今回はアレな表現を書こうとして、迷走して、墜落寸前で着陸しました。何故、こうなった・・・!
インサイド
俺達はマネキン・・・じゃなくて、コーラサワー准将の高速ボートに揺られ、二人仲良く船酔いをくらいながら旅館へとついた俺は報告の為にあの暴力教師のもとに行こうと思ったが・・・
「アキト?」
「おん?」
「疲れたから久々に温泉入らない?・・・一緒に///」
「良いな~・・・でも俺、報告に行かない―――」
ギュッ
「・・・ダメ?///」
「――と思ったが、予定変更。温泉入ろう」
「えぇ、そうしましょ♪」
シェルスの艶やかな『罠』?にまんまとハマり、温泉に行くことと相成った
帰って来たのが夜中という事もあり、旅館の名物になっている露天風呂に入った。案の定、露天風呂には誰もおらず、俺とシェルスの貸切状態になっていた
温泉の温かさが体を包み込み、疲弊していた体が回復していったのが直にわかる
「Ja~♪」
隣で気分の良くなったシェルスが独語で歌を歌い始めた。なので、俺もシェルスから教えてもらったドイツ民謡を一緒に歌った
すると・・・
カラリ・・・と温泉と脱衣室を隔てる扉があいた
他の客が来たかと思って温泉から出ようと思ったが、『吸血鬼の能力』かな?足音とか心臓の音から俺の知ってる人物だと判断した
その人物は俺の歌う民謡に驚いたのか、入ったばかりの温泉から出ようとしたので・・・呼び止めた。それで呼び止めたのは良いけど・・・
「どうしてそんな驚愕の顔をしてるんだ?『簪』?」
温泉に入ったばかりだというのに瞼を赤くした簪が俺を見ていた
「どうしたの簪?こっちに来て話でもしない?」
「は・・・はい!」チャプン
シェルスの言葉に簪は戸惑いながら近づいて来た・・・っておい!?
「待て待て待て待て待て、簪!」
「え・・・なに?」
いやいやいやいやいや、そんなキョトンした顔するなよ!
「今の状況を考えろよ!状況を!」
「?・・・あッ!///」
漸く気づきやがったな。そうだよ!俺達『裸』なんだよ!今のところ、湯けむりで見えない・・・事もない!流石は『吸血鬼eye』!バッチリ見える!YAHA!
「ジャネェエッ!」バキリ
「ッ!?」
「な、何してるのアキト?」
取り合えず、自分の顔を殴り事なきを得た?
「いや、何でもない・・・」
「そう・・・」
「それより二人とも・・・!」
「「おん?」」
改めて簪を見えないように見ると、何故だか怒っていた
「大丈夫・・・だったの?」
「何がだよ?」
「福音と戦って・・・その・・・大丈夫だったの?」
「え・・・あぁ、まあな」
拘束されたり、朧が暴れたり、取引したり、色々ありすぎたけどな・・・
「そ・・・そう・・・良かった・・・グスッ」
「え・・・?」
「か、簪?!」
そう言うと簪は何故か、泣き出してしまった
「ご、ゴメン・・・ね?なんだか安心しちゃって・・・ゴメンなさい・・・グスッ」
「あ、あぁ・・・」
俺は泣く簪に何もしてやれなかった。ただ黙って見る事しか出来なかった
「ヤレヤレ・・・しょうがないわね・・・簪?」チャプン
「え・・・?!///」
俺がボーゼンとしているとシェルスが簪の肩を掴むと、そのまま抱きしめた
「大丈夫よ簪・・・不安だったでしょう?辛かったでしょう?よく頑張ったわね。えらいえらい」
「ッ!うぅ・・・あぁ・・・」
そのままシェルスは簪の頭を優しく撫でると簪は本格的に啜り泣きをはじめてしまった。何が何だかわからず、再びボーゼンとする俺にシェルスがアイコンタクトを送ってきた
『私共々、抱き締めて』チラ
『いや、訳がわからんぞ?』パチクリ
『はやく!!』ギロリ
その眼の意思にやられ、俺は取り合えず訳も分からず二人を抱きしめた
「あ・・・」
抱きしめてみると、簪は僅かに震えていた。それと同時に『不安』や『怖れ』の感情が肌を通してなだれ込んできた
「簪・・・お前・・・」
「う、うぅ・・・」
忘れていた・・・
いくら簪が、良い『覚悟』を持っていても・・・簪は俺達とは違う『普通』の人間なんだ。そうだよな・・・友人が傷ついたらそら怖いし、怒るよな・・・
「簪・・・すまない」
「え」
「不安にさせて悪かった・・・すまなかった」
「そんな・・・謝る・・・必要なんて・・・」
「いや、あるよ・・・すまなかったな簪」
「・・・」
「簪?」
「・・・な、なら」
簪は少し押し黙ると、たどたどしく口を開いた
「『ただいま』って・・・言って・・・」
「・・・おん?じゃ、じゃあ・・・『ただいま』」
「『おかえり』」
「ただいま」
「おかえり」
「ただいま」
「おかえり・・・」
「ただいま」
「・・・おかえり」ギュッ
このやり取りを数回繰り返した後、俺の腕を精一杯握り・・・
「・・・スゥ・・・スゥ」
眠ってしまった。例えるなら巨木を枕にして眠るウサギのように
「って・・・どうするんだよコレ」
「どうやら大分疲れが溜まってたみたいね。安心して眠っちゃった」
「オイオイオイ、ここで眠るな簪!風邪ひくぞ!」
「良いじゃない寝かせてあげなさいよ」
「いや、着替えとか色々大変じゃん」
「アキトがやってあげたら?」
何をさも当たり前のように・・・てかそれ無理だぞ。何故なら
「結構、いや、かなり『限界』だ」ギラリ
俺の我慢ならない『欲求』が『牙』を伸ばしていた
「あら?それは危険ね・・・ならどう?」
「・・・シェルスさん?なぜ、「どう?」と言いながら『首』を傾げる?誘惑してんの?」
「そうだけど?」
なッ!?この吸血姫は・・・!
「本当は部屋でしてもらうのが良いけど・・・で?『吸う』?///」
「・・・ヤレヤレだぜ・・・」
俺は自分がどんなにクズ野郎だと言う事を卑下しながら、彼女の白い柔肌に牙を突き刺した
「あ、アァ・・・ぅン、ャン///」
「ゴクリ・・・ゴクリ・・・」チュウ
シェルスの喘ぎ声で簪が起きないかと焦りながらも吸血を終わらせ、温泉からあがった
もちろん、シェルスに簪の着替えを任せて・・・
――――――――――――――――――――――――――
ノーサイド
温泉から出た二人は簪を元いた場所であろう部屋へと連れていった
部屋には誰もおらず、取り合えず二人は布団をしいて簪を寝かせた。その帰り道、アキトはふと窓の外を見た
「おん?」
「どうしたの?」
「いや、アレ」
「どれどれ?」
窓から見える砂浜では、ISを纏った鈴から全速力で逃げる水着姿の一夏と箒が見えた
「フフ♪なにアレ?」
「元気だなぁ~・・・」
「なに年寄り臭い事言ってるの。まだまだ若いんだから確りしてよ・・・旦那さま?」
「『旦那さま』て・・・言ってて恥ずかしくないか?」
「・・・恥ずかしい///」プイッ
シェルスが顔を背けると、アキトは耳まで裂けるように口角をつり上げた
「へぇ・・・」グイ
「きゃ!?ちょ、アキト?!///」
「ハム・・・」
「はぅッ!?///」
アキトはそのままシェルスを抱きしめ、耳をかじった
「耳へのキスは『誘惑』・・・どうだいシェルス?」
「・・・ブリュンヒルデのところには行かなくて良いの?///」
「もう夜中だ。こんな時に訪れるなんて失礼だろう?それに・・・」
「それに?///」
アキトは小さくそれでいて甘く艶やかな声でシェルスの耳に囁いた
「昨日、散々『貪られた』んだ・・・今度は俺が『貪る』番だ。異論も拒否も受け付けない。真の髄まで『喰い尽くしてやる』・・・!」
「・・・優しく・・・して?///」
「カカッ♪『断る』」ダキリ
彼は彼女を抱き上げて部屋へと戻り、アキトはシェルスを。シェルスはアキトを。『殺し合う』ように、『愛し合う』ように、『獣』のように、二人の『吸血鬼』は互いに互いを『貪った』・・・
←続く
中々に難しいな・・・
夏休み篇どうしましょうかね?