトが運転するバイクにゆられ、古い屋敷に案内されて・・・
「あ・・・!」
「思い出したか?フロイライン?」
「つまりはどういう事なんですの!?」
「つまりはシャーロットには『帰る場所』がちゃんとあるって事だよ。understand?」
「いぇ、Yes・・・」
「ご理解頂けてありがとよ。そんじゃあ―――」
そうしているとアキトは呆ける僕の手を握ると椅子から立ち上がらせて、歩きだした
隣にいたセシリアやラウラが目をまん丸にして僕達を見ていた
「えッ!?ちょ、ちょっとアキト!?///」
「なんだよ?」
「『なんだよ』じゃなくて!どうして僕の手を引いているのかな!?///」
「忘れてたんだよ」
「へ?」
「今日、お前をあの『魔女』のところに連れていかないと」
「は?『魔女』?」
「取り合えずは『新しい我が家』に『里帰り』ってヤツだ。存分に楽しもうぜ?」
「??~?」
こうして僕はトントン拍子でバイクに乗せられ、ウィッチー家の屋敷へと運ばれた
僕は催眠術や超スピードなんかじゃない、もっと恐ろしい『ナニか』の片鱗を味わった
←続く
ヴァレンティーノファミリー・アジトにて
ドン「あろ?シェルスよ、その荷物はなんであろ~?」
シェルス「あらドン、私言ってなかったかしら?これからウィッチー家に泊まりにいくんだけど」
ドン「そうであったか。そう言えば、ウィッチーには・・・」
ロレンツォ「『新しい家族』が入ったみたいですね。アキトも護衛という形でいるでしょう」
シェルス「そうなのよ。アキト、失礼のないようにやってるかしら?」
ドン「ホントはアキトが目移りしてないか心配なんじゃなかろ~?」ニヨニヨ
シェルス「なッ!?///」
ロレンツォ「変なところで貴女は素直じゃないんですから」ニヨニヨ
シェルス「~~~!///行って来ます!///」バタン!
ドン「しゃ~しゃしゃしゃ!ロレンツォ、赤飯の用意じゃ!」ニヨニヨ
ロレンツォ「仰せのままに」ニヨニヨ